九月場所、稀勢の里は引き続き優勝と横綱を
目指す。以前「初優勝だけの横綱昇進、その
結末」を書いた。これはもちろん稀勢の里を
取りまく現状から綴ったものである。お忘れ
の方は下記をクリックして、ご覧いただきた
い。
<稀勢の里>
今回は30歳以降の横綱出身力士の優勝回数が
テーマである。これも稀勢の里がすでに30歳
を超えたことによるものである。まず、誰が
どのくらい優勝したかを見ていただきたい。
対象は15日制が定着した千代の山以降31人の
横綱である。白鵬・日馬富士・鶴竜の現役横
綱は平成28年七月場所現在の数字である。
千代の富士19
若乃花8
栃錦 6
隆の里4(大関時代の2回を含む)
武蔵丸4
白鵬 4
鏡里 3
琴桜 3(大関時代の2回を含む)
旭富士3(大関時代の2回を含む)
北の富士2
輪島 2
三重ノ海2
曙 2
日馬富士2
千代の山1
朝潮 1
大鵬 1
北の湖1
鶴竜 1
ここに名前が出てこない力士は、30歳以降の
優勝がない横綱である。なかには30前に引退
したり、横綱として優勝そのものがなかったり
した力士がいる。
鏡里・栃錦・初代若乃花は29歳で横綱に昇進
し、栃錦・若乃花は30歳以降、けっこう優勝
している。これは彼らが年3場所制、4場所
制のなかで相撲を取ってきたことが大きい。
消耗度が年6場所制力士と明らかに異なる。
例外は35歳まで取った千代の富士である。
30歳以降19回の優勝は、今後破られない
のでは。
<千代の富士>
横綱出身者で、30歳以降の優勝の平均は
わずか2.2回である。稀勢の里が横綱に昇進
して、どれほどの優勝回数を目指せるのだ
ろうか。入門時の師匠隆の里は4回だった。
これは大関時代の2回を含んでいる。こんな
とき、元隆の里が生きていれば、稀勢の里に
どんなアドバイスを与えていただろうか、と
想像してしまう。
<入門時の師匠元隆の里>
横綱の引退年齢は、平均31歳である。稀勢の
里はあと1年になるが、これも師匠であった
隆の里の33歳までがんばりたいところである。
横綱を務めることは、大変なことである。稀
勢の里は「30にして立つ」の気構えで土俵に
あがっていただきたい。
本場所への準備で忙しい。
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よしなに
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