denkouriki– Author –
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朝青龍あの日あのとき
スピードと集中力、それが朝青龍の相撲だった。今、朝青龍のような相撲は見られない。朝青龍が事実上の強制引退がなければ、白鵬の連勝に、優勝回数に影響を与えていたことは容易に想像できる。朝青龍の引退相撲は2010年10月3日であった。この引退相撲で... -
かつて宮城野部屋にあったいびつな形
横綱白鵬が所属する部屋は?横綱白鵬の師匠は?こうきかれたら宮城野部屋、元竹葉山の宮城野と答えるだろう。白鵬を新弟子のころから面倒をみ、育ててきたのはまぎれもなく元竹葉山の宮城野だった。ところがそうでないいびつな形の時期があった。事の経緯... -
大相撲冬の時代の10大ニュース 2010年2
引き続き2010年の10大ニュースをみていこう。5位 貴乃花親方一門枠外から立候補して予想外の理事当選二所一門は理事を3人当選できるだけの票がある。現職の放駒(元魁傑)、二所ノ関(元金剛)に加え鳴戸(元隆の里)が立候補する予定になっていた。そこ... -
大相撲冬の時代の10大ニュース 2010年1
毎年12月、恒例なのが今年の10大ニュースである。相撲通、相撲愛好家の方に1位から10位までを選んでいただき、総合点で順位を決めるスタイルである。野球賭博にゆれた大相撲冬の時代はどんなニュースがかけめぐったのか振り返ってみた。2010年はネタに困... -
照ノ富士横綱の条件
七月場所の新大関照ノ富士は11勝4敗の成績に終わった。並みの大関ならよくやったと言えるが、横綱を目指す大関としては物足りない成績だった。横綱2人と対戦して2敗はいただけない。これでは横綱に手も足もでなかったことになる。次に大関の実力がない... -
消えた大関候補
七月場所悲観的な材料が露呈した15日間であった。それは期待に反して逸ノ城が4勝11敗と惨敗したことである。これは単に一個人の敗退ではすまない要因をはらんでいる。大関候補がついに消滅してしまったのである。明日のホープが壊滅的状態なのである。<... -
十両昇進までの幕下所要場所数
五月場所の千秋楽、熱心でかわいらしい栃ノ心ファンに今度幕下時代の写真を進呈するということを約束した。今まで栃ノ心のざんばら髪時代、新十両、幕内時代は渡してきていた。調べてみると栃ノ心は幕下を6場所で通過して十両に昇進するというスピード出... -
仕切り線の攻防
あるアナウンサーが相撲担当になって最初に覚えたことは決まり手であった。なるほどこれが言えなくてはアナウンサーは務まらない。筆者が決まり手を見て不思議に思ったのは反り技である。こんな技を仕掛ける意味があるのだろうか。こんな技本当に決まるの... -
チケット発売1週間後の異変
今日で九月場所のチケットが発売されて1週間がたった。土日祝日3日間はすでに売り切れ。残すもは平日のみとなった。一月場所のチケットはかなり早くなくなった。五月場所はそれより1週間から10日くらい遅く、最終的には一月場所以上の売れ行きだった。... -
変則歴次横綱
谷風小野川阿武松不知火(諾)秀ノ山鬼面山稲妻不知火(光)境川雲竜陣幕西ノ海小錦大砲常陸山梅ヶ谷梅ヶ谷大木戸西ノ海西ノ海玉錦太刀山大錦(卯)若島宮城山大錦(大)鳳栃木山常ノ花双葉山武蔵山羽黒山男女ノ川前田山玉の海東富士照国千代の山吉葉山安... -
相撲のバイブル
相撲はドラマだ。土俵は人生の縮図。そんなシーンを数々見せてくれた。その最大のものが九重(元横綱千代の山)部屋の出羽海からの破門独立直後の北の富士・松前山の幕内・十両のアベック優勝だった。こうしたシーンは筆者を大相撲から離れないものとした... -
宇良 名古屋8番勝負
序二段東10枚目に躍進した宇良はここでも7戦全勝と好成績を続けた。相撲は相変わらず極端に低く、対戦相手の攻めにくさが伝わる。それでも対戦相手が出て行くと、押し返し、相手が押されまいと出るところをいなしたりして勝利する。2日目北の峰戦 ... -
館内で見える土俵の光景
大相撲九月場所は祝日で5連休があるためことが手伝って、国技館で観戦する方が増加している傾向がある。友人たちはサイトを駆使して比較的早い時刻にチケットをゲットできたと連絡があった。大相撲の観戦は生とテレビの2通りある。テレビのほうが横にな... -
過熱すぎるチケット発売日
大相撲の過熱はいつも通りの対応では遅れをとるという杞憂からさらにいっそうの過熱を呼び、チケットの売れ行きは加速した。すでに千秋楽、14日目、7日目、8日目、初日は完売である。祝日にあたる9日目、10日目、11日目のマス席はキャンセルが出ない限... -
素敵な相撲仲間
七月場所千秋楽で会った知り合いは関東から来られた方である。よく大観衆の中から筆者を見つけられたなと感心してしまう。知人はもともと大阪を拠点として各地の本場所を観戦していた。関東に移ってきたのは2年前くらいである。それとともに一つ思い出し... -
貴乃花がいたころの日本人力士の優勝
七月場所で栃煌山が両横綱を倒し、1敗で並んだときひょっとしたら残りの対戦相手から優勝の可能性が考えられた。だが翌日から連敗して一瞬で日本人出身の優勝の可能性はもろくも消えた。<貴乃花> 日本人出身の優勝は2006年一月場所の栃東まで遡... -
大相撲ファンの天敵
大相撲ファンの天敵といわれあなたは何をイメージするだろうか。初代若乃花が入門したときは大相撲は戦後のどん底期でこれからどうなるのだろうかという状況であった。それに比べて神宮球場の六大学野球は観客があふれていた。「あちらは学生さんの野球、... -
タマリ席に異変あり
満員御礼15日間の七月場所が終わったと思ったら、大相撲ファンの心は早くも九月場所のチケットへと動く。チケットの内容は前回の五月場所となんら変わらない。東西の特別限定2人マスBと特別限定2人マスCがともに4人マスに戻るのではという見方があっ... -
お知らせ
七月場所初日から9日目まで画像がはいりました。ご覧いただければ幸いです。 記事をお読みいただきありがとうございますよければこちらをクリックいただけると幸いです。”土俵の目撃者”↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓相撲 ブログランキングへ に... -
七月場所幻の一番
七月場所5日目はいつもの相撲中継ではなかった。台風が来ているため総合放送は15時20分始まりであった。それだけではなかった。16時、17時のニュースは10分くらい放送し、その間の取組はVTRとなった。ところが、17時では安美錦-徳心龍の取り直しの一... -
引退旭天鵬 力士人生最高の喜びの時
1992年の入門以来23年半にわたる力士生活にピリオドをうった旭天鵬。本人が最高と語るのは2012年五月場所の初優勝のときである。この場所第一人者の白鵬は不調。初日安美錦に敗れ、6日目から8日目まで3連敗している。14日目を終えて大関稀勢の里・前頭... -
七月場所総評
★優勝争いについて栃煌山が両横綱を倒した段階で3つ巴になるかなと思ったが、連敗してあっさり脱落してしまった。照ノ富士が両横綱に連敗したのもいただけなかった。結局は1敗白鵬と2敗鶴竜の争いとなったが、白鵬がリードしているカタチでは結果は見え... -
■名古屋千秋楽 最後まで熱かった名古屋
当日売りの自由席1番乗りは前日の23時半だと聞く。自由席を求める方の中には下の力士のご両親がいた。以上の情報は13日目隣になった方から伺った。当人も自由席を求めて並んだという。千秋楽は音楽隊が入るためけっこうな数の自由席及び椅子席Bが使用で... -
■名古屋14日目 白鵬優勝40回超えは近い
白鵬は先場所負けた稀勢の里につけいるスキを与えず一方的かつ速攻で寄り切った。完勝である。同じテツは踏まなかった。白鵬は攻め急ぐあまり、上体が伸び切るのが負けにつながった。しかし、今場所は万全の体勢で勝利した。白鵬は豪栄道・稀勢の里戦を危... -
■名古屋13日目 注目の3番を分析
13日目は各段の優勝がほぼ決まる。序二段の宇良の対戦相手は三段目の6戦全勝の大元。体はでかい。宇良は大丈夫かな、不安のなか立ち上がった。相撲はまったく危なげなく、低く見合ったなかから一気の出足で土俵の外へ突き飛ばした。宇良は千秋楽同期の大... -
■名古屋12日目 優勝のカギ握る稀勢の里
好調栃煌山は隠岐の海にまさかの3敗目。優勝争いから大きく後退した。鶴竜対照ノ富士戦は鶴竜がうまさでまず十分の体勢をつくった。次に一呼吸することなく、苦しくても攻め続けたことが勝因である。照ノ富士は腰はいいものをもっているが、相手十分自分... -
■名古屋11日目 決戦を斬る
1敗栃煌山対大関豪栄道栃煌山は明らかに堅くなっていた。まだ優勝を意識するのは早すぎる。豪栄道の速い首投げが決まってしまった。この首投げは先場所白鵬にも決めている。首投げは本来捨て身の技だが、相手が出る勢いがあるだけにタイミングがあえば決... -
■名古屋10日目 栃煌山両横綱から勝利
波乱あり!栃煌山が前日の鶴竜に引き続き、白鵬を倒した。瞬時のこととはいえ、思いがけない相撲展開になった。観客も唖然とするなか興奮で座布団が乱れ飛ぶ。「■8日目 場所のゆくえ」で栃煌山には横綱・大関戦を勝ち抜く力がない。とハナから優勝候補か... -
■名古屋9日目 無用の番外戦
棋士と棋士が対局するとき袋から盤上に出された駒を王将、金将と順序だてて互いに並べていく。手当たり次第つかんだ駒を盤面に置いていくようなことはけしてしない。それがプロの美意識である。この日白鵬が寄り切ったあと土俵を割った逸ノ城のほほを最後... -
横綱ワースト10 5
★7位はお兄ちゃん若乃花、続く奇行の男女ノ川、遅咲き琴桜、強いが横綱実績が乏しい朝潮若貴ブームで大相撲人気を築いた一方の雄が3代目若乃花である。横綱以前は12勝以上13度、5度の優勝を達成も横綱昇進後は様変わりする成績だった。優勝なし、在位わ... -
横綱ワースト10 4
★3位は勝率5割台の栃ノ海、続く横綱優勝0回の吉葉山、安芸ノ海、態度、振る舞いが問題の双羽黒3位候候補として安芸ノ海、吉葉山、栃ノ海があげられる。この中では勝率5割台の栃ノ海を3位とする。おがむような寄り、切れ味鋭い出し投げ、小兵の技能力... -
横綱ワースト10 3
★勝率7割の三重ノ海、皆勤14場所のガチンコ大乃国はランク外順序は逆になるが、候補から外れる横綱に触れる。まず全勝を含む2場所連続優勝、勝率7割台の三重ノ海をはずしたい。難点は短命だが、他の横綱より抜きにでている。双羽黒は勝率、出場率の数字... -
横綱ワースト10 2
基準は基本的に横綱時代のものとした。対象は玉錦以降の横綱とする。まず、候補者を時代順にあげてみた。武蔵山男女ノ川安芸ノ海前田山吉葉山朝潮栃ノ海琴桜三重ノ海双羽黒大乃国3代目若乃花この12人があげられる。参考までに名大関清水川の大関成績は勝... -
横綱ワースト10 1
NHKが「天道は人を殺さず~異端の横綱 逆転人生」という番組で前田山を取り上げたことがあった。内容は今、大相撲が国際化しているが、外国人をスカウトし、育てた先達をつけた人物として、また人間前田山にスポットをあてた番組である。その中で気に... -
◆お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするため七月場所の10日目から千秋楽は場所後に掲載いたします。暫くお待ち願います。その間「横綱ワースト10」をお届けします。興味深くお読みい... -
■名古屋8日目 場所のゆくえ
七月場所は全勝白鵬・鶴竜、1敗照ノ富士で折り返すことになった。栃煌山ほか幕内中位以下に好成績者はいるが、横綱・大関戦を勝ち抜くだけの地力はまだないのでここでは触れない。白鵬は初日、2日目は大苦戦をしたが、ここへきてかなり修正してきた。あ... -
■名古屋7日目 自信すなわち油断につながる
この日は珍しく大関同士の対戦があった。豪栄道対琴奨菊戦ではない。新進気鋭の大関照ノ富士と大関昇進以来苦闘が続く豪栄道戦である。最近はせいぜい8日目で例えば今年の一月場所8日目に稀勢の里対豪栄道戦が、昨年十一月場所に琴奨菊対稀勢の里戦が実... -
■名古屋6日目 稀勢の里優勝の条件
稀勢の里が逸ノ城の奇襲に動じることなく、腰に密着して寄り切った。今場所は久々にここまで1敗で追走している。2敗ではいくらなんでも優勝は遠すぎる。だからといって序盤1敗だからといって優勝の可能性が出てくるとは限らない。ここ1年の成績をみて... -
■名古屋5日目 成長著しい照ノ富士
照ノ富士はいっそう恐ろしい男となって名古屋にのり込んで来た。恐ろしさの正体は急速な成長と安定性の増加である。5日間で最も内容のある相撲を取っている。この日は2014年の関脇以下最強の栃煌山が対戦相手である。栃煌山は当然双差しを狙う。しかし、... -
■名古屋4日目 出だし好調鶴竜の危ない相手
2場所連続休場した鶴竜が好調な出足である。この日地力をつけている栃ノ心に対して途中2本入って万全の寄りで勝負をつけた。4日間危なげなしは予想を超える相撲内容である。休場明けは場所を離れていたため勝負どころをつかむまで不安がつきまとうもの... -
■名古屋3日目 未完すぎる大器逸ノ城
現在関脇以下で最強なのが逸ノ城である。この1年間(2014年七月場所から2015年五月場所まで)といっても5場所だが、44勝31敗○13で照ノ富士の56勝34敗○12を超えている。しかもこの5場所、逸ノ城は常に横綱・大関と対戦してきているのである。5場所中負... -
■名古屋2日目 最強が崩れるとき
白鵬対高安戦は熱戦と言うより白鵬が上手を引けず、大苦戦に陥った。相撲はほとんど秒単位で勝負がつくが、こと白鵬に関してはこれがまるであてはまらない。分単位の戦いが続いている。原因は白鵬が十分になれず、忍ぶ戦い方をしているからである。<高安... -
■名古屋初日 安定性欠いた横綱・大関陣
猛暑の七月場所が始まった。だが横綱・大関陣はそろいもそろって安定性に欠けるスタートとなった。碧山ー照ノ富士 新大関のため注目度が高くなるのは当然であった。それも若くて横綱を望め、先場所の優勝者となれば期待が大きくなる。照ノ富士の動きは堅... -
七月場所の見どころ
★新大関照ノ富士は何勝するか新大関大鵬・北の湖10勝、千代の富士・貴乃花11勝と大横綱の大関1場所目は平凡な成績に終わっている。例外はなかったか。白鵬は14勝1敗で優勝決定戦で雅山を寄り切って堂々の初優勝を飾っている。さて照ノ富士はどういう成績... -
関脇以下の幕内上位で活躍する力士は誰か
関脇以下の幕内力士で活躍する力士は誰か。一口に幕内といっても実は2つある。1つは横綱・大関と対戦する上位であり、もう1つは対戦がない中位以下である。もちろん中位以下でも勝ちこんでくれば横綱・大関と対戦する。昨年(2014年)の九月場所の逸ノ... -
白鵬の敵は白鵬自身にあり
7連覇を目指していた白鵬は五月場所思わぬ敗戦で4敗をきっし、優勝を逃した。初日の逸ノ城戦はもろくも負けた。豪栄道・稀勢の里戦は攻め急ぎだった。十分な体勢をつくる前にチャンスとばかり出ていったのが敗因だった。日馬富士戦は攻め込んだあげく相... -
七月場所の3大関はどこまでやるか
2014年の七月場所、琴奨菊は白鵬と並んで2敗で千秋楽を迎えた。豪栄道は12勝をあげて大関昇進が決定した。あれから1年様相は一変した。両大関は大関としての存在感を示せないでいる。琴奨菊はカド番を3場所に1回迎えている。豪栄道は勝ち越しすれすれ... -
七月場所の思い出 異例の初日スタート
また暑い季節のなか、七月場所が近づいてくる。七月場所といえば忘れられないときがある。もう5年も前になる2010年のことである。この年五月場所中に野球賭博事件が発覚した。力士、親方がプロ野球の勝負を賭けた結果、資金が暴力団に流れていた事件であ... -
出羽海の系統17
大阪からきた三保ヶ関部屋は師匠元滝ノ海の急死により増位山(父)は一時出羽海に身を寄せた。彼は引退後三保ヶ関部屋を復興し、苦難の中から大横綱北の湖、大関北天佑、大関増位山(子)等を育てた。息子増位山がいたので三保ヶ関部屋の後継は決まってい... -
新大関照ノ富士への期待
七月場所最大の注目は新大関に昇進した照ノ富士の活躍にある。しかし、思い起こせば昨年(2014年)の七月場所は豪栄道が大関に昇進したが、優勝争いはおろか10勝すらあげていない。照ノ富士は期待が大きいだけに10勝では物足りないが、実際はどうなるかあ... -
横綱の初優勝・優勝間隔記録
五月場所の照ノ富士は栄光に包まれていたが、その裏で自己ワースト記録を更新している横綱がいた。日馬富士と鶴竜である。日馬富士は2013年の十一月場所以来9場所と1年半優勝がない。鶴竜は横綱に昇進して以来7場所優勝がない。ただないだけなく、優勝... -
出羽海の系統16
出羽海から破門された九重は高砂一門に入った。高砂(元前田山)は九重を迎え入れた理由の趣旨をこう語った。昔、出羽海は高砂から分かれたんだ、と。筆者はこれを聞いたとき、そうだったのかと納得していた。しかし、これまで出羽海の系統で述べてきた通... -
不可解な番付2
前回不可解な番付1を書いたが、補足しましたので最後の箇所をもう1度お読みいただければ幸いです。さて大乃国から魁皇までの大関昇進時の番付の大関の順位をみていこう。昇進ケースによって3つに分類してある。A 9勝以下の先輩大関より上位に位置し... -
不可解な番付1
6月29日、七月場所の番付が発表された。本来なら新番付に関しては6月29日に触れるのだが、ある点が気になって調べてみるため時間を要してしまったのである。気になった点とは新大関照ノ富士の位置である。照ノ富士は大関4番手なのである。先場所12勝3... -
出羽海の系統15
1967(昭和42)年一月場所後の31日午後4時出羽海部屋の3階大広間は重苦しい雰囲気が支配していた。正面中央に机を前にした出羽海(元出羽ノ花)。その右には秀の山(元笠置山)、左には分家の春日野(元栃錦)、さらに左サイドに不知火(元八方山)、藤... -
出羽海の系統14
元出羽ノ花の出羽海と元横綱千代の山の九重は17歳の年の開きがあった。次の出羽海は自分という思いが九重にはあった。だが、それはある事件によって打ち砕かれた。その事件とは元出羽ノ花が出羽海になった1960(昭和35)年12月から約2年4ヶ月後の1963(... -
四股名あれこれ クイズ解答・解説編3
6.発音が似た四股名です。( )に2つのかなを入れて四股名を完成なさい。A.と( )錦 と( )錦B.( )か見山 ( )か見山C.( )う司 ( )う司答A.と(ち)錦-栃錦 と(き)錦-時錦B.(た)か見山-高見山 (わ)... -
四股名あれこれ クイズ解答・解説編2
4.次の四股名に共通しているのは何でしょうか。A.国岩松ヶ崎瓊ノ浦小林山出羽海の系統をご愛読の方にはピンときます。答 最終四股名が両国4人はいずれも出羽海部屋だが、彼らより以前、江戸末期から明治に伊勢ノ海部屋、明治後半に伊勢ヶ濱部屋の力... -
四股名あれこれ クイズ解答・解説編1
1.次の( )の中に共通の文字が入ります。さて何がはいるでしょうか。A、琴( )玉( )栃( )答 錦 琴錦(2人いる)、玉錦、栃錦琴の字を頭に用いるのは佐渡ヶ嶽部屋、同様に玉は片男波部屋、ただしそれ以前は二所ノ関部屋、... -
出羽海の系統13
部屋の年寄、関取の総意で新出羽海となった元出羽ノ花はまず、斜陽の名門の建て直しに取り組まなければならなかった。斜陽の原因は黙っていても弟子が集まるという名門意識にあると新出羽海は分析。その間他の部屋は必死で弟子集めに奔走していたというの... -
相撲史を真っ2つにする
長い日本の歴史はそれぞれ時代区分がされている。それでは日本史を真っ2つにするとするとそれはどこになるか。人それぞれ見方は様々、意見は異なるのを承知でいうと江戸末期の黒船来航以前と以降である。世界の国々のほとんどは陸続きである。そのため絶... -
白鵬もう1つの超人性
白鵬に関してはこれまで大鵬・千代の富士との比較で年齢別優勝回数、横綱通算勝利数、幕内通算勝利数、序ノ口以来の通算勝利数について書いてきた。白鵬にはもう1つ触れておきたい記録がある。それは横綱連続出場記録である。なにしろ横綱は負けが込むと... -
四股名あれこれ クイズ編
今回はクイズ形式で出題しますので頭をひねってみてください。解答はすべて幕内力士で十両以下は対象としません。解答・解説は後日発表します。1.次の( )の中に共通の文字が入ります。さて何がはいるでしょうか。A、琴( )玉( )栃... -
出羽海の系統12
元常ノ花の出羽海が1960(昭和35)年十一月場所の千秋楽の翌日、二日市温泉の旅館で胃潰瘍のため急死した。前日の千秋楽は元気に酒を飲んでいて、まったく予兆はなかった。出羽海の後継者を決めなければならなくなった。以前元常ノ花の出羽海が自殺をはか... -
出羽海の系統11
場所をはさんだため久方ぶりとなったが出羽海の系統を再開したい。記憶ははるかかなたとなった方のためにこれまでのポイントをあげて振り返ってみる。1.出羽ノ海の祖は幕末の二段(現在の十両)の桂川。2.弟子常陸山虎吉がひき継いだものの稽古場もな... -
雑誌戦争なき相撲専門誌
「プロレス雑誌大戦争!」という単行本がある。プロレス雑誌ゴングとプロレスの熱き戦いをそれぞれの雑誌の編集長竹内宏介氏とターザン山本氏の両者の共著である。そこには雑誌づくりに燃えた熱き戦いが書かれている。プロレスは馬場と猪木が健在であった... -
問題点を探る 外国人力士の制限を考察する
照ノ富士が大関に昇進し、次期横綱の可能性が高い。次の大関の有力候補は逸ノ城の声が大きい、いずれもモンゴル人である。現在横綱は3人いるが、すべてモンゴル人である。かつて小泉首相は「相撲は国技から国際技になった」と語ったことがあった。五月場... -
照ノ富士あの日あの時
照ノ富士はいまでこそ伊勢ヶ濱部屋に所属しているが、入門は間垣(元2代目若乃花)部屋だった。若三勝の名で幕下まで取っていた。序ノ口から十両に昇進するまで13場所を要しスピード出世している。若三勝時代と新十両時代を振り返ってみた。一番出世をは... -
横綱の大関時代4
大関時代が長いといわれた佐田の山は在位17場所、3年弱の期間であった。ところがこのあと横綱になった北の富士は大関在位21場所、玉の海(大関のときは玉乃島)20場所と軽く超えてしまった。しかも長いだけでなくそろって大関在位勝率6割台という低さで... -
横綱の大関時代3
引き続き時代を築いた横綱の大関時代をみていこう。栃錦は関脇で14勝1敗で優勝して大関に昇進した。新大関こそ11勝4敗だったが翌場所14勝1敗で優勝、さらに翌場所は13勝2敗で横綱近しを思わせた。だが、ここから3場所連続1ケタ勝利に終わった。特に1... -
全部見せます! 宇良の7番相撲4
宇良の全勝をかけた一番の相手は序二段の琴宮倉である。宇良は低く素早くもぐって相手の後ろを取り、一気に送り出した。五月場所最速の相撲であった。13日目 琴宮倉(送り出し)宇良○ 前相撲の控え 三月場所2日目 &nb... -
全部見せます! 宇良の7番相撲3
宇良、5番目の相撲はボディビル出身の朝山端である。朝山端果敢に攻めるも宇良の腰はくずれない。宇良、攻防の中からスキをとらえ肩すかしを決める。6番目は序二段が宇良の対戦相手となった。皇義龍は徳俵から仕切る奇策に出たが、宇良はあわてることな... -
横綱の大関時代2
時代を築いた横綱の大関時代をみていこう。常陸山は在位2年間4場所で9割台の勝率をあげている。9割台は栃木山と2人しかいない(ともに東西制での成績)。常陸山は常に油断なくをモットーに相撲を取っていた。先輩横綱に大砲がいるが、大関時代は2勝... -
横綱の大関時代1
横綱になれる大関、照ノ富士はいつ横綱になるか。それを探るためにまず、先輩横綱はどれくらいの大関在位で横綱になったのか。そのときの成績は。実質、横綱が地位化した常陸山以降鶴竜まで49人の横綱の大関時代の成績を調べてみた。なお大阪横綱は別団体... -
全部見せます! 宇良の7番相撲2
宇良の立ち合いは低い。低いが相手が変化したら落ちる立ち合いではない。もっとも変化されるたびに落ちていたら相撲にならない。宇良の相撲は臨機応変だ。相手次第で取り口が違う。連続写真で3番目、4番目の相撲をご覧いただきたい。5日目 佐々木(寄... -
全部見せます! 宇良の7番相撲1
三月場所で一番出世した宇良は五月場所は序ノ口西9枚目に位置した。反り技で話題になった宇良だが、プロではどんな相撲を取るか興味深い。この目で見た宇良の相撲は一言でいえば面白い。論より証拠、連続写真で2番まずご覧いただきたい。2日目 寿ノ富... -
はたして白鵬時代は終わったのか
五月場所の白鵬は初日逸ノ城戦の思いがけないつまづきからスタートした。5日目は曲者安美錦に後ろにまわられるなどこれまでにないピンチの体勢となった。中盤は持ち直して強さを発揮してきたが、豪栄道戦で捨て身の首投げをくって最後まで調子を維持でき... -
五月場所の人気を分析する
五月場所は盛況なうちに終了した。例年より暑い場所であったが、人気は高かった。それではどのくらい高かったのか。一月場所と比較してどうなのか、数字を分析してみる。一月場所と五月場所で条件が異なる面がある。一月場所は2日目に祝日があるが、五月... -
お知らせ
2日目、3日目、4日目、5日目、8日目に画像が入りました。あわせてご覧いただければ幸いです。今後は五月場所の人気分析、横綱の大関時代、照ノ富士あの日あの時、全部見せます宇良7番勝負、出羽海の系統、白鵬時代は終わったのか、四股名あれこれな... -
照ノ富士優勝への道 夏熱闘15番
五月場所、照ノ富士は初優勝と大関昇進を決めた。現在の3横綱・3大関がいずれも最盛期を過ぎており、閉塞状態の中、若くて成長途上の平成生まれの大関が誕生したことは新しい息吹を感じさせる。照ノ富士が栄光を勝ち取った五月場所の熱闘15番を写真で振... -
新大関照ノ富士の記憶・記録
照ノ富士の大関昇進の日は例年よりはるかに暑い中だった。しかも、それだけではなかった。協会の使者が通常より遅く、なかなか姿を現さないのである。伊勢ヶ濱親方(元旭富士)はとっくに車で協会から戻っているのにも関らず。洋装から和装へ着替える時間... -
新しき英雄照ノ富士が初優勝
優勝パレード 旗手日馬富士 北の湖理事長から賜杯を受ける照ノ富士師匠から優勝旗授与 内閣総理大臣賞 ... -
五月場所総評
★五月場所の優勝争いについて最近は言われなくなったが優勝するには連敗してはいけない。琴奨菊、豪栄道は3日目・4日目に、稀勢の里は4日目・5日目に早々と連敗して脱落している。大関陣は序盤で総くずれである。横綱日馬富士も9日目・10日目に連敗し... -
■夏千秋楽 照ノ富士は横綱になれる大関
優勝争いは久々に白鵬がトップではなく、照ノ富士と併走するカタチとなって千秋楽を迎えた。筆者のように12勝という低レベルを嘆く反面、ここしばらく見ない展開にわくわくする方がけっこういることも事実である。千秋楽は10大ニュースに登場するA氏、H... -
■夏14日目 大波乱のあげく証明されたこと
優勝戦線は一向に安定しない、収束しない。2敗ながら優勝争いのトップを走る白鵬は4敗稀勢の里を勇んで攻めたが、土俵際逆転をくって3敗に後退した。稀勢の里が3敗、あるいは2敗に留まっていたらこの一番は優勝第二ラウンドとしてさらに盛り上がった... -
■夏13日目 優勝制度に必要なこと
前日とは打って変わり上位は安泰だった。その結果稀勢の里が日馬富士に速攻で敗れ4敗に後退した。そのため白鵬対稀勢の里戦の優勝争い第二ラウンドはなくなった。それにしても稀勢の里は日馬富士にこのところ完敗ばかりしている。負けてもいいから工夫が... -
■夏12日目 締まらない土俵
優勝争い第一ラウンドが前日の白鵬対照ノ富士戦なら第二ラウンドは白鵬対稀勢の里戦。と思っていたら、肝心の稀勢の里が照ノ富士に力負けしてまたもや期待はずれに終わった。と思っていたらこの日はさらに意外な土俵展開が待っていた。<照ノ富士の下手投... -
■夏11日目 白鵬-照ノ富士決戦&平幕優勝のあり方
白鵬全勝、照ノ富士2敗。先場所は13日目に実現した頂上決戦は今場所は1差の決戦第一ラウンドとして白鵬1敗、照ノ富士2敗として11日目に対戦した。通常白鵬は後半は関脇・大関・横綱と下位から対戦していく。今場所はそういう意味で予定通りの対戦だっ... -
■夏10日目 強さ復活の白鵬、7連覇へ前進
前半は不安な相撲があったが、ここへきて白鵬の相撲は強みを増してきた。この日は前日照ノ富士相手に堂々たる勝利をかざった徳勝龍を寄せ付けず圧勝した。1敗を守り、2度目の7連覇へ一歩近づいた。日馬富士は臥牙丸に負け、優勝争いから後退した。<日... -
■夏9日目 優勝戦線に変化
【調子を下ろす】相手を甘く見て手を抜いたり気を抜いた相撲を取ること(相撲大事典 金指基 日本相撲協会監修 現代書館刊行より)照ノ富士が徳勝龍に、日馬富士が玉鷲によもやの敗戦で2敗に後退した。調子を下ろしたとしか思えない相撲であった。敵は... -
■夏8日目 照ノ富士は関脇優勝の仲間入りができるか
関脇照ノ富士は玉鷲に勝って1敗を守った。白鵬、日馬富士と優勝戦線を併走している。大相撲は1909(明治42)年国技館開設以降100人の優勝力士が誕生した。それでは以下の優勝力士の共通点は何かおわかりでしょうか。玉錦清水川男女ノ川双葉山安芸ノ海増位... -
■夏7日目 場所の今後
白鵬は日馬富士から金星を取った佐田の海を恐れず攻めて圧勝。日馬富士はこれまで4勝0敗の北太樹を危なげなく退けた。琴奨菊が最高の当たりをしても照ノ富士にはもはや通じなくなってきた。地力はすでに三月場所で逆転している。予想通り照ノ富士が1敗... -
■夏6日目 横綱の連続休場
この日横綱・大関は危なげなく、上位は安泰。遠藤はまたしても勝てず6連敗。相手力士は自信をもって相撲を取っている。さらに懸賞がかかるだけにそれをねらってくる。幸い今のところ途中休場の気配はない。出場を決めた以上最後まで取り切り、遠藤ここに... -
■夏5日目 乱戦場所か災い転じて福となすか
他の横綱・大関が安定性がないなか、一番安定性のあるのはほかならぬ第一人者の白鵬である。その白鵬が結びの一番で曲者安美錦を相手に攻めきれない。あるいはへたに攻めていくと引っ掛けられる恐れがあると慎重になっているのか。もつれた展開の中から一... -
■夏4日目 逸ノ城改造論
この日最大の注目の取組は横綱・大関に関った取組ではない。若さとパワーが激突する看板の好取組照ノ富士対逸ノ城戦である。両力士の激突が序盤戦で早くも実現することとなった。両者の対戦はこれまで3度あり、水入り2度を含め、いずれも長期戦になって... -
■夏3日目 照ノ富士・逸ノ城・3大関、本当に強いのは誰
大関豪栄道と小結逸ノ城の対戦は低く入ろうとする豪栄道を逸ノ城が肩透かしで倒した。これを番狂わせとか豪栄道が取りこぼしたと思う相撲ファンはいるだろうか。今に始まったことではないが、大関は横綱の次に強いとは必ずしもいえない。(本当はそれでは... -
■夏2日目 立ち合いの醍醐味
2日目はアバウトながら満員御礼となった。日馬富士は先場所負けた栃ノ心を圧倒し、稀勢の里は逸ノ城、琴奨菊は栃煌山と苦手を退けて勝利し、上位は安泰。遠藤は高安相手に気力はあるものの、思うような相撲が取れていない。5勝が幕内に確実に残れる星だ... -
■夏初日 まさかの展開に国技館どよめく
初日国技館は満員札止めとなった。館内でなじみの方何人かにお会いしたり、力士写真を渡したり、相撲談義に花を咲かせたりした。観戦はいつもの相撲好きのメンバー3人とともに下の相撲からスタートした。人生は上り坂あり、下り坂もあるが、もう一つ坂が... -
五月場所の見どころ
本来優勝争いはどうなると書くべきところだが、優勝候補は白鵬以外あげにくいのが現状である。ここ1年で最後まで優勝争いをしたのは五月場所の稀勢の里、七月場所の琴奨菊、九月場所の逸ノ城、十一月場所の鶴竜、三月月場所の照ノ富士とめまぐるしく変わ... -
出羽海の系統10
元両国(前名国岩)の出羽海が亡くなられた。出羽海の後継者を決めねばならないが、候補者は3人いた。元横綱常ノ花の藤島、元笠置山の秀ノ山、元両国(前名瓊ノ浦)の待乳山の3人である。秀ノ山の嫁さんは横綱常陸山の孫娘という流れから、待乳山は自分...