大相撲

大相撲論2

2015年10月29日

これから元力が大相撲はスポーツではないと主張する内
容をつぶさに検討してみる。大相撲論1で触れた元力士
の考えの1.について。

1.神事や伝統文化・芸能であり、競技性のある技の出
し合いを興行としている。

神事や伝統文化の一面はあると思う。しかし芸能ではな
い。

芸能
映画・演劇・落語・歌謡・音楽・舞踊など、主に大衆演
芸向けの娯楽の総称。(gooの辞書より)

元力士は「魅せる伝統芸能」に関して

本場所はまるで歌舞伎や落語を見にいったような雰囲気
です。桝席や椅子席でお酒を飲んだり、焼き鳥やお弁当
を食べたり、とても格闘技を見る雰囲気ではありません。

と言うが、弁当やお酒の飲食はプロ野球観戦でも見られ
る光景である。これまで何回となく観戦しているが、本
場所はまるで歌舞伎や落語を見にいったような雰囲気と
思ったことは1度もない。やっていることが違いすぎる
からである。元力士自身がここで微妙な言い回しながら
競技性という言葉を使っている。

競技
一定の規則に従って、技術や運動能力の優劣を互いにき
そうこと。(前同)

さらに元力士は以下のことも言っている。

伝統芸能の要素は力士の日常の生活の中にまでも根強く
受け継がれています。相撲部屋に入門したとたん、鼻に
つくバニラのような香り、髪に鬢付け油をつけ、まげを
結い、外出時は日本の伝統装束の和装で、雪駄やぞうり
をはく、頭から足先までこだわる不思議な生活が始まり
ます。

これは伝統文化というべきで、芸能の意味合いからも伝
統芸能という言葉には不適切さを感じる。

元力士の主張
2.スポーツとして成立するルールを持ち合わせていな
い。

2.はこれだけでは意味不明である。

さらに
取り直しがあり、行司の差し違えがあります。

と言うが、取り直しは再勝負で白黒をつけることであり、
引き分け、預かり、無勝負をなくしたものである。これ
がどうして曖昧になるのだろうか。行司の差し違えは5.
にも関連するが、勝負がスピーディで肉眼では限界があ
る相撲の特殊性によるものと考えられる。曖昧にしなけ
ればこそビデオを参考にしている。
 
元力士の5.の主張とは以下である。
5.ほとんどのスポーツでは審判員に強大な権限があり、
よほどのことがないかぎり判定がくつがえることがない。
しかし、行司に勝負判定の権限がない。

もっともビデオ導入のきっかけは審判の世紀の誤審によ
る(このとき、行司は正しかった)。大鵬の連勝記録が誤
審でストップしたことがきっかけである。これは歴史の
皮肉である。肉眼は機械の目を超えられない。
大鵬
<大砲>
 
元力士の主張
3.ボクシング・judo・アマ相撲と違い体重別ではない。

3、に関しては空手バカ一代における大山倍達氏の発言
を紹介しよう。「大相撲には体重制はありませんが、全
員ヘビー級です」ここでいうヘビー級はプロボクシング
のクラスである。元力士の現役時代も体重はヘビー級で
ある。もともと大相撲には階級で争うという発想がない。
入門は基本的に体格検査だし、体を大きくする生活をし
ている。プロボクシングに階級があっても最強は誰か、
となるとヘビー級チャンピオンなのである。大相撲は最
強を目指した強者の格闘技なのだ。

元力士はこうも言っている。
大相撲がスポーツならば、なぜ入門する新弟子検査に合
格規準があり、しかも体重の上限は無制限なのだろうか
と疑問に思っていました。

この論理は正直わからない。入門する新弟子検査に合格
規準があればスポーツでない理由になるのか。体重が無
制限も同様である。同じプロとしてボクシングと比較す
るとプロボクシングは入門テストがある。もちろん合否
もある。ヘビー級では体重の上限はない。元力士はプロ
ボクシングもスポーツではないと言うつもりなのだろう
か。

(この項目続く)

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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