この日全勝でトップを走る大関の照ノ富士は前頭4枚目
の逸ノ城との対戦だった。かつては2度水入りを演じた
両者だったが、照ノ富士が差し手を返して逸ノ城の巨体
を浮かせて寄り切った。通常なら顔があう位置ではない
が、白鵬・高安の休場で順番がまわってきた。
成績は大関照ノ富士全勝、前頭4枚目逸ノ城4勝5敗と
なった。かつてはモンゴル、鳥取城北高校の出身者とし
てしのぎをけずった両者。2人の間にどれくらい差があ
るのか。
照ノ富士が入幕したのは平成26年三月場所である。新十
両で優勝するなど成長はいちじるしかった。しかし、入
幕後は素材はいいものをもっていたが、はでな活躍とは
いかなかった。その点平成26年九月場所の新入幕で、横
綱鶴竜、大関稀勢の里・豪栄道を倒し、旋風をおこした
逸ノ城は一躍時の人になった。
三役は翌場所逸ノ城が小結を越えて関脇に昇進した。こ
のとき照ノ富士は前頭3枚目だった。照ノ富士が小結を
超え関脇に昇進したのが、平成27年三月場所だった。逸
ノ城は関脇昇進後2場所目に負け越していた。
平成27年三月場所を境に両者は明暗を分けた。照ノ富士
は大関の足がかりとなる13勝2敗、12勝3敗の優勝で大
関にかけあがった。逸ノ城は勝ち越して三役に復帰した
ものの先場所覇気のない惨敗をきっして今場所にいたっ
ている。
輪島をライバル視し、追いかけた長浜(後の豊山)は結
局小結どまりだった。一方の輪島は横綱に昇進し、14回
優勝した。今、大関で横綱が狙える照ノ富士に対して、
新入幕の旋風は遠い過去となった逸ノ城。2人の差は、
かつてライバル関係にあった輪島と長浜になりつつある。
逸ノ城の大奮起を期待する。
優勝した。今、大関で横綱が狙える照ノ富士に対して、
新入幕の旋風は遠い過去となった逸ノ城。2人の差は、
かつてライバル関係にあった輪島と長浜になりつつある。
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