鶴竜が妙義龍に不覚をとり2敗で優勝争いから後退、稀
勢の里は琴奨菊に立ち遅れ、3敗で優勝争いから事実上
脱落した。全勝の照ノ富士は玉鷲が予想外の大健闘をし
て熱戦になったが、あわてることなく退けた。8日目に
「場所のゆくえ」を掲載してから早々と優勝戦線がこう
も急にしぼむことになろうとは想像すらできなかった。
今場所は満員札止めが初日から続く過熱人気である。そ
の人気に応える優勝争いではない。また、白鵬という絶
対王者を欠いた場所である。これでは優勝を争える力士
はほんの一握りからさらに絞った者だけということであ
る。優勝争いは照ノ富士が負けてなんとかつながるとい
う情けない状態になってきた。
1敗で勢がいるではないか、というかもしれないが、幕
内は実は2つある。1つは横綱・大関と対戦する幕内と
そうでない幕内の2つである。勢は後者に属している。
勢は出場している横綱・大関全員との対戦がない限り、
本当の意味での「優勝」とはいえない。単純に数字だけ
を比較するのは実は最も科学的でも合理的でないことに
なる。
日程的に勢が出場している横綱・大関戦と対戦すること
は不可能であろう。一部と対戦して勝ち抜くことはさら
に困難である。勢はこれまで横綱・大関と対戦する地位
で4勝11敗、5勝10敗、6勝9敗、5勝10敗、6勝9敗、
1勝14敗、2勝13敗と1度も勝ち越したことはない。特
に最近は大敗している。これでは勢の優勝は簡単ではな
いと言わざるを得ない。
仮に優勝できても翌場所が負け越しだと本当に地力でし
た優勝なのか、と指摘されてしまう。事実、高見山の平
幕優勝の翌場所の大敗を玉の海梅吉氏が指摘した過去が
ある。
場所は明日から終盤にはいる。繰り返しになるが、優勝
争いより、一番一番の相撲内容を注視していく。
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