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■秋10日目 優勝争いがしぼんだ日

鶴竜が妙義龍に不覚をとり2敗で優勝争いから後退、稀
勢の里は琴奨菊に立ち遅れ、3敗で優勝争いから事実上
脱落した。全勝の照ノ富士は玉鷲が予想外の大健闘をし
て熱戦になったが、あわてることなく退けた。8日目に
「場所のゆくえ」を掲載してから早々と優勝戦線がこう
も急にしぼむことになろうとは想像すらできなかった。
150922十日目幕内 843
<鶴竜、妙義龍に敗れ2敗>
 
今場所は満員札止めが初日から続く過熱人気である。そ
の人気に応える優勝争いではない。また、白鵬という絶
対王者を欠いた場所である。これでは優勝を争える力士
はほんの一握りからさらに絞った者だけということであ
る。優勝争いは照ノ富士が負けてなんとかつながるとい
う情けない状態になってきた。
150922十日目幕内 788
<稀勢の里、琴奨菊に敗れ3敗>
 
1敗で勢がいるではないか、というかもしれないが、幕
内は実は2つある。1つは横綱・大関と対戦する幕内と
そうでない幕内の2つである。勢は後者に属している。
勢は出場している横綱・大関全員との対戦がない限り、
本当の意味での「優勝」とはいえない。単純に数字だけ
を比較するのは実は最も科学的でも合理的でないことに
なる。
日程的に勢が出場している横綱・大関戦と対戦すること
は不可能であろう。一部と対戦して勝ち抜くことはさら
に困難である。勢はこれまで横綱・大関と対戦する地位
で4勝11敗、5勝10敗、6勝9敗、5勝10敗、6勝9敗、
1勝14敗、2勝13敗と1度も勝ち越したことはない。特
に最近は大敗している。これでは勢の優勝は簡単ではな
いと言わざるを得ない。
150922十日目幕内 723
<照ノ富士落ち着いて玉鷲を退ける>
 
仮に優勝できても翌場所が負け越しだと本当に地力でし
た優勝なのか、と指摘されてしまう。事実、高見山の平
幕優勝の翌場所の大敗を玉の海梅吉氏が指摘した過去が
ある。
場所は明日から終盤にはいる。繰り返しになるが、優勝
争いより、一番一番の相撲内容を注視していく。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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