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稀勢の里数少ない優勝の条件

稀勢の里は15日制になってから、1場所平均10勝以上の
成績をあげている唯一の大関である。ほかの大関は10勝
未満というわけである。それほどの成績でありながら、
相変わらず優勝が遠い、優勝に手が届かない。その原因
は何か。どうすれば優勝に近づけるか。
150913初日幕内 072
<稀勢の里>
 
稀勢の里はこれまで13勝2敗の成績を3度あげている。
最初は平成25年の五月場所である。このときは横綱白鵬
と14日目全勝で対戦したが、敗れている。優勝は15戦全
勝の白鵬が25回目の優勝を達成している。2度目は同年
十一月場所である。このときは終盤まで全勝で走る横綱
日馬富士を13日目、横綱白鵬を14日目に倒す健闘ぶりだ
った。しかし、優勝は千秋楽1敗の相星決戦となった白
鵬、日馬富士の間で争われ、日馬富士が制して6回目の
優勝となった。3度目は平成26年の五月場所である。12
日目横綱白鵬との1敗対決は敗れ、またしても優勝に届
かなかった。
131122十三日目幕内 965
<稀勢の里、日馬富士を寄り切る>
 
13勝3度の敗戦は白鵬・琴奨菊、安美錦・豪栄道、碧山・
白鵬である。白鵬との直接対決での敗戦が優勝できない
一因である。つまり、ここ一番に勝てないのである。
それと取りこぼしをなくすことである。この中で下位に
負けたのは安美錦、豪栄道(当時は関脇)碧山である。
豪栄道には下位のとき6度負けている。碧山にはここ1
年で2度、通算4度負けている。先場所(九月場所)も
勝負は微妙だった。
大関になってから、下位ではほかに栃煌山に9回負けて
いる。安美錦に4敗。ここ1年では逸ノ城、栃ノ心、妙
義龍に2回負けている(通算では逸ノ城・妙義龍に3敗)。
こうした下位からの敗戦をなくす必要がある。技術的に
は腰を落とし、上手が取れないときはおっつけで相手の
上体を浮き上がらせる。攻め急いで体勢を乱さない。
131123十四日目幕内 910
<稀勢の里、白鵬を撃破>
 
大関戦で負けなかった場所が23場所中7場所ある。優勝
するためには同格の大関戦を全勝しておきたいところだ。
最近は照ノ富士に勝ちにくくなっている。問題は3横綱
である。このモンゴル包囲網を突破せずして優勝はない。
現時点で有利なのは、3横綱が30歳を超えている点であ
る。
稀勢の里はこれまで精神面の弱さが指摘されてきた。そ
のため稀勢の里ファンは期待疲れの面があった。ここま
で優勝できなければ、いまさら堅くなってもしょうがな
い。
結論。稀勢の里の優勝への条件は
1.下位への取りこぼしがない
2.大関戦を突破する
3.優勝を争う横綱に直接勝つ
限りなく数少ないチャンスの中に優勝への光りがある。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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