蔵前国技館は海軍の飛行機組み立て工場の解体した鉄骨
で建てたため、老朽化が進んだ。建て直すか、新たに建
てるかという中、両国駅前に国鉄(現JR)の用地があ
り、早くから交渉に入ったのが功を奏した。蔵前の土地
も都が買収し、具体的に話が進んだ。昭和57年から設計
にはいり、昭和59年11月30日に完成した。
建物は94メートル四方、高さ40メートル、地上3階、地
下2階の近代的建築。緑の総銅版ぶき大屋根が建物を象
徴する華やかさを表していた。土俵や桟敷が移動式にな
っており、多目的ホールとして使用ができる。また雨水
はトイレの水として使用されている。
蔵前国技館の支度部屋が駐車場から覗けたが、両国国技
館の支度部屋は隔離されている。また、両国国技館の2
階席は蔵前国技館に比べ急角度である。
総工費150億円、これを春日野理事長(元横綱栃錦)と
二子山事業部長(元横綱初代若乃花)のコンビは無借金
でやり遂げた。今年で完成から31年たつが、一大事業は
今も色あせるこなく、悠々と両国にそびえ建っている。
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