千秋楽、2敗鶴竜、3敗照ノ富士。優勝はどうなるか、
という雰囲気は少しもない。前日の照ノ富士の対豪栄道
戦での惨敗から、足の負傷はかなり思わしくなく、戦え
る状態ではない。そう判断した相撲ファンが多かったの
では。すでに鶴竜の優勝を疑わず、井筒部屋で行われる
打ち上げパーティに着飾ってきていた方がいた。また、
人数が増えそうなので立食になりそうといった話を相撲
仲間から聞いていた。
緊張感がいつもと違う中、筆者も相撲仲間たちとフラン
クに談義したり、ある熱烈なフアンには力士の毛筆によ
る今日の解説者の現役時代のサインと大好きな三役力士
のサインをプゼントしたりした。、また別なファンには
約束していた肉筆手形を渡したりしていた。
約束していた肉筆手形を渡したりしていた。
千秋楽の進行はスピーディであるが、今回は特に早い。
幕下優勝が6勝1敗の7人、朝弁慶が十両の天風に勝て
ば、8人のサムライによる優勝決定戦が控えていたから
である。この種の優勝決定戦はどういう順で、誰と誰が
対戦したか、記録が残りにくいことがある。そこで以下
に記しておく。なお、幕下西筆頭の朝弁慶が天風に勝っ
て8人の優勝決定戦になった。
1回戦
東 西
南海力-佐藤○
鐵雄山-力真○
大清峰-東龍○
○千代翔馬-朝弁慶
準決勝
○佐藤-力真
東龍-千代翔馬○
決勝
佐藤-千代翔馬○
本場所では、千秋楽でしか見られない三役そろい踏みが
行われ、いよいよ大詰めである。7勝7敗の豪栄道対ガ
チンコの稀勢の里の勝負は稀勢の里が寄り切った。いよ
いよ鶴竜-照ノ富士の決戦である。ただし、鶴竜の勝利
が確定的の見方は変わらない。そんな中、制限時間いっ
ぱいから両者立ち上がるや照ノ富士は左おっつけから突
き放して右四つ。鶴竜をおこして一気に出ていって勝利
した。目の前のフアンは狂喜してばんざい。筆者の視界
がさえぎられたほどである。これで優勝決定戦になった。
優勝決定戦は鶴竜ががらりと戦法を変えてきた。左前褌、
右も取って、すぐに上手出し投げで横綱初優勝を決めた。
鶴竜は照ノ富士の出足を止めたこと、有利な体勢になっ
た瞬間決めにいったことが勝因である。観客は予想を超
えた鶴竜-照ノ富士の内容、結果に酔った千秋楽となっ
た。