九月場所千秋楽は、本割で鶴竜を一蹴して優勝決定戦に
持ち込んだ照ノ富士。3連敗後、最後に力を発揮したが、
優勝決定戦では横綱鶴竜に力を封じられ、あっけなく敗
れた。優勝決定戦だけではない。12日目の栃煌山戦は、
これしかないという双差しになられ、力を出せずに一方
的に負けた。
優勝決定戦では横綱鶴竜に力を封じられ、あっけなく敗
れた。優勝決定戦だけではない。12日目の栃煌山戦は、
これしかないという双差しになられ、力を出せずに一方
的に負けた。
照ノ富士のこうした負け方を見ると、ある力士を思い起
こす。それは大きく成長する可能性を秘めていた把瑠都
である。把瑠都は自分より小さい朝青龍や白鵬にはなか
なか勝てなかった。両力士とも長くなっても終始朝青龍・
白鵬ペースだった。朝青龍・白鵬は把瑠都の力を封じる
体勢をつくるのが勝利のパターンだった。把瑠都は結局、
優勝1回で横綱には届かなかった。
照ノ富士はどうすれば勝てるかを考えて相撲をとる必要
がある。ある力士が同じように稽古して、同じものを食
べているのにどうして強さに差がつくんだろうかと呟い
ていたのを覚えている。その答として、考える相撲をあ
げたい。これはなにも頭やりくつで取ることを意味する
のではない。どうすれば強くなれるのか、そのために何
を身につけ、何を強化するべきか意識した稽古である。
動物と人間の違いは人間は強くなる工夫をする点だとい
う。照ノ富士は力が強く体格が大きいが、強力な武器が
まだない。同時に相手十分の体勢を許しすぎる。こうし
た相撲は栃煌山、豪栄道、鶴竜、白鵬に特に必要である。
水入り2度の逸ノ城戦を脱却したのは、逸ノ城十分の体
勢を許さなくなったからである。
た相撲は栃煌山、豪栄道、鶴竜、白鵬に特に必要である。
水入り2度の逸ノ城戦を脱却したのは、逸ノ城十分の体
勢を許さなくなったからである。
照ノ富士が横綱中の横綱になるためには相撲に大きさを
感じさせる相撲が不可欠である。こせこせした相撲や頭
をつける相撲は取ってほしくない。大きさを感じさせる
相撲は相手と胸をあわせる取り口から生まれる。双葉山・
玉の海がまさにそういう相撲を取った。照ノ富士に対す
る期待は限りなく大きい。
玉の海がまさにそういう相撲を取った。照ノ富士に対す
る期待は限りなく大きい。
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よしなに
”土俵の目撃者”
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