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新大関貴景勝論
27日貴景勝の大関昇進が正式に決定した。伝達式会場は部屋ではなく、ホテルで行われた。使者を迎え、貴景勝は「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進します」と口上を述べた。<2... -
大関昇進をめぐる快記録珍記録
貴景勝の大関昇進は既成事実として動いている。貴景勝は13勝優勝-11勝次点-10勝で決定した。これを機会に大関昇進をめぐる記録を調べてみた。対象は年間3場所が実施されて3場所目の昭和24年秋場所以降誕生した吉葉山以降とした。吉葉山から貴景勝まで6... -
平成最後の場所総評
★大相撲人気について稀勢の里が引退しても人気に影響がでなかった。連日満員札止めで、関西人の相撲熱を感じる。千秋楽のチケットが発売初日の10時0分0秒でなくなった。先行予約、お茶屋、関係者ルートが大きいのかもしれない。いす席でも出方さんが案内... -
■春千秋楽 最大の注目は大関めぐる貴景勝対栃ノ心戦
千秋楽最大の見所は、優勝がかかる横綱同士の結びの一番ではない。10勝をあげ、大関昇進にかける貴景勝対7勝7敗のカド番大関栃ノ心戦である。貴景勝はとにかく10勝をあげないと話しにならない。栃ノ心は負けると大関転落のピンチに陥る。貴景勝は大関栃... -
■春14日目 1敗死守と大関昇進をかけた激突
14日目、最大の注目の取組は、1敗逸ノ城と4敗で大関昇進を目指す貴景勝の一番である。果たして貴景勝の突き押しが逸ノ城を追い込めるのか。それとも逸ノ城が踏みとどまって受け止めるのか。答は後者となった。逸ノ城は今場所、冷静に相手の動きを読んで... -
■春13日目 全勝と1敗の対戦なき不思議な場所
横綱・大関と対戦がない2敗組琴奨菊と碧山が敗れ、3敗で完全に優勝圏外になった。「中位以下の平幕力士の力なんてそんなものさ」と一言で片付けるのは簡単である。だが、歴史を紐解けばそのまま突っ走った力士だっているのだ。軽く一笑に付すわけにはい... -
■春12日目優勝圏内横綱・大関と平幕組は別次元の世界
12日目、平幕の優勝圏内の対戦相手は以下である。1敗逸ノ城に朝乃山2敗碧山に竜電2敗琴奨菊に千代大龍琴奨菊と千代大龍はいい勝負をするかもしれない。しかし、他の2番はまったく興味がわいてこない。勝負は優勝圏内力士がすべて勝った。ただし、逸ノ... -
■春11日目 失われた昭和46年の精神
この日もサバイバル戦は続いた。最初の一番は逸ノ城対碧山の1敗同士の対戦である。相撲は突き合いになった。重量級だけにスピードはともかく、一発、一発に迫力がある。両力士ゆずらぬなかから、逸ノ城がスキをみてはたいて決めた。次の一番は全勝白鵬対大... -
■春10日目 優勝圏内戦で番付下剋上となった二番
優勝圏内の直接対決二番が行われた。いずれも番付下位力士が上位力士を倒すという下剋上になった。最初の一番が1敗高安と1敗逸ノ城戦であった。前回高安が勝てば問題ないと書いた。だが、勝負は問題のあるほうに転んだ。土俵際で逸ノ城が高安を土俵に這い... -
■春9日目 豪栄道を投げた逸ノ城の今後の対戦相手
眠れる巨象逸ノ城は時として目覚めることがある。それが豪栄道を相手に出てしまった。豪栄道は出足速攻の相撲がさえわたっていた。だが、逸ノ城に出足を止められた。それだけではない。上手が取れない体勢になった。しかし、豪栄道は盛り返し、いい体勢に... -
■春8日目 平生最後の場所の行方
結び前の白鵬対栃煌山戦。栃煌山が白鵬の後ろにつき、誰しもが白鵬の敗退か、と思うほどのピンチであった。だが、白鵬のままの態勢で勝ってしまった。久々に見る白鵬の反応の速さであった。同時に白鵬は勝負をあきらめていない。最後の最後まで粘る。それ... -
■春7日目 好取組に熱戦なし
8時40分博多行きの新幹線に乗り、11時11分ごろに新大阪に着いた。地下鉄御堂筋線に乗り換え、ついに大阪府立体育館に戻ってきた。何も変わらないかと言うとそうはいかなかった。4階通路にあった連結椅子がなぜか消えていた。ちなみに土俵は2階に設置さ... -
◆お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするため、7日目から千秋楽まで大阪入りします。狼雅・照ノ富士の動向、さらに大阪情報もお届けする予定です。原則その日に更新しますので、引き... -
■春6日目 豪栄道の思いがけない敗戦
思いがけない敗戦は相撲につきものである。序盤、出足速攻で磐石の相撲を取ってきたのが、豪栄道である。相手につけいるスキを与えず、強者の相撲を発揮してきた。豪栄道が万全の相撲を取るのは、平成28年九月場所の全勝優勝以来である。体からは気迫がみ... -
■春5日目 貴景勝の大関昇進の可能性を探る
5日目、関脇同士の対戦が実現した。大関を目指す貴景勝と精彩を欠いていた玉鷲の一戦である。この日の玉鷲は違った。果敢に突き押しで攻め立て、思わず貴景勝が足を踏み出すほどであった。玉鷲らしさが発揮された一番だが、貴景勝は序盤で2敗となった。... -
■春4日目 精彩欠く先場所優勝者玉鷲
先場所優勝した玉鷲が負け先行と苦しんでいる。4日目は鶴竜、貴景勝を撃破している御嶽海が対戦相手である。玉鷲は目下御嶽海に7連敗中であり、優勝した先場所も負けている。相手が悪いかもしれないが、あきらめたら勝負はそこで終わりである。だが、相... -
■春3日目 2つの敗戦
大関を目指す貴景勝にとって、御嶽海はいやな相手である。このところ4連敗。優勝した昨年の十一月場所でさえ負けている。大関にチャレンジするにあたり、下位に苦手がいては、いけない。相手は自信をもって向かってくるからである。そんな心理がそのまま... -
■春2日目 勝利へつながった辛抱相撲
大関最強の高安対関脇・小結13場所連続在位の御嶽海が2日目に激突した。相撲は御嶽海が頭をつけて食い下がる体勢をつくった。だが右手は高安のさがりをつかみ、左の差し手も抱えているだけである。体勢はいいが、これでは攻められない。もとより高安とて... -
■春初日 注目の取組3番を斬る
三寒四温があるかと思えば、1日でも温度差がある季節である。こうした要因で荒れる春場所と言われるようになった。今年は荒れる三月場所となるか。今日10日から初日が始まった。初日注目の取組3番。まず、大関昇進がかかる貴景勝。取組前の表情はやや堅... -
2019年三月場所の視点
明日10日から三月場所が始まる。関取の休場は千代の国である。昨年の三月場所は電光掲示板のスペースがもつか心配されたほど休場力士が出た。7人の休場力士は以下である。横綱白鵬 全休横綱稀勢の里 全休貴景勝阿武咲 全休蒼国来水戸龍貴公俊(現貴ノ... -
横綱・大関に挑む11人のサムライ
三月場所、横綱白鵬・鶴竜が土俵に戻ってくる。2横綱3大関の上位にフルに挑む力士は、上位に新たな休場者が出ない限り、4枚目の栃煌山までである。東関脇貴景勝から栃煌山までのここ1年間の上位戦の成績は以下である。大関昇進を目指す貴景勝が急激に... -
御嶽海、関脇・小結連続在位場所数の中身
先場所(一月場所)、御嶽海は途中休場したため、これで連続関脇・小結在位場所数の記録は12でストップすることになった、と思った。だが、御嶽海はなんと再出場してきた。それだけではない。8勝と勝ち越し、殊勲賞まで受賞してしまった。休場までの成績... -
玉鷲実力評価の変遷
<優勝した玉鷲(右)>一月場所苦節15年の末、玉鷲が幕内最高優勝を達成した。34歳であった。最近でこそ玉鷲の実力や相撲ぶりは知られているが、これまでどのような幕内人生を歩んできたのか。改めて振りかえってみた。玉鷲の新入幕は平成20年の九月場所... -
横綱初休場後の白鵬、直近の白鵬
三月場所にむけて意欲的に稽古に臨む白鵬。先場所、白鵬は10連勝の後3連敗して休場しているだけに雪辱を晴らし、優勝を奪還したいところである。先場所14日目、白鵬の休場にファンはがっかりした。そのなかで気になる声があった。「白鵬は休み癖がついて... -
貴景勝と3大関を比較する
三月場所、貴景勝は大関に挑む。先場所3場所33勝をあげながら、あっさり見送られた。それでは3場所32勝の高安、29勝の豪栄道、17勝の栃ノ心は、貴景勝以下になる。審判部は、高安・豪栄道・栃ノ心が大関にふさわしいと思っているとしたら、整合性はどう... -
稀勢の里10番勝負7
平成29年一月場所で初優勝した稀勢の里は、場所後横綱に推挙された。久々の日本人横綱の誕生であった。その人気は凄まじかった。明治神宮の横綱土俵入り初披露では朝早から人が並び、拝殿前に入りきれず人数を制限するほどであった。入れた方も3列目以降... -
友風の出世街道
一大勢力を誇っているモノに学生相撲がある。そこに新たに加わってきたのが友風である。友風が本格的に相撲に打ち込んだのは、高校時代からであった。その熱意は続き、日体大へ進学し、相撲部に入部した。ちなみに日体大出身の幕内現役力士に嘉風、妙義龍... -
元横綱の親方定年模様4
一月場所中、横綱稀勢の里が引退した。そのとき元横綱の親方は4人しかいなかった。元北勝海の八角、元大乃国の芝田山、元旭富士の伊勢ヶ濱、元武蔵丸の武蔵川である。大鵬が引退したときは元横綱の親方は11人いた。隔世の感がする。なぜ、こうした差が生... -
大翔鵬の出世街道
大翔鵬が入幕を決めた。モンゴルでは25番目の入幕力士にあたる。モンゴルは平成において一大勢力を築いていたが、その一翼を担うまでになった。モンゴル入幕力士は以下である。大翔鵬は少年期に来日し、家族とともに千葉県で暮らし、過ごしている。小学生... -
照強の出世街道
169センチ116キロの小兵で派手な塩まきの照強がついに入幕を果たした。入門から9年かかっての苦労の末の結果であった。まだ24歳の若武者である。相撲は右前褌をとっての投げ技である。照強は阪神・淡路大震災の平成7年に淡路島で生まれた。少年時代は相... -
平成最後 三月場所番付のポイント
平成最後の番付が発表された。関脇は13勝優勝の玉鷲が東に、11勝次点の貴景勝が西もありえたが、そうはならなかった。大関は9勝2力士と0勝なのだから、関脇より弱い大関となってしまった。これは大相撲がかかえる未だに続く矛盾である。小結は問題なく... -
元横綱の親方定年模様3
昭和2ケタ生まれの大鵬から隆の里までをみていこう。この世代になると定年65歳までぶじ務める元横綱の親方が増えてきている。大鵬、栃ノ海、佐田の山、琴桜、三重ノ海と5人が名前を連ねている。しかし、長生きかと言うと必ずしもそうは言えない。佐田の... -
稀勢の里10番勝負5
平成28年は大関稀勢の里にとって優勝のチャンスがある年だった。三月場所10勝0敗で1敗の白鵬と対戦したが敗れている。翌日横綱日馬富士にも敗れ、13勝2敗の好成績も、優勝は結局14勝1敗の白鵬となった。翌五月場所、稀勢の里と白鵬は12勝と無敗同士で... -
元横綱の親方定年模様2
昭和1ケタ生まれ及びそれ以前の元横綱の親方定年模様をみていこう。横綱の代では双葉山から朝潮までである。昭和36年(1961年)1月から65歳定年が施行された。ところが昭和43年双葉山、翌年羽黒山、約3年弱後前田山が50代でなくなられた。無敵双葉山、戦... -
元横綱の親方定年模様1
定年まで務めあげるということは、それほど簡単なことではない。それは相撲界とて例外ではない。筆者は36代木村庄之助の定年祝いにかけつけたことがある。これはぶじ務めあげたお祝いとして開催されたものである。相撲界の定年は65歳である。これは昭和36... -
稀勢の里10番勝負4
平成25年、白鵬は再び連勝を始めた。一月場所千秋楽横綱日馬富士に敗れた後、三月場所初日安美錦に勝ってから連勝はスタートした。三月場所全勝、五月場所全勝、七月場所13日目琴欧洲に勝って連勝は43まで伸ばした。そして14日目、稀勢の里と対戦した。稀... -
大関の3場所連続の成績 平成12年~22年
魁皇は千代大海と並んで65場所大関在位の最高記録をもつ。それでは両大関の出場回数は、どうだろうか。不戦敗を数えなければ、魁皇は大関838回出場。千代大海は851回で千代大海が上回った。不戦敗を含む休場数、千代大海が124、魁皇が137と差がつくポイン... -
四股名あれこれ 丸と城と王(皇・旺・桜・凰)
丸がつく最高位が幕内力士は千代丸が浮かぶ。一方城がつく幕内力士は逸ノ城がいる。幕下以下となると栃丸とか大野城と広がりを見せる。「おう」は現在幕内にいないが、現役として元幕内の鏡桜、千代ノ皇ががんばっている。江戸から脈々と続く大相撲だが、... -
稀勢の里10番勝負3
稀勢の里によって63連勝でストップされた白鵬。だが平成22年十一月場所は14勝1敗で優勝している。5連覇である。白鵬は連勝を止められても相撲がくずれることはなかった。そうしたなか迎えたのが翌場所平成23年一月場所である。稀勢の里は先場所10勝5敗... -
大関の3場所連続の成績 平成3年~12年
貴ノ浪から大関降格後関脇で10勝以上しての復帰が始まった(横綱になった三重ノ海を別にし、最高位大関では)。関脇の場所は大関在位場所数としてカウントはしないが、復帰できる成績の場合は、連続3場所の成績に加えた。貴ノ浪は3場所連続10勝以上が17... -
稀勢の里10番勝負2
平成22年一月場所、横綱朝青龍が25回目の優勝を成し遂げた。だが、場所後知人への暴行が明るみとなり、引退を余儀なくされた。カタチの上では自ら引退となったが、周囲の状況から引退やむなしの流れであった。横綱白鵬はこの知らせに涙した。しかし、この... -
稀勢の里10番勝負1
引退しても元稀勢の里の人気は衰えることなく、未だ続いている。横綱としては実績を残せなかったが、これほど相撲ファンに愛された横綱は珍しい。稀勢の里は横綱時代以外では、ガチンコの強さを発揮していた。そのなかから、稀勢の里10番勝負をピックアッ... -
大関の3場所連続の成績 昭和50年後半~平成2年
琴風は大関7場所目から30勝以上を9回連続で達成している。これは豊山の7回連続の記録を更新したことになる。トータルでも半分は30勝以上の回数である。22勝以下は大関降格時のみである。琴風は大関に昇進すれば、今まで以上の努力が必要と自覚した。い... -
大関の3場所連続の成績 昭和40年代50年半ば迄
清國が大関に昇進した昭和44年7月から大関降格が2場所連続負け越しに戻った。その際降格は関脇とし、そこで10勝以上の成績をあげたら大関に復帰できるという規定が新たに生まれた。これが現在まで続いている。また、昭和40年から系統別総当たり制から部屋... -
白鵬が語る白鵬杯
第9回白鵬杯が国技館で開催された。小中学生の学年別世界大会である。相撲がもっと盛んになるには、100年の大系を考えると少年層が大切になる。思えば小学校の体育の時間に相撲があった。高校には土俵があったし、授業もあった。少年時代、相撲は身近にあ... -
横綱・大関が敗退の中、孤軍奮闘の高安が優勝
日本大相撲トーナメント第43回大会が開催された。国技館には9時50分頃到着した。開場は11時の予定である。知った顔は以前国技館前テント村で知り合ったY氏である。O氏は、今回姿が見えなかった。なんでも別の指定席のチケットにしたという話である。会... -
天候に祟られる相撲
今日9日から3連休だが、同時に相撲イベントの3日間でもある。それが9日は首都圏で5センチから10センチの雪が積もるという、はなはだよろしくない天気予報が出されていた。9日は福祉大相撲の日である。雪が心配で早めに出た。電車がスピードを落とす... -
大関の3場所連続の成績 昭和20、30年代
15日制が定着した昭和24年夏場所以降大関に昇進した3場所連続の成績をみていこう。大関でいうと三根山以降になる。なお、大関の降格が3場所連続負け越しになったのは、昭和33年からである。大関の代でいうと松登が途中から適用になっている。三根山、大... -
大関の3場所連続の成績 現代編
大関昇進は直前3場所の成績・相撲内容が検討される。その結果、大関昇進が決定すれば、使者がその旨を伝える伝達式がおこなわれる。大関が決定した力士は決意を述べる。大関誕生にはこれほど特別なセレモニーがおこなわれるのである。<豪栄道>しかし、... -
迷走する次の横綱
相撲ファンが頭を抱える難問が「次の横綱」である。現在の白鵬、鶴竜がいつまで横綱を務められるのか。そう長くないという予感がする。かといって今の3大関から横綱が誕生するというのも考えにくい。ファンが求めているのは若くて強い横綱である。横綱に... -
初優勝の裏側
一月場所は先場所の貴景勝に続き、玉鷲が初優勝した。連続初優勝である。昨年は一月場所、栃ノ心、七月場所御嶽海とこのところ初優勝が目立ってきている。それでは初優勝の次点は誰だったのか。優勝栃ノ心14勝1敗 次点大関高安12勝3敗優勝御嶽海13勝2... -
3横綱全員不在となった場所
一月場所は3横綱全員で初日からスタートしたが、それはくずれていって結局3横綱全員が不在となった。まず、4日目、稀勢の里が3連敗のあと引退を表明した。続いて2勝3敗と不調の鶴竜が6日目から休場した。前半危ない相撲をしのぎ、10連勝と優勝戦線... -
2019年大阪場所チケット事情
日本人横綱稀勢の里の引退、他の横綱・大関の衰退後、大阪場所のチケットが2月3日発売された。しかし、そんなこととは関係なかったかのような凄まじさで売り切れた。土日は出足がはやいので、コンビニで発券機を使用するケースが多い。どこにでもあるか... -
大相撲ショートショート
大相撲の暴力はいっこうになくなる気配がない。鳴戸部屋という若者だけの新興部屋におきるのだから、わからないものである。いくら暴力決別宣言しても歴史とともに積み重ねられてきた伝統は一朝一夕には変わらないということになる。<サンケイスポーツの... -
貴景勝の相撲内容を検証する2
引き続き貴景勝の相撲内容を検証していこう。9日目錦木貴景勝鋭い当たりで突き起こし、そのまま一気に錦木を土俵の外に押し出した。<5点>10日目大関高安立ち合い貴景勝の当たりが優って、突き押しで攻め込む。だが、高安右へ動いてはたき込むと貴景勝... -
貴景勝の相撲内容を検証する1
一月場所、貴景勝11勝と次点の成績をあげながら、千秋楽の豪栄道戦のみを北の富士・舞の海両氏に酷評された。その影響があったかどうかは定かでないが、審判部長の阿武松(元益荒雄)は貴景勝の大関昇進を審議なしでもう1場所見るとの見解を即、打ち出し... -
貴景勝の大関昇進見送りを検証する
先場所堂々と優勝した貴景勝が、一月場所で11勝の次点の成績をあげた。しかし、千秋楽の貴景勝対豪栄道戦で貴景勝が一方的に敗れた。それを見た大相撲中継の解説をしていた北の富士氏は「これはちょっとね、負け方がね、非常にマイナスイメージだね」と語... -
初優勝玉鷲、栄光のグラフ
横綱稀勢の里引退、横綱鶴竜休場、大関栃ノ心が休場するなか、玉鷲が堂々たる相撲で初優勝を達成した。片男波部屋の優勝は昭和46年七月場所の玉の海以来である。玉鷲は34歳での初優勝だが、相撲は若々しい。本人は「40歳まで取る」というが、いけそうな気... -
2019年一月場所総評
★壊滅的休場者数休場者数は再出場した御嶽海を含め9人にまで及んだ。これに場所中に引退した稀勢の里、豪風を加えると11人が不在となったことになる。クイズにできるほどの人数である。このなかに場所前引退した貴ノ岩ははいっていない。<電光掲示板の休... -
■初 千秋楽 貴景勝の大関をめぐる問題点
千秋楽の注目の一番は玉鷲対遠藤である。玉鷲にとって必ずしもやりにくい相手ではない。勝負は玉鷲が突きたててからの強烈な突き落としで優勝をつけた。玉鷲は輝く初優勝を勝利で決めた。苦節15年、本当におめでとう玉鷲関。<玉鷲、初優勝の瞬間>貴景勝... -
■初 14日目 白鵬休場のなか、玉鷲・貴景勝が快勝
3連敗中の白鵬が14日目から休場したニュースには驚かされた。10時台にニュースが流れたが、筆者は国技館へむかう電車の中で、相撲仲間からのメールで知った。こんな最終盤になってなんともやるせない気分になった。白鵬は昨年4場所休場した。今年は早々... -
■初 13日目 思いがけない展開になってきた一月場所
玉鷲に並ばれた。連敗を止められるのか。それがあせりとなってマイナスに働かないか。白鵬の心理状態はとても平常心とはいかないのではないだろうか。先行すればそのまま白星街道を走り、優勝していたかつての白鵬では考えられない流れになってきている。1... -
■初 12日目 がぜん目が離せない展開になった優勝争い
白鵬が前日1敗したことによって、この日の白鵬対2敗玉鷲の直接対決は優勝の行方を左右する一番となった。白鵬は対戦相手の突き押しのパワー相撲にどう対応するのか。少なくとも後退すると危うい。こうした見立てで結びの一番をむかえた。相撲は次のよう... -
■初 11日目 白鵬敗戦の意味
今日から千代の国、琴勇輝が休場した。予想されたこととはいえ、休場者は再出場した御嶽海を含み6人となった。引退は場所前引退した貴ノ岩を別として、2人と今場所も多くの力士を欠いた場所になった。その結果取組数が減り、仕切りが非常に間延びした。... -
■初 10日目 白鵬追走組の敗退
稀勢の里がいなくなった土俵はあまりにも寂しい。観客が固唾を飲んで待つ取組が少なすぎる。横綱・大関の出場が半分になり、取組編成は苦しくなる一方である。10日目森永賞は白鵬対隠岐の海戦になったが、どちらかというと高安対貴景勝のほうが見たい取組... -
■初 9日目 場所に水さす大関陣
ここへきて上位の引退及び相次ぐ休場で白鵬の対戦相手の範囲がひろがっている。今日は琴奨菊が相手である。だが、今の琴奨菊では白鵬を脅かす要素は見当たらない。勝負は離れての攻防から素早い突き落としで琴奨菊を一蹴した。この日は高安が玉鷲に、豪栄... -
■初 8日目 平成最後の一月場所の行方
天覧相撲最大の好取組は幕内最年少貴景勝対次に若い阿武咲であろう。若さと突き押しパワーの激突である。しかし、現時点では貴景勝がすべてに上まわっていた。かつての麒麟児対富士櫻の一歩も引かぬ激しい突き合いまではいかなかった。今場所は横綱引退及... -
■初 7日目 引退、休場多発のなかでの期待の星
ついに御嶽海まで休場した。これで優勝戦線からは脱落である。再出場の可能性はあるものの、序盤戦の元気いっぱいの相撲は失われると見たほうが自然である。休場しても後に続く者がいる、層の厚さがあるといってもここまでくると、優勝を争える力士は限定... -
■初 6日目 しぼむ(?)優勝争い
2勝3敗の鶴竜が今日から休場した。3横綱3大関でスタートした一月場所だが、序盤で一気に半減した。横綱同士の対戦は今場所ない。横綱・大関リーグ戦はたった3番しかない。それが果たして優勝をかけた一番になるかは、はなはだ疑わしい。また、5連勝... -
■初 5日目 白鵬の相撲に乱れ
4連敗中の大関栃ノ心が今日から休場した。この日は大関高安、横綱鶴竜と負け、2勝3敗となった。もしかすると休場は増えるかもしれない。4連勝の白鵬にしても相撲内容はもう1つである。その白鵬は結びで急成長の錦木と対戦した。今の白鵬はかつての白... -
■初 4日目止まらない大荒れの土俵
今場所予期せぬ敗戦が続いた稀勢の里がついに引退した。速報は8時台に流れた。横綱に昇進してケガでなかなか結果が出せず、苦悩の日々が続いた。だが、これで解放される日がやってきた。横綱稀勢の里の相撲を見るのはつらかったが、稀勢の里のいなくなっ... -
■初 3日目稀勢の里の終焉
2連敗の横綱稀勢の里が3日目出場してきた。これは最後まで取るという意志表示か。場所中に引退したのは、横綱が実質地位化した常陸山以降でいうと常ノ花が最初である。それまでの東京横綱は全休後の引退が目立つ。また、大錦は事件の責任を取り、栃木山... -
■初 2日目稀勢の里の限界
稀勢の里、初日の敗戦でもうこれ以上負けられないところで組まれたのが、逸ノ城である。初日は馬力で大関高安を問題にしなかった。眠れる獅子が目覚めるととてつもない破壊力を発揮する。まして横綱稀勢の里に対して3連勝中である。稀勢の里にとって、も... -
■初 初日稀勢の里の敗戦は当然だった
初日最大の注目の取組は横綱稀勢の里対小結御嶽海戦である。懸賞の数の圧倒的多さ、森永賞に選ばれたことでもうかがい知ることができる。対戦成績は稀勢の里の6勝1敗。横綱以降でも3勝1敗である。だからそれほど厭な相手ではない、という見方があった... -
2019年一月場所展望
横綱・大関に今のところ休場はないなかで初日をむかえることになりそうな一月場所。最大の注目点は横綱稀勢の里である。目下6連敗中であり、休場横綱と呼ばれているだけに、待ったなしで進退をかける場所になる。ここへきて稽古の勝敗からいけそうだと思... -
2019年一月場所横綱・大関に挑む10人のサムライ
横綱・大関6人が出場。上位に休場が出なければ、前頭3枚目までが横綱・大関との対戦圏内である。同部屋の稀勢の里と高安及び豪栄道と妙義龍、栃ノ心と栃煌山が対戦なしのため、4枚目琴奨菊と対戦することになる。先場所、3横綱1大関が休場しているだ... -
横綱の連敗
連勝というと双葉山の69連勝、白鵬の63連勝。千代の富士の53連勝などがすぐに浮かんでくる。ところが横綱の連敗となると意外と知られていない。実は鶴竜は現在5連敗中であり、稀勢の里は九月場所千秋楽から不戦敗を含め、6連敗中なのである。本来なら深... -
よぎる稀勢の里への思い
明治神宮でおこなわれた奉納土俵入りに行ってきた。稀勢の里をこの目で見たかったためである。前日の横綱審議委員による稽古総見では「軽い」「不安」「15日間戦えるスタミナはあるのか」と散々な声が聞かれた。やはり、冬巡業を全休したことが響いていな... -
貴景勝カモと苦手
一月場所を前にして先場所優勝の貴景勝の注目度は高まる一方である。同じ初優勝でも栃ノ心や御嶽海と違うのは若さである。貴景勝は幕内で最も若い力士なのである。若さは未来へとつながる。将来性といってもいい。また、部屋移籍直後というのも劇的であっ... -
52年半前の専門誌に見る大相撲を面白くする方法3
専門誌「大相撲」が不人気を脱し、興隆を迎えるためには、本場所の土俵をもっと充実させることであることが第一である、と記述している。現代の理事長も土俵の充実をスローガンにしている。大相撲を面白くする方法は内容のある相撲といえる。昭和天皇は相... -
52年半前の専門誌に見る大相撲を面白くする方法2
大相撲100年の大系を考えると少年ファンの開拓が常に必要である。当時(昭和41年)二階席を限定的だが、小中学生に開放したのは成功だったと、相撲通は異口同音にコメントしている。「相撲ファンの年齢をもっともっと引き下げなければいけない」と結論して... -
52年半前の専門誌に見る大相撲を面白くする方法1
大相撲のチケットはいまや数時間で完売するほど入手が困難になっている。暴行事件や貴乃花が離職しようとも、人気にいささかの変化はない。過熱ぶりは少しも衰えない。ところが今から約52年半前の昭和41年名古屋場所展望号には「こうすれば大相撲はおもし... -
初土俵番付あれこれ
誰しも初土俵は必ずある。それが前相撲であったり、三段目あるいは幕下( )枚目格付出しであったりする。新弟子検査に合格すれば初土俵は一緒かというと、必ずしもそうとは限らない。外国人力士はビザの関係で前相撲が先に延びることなるケースがある。... -
今年も続く主役なき土俵
昨年は栃ノ心、御嶽海、貴景勝3力士が初優勝した。横綱鶴竜が2回優勝したが、2度休場した。横綱白鵬は4度も休場し、主役不在の1年間だった。栃ノ心は後半失速し、御嶽海は大関挑戦がふりだしに戻ってしまっている。これではとうてい群雄割拠というレ... -
今年(2018年)1年ご愛読ありがとうございました
賢明な読者の皆様、今年(2018年)1年ご愛読誠にありがとうございました。今年も変わらぬPVを得られたのもご愛読いただいた皆様のおかげです。本場所のある月は9月が最高のPVで、11月が次点でした。本場所のない月では10月が最高のPVで、12月が次... -
今年(2018年)の土俵の目撃者を振り返って
今年も残すところわずかとなった。振り返れば土俵の目撃者は今年もあらゆる所に足を運び、この目で見た大相撲を様々なテーマで伝えて来ました。長期滞在したのは大阪場所で、9日間に及びました。個人的にも大阪は好きな場所です。その主な理由はすばらし... -
小結優勝の翌場所の成績
十一月場所で、貴景勝が数少ない小結優勝を達成した。史上9例目であった。関脇優勝が26場所あるのと比較しても、小結優勝がいかに珍しいかがわかる。それでは小結優勝の翌場所はどういう成績をあげているのか、調査してみた。それが以下である。小結優勝... -
来年はどうなる!横綱・大関は誕生するか
今年(平成30年)は栃ノ心が突然変異的強さを発揮し、初優勝を飾った。それだけではない。初優勝を生かし大関に昇進した。同じく初優勝した御嶽海はチャンスを生かせず、ふりだしに戻った。現在3横綱3大関が番付を占めているが、30歳以上が5力士と高齢... -
矢後の出世街道
幕下15枚目格付け出しでデビューした矢後が1年4場所かかって、新入幕を果たした。御嶽海が幕下10枚格付け出し4場所で入幕したのと比較するといかにも時間がかかった感がする。改めて矢後の出世街道をみていこう。矢後はいわゆる相撲少年であった。少年... -
来年はどうなる!稀勢の里の行く末
番付発表の日、珍しく稀勢の里が記者会見を開いた。冬巡業を全休し、不安があるなか、一月場所の出場を表明した。また、こうも語っている。「来年こそはいい年にしたいし…」本人の意気込み、ファンが「横綱を信じる」とか「稀勢の里よ勝て」といった声援の... -
一月場所番付あれこれ
2019年一月場所の番付が発表された。以前、0勝と全休どちらが上か、というテーマで書いた。詳細は以下をクリックして参照していただきたい。全休と0勝どちらが上結果からいえば、0勝が上だった。したがって0勝の稀勢の里が全休の白鵬をおさえ、東横綱... -
来年はどうなる!暴行はなくせるか
今年は3つの暴行が明るみにでた。3月、十両貴公俊による支度部屋での付け人への暴行。三段目Hによる弟弟子への暴行。両力士ともその場所の途中と翌場所出場停止になった。そして12月巡業中のホテルで貴ノ岩による付け人への暴行である。責任を痛感して... -
来年はどうなる!白鵬の皆勤場所数
<白鵬の土俵入り>今年(平成30年)の白鵬は、力士人生初の4場所休場を経験した。白鵬はこれまで休場が少なく、横綱として48場所連続皆勤の最高記録を保持している。白鵬の横綱初休場は平成27年の九月場所だった。初日から2連敗しての途中休場だった。... -
2018年大相撲10大ニュース2位・1位
■2位 被害者から加害者へ貴ノ岩が付け人暴行で引退一年前の暴行被害者が一転して今度は加害者になったのが、貴ノ岩である。人生には上り坂、下り坂に加えてもう1つ坂がある。まさかという坂である。貴ノ岩の付け人への暴行は、まさにまさかであった。普... -
ここ5年間の力士数の変遷
現代は少子化の時代である。労働力不足を急ぎ補おうと、政府が外国人労働者受け入れ法案を中身がはっきりしないまま通したことからも深刻さがうかがえる。少子化、将来の人口減少は大相撲とて例外ではない。加えて暴行問題や付け人の多忙さが露見すると、... -
2018年大相撲10大ニュース4位・3位
■4位 栃ノ心が初優勝と大関昇進栃ノ心は昨年まで小結8場所、関脇1場所務めていた。ただし勝ち越しはわずか1場所しかなかった。つまり、栃ノ心は優勝・大関とは無縁の力士という見方をされていたわけである。その栃ノ心が一月場所、平幕上位の3枚目で... -
2018年大相撲10大ニュース6位・5位
■6位 稀勢の里危機脱せず、横審異例の激励今年の稀勢の里はさんざんな成績だった。途中休場、全休、全休、全休、10勝5敗、途中休場で年間11勝15敗64休となった。横綱が年間11勝しかしていないのは、論外である。とうてい横綱の責任からは、はるかに遠い... -
2018年大相撲10大ニュース8位・7位
■8位 貴公俊が支度部屋で付け人を暴行三月場所8日目、新十両の貴公俊が支度部屋で付け人を殴った。支度部屋には当然力士、関係者、マスコミがいる。衆目の中での暴行となった。付け人が控えにはいる連絡が遅れたため、貴公俊があわてて控えに入るはめに... -
貴景勝、母校に向けてパレード
19日に予定されていた十一月場所の優勝者貴景勝のパレードは、17日に変更になった。開始も11時とやや早い時刻である。19日は付け人に対する講習会があるので、そのための変更か。ところが夜半に降り始めた雨は朝になっても降り続き、この先どうなるかと不... -
2018年大相撲10大ニュース10位・9位
■10位 貴乃花支持票なき理事候補選挙に出馬で落選貴乃花一門は、貴乃花部屋・阿武松(元益荒雄)部屋・大嶽(元大竜)部屋・千賀ノ浦(元隆三杉)部屋・立浪(元旭豊)部屋で形成されていた。そこに自由に発言したいと時津風一門を出た錣山(元寺尾)部屋...