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玉鷲実力評価の変遷

190127千秋楽表彰 1481
<優勝した玉鷲(右)>

一月場所苦節15年の末、玉鷲が幕内最高優勝

を達成した。34歳であった。最近でこそ玉鷲
の実力や相撲ぶりは知られているが、これ
までどのような幕内人生を歩んできたのか。
改めて振りかえってみた。
玉鷲の新入幕は平成20年の九月場所である。
しかし、このときは4勝11敗と勝てずに、
十両に降格している。翌場所再入幕したもの
の、4場所中3場所負け越しで、再び十両に
逆戻りした。ここで十両優勝によって1場所
で復帰した。
100918七日目幕内前半 049
<新入幕玉鷲>

復帰後3場所目、新入幕から10場所目に初め
て横綱・大関と対戦した。当時白鵬が一人
横綱で、大関は日馬富士・琴欧洲・魁皇・
琴光喜であった。対戦は全敗であり、成績は
5勝10敗で大敗した。上位再戦は5場所後の
平成23年一月場所であった。このとき琴光喜
はいなく、把瑠都が大関であった。このとき
は魁皇、日馬富士に勝利したものの5勝10敗
とはね返されている。
その後十両に3度落ちている。いずれも1場
所で復帰したものの、上位との対戦は遠ざか
っていた。ここまで玉鷲は特にはでな活躍は
なかった。明日のホープを期待させる要素も
みえなかった。約3年後の平成26年三月場所、
3度目の上位戦もまたもや5勝で終わって
いる。
そんななか、幕内中位で勝ち越して新小結に
昇進した。平成27年三月場所のことであった。
しかし、ここでも4勝11敗と大敗している。
ところが翌場所、横綱・大関戦は横綱日馬
富士のみの対戦で勝利し、初めて金星を獲得
した。
161113初日幕内 819
<H28年11月 玉鷲、横綱日馬富士から勝利>

玉鷲に変化が見られたのは平成28年十一月
場所からである。この場所再小結だが、白鵬・
日馬富士・鶴竜の3横綱、琴奨菊・稀勢の里・
豪栄道・照ノ富士の4大関時代であった。
玉鷲は4勝3敗と横綱・大関に勝ち越し、
この場所10勝5敗の好成績をあげた。初の
三賞技能賞を受賞した。玉鷲32歳のときで
あった。
32歳にして立つ。ここから玉鷲の快進撃が
始まった。きたる三月場所まで15場所連続
上位をキープしている。勝ち越し10場所、
負け越し4場所である。突き押し相撲の実力
者玉鷲の誕生であった。
大関を目指す貴景勝に比べ、玉鷲はあまり
騒がれていない。だが、12勝以上をあげると
大関もあり得る。34歳だが、相撲は若々しい。
玉鷲は大器晩成の輝く星となった。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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