天覧相撲最大の好取組は幕内最年少貴景勝対
次に若い阿武咲であろう。若さと突き押し
パワーの激突である。しかし、現時点では
貴景勝がすべてに上まわっていた。かつての
麒麟児対富士櫻の一歩も引かぬ激しい突き
合いまではいかなかった。
今場所は横綱引退及び横綱休場、大関休場、
小結休場と上位は手薄状態である。こんな
なかで8日目を終え、全勝は白鵬。上位で
2敗は関脇貴景勝・玉鷲となった。危うい
相撲を取ってきた白鵬は調子をあげてきた。
ところが大関ときたら、どこまで負けるのか、
と思えるほど負ける。高安4勝4敗、豪栄道
3勝5敗と勝ち越しさえピンチである。これ
では白鵬に対抗できそうもない。8勝、9勝
の成績のときは関脇の月給、負け越したら
平幕の月給にするくらいの厳しさがないと、
大関の面目は保てないのでは。
対抗できるのは2敗の貴景勝・玉鷲の両関脇
である。だが、2差ついているだけに白鵬
有利は間違いない。1敗力士が3人いるが、
優勝となると価値の問題が出てくる。今場所
は上位が少ないので横綱・大関・関脇と対戦
して初めて優勝の価値が出てくる。そこまで
はたしていけるのか。
ただ、好調御嶽海が突然休場したように相撲
は何が起きるかわからない。昭和42年十一月
場所、11勝1敗でトップを走っていた大鵬が
13日目から休場したことがあった。可能性は
低いが、もし白鵬が休場することになれば、
優勝の行方はがぜんわからなくなる。
低いが、もし白鵬が休場することになれば、
優勝の行方はがぜんわからなくなる。
【稀勢の里写真館】