ついに御嶽海まで休場した。これで優勝戦線
からは脱落である。再出場の可能性はあるもの
の、序盤戦の元気いっぱいの相撲は失われる
と見たほうが自然である。休場しても後に
続く者がいる、層の厚さがあるといっても
ここまでくると、優勝を争える力士は限定
されてくる。
現在7勝の白鵬に続く上位力士は2敗の関脇
貴景勝、関脇玉鷲、平幕北勝富士である。
彼らがこの後どこまで勝ち続けられるか、
未知数である。白鵬が1敗して降りてくる
ようだと3敗力士にもチャンスは出てくる。
このなかで期待が大きいのは幕内最年少で
先場所優勝した貴景勝である。今日の逸ノ城
との2敗対決では、まるい体をぶつけ、巨漢
逸ノ城をものともせずに後退させ押し出した。
迫力、力強さ、迷いのない押しは見ていて
スカッとする相撲であった。
貴景勝は「一寸先は闇」をモットーにして
いる。自分を戒め、調子にのることはしない。
貴景勝に笑顔が少ないのも、そうした一面を
もっているからである。先場所優勝したにも
関らず大関の声はそれほど大きく聞こえて
こない。
貴景勝が突っ走れば、優勝争いはがぜん興味
がわいてくる。それには13日目に予想される
白鵬戦を制することである。これまで1度も
勝っていない白鵬を倒せば、貴景勝の飛躍に
つながる。今場所は引退と休場多発で見せ場
が失われつつある。興味をつなぐためには
ひとえに貴景勝の奮闘にかかっている。
【稀勢の里写真館】