引退しても元稀勢の里の人気は衰えること
なく、未だ続いている。横綱としては実績を
残せなかったが、これほど相撲ファンに愛さ
れた横綱は珍しい。稀勢の里は横綱時代以外
では、ガチンコの強さを発揮していた。その
なかから、稀勢の里10番勝負をピックアップ
してみた。この10番は筆者の主観で選ばせて
いただいた。むしろほかの方はどんな10番を
選ぶか興味深い。
平成18年九月場所、稀勢の里はすでに横綱
初勝利を朝青龍からあげ、殊勲賞を受賞して
いる。このときは朝青龍の一人横綱地代で
あった。稀勢の里はこのとき小結で金星では
なかった。それから8場所後、このときは
白鵬が横綱で東西に横綱が揃った時期であっ
た。
夏巡業をケガのために休場した。ところが
母国モンゴルで元気にサッカーをしている
映像が日本のテレビに流された。休場中に
サッカーをやるのはけしからん、という理由
で2場所出場停止となり、大きな騒ぎと問題
となった。
朝青龍は平成20年一月場所本場所に戻って
きた。稀勢の里は前頭筆頭。これまで小結を
4場所経験していた。このとき稀勢の里は
21歳の若武者であった。2日目早くも朝青龍
と稀勢の里の両力士は激突した。
放す。朝青龍対抗し、土俵中央での突き合い、
押し合いになった。そんななから、稀勢の里
が朝青龍のふところに入ってもろ差し。朝青
龍首投げ気味にしかけるも、稀勢の里後ろに
ついてそのまま送り倒した。稀勢の里にとっ
て初めての金星であった。
相星決戦で力相撲の末敗れたものの13勝2敗
の好成績を残した。その朝青龍を倒した稀勢
の里は10勝5敗。2度目の殊勲賞を受賞した。
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