大相撲

52年半前の専門誌に見る大相撲を面白くする方法3

2019年1月6日

専門誌「大相撲」が不人気を脱し、興隆を
迎えるためには、本場所の土俵をもっと充実
させることであることが第一である、と記述
している。現代の理事長も土俵の充実をスロ
ーガンにしている。大相撲を面白くする方法
は内容のある相撲といえる。

昭和天皇は相撲好きであり、しばし天覧相撲
がおこなわれていた。その日の相撲は白熱し、
活気に満ちていたと、評論家やメディアは
発言している。常に天覧相撲のような精神で
取れればいいのだが、そうはいかない現状が
あった。「大相撲」は指摘する。ただ、懸命
やるだけでは、アマチュアと変わりがない。
そこに、プロらしい実力がともなってこそ、
観客は喜び、いっそうの拍手を惜しまない
ことになる。
特集
<専門誌大相撲の特集記事>

そして手に汗をにぎる熱戦が少ない原因を
こう分析している。まず、力士の収入が安定
して力士のサラリーマン化につながっている
ことをあげている。そのためにも枚数ごとに
月給に差をつけろと提言している。そうで
ないと上がることより現状を守ろうとする。
しかし、枚数ごとに月給に差をつける制度は
未だに実現していない。

また無気力相撲という名の八百長と思われる
相撲が横行しており、これでは熱戦からほど
遠くなる、とも述べている。そのためにも、
同系統の取組は中日前に実施し、後半は幕内
下位対十両上位、十両下位対幕下上位の対戦
をどんどん増やすことである。ただ、協会は、
八百長がない建て前であるだけに、前記の
ようなことはおこなわれるはずがなかった。
これでは土俵の充実は遠ざかる一方になる。
ちなみに現代は八百長的行為をおこなわない
よう各力士に誓約書を提出させている。

内容ある相撲の裏づけとなるのが、稽古で
ある。大合併の巡業ではどうしても稽古量に
限界がでてくる。6場所制がそのままで稽古
量を増やすのなら大合併巡業をやめること
が第一条件になる、と「大相撲」は指摘する。
そのかわり、一門巡業、あるいはキャンプ、
部屋稽古にすべきと主張している。大合併の
巡業は現代も変わらない仕組みである。
玉の海
<玉の海氏の著書>

厳しい評論でなる天竜・玉の海両氏は次の
ように意見している。「現在の相撲は、見物
人に、これはという興奮を与えていない。
攻めて攻め返す相撲の醍醐味を、観衆に味わ
わせていない。けいこ場へ行っても、シコや
テッポウなど、幕内力士のやっているのを
見ても型になっていない。仕切りで手はつか
ぬ、ぶつかりけいこはへたくそ。これでは
おもしろい相撲は生まれようがない。すべて
はけいこ量と真剣味にかかっていると思う」
と厳しい。両氏が現代の吊り出しとうっちゃ
りがほとんど消失した相撲を見たら果たして
何と言うか。土俵の充実は容易なことでは
ないことがわかる。

(この項目終わり)

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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