大の里はスピード出世以外にもう一つの記録がある。それはデビュ
ー以降15場所連続勝ち越し中の点である。デビューは幕下10枚目格
であった。内訳は幕下2場所、十両2場所、幕内関脇以下5場所、
大関4場所、横綱2場所である。成績は159勝50敗である。勝率は
7割6分1厘である。

現役で同じくデビュー以降連続勝ち越し中の異色力士がもう一人い
る。脅威の新人安青錦である。幕下以下6場所、十両2場所、幕内
4場所と12場所連続勝ち越し中である。成績は104勝28敗である。
勝率は7割8分8厘である。勝率は大の里以上である。
だが、彼ら以上の存在がいた。杤木山である。デビュー以降24場所
連続勝ち越しである。ただし条件が違い過ぎる面がある。年2場所
の時代である。取組は、幕内は東西制である。対戦相手が休むと自
分の星取りも休み扱いになった。栃木山は休場の少ない横綱であっ
たが、数少ない休場によって記録はストップした。
デビューにこだわらなければ最長は武蔵丸の55場所連続勝ち越しが
最高である。幕下から横綱にかけて達成している。幕内に限定する
と白鵬が51場所連続勝ち越しを達成している。大関から横綱にかけ
ての記録である。次点は北の湖の50場所連続である。

こうしてみると大の里の連続勝ち越しはまだ初期段階である。大の
里が記録をストップするとしたら休場がらみになった場合である。
参考記録だが、まず栃木山のデビュー以降の24場所連続勝ち越しを
破っていい。大の里の連続勝ち越しはどこまで続くか見ものである。