横綱の連敗記録|ワーストランキングと常陸山以降51人の最高連敗

連勝記録は双葉山の69連勝や白鵬の63連勝がすぐ浮かぶが、横綱の連敗記録は意外と知られていない。ワーストは照國と北の富士の8連敗。次いで7連敗が宮城山・東富士・輪島・旭富士・貴乃花の5人である。横綱の最高連敗数の平均は4.4で、大鵬・千代の富士・白鵬の優勝ビッグ3はいずれも4連敗で踏みとどまった。この記事は、常陸山以降の東京横綱51人について、田口が一人ずつ最高連敗数を調べた記録である。

※集計条件は「休場は連敗を止めない/不戦敗はカウントする」。数値は田口が各横綱の成績から割り出したもの。記事は平成30年(2018年)時点の集計で、当時現役だった鶴竜・稀勢の里は連敗が継続中だった。第73代照ノ富士以降の3人は、この集計に含まれていない(下の「この一覧に入っていない横綱」を参照)。

目次

横綱の連敗記録 ワーストランキング

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横綱の最高連敗数が多い順に並べた。8連敗のワースト2人と、7連敗の5人である。いずれも晩年や引退時に記録したものが多い。

連敗横綱期間備考
8照國昭和27年秋〜28年初ワースト記録。晩年、ほかに4連敗あり
8北の富士昭和49年1月〜7月ワーストタイ。引退時の記録
7宮城山昭和5年10月〜6年春引退時。東西合併後の大阪横綱
7東富士昭和29年初ほかに5連敗を3度
7輪島昭和50年3月〜5月ほかに4連敗を4度
7旭富士平成3年9月〜4年1月引退時の記録
7貴乃花平成11年7月〜9月ほかに6連敗あり

常陸山以降51人の最高連敗数 一覧

常陸山以降の東京横綱について、それぞれの最高連敗数を田口がまとめた。下の表は、その51人を1人1行に並べたものである。連敗数の多い順に置き、同じ連敗数のなかは代の若い順にした。代の番号は当サイトの歴代横綱一覧(日本相撲協会が公表している代数)に合わせている。

最高連敗横綱
8連敗第38代照國
8連敗第52代北の富士
7連敗第29代宮城山
7連敗第40代東富士
7連敗第54代輪島
7連敗第63代旭富士
7連敗第65代貴乃花
6連敗第39代前田山
6連敗第42代鏡里
6連敗第43代吉葉山
6連敗第46代朝潮
6連敗第56代若乃花(2代)
6連敗第57代三重ノ海
6連敗第59代隆の里
6連敗第61代北勝海
6連敗第72代稀勢の里 ※
5連敗第36代羽黒山
5連敗第37代安芸ノ海
5連敗第41代千代の山
5連敗第44代栃錦
5連敗第45代若乃花(初代)
5連敗第49代栃ノ海
5連敗第53代琴桜
5連敗第55代北の湖
5連敗第62代大乃国
5連敗第64代
5連敗第66代若乃花(3代)
5連敗第68代朝青龍
5連敗第70代日馬富士
5連敗第71代鶴竜 ※
4連敗第24代
4連敗第31代常ノ花
4連敗第47代柏戸
4連敗第48代大鵬
4連敗第50代佐田の山
4連敗第58代千代の富士
4連敗第67代武蔵丸
4連敗第69代白鵬
3連敗第33代武蔵山
3連敗第34代男女ノ川
3連敗第35代双葉山
3連敗第60代双羽黒
2連敗第30代西ノ海(3代)
2連敗第32代玉錦
2連敗第51代玉の海
連敗なし第19代常陸山
連敗なし第20代梅ヶ谷(2代)
連敗なし第22代太刀山
連敗なし第25代西ノ海(2代)
連敗なし第26代大錦
連敗なし第27代栃木山
常陸山以降の東京横綱51人の最高連敗数(田口による集計・平成30年時点)。※印の稀勢の里・鶴竜は、集計時に連敗が継続中だった数字。

人数の内訳は、8連敗が2人、7連敗が5人、6連敗が9人、5連敗が14人、4連敗が8人、3連敗が4人、2連敗が3人、連敗なしが6人(本記事で上の表を数えたもの)。5連敗までに全体の8割が収まる。

※稀勢の里・鶴竜の数字は、記事を書いた平成30年時点で連敗が継続中だった記録である。

この一覧に入っていない横綱

横綱は初代明石から第75代大の里まで75人いるが、この一覧が対象にしているのは51人である。入っていないのは次の3つのグループになる。

  • 初代明石〜第18代大砲(18人)=常陸山より前の横綱。一番ごとの星が残っていない時代が長く、最高連敗数を割り出せる成績が揃わない。
  • 第21代若島・第23代大木戸・第28代大錦(3人)=大阪相撲の横綱。東京の本場所を土俵にしていないため、田口の集計は対象外にしている。第29代宮城山だけは、東西合併後に東京の土俵へ移ったので一覧に入れてある。
  • 第73代照ノ富士・第74代豊昇龍・第75代大の里(3人)=いずれも平成30年より後の昇進で、この集計が作られたあとに横綱になった。3人の最高連敗数は田口の集計にも協会の公表資料にも無いため、推測で埋めずに空けてある。

田口が作成した横綱連敗の番付

下の3枚が、横綱ひとりひとりの最高連敗数・期間・備考をまとめた田口作成の調査表である。明治・大正から平成まで、常陸山以降の横綱を網羅している。

横綱の最高連敗数の番付(明治・大正〜昭和前期)
横綱の最高連敗数の番付(昭和中期〜後期)
横綱の最高連敗数の番付(昭和末〜平成)

ワースト記録は照國と北の富士の8連敗

戦後、照國が8連敗を記録し、これが現在までのワースト記録になっている。その約21年半後に北の富士が8連敗でワーストタイに並んだ。ともに晩年から引退時の記録で、やむを得ない面があった。大横綱大鵬・千代の富士・白鵬の優勝ビッグ3が連敗を4で止めているのと比べると、晩年の横綱がいかに苦しい土俵を強いられるかがわかる。

横綱 照國のブロマイド
<照國のブロマイド>
横綱 北の富士
<北の富士>

7連敗を記録した5人の横綱

7連敗は宮城山・東富士・輪島・旭富士・貴乃花が記録している。最初の宮城山は、昭和の東西合併で1つになった大相撲で大阪横綱として苦戦が続き、引退時に7連敗を喫した。東富士はほかに5連敗を3度するなど、連敗と関わりの深い横綱であった。旭富士の7連敗は引退時の記録である。学生出身で唯一横綱になった輪島は4連敗を4度も重ねており、貴乃花は6連敗もあわせて記録している。

横綱 宮城山のブロマイド
<宮城山のブロマイド>
横綱 東富士のブロマイド
<東富士のブロマイド>

連敗のない横綱たち

明治後期から大正の横綱には、最高でも連敗がない者がいる。常陸山、2代目梅ヶ谷、太刀山、大錦、栃木山に連敗はない。これは彼らが強豪であると同時に、当時の取組が東西制で、不戦勝制度がなかったことも有利に働いている。2代目西ノ海の連敗なしは、横綱5場所中の皆勤がわずか1場所だったことによるものである。条件が記録に与える影響も見ておきたい。

双葉山「信念の歯車が狂った」

玉錦は連敗が少なく、最高でも2連敗であった。双葉山は3連敗を2度経験している。2度目のとき「信念の歯車が狂った」という有名な言葉を残している。69連勝の大記録を持つ双葉山でさえ、晩年には連敗を避けられなかった。強い横綱ほど連敗が短いという傾向は、この一覧からもはっきり読み取れる。

横綱の最高連敗、平均は4.4

横綱の最高連敗数の平均は4.4である。昭和・平成に限定すると5.1連敗になる。明治・大正の横綱に連敗なしが多く、全体の平均を押し下げているためである。連敗のワースト記録が8でとどまっているのは、それだけ横綱という地位が連敗を許されない厳しい立場であることを物語っている。優勝から遠ざかった記録とあわせて見ると、横綱の浮き沈みがより立体的に見えてくる。

横綱の連敗記録についてよくある質問

横綱の連敗記録のワーストは誰ですか?

照國と北の富士の8連敗です。照國が戦後に記録し、その約21年半後に北の富士が並びました。ともに晩年から引退時の記録です。

7連敗を記録した横綱は誰ですか?

宮城山、東富士、輪島、旭富士、貴乃花の5人です。宮城山と旭富士は引退時、東富士はほかに5連敗を3度記録しています。

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連敗が一度もない横綱はいますか?

常陸山、2代目梅ヶ谷、太刀山、2代目西ノ海、大錦、栃木山です。いずれも明治後期から大正の横綱で、東西制で不戦勝制度がなかったことも有利に働いています。

大鵬・千代の富士・白鵬の連敗は何連敗ですか?

優勝ビッグ3はいずれも最高4連敗で踏みとどまっています。横綱の最高連敗数の平均が4.4であることからも、彼らの安定感がうかがえます。

照ノ富士や豊昇龍、大の里の連敗記録は載っていますか?

載せていません。この集計は平成30年(2018年)時点のもので、第73代照ノ富士・第74代豊昇龍・第75代大の里はその後の昇進です。3人の最高連敗数は田口の集計にも協会の公表資料にも無いため、推測で数字を作らずに空けてあります。

この連敗記録の集計条件は?

常陸山以降の東京横綱51人が対象です。休場は連敗を止めないものとし、不戦敗はカウントしています。数値は田口が各横綱の成績から割り出したものです。

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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