連勝記録は双葉山の69連勝や白鵬の63連勝がすぐ浮かぶが、横綱の連敗記録は意外と知られていない。ワーストは照國と北の富士の8連敗。次いで7連敗が宮城山・東富士・輪島・旭富士・貴乃花の5人である。横綱の最高連敗数の平均は4.4で、大鵬・千代の富士・白鵬の優勝ビッグ3はいずれも4連敗で踏みとどまった。この記事は、常陸山以降の東京横綱を対象に、田口が全横綱の最高連敗数を調べた記録である。
※集計条件は「休場は連敗を止めない/不戦敗はカウントする」。数値は田口が各横綱の成績から割り出したもの。記事は平成30年(2018年)時点の集計で、当時現役だった鶴竜・稀勢の里は連敗が継続中だった。
横綱の連敗記録 ワーストランキング
横綱の最高連敗数が多い順に並べた。8連敗のワースト2人と、7連敗の5人である。いずれも晩年や引退時に記録したものが多い。
| 連敗 | 横綱 | 期間 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 8 | 照國 | 昭和27年秋〜28年初 | ワースト記録。晩年、ほかに4連敗あり |
| 8 | 北の富士 | 昭和49年1月〜7月 | ワーストタイ。引退時の記録 |
| 7 | 宮城山 | 昭和5年10月〜6年春 | 引退時。東西合併後の大阪横綱 |
| 7 | 東富士 | 昭和29年初 | ほかに5連敗を3度 |
| 7 | 輪島 | 昭和50年3月〜5月 | ほかに4連敗を4度 |
| 7 | 旭富士 | 平成3年9月〜4年1月 | 引退時の記録 |
| 7 | 貴乃花 | 平成11年7月〜9月 | ほかに6連敗あり |
全横綱の最高連敗数 一覧
常陸山以降の東京横綱について、それぞれの最高連敗数を田口がまとめた。連敗数の多い順にグループ化したのが下の表である。
| 最高連敗 | 横綱 |
|---|---|
| 8連敗 | 照國、北の富士 |
| 7連敗 | 宮城山、東富士、輪島、旭富士、貴乃花 |
| 6連敗 | 前田山、鏡里、吉葉山、朝潮、2代若乃花、三重ノ海、隆の里、北勝海、稀勢の里※ |
| 5連敗 | 羽黒山、安芸ノ海、千代の山、栃錦、初代若乃花、栃ノ海、琴桜、北の湖、大乃国、曙、3代若乃花、朝青龍、日馬富士、鶴竜※ |
| 4連敗 | 鳳、常ノ花、大鵬、柏戸、佐田の山、千代の富士、武蔵丸、白鵬 |
| 3連敗 | 武蔵山、男女ノ川、双葉山、双羽黒 |
| 2連敗 | 3代西ノ海、玉錦、玉の海 |
| 連敗なし | 常陸山、2代梅ヶ谷、太刀山、2代西ノ海、大錦、栃木山 |
※稀勢の里・鶴竜の数字は、記事を書いた平成30年時点で連敗が継続中だった記録である。
田口が作成した横綱連敗の番付
下の3枚が、横綱ひとりひとりの最高連敗数・期間・備考をまとめた田口作成の調査表である。明治・大正から平成までの全横綱を網羅している。



ワースト記録は照國と北の富士の8連敗
戦後、照國が8連敗を記録し、これが現在までのワースト記録になっている。その約21年半後に北の富士が8連敗でワーストタイに並んだ。ともに晩年から引退時の記録で、やむを得ない面があった。大横綱大鵬・千代の富士・白鵬の優勝ビッグ3が連敗を4で止めているのと比べると、晩年の横綱がいかに苦しい土俵を強いられるかがわかる。


7連敗を記録した5人の横綱
7連敗は宮城山・東富士・輪島・旭富士・貴乃花が記録している。最初の宮城山は、昭和の東西合併で1つになった大相撲で大阪横綱として苦戦が続き、引退時に7連敗を喫した。東富士はほかに5連敗を3度するなど、連敗と関わりの深い横綱であった。旭富士の7連敗は引退時の記録である。学生出身で唯一横綱になった輪島は4連敗を4度も重ねており、貴乃花は6連敗もあわせて記録している。


連敗のない横綱たち
明治後期から大正の横綱には、最高でも連敗がない者がいる。常陸山、2代目梅ヶ谷、太刀山、大錦、栃木山に連敗はない。これは彼らが強豪であると同時に、当時の取組が東西制で、不戦勝制度がなかったことも有利に働いている。2代目西ノ海の連敗なしは、横綱5場所中の皆勤がわずか1場所だったことによるものである。条件が記録に与える影響も見ておきたい。
双葉山「信念の歯車が狂った」
玉錦は連敗が少なく、最高でも2連敗であった。双葉山は3連敗を2度経験している。2度目のとき「信念の歯車が狂った」という有名な言葉を残している。69連勝の大記録を持つ双葉山でさえ、晩年には連敗を避けられなかった。強い横綱ほど連敗が短いという傾向は、この一覧からもはっきり読み取れる。
横綱の最高連敗、平均は4.4
横綱の最高連敗数の平均は4.4である。昭和・平成に限定すると5.1連敗になる。明治・大正の横綱に連敗なしが多く、全体の平均を押し下げているためである。連敗のワースト記録が8でとどまっているのは、それだけ横綱という地位が連敗を許されない厳しい立場であることを物語っている。優勝から遠ざかった記録とあわせて見ると、横綱の浮き沈みがより立体的に見えてくる。
横綱の連敗記録についてよくある質問
横綱の連敗記録のワーストは誰ですか?
照國と北の富士の8連敗です。照國が戦後に記録し、その約21年半後に北の富士が並びました。ともに晩年から引退時の記録です。
7連敗を記録した横綱は誰ですか?
宮城山、東富士、輪島、旭富士、貴乃花の5人です。宮城山と旭富士は引退時、東富士はほかに5連敗を3度記録しています。
連敗が一度もない横綱はいますか?
常陸山、2代目梅ヶ谷、太刀山、2代目西ノ海、大錦、栃木山です。いずれも明治後期から大正の横綱で、東西制で不戦勝制度がなかったことも有利に働いています。
大鵬・千代の富士・白鵬の連敗は何連敗ですか?
優勝ビッグ3はいずれも最高4連敗で踏みとどまっています。横綱の最高連敗数の平均が4.4であることからも、彼らの安定感がうかがえます。
この連敗記録の集計条件は?
常陸山以降の東京横綱が対象です。休場は連敗を止めないものとし、不戦敗はカウントしています。数値は田口が各横綱の成績から割り出したものです。
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