大相撲– category –
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2019年十一月場所チケット事情
2019年から十一月場所のチケットが九月場所7日目発売に変更になった。これが今年の途中から変更になったため、周知徹底されていない面が残った。現に初日前日に初めて知ったという方に出会った。随分早い前売り開始で予定が立つのだろうか。また、場所中... -
2019年九月場所総評
★両横綱をはじめ休場者が多数出た。休場者及び出場停止者は9人に及んだ。鶴竜(途中休場)白鵬(途中休場)高安(全休)逸ノ城(途中休場)妙義龍(途中休場後再出場)豊ノ島(途中休場)嘉風(初日から休場後引退)青狼(途中休場後再出場再休場)貴ノ富... -
■秋千秋楽 優勝御嶽海の大関取り
近年関脇以下の初優勝が珍しくなくなった。栃ノ心御嶽海貴景勝玉鷲朝乃山九月場所は、関脇以下初優勝組から2回目の優勝力士をだすのか。それとも初優勝力士がまだ続くのか。千秋楽に結果が出る。まず、3敗同士の関脇貴景勝と平幕隠岐の海が対戦した。隠... -
■秋14日目 あってもいい幕内2部優勝
もはや、白鵬・鶴竜・高安不在のなかで低レベルの優勝争いを語るのは、気が進まない。だが、触れないわけにはいかない。まず新入幕の剣翔。にわかに浮上しただけに当然上位好調組との対戦は皆無である。この日の対戦相手は琴勇輝。相撲は琴勇輝のパワーに... -
■秋13日目 今後もおこりえる混乱場所
貴景勝が、対戦成績で負け越している力士の一人が豪栄道である。貴景勝対豪栄道、結びの一番は思いがけない展開となった。貴景勝低くあたりにいくところ、豪栄道は左上手を取ってすぐさま投げにいって、勝負は一瞬のうちに決まった。貴景勝の2敗単独トッ... -
■秋12日目 向かう先はクライマックスなき場所
2敗明生対3敗隠岐の海の直接対決が、ようやく実現した。いささか遅すぎた感は否めない。相撲は立ち合いあたりあったが、明生が低くはいった。それでも隠岐の海が果敢に出る。明生後退し、腰がくずれるところ、隠岐の海が押し出した。これでともに3敗で... -
■秋11日目 明暗分けた2敗組
5人が2敗といっても同列ではない。明生・隠岐の海は上位の強豪との対戦は皆無である。今後明生・隠岐の海と上位好調組の取組は、組んだとしても2番くらいになる恐れがある。審判部に「喝」をいれるためには、彼らのなかから優勝したほうがいいのかもし... -
■秋10日目 5人が2敗で並んだ日
8勝1敗明生対6勝3敗新入幕剣翔、8勝1敗隠岐の海対4勝5敗佐田の海、まったく興味がわかない取組である。しかし、勝負は剣翔と佐田の海が勝った。それは結果であって、それでも取組的にわくわく感がないことに変わりなかった。2敗になっても明生と... -
■秋9日目 長足の進歩朝乃山
白星の積み重ねは、ときとして力士に勢いをもたらす。それが8戦全勝の隠岐の海である。だから3勝5敗の竜電は全勝の止め役にはならないと思い、前日(8日目)は平凡な取組と書いてしまった。竜電には失礼してしまった。隠岐の海対竜電はまったく誰も予... -
■秋8日目 忘れてはいけない教訓
3連敗していた鶴竜がついに休場した。いかにも負けが込んだから休場した印象はぬぐえない。これで2横綱が休場という惨憺たる場所になってきた。もう年齢的にも横綱に大きな期待をもてないことを証明してしまった。それでは横綱にとって代るのは大関かと... -
■秋7日目 絶対的強者不在の時代
まず、上位1敗組では小結遠藤が登場。対戦相手は同じ小結の阿炎である。四つでうまさを発揮する遠藤か。突き押しの阿炎か。相撲という競技は離れての戦いと組んでの戦いの両面がある珍しい格闘技である。相撲は阿炎が激しく突きたて、遠藤は後退。最後は... -
■秋6日目 波乱の予感
横綱鶴竜が、大栄翔の果敢な押しにいなしで対応。しかし、大栄翔はくずれない。ひたすら押し続ける。鶴竜、かわさんとしたが、大栄翔つけいって、そのまま向こう正面に押し出した。鶴竜はまさかの連敗である。充実・安定・好調の鶴竜はこの2日間でたちま... -
■秋5日目この2番!貴景勝対北勝富士・鶴竜対朝乃山
貴景勝が対戦圏内で、対戦成績で負け越している力士は、鶴竜、豪栄道、御嶽海の3人だけである。白鵬、高安は休場だから除外される。それでも北勝富士は、あなどれない相手である。押し相撲は押されると弱いと言われる。北勝富士の馬力は貴景勝を後退させ... -
■秋4日目 暗転の栃ノ心
貴景勝は上位初挑戦の友風を問題にしないで、一気に押し出した。貴景勝は本来の調子に戻ってきた。鶴竜は逸ノ城相手に落ち着いて、一蹴した。鶴竜の安定性は変わらず、好調が続いている。この日は、豪栄道が目の覚めるような速攻で北勝富士を一気に押し出... -
■秋3日目 高安・白鵬の休場がもたらしたモノ
鶴竜が立ち合いから果敢に碧山を攻め、機を見てはたき込んだ。鶴竜の相撲は安定している。ここまでは優勝を争える第一候補である。それでは第二候補はというと、白鵬が休場したため、該当する力士が見当たらない。大関は期待できない。2ケタがあげられな... -
■秋2日目 明暗を分けた気になる3力士
初日取っただけで白鵬が休場してしまった。これにはさすがにあっけにとられた。かつては超人白鵬といっていたが、いまは生身の人間に戻ってしまった。今年にはいって3度目の休場である。限界が近づいているような気がする。優勝回数はもう増えることはな... -
■秋初日 気になる負け方・勝ち方
パワー相撲のあたり、一気の出足ほど危険なモノはない。初日の取組で白鵬の対戦相手が一番難しい。その相手は北勝富士である。白鵬張り差しにいくも、脇があいたところを北勝富士が右差しを深くさす。白鵬、体が起き気味。北勝富士がそのままいっぺんに走... -
2019年九月場所の視点
このところ引退ラッシュである。九月場所後には元里山、元稀勢の里の引退相撲がある。一月場所後には元豪風の引退相撲がおこなわれる。元豪風は今日7日相撲塾で、体重減の近況、入門のいきさつや隠岐の海との関係、2度の一本背負い秘話など、楽しい話を... -
2019年九月横綱・大関に挑む11人のサムライ
2横綱3大関が勢ぞろいする、とはいかなかった。高安が初日から休場することになった。残った横綱・大関も、千秋楽まで取りきるかは、わからない。横綱・大関に挑む力士は前頭西4枚目正代までである。ただし、貴景勝は元大関のプライドから、挑むサムラ... -
御嶽海のとてつもない記録の予感
御嶽海は九月場所を東関脇で迎える。これで16場所連続関脇・小結在位場所数を続けていることになる。スタートは2017年三月場所である。本来御嶽海は大関を目指していただきたいのだが、初優勝以降いっこうに2ケタ勝利があげられないでいる。このままでは... -
千代の富士との比較でみる30歳以降の白鵬
年6場所時代の大横綱は30歳をすぎたら引退が近かった。大鵬は30歳以降6場所しか務めていない。北の湖は11場所である。例外は千代の富士で36場所務めている。白鵬は数々の大記録をうちたてた。ここではあえて30歳以降の白鵬に焦点をあててみよう。<白鵬... -
2019年九月場所前稽古総見見聞記
本来五月場所前に行われる公開稽古総見は、10連休の前に実施の延期を余儀なくされた。それが九月場所前の今日8月31日に実施された。今回も5時半に国技館に着いた。櫓より前の位置に並んだ。4列に並び直すとチケット売り場の前にまで来た。先頭は徹夜だ... -
鶴竜をめぐる優勝記録
七月場所、6回目の優勝を飾った鶴竜。以前熱狂的な鶴竜ファンと5回は優勝しときたいと話したことがあったが、それを上まわったことになる。本人はさらに2ケタ優勝を目指すようだが、それは容易ではない気がする。鶴竜が初優勝したのは、平成26年三月場... -
技能力士3
押しの技能を認められた力士が大受である。貴ノ花とともに将来を期待される力士であった。新入幕から技能賞を受賞した。押しは左右からじわじわ押すタイプであった。大関直前の昭和48年七月場所、大受の押しは冴えまくった。手がつけられないほどの徹底し... -
技能力士2
大鵬・柏戸の大型力士に割ってはいったのが春日野(元栃錦)部屋の小兵栃ノ海である。栃ノ海の相撲は正攻法であった。頭からあたって、両前褌を取り、しぼって拝む形で出る。手順通りに運ぶと、大鵬も柏戸も苦戦した。相撲は栃錦よりうまいと言われた。技... -
剣翔の出世街道
剣翔は小学校から相撲を始め、相撲教室に通う相撲少年であった。高校は埼玉栄高校へ進学。さらに大学は日本大学と相撲の名門校を歩んだ。だが、アマチュア時代の実績が乏しく、大相撲は前相撲からのスタートとなった。このあたりは北勝富士、友風、志摩ノ... -
どん詰まり感のある番付
2019年九月場所の番付が発表された。高安以外の大関が全休または不調休場で幕内上位に多くの勝ち越し力士が出た。御嶽海、阿炎、北勝富士、碧山、遠藤、大栄翔、逸ノ城。そこへ大関から降格した貴景勝が関脇に位置する。関脇か小結の枚数を増やしてもおか... -
通算最多勝利に挑んだ魁皇の苦闘
今から8年前の平成23年七月場所、千代の富士の通算最多勝利1045勝に挑んだ力士がいた。大関魁皇である。先場所まで1044勝で記録の更新は確実と思われた。ところがふたをあけると大苦戦が待ち受けていた。初日嘉風、2日目小結豪栄道、3日目関脇鶴竜に負... -
技能力士1
現代は重量級大相撲全盛時代で技能力士は誠に育ちにくい環境である。七月場所で炎鵬が技能賞を始めて獲得した。今後どれくらい受賞していくのか。舞の海は平成6年七月場所、5回目の受賞が最後の技能賞であり、これで終わっている。入幕から18場所目であ... -
幻の5横綱
4横綱はそれなりにある。最近では稀勢の里が横綱に昇進して、白鵬、日馬富士、鶴竜、稀勢の里の4横綱時代があった。日馬富士の引退で4横綱時代は終焉を迎えた。さらに稀勢の里の引退で現在は2横綱である。ところが、歴史のなかにはあわや5横綱が出現... -
大鵬の稽古その質と量
大鵬は天才と呼ばれることを嫌った。自分ほど努力した者はないという思いが強かった。大鵬を語る上で伝えられていることに、時の5大関北葉山、佐田の山、栃ノ海、栃光、豊山(前名内田)を向こうにまわしての猛稽古がある。稽古でも大鵬は負けない。稽古... -
優勝10回以上20回未満の横綱2
輪島は学生出身の唯一の横綱である。そして今後も出そうにない気配である。輪島以前には豊山(前名内田)がいた。豊山は大関までスピード出世したが、ついに優勝はなく、横綱に届かなかった。豊山がここ一番の勝負に弱かったのに対し、小坂秀二氏の言葉を... -
優勝10回以上20回未満の横綱1
15日制では上位で10勝という2ケタ勝利が大関につながる成績となる。横綱の優勝回数はどうだろうか。横綱として納得のいく優勝回数は、大関以下の優勝回数を含めて通算10回以上ではないだろうか。20回以上の優勝になるとさすがに超人的である。優勝10回以... -
豊昇龍の躓き
七月場所、幕下2枚目の豊昇龍は3勝2敗までいきながら、残り2番を連敗して負け越した。わずか1勝の違いが明暗を分けた。豊昇龍の負け越しは入門以来初めてであった。豊昇龍は序ノ口以来ここまで8場所連続勝ち越しできていた。<豊昇龍>幕下の力士は... -
大関在位2場所後の運命
貴景勝が途中休場、全休で大関を2場所で明け渡すことになった。言うまでもなく大関2場所は最短である。大関不十分のイメージがある栃ノ心でさえ5場所だった。貴景勝の心境はいかばかりであったろうか。<貴景勝>大関が2場所連続負け越しで降格の規定... -
栃錦の古今強豪ランキング
栃錦が引退したのは、昭和35年五月場所のことであった。昭和34年五月場所から昭和35年三月場所のここ1年間で81勝9敗という驚異的数字をあげながら、昭和35年五月場所初日、2日目と連敗するとあっさり引退してしまった。横綱はもうだめだ、となる前に桜... -
鶴竜と白鵬のこれから
七月場所は久々に横綱同士で優勝を争った。鶴竜が白鵬との直接対決を制し、6回目の優勝を飾った。白鵬は次点に終わった。七月場所は両横綱健在を示した場所と言える。ただ、これが、今後も続くかというといささか見通せなくなる。<七月場所優勝を争った... -
2019年九月場所チケットネット事情
チケット規正法が6月に施行されたにも関らず、ネット上では相変わらず驚愕の値段がはびこっている。なかには値引き交渉お断りの文字が目に付いたものもあった。法外の値段は商売としか思えない。イスC3800円(実際はこれに108円が加わる)が7500円、マス... -
炎鵬は舞の海を越えられるか
五月場所、新入幕炎鵬は7勝2敗から6連敗して負け越した。千秋楽は松鳳山と大熱戦を展開したが、もう一歩及ばず、負け越してしまった。歴史は繰り返すのか。七月場所の炎鵬は7勝3敗から3連敗した。14日目に負ければまたも7勝7敗となり、千秋楽は予... -
2019年九月場所チケット事情
以前東京場所の人気は一月場所、五月場所、九月場所の順であった。いつからくずれたかというと、遠藤が十両1場所で入幕した平成25年九月場所からである。そしてそれは今も続いている。2019年九月場所のチケット事情は想像以上であった。ほとんど買えない... -
かつてあった6大関時代
5大関でも多いのに、大相撲史上6大関が誕生した時期がある。平成24年五月場所から3場所である。その前場所の三月場所は把瑠都、日馬富士、稀勢の里、琴奨菊、琴欧洲の5大関だった。この場所、優勝決定戦で白鵬に敗れたとはいえ、13勝2敗の関脇鶴竜の... -
横綱誕生の間隔2
横綱が実質地位化した常陸山以降、横綱誕生が5年以上空いたことが3度ある。最初は玉錦が横綱でデビューするまでである。6年経っていた。玉錦の前の横綱は常ノ花なので、常ノ花の横綱誕生から6年かというと、それは違う。それはどういうことか。次ぎの... -
横綱誕生の間隔1
横綱稀勢の里が誕生し、デビューしたのは2017年三月場所だった。負傷をおいながら、大関照ノ冨士を本割・優勝決定戦で連勝しての優勝は忘れられないほどの感動を呼びおこした。あれから2年2場所が過ぎたが、横綱誕生の気配は少しもない。横綱候補は本来... -
智略力士安美錦
安美錦が七月場所限りで引退した。ケガで休場していたが、今のままでは幕下に陥落する。そう思えば引き際であった。安美錦というと新しい相撲ファンは、力は衰えているが、それでも奮闘して十両を維持しているベテラン力士、というイメージをもつかもしれ... -
大関の休場率
七月場所は貴景勝、栃ノ心、豪栄道、高安と4大関が休場する異常事態となった。貴景勝は連続休場、栃ノ心は大関6場所在位中半分が途中休場である。豪栄道はベテランの域で、引退が近いという見方が出始めている。高安はまだ優勝がない。今回のケガで後退... -
御嶽海の大関を阻むモノ
御嶽海は2年連続七月場所優勝と意気込んでいたにもかかわらず、また、4大関が休場したにもかかわらず、9勝6敗に終わった。これで優勝した昨年の七月場所後6場所連続1ケタ勝利に終わっている。つまり、大関の足がかりさえつかめない状態が続いている... -
初優勝から2回目の優勝への間隔2
前回初優勝から連続優勝した5力士と初優勝から2回目の優勝が、15場所後以上の柏戸・北の富士を取り上げてきた。その続きを記す前に初優勝から2回目の優勝が10場所後以上14場所後までの力士を参考までに列記しておこう。鏡里 11場所後魁傑 11場所後北... -
4場所経過した2019年年間最多勝レース
七月場所が終了し、今年4場所が早くも終了したことになる。年間最多勝レースはどのように変化したか。その経過をまとめてみた。それが以下である。なお、対象は4場所幕内に在位した力士とさせていただき、単なる数字の比較ではなく、横綱大関の対戦率に... -
2019年七月場所総評
★十両以上に休場力士が7人出たが相変わらず多い。北の湖理事長が公傷制度を廃止したのは、毎場所必ず公傷休場力士が出たからである。だが、毎場所けっこう休場力士を出すのなら、公傷制度を復活させてもいいのではと思ってしまう。今さら場所数を減らす、... -
■名古屋千秋楽 手堅かった鶴竜の優勝
これより三役は異例だった。関脇玉鷲をさしおいて小結阿炎がはいった。阿炎対琴奨菊は7勝7敗同士なので取組的興味では上だが、番付では玉鷲が上である。やすやすと取組順を崩してほしくない。それにしてもこれより三役に平幕2力士が入っているとは、今... -
■名古屋14日目 白鵬の敗戦が意味するモノ
14日目に横綱対平幕戦がおこなわれた。白鵬対琴奨菊戦である。白鵬にとって取り易い相手であった。これまでの対戦では、琴奨菊の出足を止めると投げでころがすパターンが多かった。ところが、この日は琴奨菊の出足に後退し、いいところなく一方的に土俵を... -
■名古屋13日目 終盤の波乱
取組は谷間。横綱対平幕である。鶴竜対関脇玉鷲戦は回避されたことになる。玉鷲の成績が上がらないのが理由だろうが、それなら早めに対戦させるべきであった。白鵬は妙義龍戦である。対戦相手としては妙義龍のほうが、いやな相手に思えた。<白鵬、妙義龍... -
■名古屋12日目 連続写真で見る2横綱の相撲
全勝できた鶴竜は、千代大龍の挑戦を受けた。今の鶴竜はパワー相撲に対する不安を少しも感じさせない。相撲は裾払いで、鶴竜が千代大龍を一蹴した。1敗白鵬は関脇以下最強の御嶽海との対戦を迎えた。相撲は両上手をがっちり取った白鵬に対し、もろざし御... -
■名古屋11日目 そして大関は誰もいなくなった
8勝を待っていたかのように大関高安が休場した。これで4大関全員が休場という異常事態に陥ってしまった。13日目に組まれると思っていた高安対白鵬戦が11日目に組まれるという皮肉な結果になってしまった。白鵬不戦勝で、ますますしまらなくなった。<高... -
■名古屋10日目 横綱・大関の手薄は近未来の姿
白鵬から金星を獲得して、意気上がる逸ノ城。だが、この日の対戦相手鶴竜は落ち着いていた。巨体逸ノ城に対し、後退するどころか逆に出て、まわしをがっちりつかむと勝負は決まった。逸ノ城は後退すると実にもろい。<鶴竜、逸ノ城を寄り切る>関脇玉鷲が... -
【7月21日】初優勝から2回目の優勝への間隔1
大正15年から始まった優勝制度は99人の優勝力士を誕生させた。47人が初優勝で終わっているとこれまで書いて来た。そのなかには栃ノ心、御嶽海、貴景勝、玉鷲、朝乃山も含まれている。逆にいうと52人は2回以上の優勝を達成してきたわけである。初優勝から... -
【7月20日】本名幕内力士
現代の幕内は、本名力士花盛りである。大関高安、遠藤、正代、矢後とすぐにも浮かんでくる。さらにもう一人明生。実は明生は下の名前である。矢後はまだ改名の余地があるし、明生は下の名前っぽくないからいいとしても、高安、遠藤、正代は改名のチャンス... -
【7月19日】大関の負け越し率2
清國の最高位大関の大関在位中の負け越し率17.9%の記録を抜いたのが、人気の角界のプリンス貴ノ花である。貴ノ花は大関在位50場所というとてつもない記録を最初つくった。これまで40場所台さえいなかったのだから驚異的な数字である。貴ノ花はそのうち6... -
【7月18日】大関の負け越し率1
貴景勝はカド番の場所を全休して関脇降格が決定した。貴景勝は大関2場所在位で2場所とも負け越したことになる。大関負け越し率は100%になる。最初大関のカド番率を考えていた。大関2場所連続負け越しで降格は東西合併以降である。つまり昭和2年からで... -
【7月17日】新優勝力士100人
朝乃山の優勝を太刀山以来の富山県出身力士の優勝と紹介するメディアがあった。太刀山は明治末から大正6年ごろまで活躍した強豪力士であるが、この当時は厳密にいうと優勝制度はなかった。あったのは時事新報社による幕内最高成績者の額を国技館に掲げる... -
【7月16日】2019年七月場所の行方
9日目を終了して全勝鶴竜、1敗白鵬、優勝は両横綱に絞られた。大関高安が2敗で続いているが、追いかける展開では少し苦しい。平幕の2敗力士妙義龍、友風、照強はこのままいけるだけの力量はまだない。では鶴竜と白鵬どっちが有利か。現時点では相撲内... -
■名古屋9日目 1敗白鵬、今後の引き締めが大事
逸ノ城は後退すると、ほとんどこらえることなく土俵を割る。だが、ときには巨体をぶっつけたり、突っ張ったりして、繰り出す破壊力はあなどれない。栃ノ心、豪栄道の相次ぐ休場で、横綱・大関の対戦圏内を広げざるを得なかった。そこで実現したのが白鵬対... -
◆お知らせ 賢明な読者の皆様へ【予告】
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするために七月場所の10日目から千秋楽まで昨年よりは涼しい名古屋に赴きます。その間以下の大相撲のテーマをお届けします。必ず指定日ごとにお読... -
■名古屋8日目 先場所と真逆!上位の取組が減少
今日から豪栄道が休場した。栃ノ心もそうだが、いかにも負けがこんだから休場した印象が強い。NHKの解説者だった玉の海梅吉さんなら「悪いところがあるなら、最初から休場すべきである。負けこんでの休場はいかにもみっともない」と戒めるところである... -
■名古屋7日目 万全の右四つが少ない白鵬
近年関脇以下の優勝は5回誕生している。栃ノ心御嶽海貴景勝玉鷲朝乃山共通しているのは白鵬が休場中であることだ。ただし、玉鷲は白鵬と対戦して勝っている。白鵬が休場したのは14日目からである。鶴竜は栃ノ心と朝乃山優勝のときはフル出場しているが、... -
■名古屋6日目 銭の取れる力士炎鵬
技の相撲というとかつては春日野部屋の伝統であった。栃錦、栃ノ海、栃東と続いた。技能賞の常連でもあった。時代は移り変わり、現代は重量級大相撲全盛時代ある。パワー相撲が目立ち、迫力がある反面、うっちゃり、吊り出しはほとんど見られなくなった。... -
■名古屋5日目 好調鶴竜を待つ魔の終盤
先場所13日目、5分以上の物言いでもめた栃ノ心対朝乃山戦が今場所5日目に実現した。しかし、栃ノ心がここまでまるでいいところがなく、もろさばかりが目立つ相撲では勝負は見えていた。そしてその通りの結果になった。栃ノ心は目指す相撲がはっきりせず... -
■名古屋4日目 白鵬頼りの相撲界の未来に不安
高安は本調子ではない。朝乃山に勝つチャンスがあるかもしれない、という思いは見事に砕かれた。高安は思いきってあたって、四つになったが止まらず、朝乃山に上手を与えず、下手出し投げでしとめた。朝乃山は豪栄道を正面から圧倒したが、両横綱、大関高... -
■名古屋3日目 厚遇に応えられない大関陣
どうも大関陣がピリッとしない。高安は2日目竜電に追い込まれて、もつれて取り直しとなった。取り直しは通常上位が有利なはずなのに、竜電に真っ向から堂々と負けてしまった。3日目の対戦相手は相撲巧者の遠藤。立ち合い、さぐりあいから左四つ。高安出... -
■名古屋2日目 白鵬渾身の上手投げで朝乃山を裏返す
初日の大関豪栄道戦の勝利で朝乃山対横綱白鵬の関心はいやでも高まっている。白鵬は休場明けだが、白鵬ほどのベテランになってくると精神的不安や動揺などすることはなく相撲が取れる。事実、白鵬の40回目、41回目、42回目の優勝はすべて休場後である。制... -
■名古屋初日朝乃山の勝因は圧力&白鵬戦はどうなる
先場所朝乃山が対戦した栃ノ心は関脇であった。朝乃山が唯一対戦している大関・横綱が大関豪栄道である。過去の対戦成績は1勝1敗。先場所朝乃山が勝ったシーンは記憶に新しいので覚えている方もおられよう。食い下がれば豪栄道、胸を合わせれば朝乃山と... -
2019年七月場所の視点
カド番貴景勝の休場はやはり寂しい。本人は出場する意向だったが、師匠である千賀ノ浦(元隆三杉)が止め、説得によって休場が決定した。そこには一時のために貴景勝の将来を奪ってはいけない。力士人生はまだこれからなのだから、ケガを治すことを優先さ... -
2019年7月!横綱・大関に挑む11人のサムライ
貴景勝が全休することになったため、横綱・大関との対戦圏内は東前頭4枚目の明生までとなる。ここ1年間の横綱戦・大関戦の成績及びこの1年の上位戦での勝ち越し、負け越しを記した表が以下である。ここ1年間横綱・大関とフルに対戦してきた力士が御嶽... -
優勝争いに加われるか否かで決まる鶴竜の存在感
先場所横綱鶴竜は11勝4敗に終わった。優勝次点である。これだけ見るのなら特に問題はないように思われる。しかし、実際は14日目に平幕朝乃山に優勝を決定される、という横綱の面目丸つぶれの結果であった。第一人者の横綱白鵬は休場、大関は未知数のなか... -
不可解なチケット発売日
今年(2019年)の十一月場所のチケット発売日が変更された。すでにご存知の方もいると思うが、9月14日土曜からになった。通常は10月上旬の土曜である。これは10月、消費税が8%から10%にアップする予定なので、それを避けるための日程変更かと思ってい... -
カド番貴景勝、不安のなかの戦い
新大関早々休場となった貴景勝。出だしで躓くのはなんともいやな感じである。まして貴景勝の場合は途中出場し、碧山に負けるとあっさり再休場ではいささか中途半端であった。醜態であった。押し相撲というのは波にのると突っ走るが、勢いが止まると苦戦に... -
御嶽海、大関への道
五月場所、御嶽海は9勝6敗と勝ち越し、七月場所は関脇に復帰した。これで御嶽海は関脇小結連続15場所在位することが決定した。これは若の里の19場所連続関脇小結在位場所数についで単独第2位となった。これまでは魁皇、琴光喜、豪栄道の14場所連続関脇... -
白鵬をめぐる横綱休場記録
白鵬は五月場所を全休した。これによって白鵬の横綱休場率はアップした。白鵬の横綱在位は71場所をむかえた。そのうち休場は119、不戦敗は5、あわせて124不出場である。休場率は11.6%になる。これはどの程度の記録なのか。実質横綱が地位化した常陸山以... -
若手6人に物申す
高齢化は世の中だけではない。相撲界にもきている。・横綱鶴竜 10月に34歳白鵬 34歳・大関豪栄道 32歳高安 28歳貴景勝 8月に23歳栃ノ心 10月に33歳5年後、間違いなく4力士は引退しているとみられる。相撲界を支え、次の時代を担う明日のホ... -
朝乃山勝ち越しの可能性を検証
番付発表の日、朝乃山は「勝ち越し目指してがんばる」と語っていた。勝ち越しを目指すのはどの力士も同じだが、朝乃山は特に先場所の優勝者として恥ずかしくない成績を残したい思いはあるだろう。実は、朝乃山は入幕12場所目で初めて上位に上がってきた。... -
貴源治の出世街道
貴源治が序ノ口から6年1場所かかって新入幕を果たした。中卒、相撲未経験からのスタートである。入門は貴乃花部屋であり、昨年貴乃花親方の離職に伴い、千賀ノ浦(元隆三杉)部屋に移籍した。初の双子関取の弟で、兄は十両の貴ノ冨士である。生まれは栃... -
番付!もう一つの考え方
七月場所の番付が発表された。予想外と思われている点が、朝乃山が新小結ではなく、筆頭に留まったことではないだろうか。五月場所、竜電西5枚目で10勝5敗、朝乃山西8枚目で12勝3敗である。数字のみを比較すると朝乃山が竜電の上にくると思われる。考... -
横綱勝率からみた横綱
将棋で一番伝統のあるタイトルが名人である。しかしこのタイトルを通算5期保持すると永世名人を名のれる。そうでない名人とは区別されている。しかるに相撲界はどんなに強くても弱くても横綱というひとくくりにされてしまう。大横綱とか名横綱ということ... -
ジンクス!平幕優勝力士は大関になれない
「平幕優勝力士は大関になれない」というジンクスはまぎれもなくあった。大正15年協会が優勝制度を設定してから8人、大蛇山、山錦、綾櫻、出羽湊、備州山、時津山、玉乃海、若三杉(のちの大豪)とことごとく大関に到達できなかった。間違っていない。そ... -
連続写真で見る炎鵬の技の相撲4
8日目。炎鵬は千代丸とは十両時代2戦して2敗している。千代丸の体重は185キロ。まともに戦っては不利である。炎鵬ここまで5勝2敗、千代丸3勝4敗である。炎鵬、あたって突き落とし気味に千代丸を泳がせ、果敢に低くくらいつく。足を取るやそのまま一... -
入幕までの所要場所数ランキング
幕内は力士の最高クラスである。ここまで到達すれば力士としては大成功といえる。そこで入幕までの所要場所数番付を作成してみた。対象は幕内の現役力士である。ただし、七月場所予想番付の幕内力士とした。なお、前相撲は場所数に含めていない。それが以... -
大関初休場負け越しの翌場所
今日(6月16日)貴景勝の大関披露宴が盛大におこなわれた。五月場所ケガのため休場-再出場-再休場した貴景勝の思いはいかばかりであったろうか。七月場所は大関2場所目でいきなりカド番をむかえることになる。これまで先人の大関は初休場負け越しの翌... -
復帰後の大関
五月場所、栃ノ心が10勝をあげ、大関に復帰することになった。復帰は6例目である。これまで25%だった大関復帰確率が栃ノ心によって29%に変わった。この規定は3場所連続負け越しで大関を降格にするのを2場所に改めた昭和44年七月場所から施行された。... -
連続写真で見る炎鵬の技の相撲3
炎鵬が序ノ口のとき、矢後は幕下15枚目でデビューした。新入幕炎鵬は差をぐんぐん縮めてきた。矢後は入幕3場所目。ここまで3勝2敗。炎鵬は4勝1敗で両力士は6日目に対戦した。十両時代の2018年三月場所に1度対戦して、このときは炎鵬が勝っている。... -
土俵が広がったとき
相撲の特徴に土俵がある。出たら負けになる。こういう格闘技はほかに類がない。柔道、レスリングでも競技範囲は限られているが、出たら即負けはない。ボクシングにいたってはロープで囲み、リングから出られないようになっている。土俵が俵で埋め込まれて... -
幕内横綱・大関対戦圏外の好成績者 昭和部屋別編2
昭和44年三月場所は、大鵬の連勝が誤審によって45でストップされた場所である。大鵬は途中休場し、優勝戦線に浮上したのが、大関琴櫻と前頭9枚目の竜虎である。竜虎は11日目麒麟児から勝利すると、12日目は10勝1敗同士で琴櫻と直接対戦した。この一番な... -
クンロク大関
五月場所、豪栄道・高安の両大関は一月場所同様9勝6敗に終わった。これで豪栄道の大関の成績は大関在位29場所、242勝172敗21休、勝率5割8分5厘、2ケタ勝利6場所、負け越し7場所となった。高安の大関の成績は大関在位12場所、102勝49敗29休、勝率6... -
幕内横綱・大関対戦圏外の好成績者 昭和部屋別編1
昭和40年一月場所より部屋別総あたり制がスタートした。この場所平幕下位の若杉山は12勝3敗で優勝した大関佐田の山は13勝2敗で1差である。だが、若杉山は前半ですでに3敗していた。佐田の山は13日目まで1敗だった。14日目大鵬に敗れ、ここで初めて1... -
物言いの説明の変遷
五月場所11日目、佐田の海対朝乃山戦で物言いがついた。相撲は朝乃山が一気に寄って出たとき、佐田の海の左足かかとが出た。そのさい朝乃山の左足つま先も土俵から飛び出し、微妙な勝負となった。<佐田の海対朝乃山戦>物言いがついて協議にいくぶん時間... -
連続写真で見る炎鵬の技の相撲1
五月場所100キロ未満の炎鵬が入幕し、がぜん注目をあびた。近年技の相撲が減少しているだけに貴重な存在である。改めて炎鵬の相撲を連続写真でふり返ってみよう。初日の対戦相手徳勝龍は再入幕である。十両時代の対戦成績は2勝2敗である、立ち合いあたり... -
2019年年間最多勝レース中間地点
今年、早くも半分の3場所が終了した。現時点で年間最多勝レースはどのような展開になっているか。3場所までの中間経過をまとめてみた。それが以下である。なお、対象は3場所幕内に在位した力士とさせていただき、単なる数字の比較ではなく、横綱大関の... -
今こそ水平カメラの設置を
<2019年5月 栃ノ心のかかとで大物言い>五月場所13日目、10勝をあげ大関復帰を目指す栃ノ心と優勝を争う朝乃山の一番は、物議をかもした。栃ノ心が西土俵をまわり込むとき、右のかかとが土俵の外に出た。これがういていたのか砂に触れたかで、とてつもな... -
取口がまるで違った史上初の親子大関
琴鎌谷が五月場所幕下2枚目で3連勝3連敗から勝ち越しを決め、十両昇進を決定した。琴鎌谷の父は師匠でもある元琴ノ若の佐渡ヶ嶽である。十両から父の四股名琴ノ若で関取デビューすることになる。<2019年5月 琴鎌谷(左)対若元春>親子関取は10組目で... -
大関陥落制度は見直すべき
栃ノ心が苦しみながらも10勝をあげ、大関復帰を果たした。大関復帰はのべ6人目である。栃ノ心は数少ない成功例となった。ところが大関復帰10勝以上の規定は必要か、という疑問が出ている。確かに必要かと問われれば、ノーという答になってしまう。<2019... -
優勝予測不能の時代
五月場所の朝乃山の優勝を場所前予想できた方はほとんどいなかったのではないだろうか。3人優勝候補をあげても難しかったのでは、と思われる。こうした傾向が昨年(2018年)の一月場所の栃ノ心から続いている。9場所経過して初優勝が5人、それも関脇以...