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技能力士4

F1相撲といわれるほどスピード相撲を取った
のが、2代目琴錦(現朝日山親方)である。
技能賞は8回受賞している。これは鶴ヶ嶺の
10回、栃錦の9回についで第3位の受賞回数
である。スピード相撲というと前褌を取って
走った柏戸、左四つ右上手を取ると出足早に
攻めた北の富士があげられるが、見た目の
速さは琴錦のほうが速く感じた。また、立ち
合いは激しかった。舞の海がフェイント気味
の立ち合いをしても、いっこうに気にせず
一気に出て、舞の海を土俵下にまでふっ飛ば
した。大関を狙える素材だったが、惜しくも
及ばなかった。
琴錦
<琴錦>

父子二代にわたる技能力士となったのが栃東
息子である。技能賞受賞回数は7回。6回が
関脇・小結であった。左四つ、前褌を引いて
の出し投げ。四つに組んでのおっつけを得意
とした。このおっつけは後に稀勢の里に伝授
された。相手十分をゆるさない体勢に持ち
込んだり、相手のいやなところを攻めたり
するなど技巧派力士であった。大関に昇進
して技能賞受賞に終止符を打った。
06初 千秋楽三役以降 001栃東優勝インタビュー
<栃東>

うまい相撲とは自分十分の体勢をつくれる
力士である。そうすることによって、自分が
最も力を発揮することができる。鶴竜のうま
さはそこにある。技能賞受賞は7回である。
技能賞6回受賞までは殊勲賞・敢闘賞の受賞
がない、という珍しさである(その後殊勲賞
を2回受賞)。
2010年七月場所、全勝対決の大関琴欧洲対
前頭6枚目鶴竜戦は鶴竜がうまさを発揮して
琴欧洲を不十分の体勢にして、すくい投げで
勝った。この一番は番狂わせとはいえない。
琴欧洲は意外と投げにもろい面があることと
鶴竜が実力者であることを示した。このとき
鶴竜は5回目の技能賞を獲得している。
2009年 9月鶴竜とったり琴欧洲a
<2009年九月場所  鶴竜(とったり)琴欧洲>

技能賞6回の安美錦。ただ、三賞は殊勲賞
4回、敢闘賞2回受賞しているから、技巧派
であるとともに曲者でもあった。安美錦の
得意四つは右四つだが、寄りは意外と少ない。
前褌を取って頭をつけての出し投げを目指し
た相撲だが、結果的に多彩な決まり手になっ
た。
2010年1月安美錦より倒し豪栄道A
<2010年一月場所 安美錦(寄り倒し)豪栄道>

最後に技能賞を5回受賞した力士をあげてみる。
琴ヶ濱
北の洋
鷲羽山
増位山 子
千代の富士
保志(後の北勝海)
旭富士
舞の海
琴光喜
安馬(後の日馬富士)
妙義龍(現役)

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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