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大関優勝あれこれ

大関の優勝がとだえて久しい。平成29年一月
場所の稀勢の里が最後の大関優勝となって
いる。優勝制度が協会制定となったのは大正
15年からである。先場所の御嶽海優勝まで
461場所経過した。そのうち大関の優勝は
110場所ある。全体の約23.9%である。
170122千秋楽幕内・表彰 624
<優勝稀勢の里>

大関の優勝第1号は優勝制度発足後7場所目
に達成された。常陸岩である。ただ、すん
なり決まったわけではなかった。この常陸岩
の優勝に10勝1敗で優勝同点の平幕三杉磯
サイドから異議が唱えられた。ちなみに当時
は幕内最高成績が同じ場合は、番付上位の者
が優勝になっていた。
三杉磯サイドの主張はこうだ。常陸岩の10勝
の中には不戦勝があり、実質的には三杉磯が
上だとするものである。これは当時不戦勝の
認識がはっきり広まっていなかったために
起きたことである。結局協会は不戦勝でも
1勝と同等の価値ということを告げ、その
後ははっきりさせるため、土俵で勝ち名のり
を受けるようになった。
常陸岩 
<常陸岩のブロマイド>

大関の全勝優勝は以下15例ある。最近では
豪栄道が記憶に新しい。2回全勝優勝した
大関は3人いる。双葉山、貴ノ花、日馬富士
である。最高位が大関の全勝優勝は清水川、
若嶋津、豪栄道の3人である。 
清水川 
双葉山 
双葉山 
吉葉山 
輪島 
隆の里 
若嶋津 
大乃国 
武蔵丸 
貴ノ花 
貴乃花 
白鵬 
日馬富士
日馬富士
豪栄道
貴乃花
<貴乃花>

大関の優勝回数に目を移そう。戦前は、玉錦
の大関優勝が4回ある。玉錦は3連覇しても
横綱になれなく、苦難の連続であった。「よ
ーし、絶対横綱になってやる」と決意した
玉錦はのちに功績が認められ、横綱に昇進
した。この記録に並んだのは琴櫻である。
大関32場所という長期在位記録とともに生ま
れた。この記録を抜くことになった大関が
貴ノ花である。大関優勝が実に5回。貴ノ花
は、とっくに横綱になっていておかしくなか
った。それが連続優勝にこだわった横審に
よって阻まれていた。この後魁皇と日馬富士
が大関で4回優勝を記録している。
110123千秋楽幕内前半 086
<魁皇>

最高位が大関の優勝に限定すると、優勝は
35場所ある。大関優勝110場所の31.8% で
ある。逆にいうと、最高位横綱の大関時代の
優勝は68.2%になる。最高位が大関の最多
優勝は魁皇の4回、続いて小錦・栃東の3回
である。魁皇は65場所大関在位という千代
大海と並んで最長記録保持者である。近年は
琴欧洲、把瑠都、琴奨菊、豪栄道と優勝が
1回止まりなのが気になる。
新たに大関で優勝する力士は誰か。大関の
存在価値をぜひ示していただきたい。

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この記事を書いた人

無類の相撲好き。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。お問い合わせなどあれば管理をお願いしてる masaguramさんまでX(Twitter)ください。

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