2015年– date –
-
大相撲
出羽海の系統13
部屋の年寄、関取の総意で新出羽海となった元出羽ノ花はまず、斜陽の名門の建て直しに取り組まなければならなかった。斜陽の原因は黙っていても弟子が集まるという名門意識にあると新出羽海は分析。その間他の部屋は必死で弟子集めに奔走していたというの... -
大相撲
相撲史を真っ2つにする
長い日本の歴史はそれぞれ時代区分がされている。それでは日本史を真っ2つにするとするとそれはどこになるか。人それぞれ見方は様々、意見は異なるのを承知でいうと江戸末期の黒船来航以前と以降である。世界の国々のほとんどは陸続きである。そのため絶... -
大相撲
白鵬もう1つの超人性
白鵬に関してはこれまで大鵬・千代の富士との比較で年齢別優勝回数、横綱通算勝利数、幕内通算勝利数、序ノ口以来の通算勝利数について書いてきた。白鵬にはもう1つ触れておきたい記録がある。それは横綱連続出場記録である。なにしろ横綱は負けが込むと... -
大相撲
四股名あれこれ クイズ編
今回はクイズ形式で出題しますので頭をひねってみてください。解答はすべて幕内力士で十両以下は対象としません。解答・解説は後日発表します。1.次の( )の中に共通の文字が入ります。さて何がはいるでしょうか。A、琴( )玉( )栃... -
大相撲
出羽海の系統12
元常ノ花の出羽海が1960(昭和35)年十一月場所の千秋楽の翌日、二日市温泉の旅館で胃潰瘍のため急死した。前日の千秋楽は元気に酒を飲んでいて、まったく予兆はなかった。出羽海の後継者を決めなければならなくなった。以前元常ノ花の出羽海が自殺をはか... -
大相撲
出羽海の系統11
場所をはさんだため久方ぶりとなったが出羽海の系統を再開したい。記憶ははるかかなたとなった方のためにこれまでのポイントをあげて振り返ってみる。1.出羽ノ海の祖は幕末の二段(現在の十両)の桂川。2.弟子常陸山虎吉がひき継いだものの稽古場もな... -
大相撲
雑誌戦争なき相撲専門誌
「プロレス雑誌大戦争!」という単行本がある。プロレス雑誌ゴングとプロレスの熱き戦いをそれぞれの雑誌の編集長竹内宏介氏とターザン山本氏の両者の共著である。そこには雑誌づくりに燃えた熱き戦いが書かれている。プロレスは馬場と猪木が健在であった... -
大相撲
問題点を探る 外国人力士の制限を考察する
照ノ富士が大関に昇進し、次期横綱の可能性が高い。次の大関の有力候補は逸ノ城の声が大きい、いずれもモンゴル人である。現在横綱は3人いるが、すべてモンゴル人である。かつて小泉首相は「相撲は国技から国際技になった」と語ったことがあった。五月場... -
大相撲
照ノ富士あの日あの時
照ノ富士はいまでこそ伊勢ヶ濱部屋に所属しているが、入門は間垣(元2代目若乃花)部屋だった。若三勝の名で幕下まで取っていた。序ノ口から十両に昇進するまで13場所を要しスピード出世している。若三勝時代と新十両時代を振り返ってみた。一番出世をは... -
大相撲
横綱の大関時代4
大関時代が長いといわれた佐田の山は在位17場所、3年弱の期間であった。ところがこのあと横綱になった北の富士は大関在位21場所、玉の海(大関のときは玉乃島)20場所と軽く超えてしまった。しかも長いだけでなくそろって大関在位勝率6割台という低さで... -
大相撲
横綱の大関時代3
引き続き時代を築いた横綱の大関時代をみていこう。栃錦は関脇で14勝1敗で優勝して大関に昇進した。新大関こそ11勝4敗だったが翌場所14勝1敗で優勝、さらに翌場所は13勝2敗で横綱近しを思わせた。だが、ここから3場所連続1ケタ勝利に終わった。特に1... -
大相撲
全部見せます! 宇良の7番相撲4
宇良の全勝をかけた一番の相手は序二段の琴宮倉である。宇良は低く素早くもぐって相手の後ろを取り、一気に送り出した。五月場所最速の相撲であった。13日目 琴宮倉(送り出し)宇良○ 前相撲の控え 三月場所2日目 &nb... -
大相撲
全部見せます! 宇良の7番相撲3
宇良、5番目の相撲はボディビル出身の朝山端である。朝山端果敢に攻めるも宇良の腰はくずれない。宇良、攻防の中からスキをとらえ肩すかしを決める。6番目は序二段が宇良の対戦相手となった。皇義龍は徳俵から仕切る奇策に出たが、宇良はあわてることな... -
大相撲
横綱の大関時代2
時代を築いた横綱の大関時代をみていこう。常陸山は在位2年間4場所で9割台の勝率をあげている。9割台は栃木山と2人しかいない(ともに東西制での成績)。常陸山は常に油断なくをモットーに相撲を取っていた。先輩横綱に大砲がいるが、大関時代は2勝... -
大相撲
横綱の大関時代1
横綱になれる大関、照ノ富士はいつ横綱になるか。それを探るためにまず、先輩横綱はどれくらいの大関在位で横綱になったのか。そのときの成績は。実質、横綱が地位化した常陸山以降鶴竜まで49人の横綱の大関時代の成績を調べてみた。なお大阪横綱は別団体... -
大相撲
全部見せます! 宇良の7番相撲2
宇良の立ち合いは低い。低いが相手が変化したら落ちる立ち合いではない。もっとも変化されるたびに落ちていたら相撲にならない。宇良の相撲は臨機応変だ。相手次第で取り口が違う。連続写真で3番目、4番目の相撲をご覧いただきたい。5日目 佐々木(寄... -
大相撲
全部見せます! 宇良の7番相撲1
三月場所で一番出世した宇良は五月場所は序ノ口西9枚目に位置した。反り技で話題になった宇良だが、プロではどんな相撲を取るか興味深い。この目で見た宇良の相撲は一言でいえば面白い。論より証拠、連続写真で2番まずご覧いただきたい。2日目 寿ノ富... -
大相撲
はたして白鵬時代は終わったのか
五月場所の白鵬は初日逸ノ城戦の思いがけないつまづきからスタートした。5日目は曲者安美錦に後ろにまわられるなどこれまでにないピンチの体勢となった。中盤は持ち直して強さを発揮してきたが、豪栄道戦で捨て身の首投げをくって最後まで調子を維持でき... -
大相撲
五月場所の人気を分析する
五月場所は盛況なうちに終了した。例年より暑い場所であったが、人気は高かった。それではどのくらい高かったのか。一月場所と比較してどうなのか、数字を分析してみる。一月場所と五月場所で条件が異なる面がある。一月場所は2日目に祝日があるが、五月... -
大相撲
お知らせ
2日目、3日目、4日目、5日目、8日目に画像が入りました。あわせてご覧いただければ幸いです。今後は五月場所の人気分析、横綱の大関時代、照ノ富士あの日あの時、全部見せます宇良7番勝負、出羽海の系統、白鵬時代は終わったのか、四股名あれこれな... -
大相撲
照ノ富士優勝への道 夏熱闘15番
五月場所、照ノ富士は初優勝と大関昇進を決めた。現在の3横綱・3大関がいずれも最盛期を過ぎており、閉塞状態の中、若くて成長途上の平成生まれの大関が誕生したことは新しい息吹を感じさせる。照ノ富士が栄光を勝ち取った五月場所の熱闘15番を写真で振... -
大相撲
新大関照ノ富士の記憶・記録
照ノ富士の大関昇進の日は例年よりはるかに暑い中だった。しかも、それだけではなかった。協会の使者が通常より遅く、なかなか姿を現さないのである。伊勢ヶ濱親方(元旭富士)はとっくに車で協会から戻っているのにも関らず。洋装から和装へ着替える時間... -
大相撲
新しき英雄照ノ富士が初優勝
優勝パレード 旗手日馬富士 北の湖理事長から賜杯を受ける照ノ富士師匠から優勝旗授与 内閣総理大臣賞 ... -
大相撲
五月場所総評
★五月場所の優勝争いについて最近は言われなくなったが優勝するには連敗してはいけない。琴奨菊、豪栄道は3日目・4日目に、稀勢の里は4日目・5日目に早々と連敗して脱落している。大関陣は序盤で総くずれである。横綱日馬富士も9日目・10日目に連敗し... -
大相撲
■夏千秋楽 照ノ富士は横綱になれる大関
優勝争いは久々に白鵬がトップではなく、照ノ富士と併走するカタチとなって千秋楽を迎えた。筆者のように12勝という低レベルを嘆く反面、ここしばらく見ない展開にわくわくする方がけっこういることも事実である。千秋楽は10大ニュースに登場するA氏、H... -
大相撲
■夏14日目 大波乱のあげく証明されたこと
優勝戦線は一向に安定しない、収束しない。2敗ながら優勝争いのトップを走る白鵬は4敗稀勢の里を勇んで攻めたが、土俵際逆転をくって3敗に後退した。稀勢の里が3敗、あるいは2敗に留まっていたらこの一番は優勝第二ラウンドとしてさらに盛り上がった... -
大相撲
■夏13日目 優勝制度に必要なこと
前日とは打って変わり上位は安泰だった。その結果稀勢の里が日馬富士に速攻で敗れ4敗に後退した。そのため白鵬対稀勢の里戦の優勝争い第二ラウンドはなくなった。それにしても稀勢の里は日馬富士にこのところ完敗ばかりしている。負けてもいいから工夫が... -
大相撲
■夏12日目 締まらない土俵
優勝争い第一ラウンドが前日の白鵬対照ノ富士戦なら第二ラウンドは白鵬対稀勢の里戦。と思っていたら、肝心の稀勢の里が照ノ富士に力負けしてまたもや期待はずれに終わった。と思っていたらこの日はさらに意外な土俵展開が待っていた。<照ノ富士の下手投... -
大相撲
■夏11日目 白鵬-照ノ富士決戦&平幕優勝のあり方
白鵬全勝、照ノ富士2敗。先場所は13日目に実現した頂上決戦は今場所は1差の決戦第一ラウンドとして白鵬1敗、照ノ富士2敗として11日目に対戦した。通常白鵬は後半は関脇・大関・横綱と下位から対戦していく。今場所はそういう意味で予定通りの対戦だっ... -
大相撲
■夏10日目 強さ復活の白鵬、7連覇へ前進
前半は不安な相撲があったが、ここへきて白鵬の相撲は強みを増してきた。この日は前日照ノ富士相手に堂々たる勝利をかざった徳勝龍を寄せ付けず圧勝した。1敗を守り、2度目の7連覇へ一歩近づいた。日馬富士は臥牙丸に負け、優勝争いから後退した。<日... -
大相撲
■夏9日目 優勝戦線に変化
【調子を下ろす】相手を甘く見て手を抜いたり気を抜いた相撲を取ること(相撲大事典 金指基 日本相撲協会監修 現代書館刊行より)照ノ富士が徳勝龍に、日馬富士が玉鷲によもやの敗戦で2敗に後退した。調子を下ろしたとしか思えない相撲であった。敵は... -
大相撲
■夏8日目 照ノ富士は関脇優勝の仲間入りができるか
関脇照ノ富士は玉鷲に勝って1敗を守った。白鵬、日馬富士と優勝戦線を併走している。大相撲は1909(明治42)年国技館開設以降100人の優勝力士が誕生した。それでは以下の優勝力士の共通点は何かおわかりでしょうか。玉錦清水川男女ノ川双葉山安芸ノ海増位... -
大相撲
■夏7日目 場所の今後
白鵬は日馬富士から金星を取った佐田の海を恐れず攻めて圧勝。日馬富士はこれまで4勝0敗の北太樹を危なげなく退けた。琴奨菊が最高の当たりをしても照ノ富士にはもはや通じなくなってきた。地力はすでに三月場所で逆転している。予想通り照ノ富士が1敗... -
大相撲
■夏6日目 横綱の連続休場
この日横綱・大関は危なげなく、上位は安泰。遠藤はまたしても勝てず6連敗。相手力士は自信をもって相撲を取っている。さらに懸賞がかかるだけにそれをねらってくる。幸い今のところ途中休場の気配はない。出場を決めた以上最後まで取り切り、遠藤ここに... -
大相撲
■夏5日目 乱戦場所か災い転じて福となすか
他の横綱・大関が安定性がないなか、一番安定性のあるのはほかならぬ第一人者の白鵬である。その白鵬が結びの一番で曲者安美錦を相手に攻めきれない。あるいはへたに攻めていくと引っ掛けられる恐れがあると慎重になっているのか。もつれた展開の中から一... -
大相撲
■夏4日目 逸ノ城改造論
この日最大の注目の取組は横綱・大関に関った取組ではない。若さとパワーが激突する看板の好取組照ノ富士対逸ノ城戦である。両力士の激突が序盤戦で早くも実現することとなった。両者の対戦はこれまで3度あり、水入り2度を含め、いずれも長期戦になって... -
大相撲
■夏3日目 照ノ富士・逸ノ城・3大関、本当に強いのは誰
大関豪栄道と小結逸ノ城の対戦は低く入ろうとする豪栄道を逸ノ城が肩透かしで倒した。これを番狂わせとか豪栄道が取りこぼしたと思う相撲ファンはいるだろうか。今に始まったことではないが、大関は横綱の次に強いとは必ずしもいえない。(本当はそれでは... -
大相撲
■夏2日目 立ち合いの醍醐味
2日目はアバウトながら満員御礼となった。日馬富士は先場所負けた栃ノ心を圧倒し、稀勢の里は逸ノ城、琴奨菊は栃煌山と苦手を退けて勝利し、上位は安泰。遠藤は高安相手に気力はあるものの、思うような相撲が取れていない。5勝が幕内に確実に残れる星だ... -
大相撲
■夏初日 まさかの展開に国技館どよめく
初日国技館は満員札止めとなった。館内でなじみの方何人かにお会いしたり、力士写真を渡したり、相撲談義に花を咲かせたりした。観戦はいつもの相撲好きのメンバー3人とともに下の相撲からスタートした。人生は上り坂あり、下り坂もあるが、もう一つ坂が... -
大相撲
五月場所の見どころ
本来優勝争いはどうなると書くべきところだが、優勝候補は白鵬以外あげにくいのが現状である。ここ1年で最後まで優勝争いをしたのは五月場所の稀勢の里、七月場所の琴奨菊、九月場所の逸ノ城、十一月場所の鶴竜、三月月場所の照ノ富士とめまぐるしく変わ... -
大相撲
出羽海の系統10
元両国(前名国岩)の出羽海が亡くなられた。出羽海の後継者を決めねばならないが、候補者は3人いた。元横綱常ノ花の藤島、元笠置山の秀ノ山、元両国(前名瓊ノ浦)の待乳山の3人である。秀ノ山の嫁さんは横綱常陸山の孫娘という流れから、待乳山は自分... -
大相撲
白鵬が驚異的なスピードで迫る通算勝利数
白鵬は大鵬の優勝回数に迫り、並び、超えてからずっと優勝回数を取り上げられ、話題にされてきた。優勝は華々しいだけに注目されやすい。しかし、白鵬の記録は優勝だけではない。着実にしかも驚異的なスピードで迫っている記録がある。それは序ノ口以来の... -
大相撲
横綱の優勝率
日馬富士、鶴竜は優勝から遠ざかっているだけではない。優勝争いがほとんどできていない。白鵬が6連覇中、唯一優勝争いになったのは2014年十一月場所の千秋楽、1敗白鵬対2敗鶴竜の一番のみである。優勝できないということは横綱としての存在感が薄れる... -
大相撲
出羽海の系統9
分家独立を許さずという出羽海部屋の不文律を破る者が現われた。元両国(前名松ヶ崎)の武隈である。横綱武蔵山を連れてきた功績が少しも報われないことから出羽海との間に確執が生まれ、郷錦・大和泉(ともに後十両)などを連れて独立したのである。<両... -
大相撲
照ノ富士7番勝負
三月場所は13勝2敗と大健闘した照ノ富士だが、引き続き五月場所で同様の活躍をする保障はない。むしろ照ノ富士を研究し、同じ負け方はしないと闘志を燃やしてくる可能性がある。照ノ富士はいい逸材で大きく成長するだけのものをもっている。しかし、幕内... -
大相撲
出羽海の系統8
昭和の大相撲を揺るがした春秋園事件。番付の方屋を占めた出羽海部屋が事実上の崩壊に至った。それはどういう流れでいたったか、しぼって展開する。1月10日出羽系中心の力士は大日本新興力士団として旗揚げすることに決定した。1月12日に右翼団体国粋会... -
大相撲
番付素朴な疑問
新番付が発表された。番付そのものに真新しさはあるが、幕内力士に特に新しさはない。素朴な疑問として対戦相手はほとんど変わらないのに大関で9勝あげるのと関脇・小結・前頭上位で9勝あげるのと何が違うのか。対象は稀勢の里と逸ノ城。同じく大関で8... -
大相撲
幕下以下の年齢
以前こういうことを書いた。将棋界が26歳までにプロである四段になれなければ養成機関である奨励会を退会させられる。そのため奨励会員は誕生日がこわいという話を。それを幕下以下の力士にあてはめるとどうなるか。その最新版を調査してみた。前回は元十... -
大相撲
五月場所の人気
五月場所まで約2週間と迫った。一月場所・三月場所と15日間満員御礼となるほど相撲熱は高い。五月場所の前売りは一月場所に劣らぬ人気であった。それでは五月場所もそのまま人気が続くのか。五月場所はほかのプロスポーツの野球やサッカーが始まっている... -
大相撲
出羽海の系統7
1932(昭和7)年1月5日春場所の番付が発表された。 東 幕内 西玉 錦大関武蔵山能代潟張出大ノ里清水川関脇天 竜幡瀬川小結綾 桜沖ツ海筆頭出羽ヶ嶽鏡 岩 2 信夫山朝 潮 3 和歌嶋高 登 4 山 錦錦 洋 5 藤ノ里太郎山 6 大和錦雷ノ峰 7 ... -
大相撲
出羽海の系統6
大錦がいなくなった土俵で優勝は栃木山、常ノ花、栃木山3連覇と出羽海勢が続いた。しかし、栃木山は3連覇後事実上引退した。1926(大正15)年元栃木山の春日野部屋、元大門岩の山分部屋がスタートした。しかし、分家独立はここまででこれ以上は認められ... -
大相撲
出羽海の系統5
協会に要求11ヶ条をつきつけた力士会と協会幹部。両方に解決策はなく、時間だけがいたずらに過ぎていった。そこで、双方が納得できる調停役を立てることになった。調停役に選ばれたのは警視総督赤池濃であった。赤池は両方の話を聞いたうえで、まず、本場... -
大相撲
出羽海の系統4
元横綱常陸山の出羽ノ海亡き後の部屋の後継者は難航した。候補としては元横綱常陸山の懐刀として大きな力を尽くし、部屋持ちの元両国(前名国岩)の入間川。現役ではあるが、親方を兼ねる二枚鑑札(現在は禁止されている)として横綱大錦、同じく横綱栃木... -
大相撲
出羽海の系統3
元横綱常陸山が出羽ノ海谷右衛門となった初の本場所1915(大正4)年の春場所、出羽ノ海部屋の幕内力士は11人となった。これに続くのが友綱部屋(現在の友綱部屋とのつながりはない)の5人であるから出羽ノ海部屋の躍進ぶりが伺える。また、この年の役員... -
大相撲
出羽海の系統2
ドブ虎常陸山虎吉が師匠の年寄名出羽ノ海と改めてから人を介して市毛谷という少年が入門してきたのだ。後の常陸山谷右衛門である。1890(明治23)年のことである。しかし、稽古場がなく、高砂部屋で稽古する環境は少しも変わらない。16歳の市毛谷は御西山... -
大相撲
出羽海の系統1
数ある相撲部屋のなかでも名門といわれるのが出羽海部屋である。そのルーツ、始まりはいつ誰からなのか。また、どのような歴史をたどってきたのか。あらためて出羽海の系統を追いかけてみた。出羽海部屋というと角聖といわれた明治の大横綱常陸山谷右衛門... -
大相撲
連続写真で見る照ノ富士の白鵬戦勝利
ホープ照ノ富士が三月場所13日目白鵬を寄り切った。単なる1章ではない。優勝争いをつなぐ一番になった。それだけではない。これは照ノ富士の飛躍突破口になる。連続写真56枚が語る三月場所最大の勝負を振り返ってみる。 vご愛読まことにありがとうご... -
大相撲
遠藤の今後
三月場所5日目で負傷休場した遠藤が五月場所は出る可能性があるかもいしれないとの報道がある。理由は完治するまで休場を続けたら幕下に落ちるかもしれない。それは遠藤にとって耐え難いことであるとのことだ。しかし、中途半端な出場は遠藤の将来にとっ... -
大相撲
力道山の真実
昔のことははっきりわからないことが多いが、それは昭和にもあてはまることがある。力道山の突然の髷切り事件は今でも謎である。力道山はプロレスラーとして有名だが、前身は二所ノ関部屋の関取であった。その力道山は25歳のとき自宅で自ら髷を包丁で切っ... -
大相撲
兵役より厳しかった相撲修行
大鵬は佐田の山・栃ノ海・栃光・豊山・北葉山の5大関を向こうにまわして稽古をした。栃若時代の稽古は目を背けたくなるほど厳しかったという。戦前はさらに厳しかったと稽古を見た方は言う。大相撲は昔にさかのぼればのぼるほど稽古は厳しいという不思議... -
大相撲
あと3年は続く白鵬時代
三月場所、白鵬は1度もリードを許すことなく、34回目の優勝を6連覇で達成した。白鵬30歳。大鵬が30歳のときは年1回しか優勝できなく、時代は北の富士・玉の海に移りつつあった。白鵬をおびやかす者はおらず、ケガらしいケガもなく、白鵬が置かれている... -
大相撲
大相撲人気を分析する
一月場所に続き、三月場所も15日間満員御礼が出た。この相撲人気をどう分析するか。これまで大相撲黄金期は梅・常陸、双葉山、栃若、若き大鵬、貴ノ花、若貴などスーパースターの出現によって築かれてきた。現在の大相撲人気はこれにあてはまらない。優勝... -
大相撲
友情の右四つ
現在取組は部屋別総当たり制である。それ以前は系統別総当たり制で同じ部屋から独立した系統、つまり本家と分家、あるいは分家の分家は対戦しない制度だった。だから例えば立浪部屋と時津風部屋、出羽海部屋と春日野部屋、二所ノ関部屋と花籠部屋、佐渡ヶ... -
大相撲
大関の法則
三月場所照ノ富士は優勝争いをし13勝で殊勲・敢闘W受賞と大活躍だった。これに対し、個人的見解とことわりながらも審判から早くも五月場所の成績次第では大関に昇進させる発言が出た。照ノ富士は現役大関と違い、大関はおろか、横綱の可能性を秘めている... -
大相撲
連続写真で見る宇良の前相撲
三月場所はいつになく前相撲が注目された。その最大の要因は反り技と身体能力の高さをもつ関西学院の宇良が出場するからである。加えて体重が110キロ台という軽量技能派がどんな相撲をとるか注目が集まった。宇良の2番を連続写真で掲載する。<高田対宇良... -
大相撲
お知らせ
初日から9日目まで画像がようやくはいりましたのでご覧いただければ幸いです。 <地方場所は取組表以外に上記が付く>ご愛読まことにありがとうございますよろしければ下部2カ所をクリックして応援してください。”土俵の目撃者”↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓... -
大相撲
大阪場所の自由席
大阪場所で使用している大阪府立体育館の自由席は東西の両端ブロック4箇所にある。他の会場ではけして見られない特徴がある。それは自由席のブロックの中に使用禁止の席がけっこうある点である。これは自由席の前にマス席を組んでいてその鉄柵が目の前に... -
大相撲
三月場所総評
●14勝1敗で6連覇、V34を達成した白鵬について審判クレーム問題をきっかけに起きた白鵬とマスコミのぎくしゃくした関係は白鵬の相撲にどういう影響がでるかが三月場所の見どころの1つだった。記者によってはだんまり白鵬にストレスがたまるのでは、とい... -
大相撲
■春千秋楽 優勝をかけた熱戦2番
優勝にからむ2番はいずれも熱戦となった。まず、照ノ富士対豪栄道戦。照ノ富士は豪栄道に双差しを許すも寄りをしのぎ、逆に腕をきめ攻めに転じ、最後はきめたままひねったような小手投げで豪栄道を土俵に沈めた。<照ノ富士対豪栄道> 次に白鵬対日... -
大相撲
■春14日目 照ノ富士、逸ノ城出世するのはどっち
先場所に引き続き照ノ富士対逸ノ城戦は水入りの大熱戦となった。水入りとなればスタミナ勝負になる。この日は先場所と違い、照ノ富士が寄り切った。次の大関はこの2人しか考えられない。それも横綱が期待できる大関である。照ノ富士、逸ノ城どちらが出世... -
大相撲
■春13日目 白鵬対照ノ富士、決戦を斬る
照ノ富士は予想を超える長足の進歩である。この日まで日ごとに安定感を増してきた白鵬に対し、突き合い、押し合いから照ノ富士右四つになるや白鵬に上手を与えない絶好の体勢になった。白鵬の相撲の利点は反応が早く、いつまでも不利な体勢でいない点であ... -
大相撲
■春12日目 白鵬の倍の稽古が必要
この日大阪は朝から雨だった。それも激しかった。白鵬は琴奨菊に何もさせず一方的に出て圧倒した。白鵬の強さの前に誰もついていけない。一強他弱という言葉では片付けられない。白鵬が強いのなら、他の横綱・大関は白鵬の何倍も稽古しなくてはならないは... -
大相撲
■春11日目 意外な出来事2つ
意外なことが2つある。通常通りなら、この日白鵬対照ノ富士戦が組まれるのが、通例である。それが白鵬対豪栄道戦になった。明日の取組も白鵬対照ノ富士戦ではない。これは優勝争いを盛り上げんとした審判のはからいの表れでと受け取れる。しかし、審判部... -
大相撲
■春10日目 照ノ富士に通用しない琴奨菊快心の攻め
琴奨菊の最大の攻めは真っ向からあたって一気の寄りである。照ノ富士に対してみせた琴奨菊の攻めは快心のものであった。だが、照ノ富士は土俵際こらえる。琴奨菊が寄り立てても照ノ富士はくずれない。照ノ富士が逆襲に出ると琴奨菊はなすすべがなかった。... -
大相撲
横綱の変遷 改訂版
横綱の変遷は鶴竜が横綱に昇進する以前に書いたものである。鶴竜の横綱昇進にともない改訂したのが以下である。<鶴竜> 横綱は約300年間で71人しかでていないという言い方がよくされる。横綱がまれな存在であることを表現している。しかし正確にい... -
大相撲
★問題点を探る 横綱の引退を考察する
●横綱の成績があげられないときの出処進退横綱が抱える問題でもうひとつ考えなければならないのが、不成績の場合引退しなければならないという不文律である。不文律だけあって明確な基準はない。どの程度の成績が不成績なのかあいまいであり、よくわからな... -
大相撲
★問題点を探る 横綱昇進規準を考察する3
●横綱は5場所の成績で決定今の2場所連続優勝が昇進規準では心もとない。現に2場所連続優勝しても弱い横綱はいた。年6場所時代に2場所だけで決めることの危険性を感じる。勢いだけで昇進することもありうる。カド番から連続優勝して昇進ということもあ... -
大相撲
★問題点を探る 横綱昇進規準を考察する2
●横綱は絶対強者かナンバー1強者か横綱像としてあなたは何を求めるか。神格化された力量抜群の特別な存在としての横綱か。だとしたら玉錦以降の昭和・平成では玉錦、双葉山、羽黒山、栃錦、若乃花、大鵬、玉の海、北の湖、千代の富士、貴乃花、朝青龍、白... -
大相撲
★問題点を探る 横綱昇進規準を考察する1
●品格の横綱昇進基準の適用は事実上不可能大関が1場所優勝すると次の場所は綱取りがかかると話題になる。この根拠となっているのが、横綱昇進規準である2場所連続優勝を原則とするによるものである。だが、その一文の前に品格力量抜群である、と書かれて... -
大相撲
◆お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするため三月場所の10日目から千秋楽は場所後に掲載いたします。暫くお待ち願います。その間「横綱」に関するテーマをお届けします。興味深くお読... -
大相撲
■春9日目 歴史から見た髷をつかんでの反則負け
勢対千代鳳戦で髷をつかんだとして物言いがつき、勢が反則負けとなった。最近髷をつかんでの反則が目立つようになった。横綱にさえあった。相撲規則の禁手には取組に次の八つが禁じられ、使うと反則負けになる。と記され、その中に相手の髪の毛を掴むこと... -
大相撲
■春8日目 場所のゆくえ
中日、日馬富士が栃ノ心に敗れ2敗に後退した。全勝照ノ富士は大関稀勢の里に、安美錦は嘉風に負けついに土がついた。白鵬は万全の相撲で豊ノ島を退けた。全勝白鵬、1敗照ノ富士・安美錦、2敗日馬富士で後半戦へ突入する。優勝は白鵬が圧倒的に有利な展... -
大相撲
■春7日目 白鵬なき土俵は混乱場所
白鵬の相撲は日を追うごとに安定度を増してきている。7日目は小結玉鷲を上手投げで退け、問題にしなかった。日馬富士が前に落ちそうになりながら踏みこたえたのとは対照的であった。照ノ富士が7戦全勝できたが、まだ大関以上と対戦していないので勝負は... -
大相撲
■春6日目 照ノ富士の未来
全勝照ノ富士のこの日の対戦相手は実力者栃煌山である。相撲内容は照ノ富士が栃煌山にもろざしになられながら、相手の両腕をかかえて踏み留まって、栃煌山が寄り切れない。再三寄り立てるが、土俵際にもっていけない。最後は照ノ富士に土俵に追い詰められ... -
大相撲
■春5日目 3大関全敗で白鵬独走か
3大関敗退でも「荒れる春場所」とはいわない。寂しい話だがこれが今の大関の現実である。琴奨菊、豪栄道が珍しく初日から4連勝できているといっても、過去琴奨菊は大関20場所中たった1回しか優勝争いをしていない。豪栄道にいたっては大関通算成績が21... -
大相撲
■春4日目 白鵬幻の優勝
前日日馬富士を圧倒した逸ノ城だが、白鵬戦では左上手を取りにいく立ち合いで横綱にまるで通じなかった。白鵬は前に出る圧倒した相撲で逸ノ城に完勝した。逸ノ城の立ち合いは怖さがない上に工夫がない。注目の取組はあっけなかった。<白鵬対逸ノ城>本日... -
大相撲
■春3日目 白鵬の連覇が止まる時
朝青龍がいたときはお騒がせ横綱として彼は悪役扱いされ、それに対して白鵬は正統な横綱扱いにしてきた節がある。それが白鵬の審判クレーム問題で急変して白鵬をたたき始めた。この問題に関して記者の質問に対して背を向ける白鵬は平常心で相撲が取れるの... -
大相撲
■春2日目 石浦・宇良の技の相撲に集まる注目
2日目から前相撲が始まった。この日の前相撲が注目されるのにはわけがあった。反り技を駆使する木瀬部屋の宇良が出場するからである。宇良のアマ時代の映像に見られる反り技の数々と身体能力は驚きをもって見られ、がぜん注目の的となった。8時半から始... -
大相撲
■春初日 成長中の力士がいない横綱・大関陣
鶴竜が初日からいきなり休場した。白鵬は妙義龍相手にうわずり、磐石の相撲からはほど遠い内容だった。現役大関最強の稀勢の里は初日から栃煌山に敗れ黒星発進と、初日早々お寒いスタートになった。現在の横綱・大関陣を冷静に見渡すとあることに気がつく... -
大相撲
大阪場所の変遷2
戦後大阪場所が復活したのは1948(昭和23)年10月であった。東京は2年前に国技館を占領軍に接収され、1年前に日本人の立入り禁止となった。この年夏場所は前年に引き続き明治神宮外苑でおこなった。年2場所のうちもう1場所が大阪だった。大阪の福島に... -
大相撲
大阪場所の変遷1
1927(昭和2)年東京、大阪の両協会が合併した。春場所(1月)後、大日本相撲協会は関西で本場所を2回開催することを決定した。実際開催地をみると広島、福岡もあり、関西というより西日本といったほうがまだ正確である。その年の3月大阪市天王寺区上... -
大相撲
三月場所注目の取組
8日から三月場所が始まる。記者あるいは社によっては白鵬の審判クレーム問題の真意を質したいが、白鵬が無視、あるいは質問をさえぎる姿勢を批判している。それはそれでいい。それなら昨年「You Tube」に投稿された協会の裏金授受問題についてな... -
大相撲
双葉山の土俵態度
白鵬が力士会で犬じゃないんだからほえるなという趣旨の発言をした。対象である琴勇輝は戸惑を隠せないようである。ほかにも発声する力士に千代鳳がいる。実はちばてつや作のたり松太郎という漫画に、土俵の上で声をだしちゃいけないの、という意味のセリ... -
大相撲
力士数の推移と就職場所
大阪場所は別名就職場所と呼ばれるほど、新弟子数は多い。今年の新弟子数は43名とのことである。場所ごとの番付に載る力士数は一番少ないのが三月場所であり、多いのが五月場所である。2014年を見てみよう。一月場所 609人三月場所 607人五月場所 647人... -
大相撲
知られざる?大相撲
本場所を観戦していると様々な場面に出くわす。1、幕下は通常塩はまかないが、まく時がある。それも取組の途中からである。それはなぜか。これは幕下以下の取組の進行が早いが、十両の土俵入りは定刻からしか行わない。そのための時間調整である。それで... -
大相撲
現代の技能力士は誰か
一月場所はまたしても、技能賞は該当なしだった。昨年2014年も5場所は該当なしだった。観客は技能相撲を見ることなく高いチケット代を払っていることになる。体重の増加とともにパワー相撲さらに引き、はたきがよく決まるようになってきた。現代は技能力... -
大相撲
大阪春の陣
大阪場所が近づくとともに準備があわただしくなってきた。春場所とはいうが、ぽかぽか陽気ではない。コートなり、ジャケットなりが必要な季節だ。プロ野球のナイターを観戦したことがある方ならご存知だろうが、4月、へたをしたら5月も屋根つき球場でな... -
大相撲
逸ノ城の巻きかえしはなるか
先場所、入門以来初の負け越しとなった逸ノ城。関脇から前頭筆頭となった三月場所、リベンジはなるか。これまで逸ノ城の攻めの鋭さ、相手に与えるこわさがない点を指摘してきた。単に左上手を取りに行く相撲は対戦相手に研究されてしまっている。逸ノ城が... -
大相撲
三月場所新番付を読み解く
三月場所の番付が発表された。以下である。なお番付に○枚目はいつものことながら書いていない。白鵬 横綱 日馬富士鶴竜 稀勢の里 大関 琴奨菊 豪栄道照ノ富士 関脇 隠岐の海玉鷲 小結 妙義龍栃煌山... -
大相撲
勢あの日あの時
明日23日は三月場所の番付発表である。三月場所は大阪でおこなわれる。大阪が地元の勢の人気が高いのは当然だが、このところ勢の人気は全国区になってきたような気がする。勢は幕下までは6場所で突破したが、幕下では一進一退を繰り返していた。幕下在位...