三月場所は13勝２敗と大健闘した照ノ富士だが、引き続き
五月場所で同様の活躍をする保障はない。むしろ照ノ富士
を研究し、同じ負け方はしないと闘志を燃やしてくる
可能性がある。照ノ富士はいい逸材で大きく成長するだけの
ものをもっている。しかし、幕内上位で２ケタ勝ったのは
１回きりであるだけに再び活躍できるか強豪７人の対戦を
予想してみた。
横綱白鵬戦……●●●○１勝３敗
白鵬が最大の強敵であるのは間違いない。先場所は上手を
与えず、白鵬がいい体勢になる前に攻めきったことが
勝因である。今度は白鵬が四つにはいかず、突き放して
有利に組にいく戦法に出るかもしれない。照ノ富士は
離れて取るとまだそれほどの攻撃力がない。体重で優る
照ノ富士が立ち合い鋭く相手を圧倒できれば相撲は面白く
なる。
<照ノ富士の申し合い 稽古総見より＞
横綱鶴竜戦……●●●…０勝３敗
三月場所は鶴竜の突然の休場で対戦がなかった。その前の
一月場所は左四つ照ノ富士の上手が１枚まわしにもかか
わらず熱戦となった。照ノ富士が鶴竜を東土俵に追い
詰める場面さえあった。五月場所は勢いが違うだけに
照ノ富士が右でも左でもがっぷり四つにもちこめば勝機が
出てくる。
大関稀勢の里戦……●●○●１勝３敗
三月場所２敗のうちの１つは稀勢の里戦の敗戦である。
稀勢の里の前に出てくる相撲のペースにはまると苦戦する。
照ノ富士の唯一の勝利は下手一本で揺さぶり続け、体勢を
くずして出ていった相撲である。照ノ富士はまず稀勢の里
の出足を止めることだ。止めたうえで右四つになりたい。
小結逸ノ城戦………○●○２勝１敗
ここ２場所水入りの大相撲を取って１勝１敗。両者右の
合い四つだけにがっぷり四つではなかなか勝負がつかない。
明暗を分けるのはどちらが早く上手を切る技術を身につけ
るか。あるいは立ち合いから上手を与えない四つ身を
先にマスターするかである。五月場所も水入りになるよう
なら両者進歩なしを証明することになる。
＜稽古を見つめる照ノ富士・逸ノ城 稽古総見より＞
小結栃煌山戦………○○○３勝
2014年の関脇以下の実力ナンバー１栃煌山に３連勝中。
三月場所は栃煌山に双差しを許し、下手を深くさされた
にもかかわらずしのいで、照ノ富士が右が入ると勝負
あった。照ノ富士は双差しを許す相撲が多い。腰のよさで
しのいでいるが、右脇を固めればいっそう強さが増す。
大関琴奨菊戦……○○●○３勝１敗
最初の一番こそ照ノ富士は変化で勝ったが、三月場所は
琴奨菊快心の攻めを受けきって勝った。照ノ富士と琴奨菊
の力関係は逆転した。照ノ富士が体調不良でない限り、
真っ向から勝負して琴奨菊を粉砕する一番となる。
大関豪栄道戦…●●●○○２勝３敗
大関昇進以降弱くなった豪栄道。三月場所は双差しに
なりながら力で照ノ富士にねじ伏せられた。五月場所も
照ノ富士に負ける要素はない。昇り調子と大関になって
下降路線では勝負あった。
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