安青錦は新大関で優勝を飾りながら、翌場所けがで負け越した。カ
ド番で迎えた場所を全休した。このような大胆な判断で大関を降格
した例を知らない。自信のなせる手法か。大関降格後の関脇で3回
目の優勝を達成した。同時に大関復帰を確定した。
安青錦が常々口にしていた言葉が「一番上の番付を目指す」である。
自分の目標をもち、目指している。努力でなれるのは関脇まで。大
関、横綱となると選ばれし者になる。新入幕の大鵬をみたとき、こ
れは将来の横綱だと直感したこの感覚は大鵬一人であった。

安青錦は幕内では藤ノ川についで若い。22歳である。未来は開けて
いる。横綱の可能性を秘めている。ここでいう横綱は横綱審議委員
会の2場所連続優勝をクリアしたちっぽけな存在ではない。2場所
連続優勝より上位に置かれる項目に品格力量抜群がある。こちらで
ある。横綱は常勝・盤石が求められる。安青錦が目指す横綱はこう
ありたい。
安青錦にはその前に突破しなければならないことが2つある。まず、
13勝以上の成績をあげることだ。優勝3回はいずれも12勝だった。
13勝以上はこれまで1度もあげたことはない。これでは物足りない。
現状を打破することである。

もう1つは大の里に勝つことである。先場所初めて勝ったが、それ
までに4連敗していた。それもパワー負けしていた。なすすべがな
かった。大の里のパワーに対抗できる相撲を取る工夫が必要である。
打倒大の里が安青錦をいっそう強くする。
安青錦が目指す横綱は並みの横綱ではない。強豪横綱である。優勝
20回以上成し遂げる横綱である。
▶ ここで触れている安青錦と大の里の本割5番は、安青錦 対 大の里の対戦成績に一番ずつまとめている。