大相撲の休場とは|休場の多い力士ランキング(2013年以降の幕内)、番付・給料への影響と横綱の連続休場ワースト

休場とは、本場所(15日間)の取組を休むことをいう。番付への影響は地位で分かれる。横綱は陥落(降格)の制度がないため、休場しても番付は下がらない。大関は休場して負け越すと「角番」を経て関脇に陥落する。関脇より下の力士は、休場すればそのまま番付が下がる。かつては本場所中に負傷した力士を守る「公傷制度」があったが、2004年一月場所を機に廃止され、いまはケガでも休めば(横綱以外は)番付が下がる。横綱の連続休場のワーストは、常陸山以降の東京横綱を数えた田口の連載「横綱の連続休場」(2022年11月時点)では貴乃花の105(全休7場所)で、下の記録表で確認できる。協会の成績表示の「休」(不戦敗は含まない)を2013年一月場所〜2026年九月場所の幕内で当サイトが数えると、最多は白鵬の232休、現役では高安の167休になる(休場の多い力士ランキング)。

※本記事の番付・給料・規定は日本相撲協会の番付編成と横綱審議委員会の内規、大関の陥落規定は相撲記者・田口 通廣の整理、公傷制度の経緯と休場の記録は相撲記者・田口 通廣の記事に基づく。休場の多い力士ランキングは日本相撲協会の過去の星取表(2026年9月20日・25日・28日取得)を当サイトが数えたもの。

目次

休場の多い力士ランキング|2013年以降の幕内で最多は白鵬の232休

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日本相撲協会の過去の星取表で、平成25年(2013年)一月場所から令和8年(2026年)九月場所までの82場所を1場所ずつ数えた。協会の過去の星取表(場所ごとに全力士の星取が載る表)は平成25年一月場所からで、それより前は全力士をそろえて数えられない。幕内にいた場所の「休」を足して並べると、最多は白鵬の232休、次いで鶴竜227休、照ノ富士197休。上位3人はいずれも横綱を務めた力士である。現役では高安の167休が最も多い。

順位力士休不戦敗休場した場所(全休)幕内の場所数現役・引退
1白鵬232919(10)52引退(2021年九月場所)
2鶴竜2271119(7)49引退(2021年三月場所)
3照ノ富士1971219(7)52引退(2025年一月場所)
4高安1671418(4)82現役
5貴景勝1161213(2)46引退(2024年九月場所)
6朝乃山101611(4)38現役
7稀勢の里97711(4)37引退(2019年一月場所)
8若隆景8738(5)34現役
9千代の国77810(2)30引退(2023年七月場所)
10遠藤731011(1)69引退(2025年十一月場所)
10日馬富士7346(2)30引退(2017年十一月場所)
10逸ノ城7326(4)48引退(2023年五月場所)
13栃ノ心6888(0)53引退(2023年五月場所)
14琴勇輝5969(3)33引退(2021年五月場所)
15豊真将5414(3)7引退(2015年一月場所)
16豊昇龍4989(1)37現役
17阿武咲4645(1)42引退(2025年一月場所)
18大砂嵐4356(1)17引退(2018年三月場所)
18阿炎4324(2)46現役
18石浦4314(2)26引退(2023年七月場所)
日本相撲協会の過去の星取表(大帳)から当サイトが数えた。対象は平成25年(2013年)一月場所〜令和8年(2026年)九月場所の82場所(令和2年五月場所は中止)で、幕内にいた場所だけ。休=星取の「や」の数、不戦敗=「■」の数、休場した場所=どちらかが1つでもある場所、かっこ内は15日とも「や」の全休。幕内の場所数はこの82場所のうち幕内にいた数。現役・引退と引退場所は協会の力士プロフィール(2026年9月28日確認)による。同じ数は同じ順位。場所中・場所前に引退した場所は、協会の星取に付いた記号だけを数えた(引退した後の日は数えていない)。幕内の場所数は番付の幕内に載った場所の数で、取組の前に引退した場所も1と数える(逸ノ城の48は、協会の幕内戦歴の47場所より1多い)。大帳は2026年9月20日(令和元年九月場所〜令和8年七月場所)と9月25日(それより前)、9月28日(令和8年九月場所)に取得した。

休んだ場所の数で数えると、白鵬・鶴竜・照ノ富士が19場所で並ぶ。高安は18場所で、この82場所すべてを幕内で過ごしている。

現役力士の休場ランキング(同じ期間の幕内)

順位力士休不戦敗休場した場所(全休)2026年九月場所の地位
1高安1671418(4)東前頭二枚目
2朝乃山101611(4)東前頭六枚目
3若隆景8738(5)東前頭十二枚目(全休)
4豊昇龍4989(1)西横綱(全休)
5阿炎4324(2)西前頭十三枚目
6尊富士3213(2)東前頭八枚目
7翠富士3002(2)東十両七枚目
8宇良2934(1)東前頭九枚目
9大の里2623(1)東横綱
10琴勝峰2456(0)東前頭筆頭(十二日目から休場)
期間・数え方は上の表と同じ(2026年九月場所まで)。地位は協会の力士プロフィールに出ている令和8年九月場所の番付(2026年9月28日確認)。地位の横のかっこは九月場所の休場で、その休みもこの表の数に入っている。

この数え方で気をつけること

「休」に不戦敗は入っていない。途中で休場すると、取組がすでに組まれていた日は不戦敗(■)になり、協会の成績表示(○勝○敗○休)では「敗」に数えられる。上の表の「休」は協会の表示と同じ数え方である。田口 通廣の記事は不戦敗を含めて休場を数えることが多いので、不戦敗の数も列に出した。

休んだ理由は分けていない。協会の星取表の「や」は「休み・取組なし」を表す記号で、けが・病気のほか、出場停止の処分や感染症対策で部屋ごと休んだ場所も同じ「や」になる。白鵬の232休には、田口が「コロナ部屋ごと休場」と書いた令和3年一月場所と九月場所の30休が入っている(横綱の1年間の休場数14傑 上・2025年1月8日)。この2場所を除くと白鵬は202休で、最多は鶴竜の227休になる。朝乃山の101休には、田口が「コロナウイルスによる外出禁止期間に外出した処分」と書いた出場停止のうち、幕内にいた令和3年七月・九月・十一月場所の45休が入っている(朝乃山の復帰最高位を読む・2025年11月4日)。田口は同じ記事で「途中からの出場停止後、6場所出場停止となった」とも書いており、令和3年五月場所の十三日目からの3休も朝乃山の101休に入っているが、上の45には入れていない。

十両以下で休んだ場所と、2012年以前の休場は入っていない。たとえば白鵬の協会プロフィールの幕内戦歴は253休で、この表の232休との差の21休は2012年以前の分である。この期間に15休以上した力士56人の協会プロフィールを確かめ、2013年以降に新入幕した33人は、プロフィールの幕内戦歴の休と当サイトの数がすべて一致した(2026年9月28日確認。現役力士のプロフィールは九月場所の千秋楽時点)。

2026年九月場所の休場まで数に入っている。九月場所に休場した力士と協会の発表は下の「秋場所2026の休場力士」にまとめた。横綱大の里の休場を場所ごとに並べた大の里の休場歴一覧、豊昇龍と若隆景の休場を数え直した豊昇龍と若隆景の休場回数もある。

休場すると番付はどうなるか(地位別)

同じ「休場」でも、番付への響き方は地位でまったく違う。横綱だけは休んでも地位を保ち、大関以下は休めば番付を下げる方向に働く。地位ごとに整理すると次のようになる。

地位休場・負け越し時の番付ポイント
横綱下がらない(陥落の制度がない)休場や不振が続くと、横綱審議委員会が内規で「激励→注意→引退勧告」の順に進退を問う(拘束力はない)
大関すぐには下がらないが、2場所連続の負け越しで関脇に陥落負け越した翌場所が「角番」。陥落した直後の場所で10勝以上を挙げれば大関に復帰できる(昭和44年7月場所から施行)
関脇・小結・幕内・十両(関取)下がる(休場は黒星扱いで負け越しに近づく)公傷制度がない今は、ケガによる休場も番付降下に直結する
幕下以下下がる月給がなく、休場は場所手当にも直接ひびく
出典=日本相撲協会の番付編成・横綱審議委員会内規/大関の陥落規定は相撲記者・田口 通廣の整理による

大関の「角番」と10勝復帰のしくみは、実際に落ちた力士がその後どうなったかまで含めて大関の降格・陥落の条件で詳しく整理している。番付そのものの序列は相撲の階級・番付の序列を参照してほしい。

休場中の給料・褒賞金への影響

「休むと給料はどうなるのか」もよく聞かれる。関取(十両以上)に支払われる月給は地位に対して決まる固定給で、休場したというだけで止まるわけではない。月額は2019年1月の改定以降、横綱300万円、大関250万円、三役180万円、平幕140万円、十両110万円と報じられている。ただし番付が下がって地位が変われば、その後の月給は下位の地位の額になる。大関から関脇へ落ちれば、その分だけ月給も下がるということだ。

一方で、出場や勝敗に連動する収入は休場でそのまま減る。三役以上に本場所ごとに支給される本場所特別手当は、欠場した日数に応じて減額される。勝った取組にだけ入る懸賞金は、土俵に上がらなければ得られない。月給のない幕下以下にとっては、本場所ごとの手当が収入の柱であり、休場は収入減に直結する。番付別の月給や手当のより細かい内訳は力士の給料はいくら?にまとめている。

休場の記録|横綱の連続休場ワースト

横綱は休場しても番付が下がらない。そのぶん、休みが積み上がると数字が異様に伸びる。連続休場の記録は、次のように更新されてきた。単位は休場した日数で、不戦敗を含む。

力士連続休場内容
武蔵山391場所の途中休場(不戦敗を含む)と3場所の全休でワースト記録を更新
朝潮45武蔵山の39をあっさり更新
大鵬57朝潮の45を破る
大乃国604場所連続全休。大鵬の57を更新
貴乃花105全休が7場所におよぶ。横綱連続休場の最高数字
(参考)白鵬48不戦敗を入れた最高数字
集計=田口 通廣。数字は休場した日数(不戦敗を含む)。

場所数で数えると顔ぶれが変わる。

順位力士連続休場
1稀勢の里・3代西ノ海8場所
3貴乃花7場所
4武蔵丸・柏戸・北の湖6場所
横綱の連続休場場所数ワースト。集計=田口 通廣。

4場所以上の連続休場となると例は限られる。当ブログの集計では13例あり、そのうち9例が引退につながっている。例外は大鵬と柏戸の3例で、いずれも20代のうちの休場だった。

横綱の休場率・皆勤率ワースト

在位の長さが違うので、率で見ると別の姿になる。算出式は「休場率=(休場数+不戦敗)÷横綱在位日数×100」「皆勤率=横綱皆勤場所数÷横綱在位場所数×100」である。

順位休場率ワースト率皆勤率ワースト率
1武蔵山72%武蔵山12.5%
22代西ノ海66%稀勢の里16.7%
3稀勢の里60.9%2代西ノ海・3代西ノ海20%
43代西ノ海58.5%――
5常陸山45%前田山33.3%
集計=田口 通廣。全休率のワーストは武蔵山62.5%、2代西ノ海と3代西ノ海が40%、安芸ノ海37.5%、太刀山35.7%。出場停止や部屋ごとの休場をどう扱うかは集計によって異なる。

対極にあるのが皆勤の記録である。白鵬は横綱としてのフル出場を48場所続けた。8年連続の皆勤で、横綱の最高記録にあたる。北の湖の43場所連続がこれに次ぐ。

休場が積み上がる地位は、同時に守られている地位でもある。

横綱は休場しても番付は落ちない。これは大変な特権である。ほかの競技には見られない。同時に横綱の責任を果す義務がある。特権ばかりを主張してはバランスを欠くことになる。

横綱の責任が果せないときは引退しかない。それが横綱の宿命である。

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大相撲の休場についてよくある質問

Q. 2013年以降の幕内で休場が最も多い力士は?
A. 協会の過去の星取表で当サイトが数えると(2013年一月場所〜2026年九月場所の幕内)、白鵬の232休が最多で、鶴竜227休、照ノ富士197休と続く。白鵬の数には、相撲記者・田口 通廣が「コロナ部屋ごと休場」と書いた2場所(30休)が入っており、これを除くと鶴竜が最多になる。不戦敗はこの数に入っていない。

Q. 現役力士で休場が最も多いのは?
A. 協会の過去の星取表で当サイトが数えると(2013年一月場所〜2026年九月場所の幕内)、高安の167休。朝乃山101休、若隆景87休と続く。

Q. 横綱の休場は何回まで許される?
A. 回数の上限を定めた規定はない。横綱は他の地位と違って陥落(降格)がなく、休場しても番付は下がらない。ただし休場や不振が続くと、横綱審議委員会が内規に基づいて「激励」「注意」「引退勧告」の順で進退を問う。2020年11月には白鵬・鶴竜の両横綱に、初めて「注意」が決議された。

Q. 公傷制度は今もある?
A. ない。本場所中に負傷した力士を救済する公傷制度はかつて存在し、大関には1983年一月場所から適用された(第1号は朝潮)。しかし毎場所のように公傷休場者が出る状態が続いたため、2003年十一月場所後に北の湖理事長が廃止を決め、2004年一月場所から幕内は40人から42人、十両は26人から28人に定員が増やされた。いまはケガで休場すれば、横綱以外は番付が下がる。

Q. 1年間の休場が最も多かった横綱は?
A. 相撲記者・田口 通廣の集計では、貴乃花の90休(平成13年7月〜14年5月)が最多。以下、武蔵丸80休、稀勢の里76休と続く。詳しくは横綱の1年間の休場数14傑にまとめている。

Q. 休場すると給料はどうなる?
A. 関取の月給は地位に対する固定給なので、休場だけで止まることはない。ただし番付が下がれば月給は下位地位の額になる。三役以上の本場所特別手当は欠場日数に応じて減り、勝ってこそ入る懸賞金は休場中は得られない。

休場明けはなぜ難しいのか

番付が守られても、土俵に戻ってからが本番になる。休場が長引くと本場所の勘や感覚が鈍る。5場所連続休場から復帰したあの大鵬でさえ、明けの初日に敗れたと書いている。横綱の1年間の休場数を歴代でたどると、貴乃花90休・武蔵丸80休・稀勢の里76休と並び、その多くはケガと引退の予兆だった(横綱の1年間の休場数14傑)。休場は番付上の問題であると同時に、力士生命そのものの分かれ目でもある。

秋場所2026(九月場所)の休場力士

【九月場所の最終・2026年9月28日確認】協会の休場力士情報によると、令和8年九月場所の幕内の休場は5人。横綱豊昇龍、前頭十二枚目若隆景、前頭十六枚目若ノ勝は初日から千秋楽まで全休した。前頭筆頭琴勝峰は十二日目から、前頭四枚目隆の勝は十三日目から千秋楽まで休んだ(協会の過去の星取表では琴勝峰5勝7敗3休、隆の勝4勝9敗2休)。十両では生田目が五日目から休場し、六日目から再び出場した。

地位力士部屋協会の発表更新日
西横綱豊昇龍立浪初日から休場9月11日
東前頭筆頭琴勝峰佐渡ヶ嶽十二日目から休場9月24日
東前頭四枚目隆の勝湊川十三日目から休場9月25日
東前頭十二枚目若隆景荒汐初日から休場9月11日
東前頭十六枚目若ノ勝湊川初日から休場9月11日
東十両十枚目生田目二子山五日目から休場、六日目から出場9月17日
出典=日本相撲協会「休場力士情報」(2026年9月28日取得・場所を終えたあとの一覧)。協会のこのページに載るのは休場・出場の日までで、休場の理由は載っていない。全休と千秋楽まで休んだことは、協会の過去の星取表(2026年9月28日取得)で確かめた。

豊昇龍について、田口は初日の前に「予想通り豊昇龍が休場した。膝の手術後では無理があった。」と書いている(横綱豊昇龍をめぐる休場・優勝記録・2026年9月11日)。同じ記事で「豊昇龍は横綱在位10場所目を迎えた。休場場所は実に5場所に及んだ。」とも書いた。豊昇龍と若隆景のこれまでの休場は豊昇龍と若隆景の休場回数で1場所ずつ数え直している。

名古屋場所2026(七月場所)の休場|当時の記録

【2026年名古屋場所時点】直前の5月場所(夏場所)は看板力士の休場が相次いだ。田口 通廣の記録では、大の里・豊昇龍の2横綱、安青錦・琴櫻の2大関が休場し、寂しい場所になった。続く名古屋場所は、その休場明けの力士が土俵に戻って始まった。

初日、休場明けの3力士は明暗を分けた。大の里は義ノ富士に敗れて黒星発進、豊昇龍は同期の王鵬を破って白星、夏場所の休場で大関から関脇に陥落した安青錦は平戸海を上手投げで退けた。休場明けの土俵がどう転ぶかは、初日の一番からすでに問われている。初日の詳しい分析は◆名初日 明暗分けた休場明けトリオにある。

場所が進むと休場者も動いた。関脇・若隆景は初日から全休を続けている。5日目の7月16日には、十両・欧勝海が休場に入った。上位陣の星取りと合わせた日ごとの動きは名古屋場所2026 完全ガイドの「場所中の動き」で追える。(2026年7月17日・6日目終了時点)

※休場者は場所中に随時変わる。最新の状況は田口 通廣の日々の取組記事で確認してほしい。

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この記事を書いた人

少年漫画雑誌、日経関連の編集者を経て独立。現在は大相撲を専門に取材するライター。ほぼ毎場所、自ら土俵際で撮影している。にほんブログ村 相撲・大相撲カテゴリでランキング1位。

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