田口 通廣が数えた「横綱の1年間の休場数」で最も多いのは、貴乃花の90休(平成13年7月~14年5月)。2位は武蔵丸の80休、3位は稀勢の里の76休で、14位の3代目若乃花でも59休ある。
対象は千代の山以降の横綱。1年間は一月場所から十一月場所とは限らず、休場には不戦敗を含む。出場停止(朝青龍)とコロナの部屋ごと休場(白鵬)は数えていない。
この記事は田口の連載「横綱の1年間の休場数14傑」の上編で、14位から11位までを書いている。10位〜6位は中編、5位〜1位は下編にある。
横綱の1年間の休場数14傑|一覧
上・中・下の3回で田口が挙げた14人を、順位の順に並べた。
| 順位 | 横綱 | 休場数 | 期間(田口の原稿) |
|---|---|---|---|
| 1位 | 貴乃花 | 90休 | 平成13年7月~14年5月 |
| 2位 | 武蔵丸 | 80休 | 引退直前の1年間(注) |
| 3位 | 稀勢の里 | 76休 | 平成29年9月~30年7月 |
| 4位 | 大乃国 | 75休 | 平成元年11月~2年9月 |
| 5位 | 照ノ富士 | 72休 | 令和5年 |
| 6位 | 鶴竜 | 69休 | 令和2年7月~3年3月(実質5場所) |
| 7位 | 柏戸 | 69休 | 昭和39年5月~40年3月 |
| 8位 | 隆の里 | 68休 | 昭和59年11月~60年9月 |
| 9位 | 北の湖 | 67休 | 昭和57年11月~58年9月 |
| 10位 | 北勝海 | 66休 | 平成3年5月~4年3月 |
| 11位 | 栃ノ海 | 62休 | 昭和40年11月~41年9月 |
| 12位 | 白鵬 | 61休 | 令和2年7月~3年5月(5場所) |
| 13位 | 大鵬 | 60休 | 昭和42年9月~43年7月 |
| 14位 | 3代目若乃花 | 59休 | 平成11年3月~12年1月 |
(注)2位の武蔵丸の期間は、原稿では「平成18年11月~19年9月」と書かれている。協会の歴代横綱の記録(2026年9月28日確認)では、武蔵丸の横綱在位は平成11年7月~平成15年11月(引退は平成十五年十一月場所)。田口が書く「引退直前の1年間」は、当サイトが協会の在位から数えると平成14年11月~15年9月にあたる。
14位〜11位|3代目若乃花・大鵬・白鵬・栃ノ海
14位 3代目若乃花 59休(平成11年3月~12年1月)
3代目若乃花は横綱在位11場所と短命だった。弟の貴乃花が体を大きくしたのに対し、3代目若乃花は最後まで小兵だった。それでも1年間で59休を記録している。

全休が3場所ある。平成12年三月場所限りで引退した。
13位 大鵬 60休(昭和42年9月~43年7月)
大鵬は5場所連続で休場し、力士人生最大のピンチだった。巡業では土にまみれて稽古した。
出場した昭和43年九月場所の2日目から、実質(誤審を訂正すると)48連勝+αを達成した。
12位 白鵬 61休(令和2年7月~3年5月)
令和3年一月場所はコロナの部屋ごと休場のため数えていない。つまり61休は5場所の数字である。令和3年五月場所は、ひざのリハビリによる全休だった。

翌七月場所で、最後の優勝を全勝で飾った。九月場所は再びコロナの部屋ごと休場になり、場所後に引退した。
11位 栃ノ海 62休(昭和40年11月~41年9月)
栃ノ海は技がうまい小兵名人だった。その反面、力強さに欠け、負けるときはもろかった。栃ノ海は弱いなあというぼやきはあった、と田口は書いている。
椎間板ヘルニアの再発と右上腕膜筋肉断裂のけがで、満足のいく土俵が務められなくなった。休場明けの場所で引退した。まだ28歳だった。
10位〜1位|中編・下編の顔ぶれ
10位〜6位(中編)は北勝海66休、北の湖67休、隆の里68休、柏戸69休、鶴竜69休。北勝海の66休は引退前の1年間の記録で、北勝海の引退で横綱不在の時代が来た、と田口は書いている。
5位〜1位(下編)は照ノ富士72休、大乃国75休、稀勢の里76休、武蔵丸80休、貴乃花90休。14傑のうち70休を超えたのはこの5人である。
1位の貴乃花は、平成13年五月場所の武双山戦で致命傷を負った。全休は7場所連続に及んだ。
横綱は休場を何回までできるか|休場しても番付は落ちない
横綱の休場の回数に上限を定めた規定はなく、休場しても番付は下がらない。休場や不振が続いたときの横綱審議委員会の扱いと、大関以下との違いは大相撲の休場とはにまとめた。
田口は連載の1回目で「横綱は休場しても地位は落ちないが、不成績なら引退しかない」と書いている。
連続休場の記録|田口の集計では貴乃花の105
1年間の休場数とは別に、田口は連載「横綱の連続休場」(2022年10月〜11月)で、常陸山以降の東京横綱について、途切れずに続いた休場の長さを数えている。2022年11月4日の時点で50以上は次の7人で、最も長いのは貴乃花の105だった。
| 順位 | 横綱 | 連続休場(日数) |
|---|---|---|
| 1位 | 貴乃花 | 105 |
| 2位 | 鶴竜 | 69 |
| 3位 | 大乃国 | 60 |
| 4位 | 大鵬 | 57 |
| 5位 | 武蔵丸 | 55 |
| 5位 | 稀勢の里 | 55 |
| 7位 | 北の湖 | 52 |
その後の横綱|豊昇龍・大の里は2026年9月場所まで
14傑のあとに横綱として番付に載った豊昇龍(令和7年三月場所から)と大の里(令和7年七月場所から)の休場も数えた。続く6場所の休場(不戦敗を含む)が最も多いのは豊昇龍の31、大の里の28で、14位の59休には届いていない。
協会の力士プロフィールの場所ごとの星取(令和八年九月場所:千秋楽時点・2026年9月28日確認)で、休みと不戦敗を当サイトが数えた。豊昇龍の31は令和7年十一月場所〜令和8年九月場所、大の里の28は令和8年三月場所と五月場所の休みを含む6場所。
横綱の休場数についてよくある質問
Q. 横綱の1年間の休場数が最も多いのは誰ですか?
A. 千代の山以降の横綱を対象にした田口 通廣の集計では、貴乃花の90休(平成13年7月~14年5月)です。2位は武蔵丸の80休、3位は稀勢の里の76休でした。
Q. 横綱は休場を何回までできますか?
A. 回数の上限を定めた規定はなく、横綱は休場しても番付が落ちません(大相撲の休場とは)。田口は「横綱は休場しても地位は落ちないが、不成績なら引退しかない」と書いています。
Q. 白鵬の61休はなぜ5場所の数字なのですか?
A. 令和3年一月場所はコロナの部屋ごと休場で、田口はこの場所を数えていないからです。
Q. 横綱の連続休場の記録は?
A. 常陸山以降の東京横綱を数えた田口の連載「横綱の連続休場」(2022年11月時点)では、貴乃花の105が最も長く、鶴竜の69、大乃国の60が続きます。
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