横綱になるまでの大関在位は、最短が2場所(双葉山・栃木山・照國)、最長が32場所(琴櫻・武蔵丸)。番付の真ん中は白鵬・柏戸らの7場所で、田口は横綱を目指す力士にとって「この7場所がひとつの目安になる」と見ている。
※対象は、実質的に横綱が地位化した常陸山以降の東京横綱。相撲記者・田口 通廣が2020年に作った「横綱の大関在位場所数番付」で、稀勢の里までの50人が入る(人数は当サイトが数えた。全員の一覧は歴代横綱一覧に)。その後に昇進した照ノ富士(16場所)・豊昇龍(9場所)・大の里(4場所)は、当サイトが協会の星取表で数えて別表に足した。最短2場所・最長32場所は変わらない。横綱に上がっていない大関の在位の長さと成績は大関在位ランキング(最長65場所)へ。
大関在位 最短・最長ランキング|横綱になるまで
横綱になるまでの大関在位場所数を、短い側と長い側から並べた。最短の2場所と最長の32場所では、30場所もの差がある。
| 区分 | 大関在位 | 横綱 |
|---|---|---|
| 最短 | 2場所 | 双葉山、栃木山、照國 |
| 2番目 | 3場所 | 千代の富士、朝青龍、大錦、北の湖、3代西ノ海 |
| 中央 | 7場所 | 白鵬、柏戸、梅ヶ谷 |
| 長期 | 29〜31場所 | 3代若乃花(29)、稀勢の里(31) |
| 最長 | 32場所 | 琴櫻、武蔵丸 |
常陸山〜稀勢の里の東京横綱50人の大関在位場所数(短い順)
常陸山以降の東京横綱を、大関在位場所数の短い順にまとめた。
| 大関在位 | 横綱 |
|---|---|
| 2場所(最短) | 双葉山、栃木山、照國 |
| 3場所 | 千代の富士、朝青龍、大錦、北の湖、3代西ノ海 |
| 4場所 | 常陸山、太刀山、輪島、羽黒山、曙、安芸ノ海、双羽黒、男女ノ川 |
| 5場所 | 鳳、大鵬、北勝海 |
| 6場所 | 東富士、鏡里、千代の山 |
| 7場所 | 梅ヶ谷、柏戸、白鵬 |
| 8場所 | 常ノ花、2代若乃花、栃錦 |
| 9場所 | 隆の里 |
| 10場所 | 初代若乃花、武蔵山、玉錦、吉葉山、栃ノ海 |
| 11場所 | 貴乃花、朝潮 |
| 12場所 | 鶴竜 |
| 13場所 | 2代西ノ海、大乃国 |
| 17場所 | 佐田の山、旭富士 |
| 18場所 | 前田山 |
| 20場所 | 玉の海 |
| 21場所 | 三重ノ海、北の富士 |
| 22場所 | 日馬富士 |
| 29場所 | 3代若乃花 |
| 31場所 | 稀勢の里 |
| 32場所(最長) | 武蔵丸、琴櫻 |
下が田口の作成した「横綱の大関在位場所数番付」で、各力士の大関時代の勝率も載っている。

勝率は、引き分けや預かりを0.5勝0.5敗として田口が計算した。田口はその理由を「1勝14引き分けが14勝1敗より上で、勝率10割はどう考えても不自然である」と書いている。東西制の時代に大関だった横綱は、東西制での勝率である。玉錦・前田山・東富士は、東西制と系統別総当たり制の場所が混ざった数字だと田口は注記している。
2020年より後に横綱へ上がった3人の大関在位|照ノ富士・豊昇龍・大の里
田口の番付は2020年に作ったもので、稀勢の里までの50人が入っている。その後に横綱へ上がった3人の大関在位を、日本相撲協会の大帳(過去の星取表・幕内)(2013年一月場所〜2026年七月場所は2026年9月21日、九月場所は9月28日に取得)で番付が大関だった場所を数えて足した。田口の番付と同じく、大関から落ちていた場所は数えていない。
| 横綱 | 大関在位 | 大関だった場所 | 新横綱 | 田口の50人の表では |
|---|---|---|---|---|
| 照ノ富士(第73代) | 16場所 | 2015年7月〜2017年9月の14場所と2021年5月〜7月の2場所 | 2021年9月 | 13場所(2代西ノ海・大乃国)と17場所(佐田の山・旭富士)の間 |
| 豊昇龍(第74代) | 9場所 | 2023年9月〜2025年1月の9場所 | 2025年3月 | 9場所の隆の里と並ぶ |
| 大の里(第75代) | 4場所 | 2024年11月〜2025年5月の4場所 | 2025年7月 | 4場所の常陸山・太刀山・輪島・羽黒山・曙・安芸ノ海・双羽黒・男女ノ川と並ぶ |
大の里の4場所は、年6場所制の横綱では輪島・曙・双羽黒と並び、千代の富士・朝青龍・北の湖の3場所に次ぐ。照ノ富士の16場所には、大関から落ちて関脇以下にいた時期が入っていない。新大関(2015年7月)から新横綱(2021年9月)までは6年2か月かかった。3人を足した53人でも、最短の2場所と最長の32場所は変わらない。
最短は大関2場所の双葉山・栃木山・照國
最短は大関2場所での横綱昇進で、双葉山・栃木山・照國の3人である。双葉山は連続全勝優勝で昇進した。関脇での全勝優勝を含めると3場所連続の全勝優勝で、田口は「これ以上の横綱昇進はないのでは」と書く。
栃木山は、時事新報社が幕内最高成績者の額を国技館に掲げる制度のもとで、2場所最高成績をあげて横綱になった。
照國は優勝のないまま横綱に昇進し、横綱になってからも17場所優勝がなかった。田口は「現代なら待ったがかかったかもしれない」と見ている。白鵬が新大関で初優勝したときも2場所での大関通過かと色めきたったが、そう簡単ではなかった。

大関3場所で昇進した5人
次に短いのが大関3場所で、千代の富士・朝青龍・大錦・北の湖・3代目西ノ海の5人。ここで年6場所制の横綱が3人入ってくる。逆にいうと、年6場所制では半年はかかることになる。連続優勝で横綱に昇進したのは朝青龍である。
田口は「年6場所では急激に強くなることは少ない」と書く。年2場所なら番付以上の実力がつくので、双葉山のようなケースは「空前絶後になるかもしれない」というのが田口の見方である。

真ん中は7場所|白鵬・柏戸が横綱への目安
番付の真ん中に位置するのが、白鵬と柏戸の7場所である(梅ヶ谷も7場所)。田口は、これから横綱を目指す力士は大関になったとたん、この7場所がひとつの目安になると書く。
もっとも柏戸は、横綱昇進の直前に優勝がなく、大鵬と抱き合わせで昇進した。田口は「現代ではこのケースはありえそうもない」と書いている。
最長は琴櫻・武蔵丸の32場所
佐田の山は大関が長いといわれ、大関在位は17場所だった。しかし歴史は、それより長く大関にいた横綱を生んでいる。北の富士の21場所、玉の海の20場所は、これが最高在位かと思われた。
ところが琴櫻が、まさかの連続優勝で横綱に昇進した。大関在位32場所、5年2場所かかっての昇進である。のちに武蔵丸がタイ記録をつくるが、琴櫻が32歳で横綱に昇進したのに対し、武蔵丸は28歳だった。

2026年九月場所の大関3人の在位場所数
2026年九月場所の番付で大関だったのは、霧島・琴櫻・安青錦の3人。同じ数え方で、九月場所までの大関在位を数えた(日本相撲協会の大帳(過去の星取表・幕内)(2013年一月場所〜2026年七月場所は2026年9月21日、九月場所は9月28日に取得))。
| 大関 | 大関在位(九月場所まで) | 大関だった場所 |
|---|---|---|
| 霧島 | 9場所 | 2023年7月〜2024年5月の6場所と2026年5月〜9月の3場所 |
| 琴櫻(新大関のときは琴ノ若) | 16場所 | 2024年3月〜2026年9月の16場所 |
| 安青錦 | 4場所 | 2026年1月〜5月の3場所と2026年9月の1場所 |
横綱に上がった53人の大関在位と並べると、琴櫻の16場所は照ノ富士と同じ、霧島の9場所は豊昇龍・隆の里と同じ、安青錦の4場所は大の里と同じである。霧島と安青錦は、途中で一度大関から落ち、のちに大関へ戻っている。
横綱にならなかった大関・横綱としての在位
横綱に上がっていない大関の在位の長さ(最長は千代大海・魁皇の65場所)と成績は大関在位ランキングと成績の通信簿に、協会の記録どおりの歴代大関は歴代大関一覧に、初土俵から新大関までの速さは大関昇進スピード ランキングにまとめた。横綱に上がってからの在位が短い順は短命横綱の一覧にある。
大関在位場所数についてよくある質問
Q. 横綱になるまでの大関在位が最短なのは誰ですか?
A. 双葉山・栃木山・照國の3人で、いずれも大関2場所で横綱に昇進した。双葉山は連続全勝優勝での昇進である。
Q. 大関在位が最長で横綱になったのは誰ですか?
A. 琴櫻と武蔵丸の32場所。琴櫻は5年2場所かけて32歳で昇進し、武蔵丸は28歳でタイ記録をつくった。
Q. 大関3場所で横綱に昇進したのは誰ですか?
A. 千代の富士・朝青龍・大錦・北の湖・3代目西ノ海の5人。このうち連続優勝で昇進したのは朝青龍である。
Q. 白鵬の大関在位は何場所ですか?
A. 7場所。柏戸や梅ヶ谷と並ぶ番付の真ん中で、田口は横綱を目指す力士のひとつの目安と見ている。
Q. 豊昇龍と大の里の大関在位は何場所ですか?
A. 豊昇龍は9場所、大の里は4場所で横綱に昇進した。照ノ富士は16場所。どれも協会の星取表で番付が大関だった場所を当サイトが数えたもので、田口の番付(稀勢の里まで)には入っていない。
Q. 横綱にならなかった大関で在位が長いのは誰ですか?
A. 千代大海と魁皇の65場所などである。横綱に上がっていない大関の在位の長さと成績は大関の在位と成績の通信簿でまとめている。
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