大相撲専門誌「スポーツ報知大相撲ジャー
ナル」が決算号を出版しなくなって2場所が
経過した。決算号が出なくなったのは突然で
あった。「NHK G-Media大相撲中継」に
続いて2誌目である。今決算号が見られる
のは「相撲」だけになった。こうした現状は
採算の問題が大きいと考えられる。それだけ
に専門誌はパワーを失っているように見える。
大相撲ファンになるきっかけはテレビ中継で
あった。もっと詳しく知りたくて、大相撲
専門誌を読むようになった。展望号には今
では見られないが、優勝力士一覧、三賞力士
一覧が掲載されていた。問題点を探ったり、
気付かない視点を捉えたり、相撲の真髄、
歴史等を知らしめてくれた。
昭和は、専門誌がまちがいなく面白かったし、
興味深かった。その役割は大きかった。相撲
好きが本格化すると相撲好きの会ができ、
交流がひろがっていく。筆者がいた相撲の会
では、イベント、会報の発行、番付予想コン
クール、勝負予想コンクールなどがおこなわ
れていた。イベントでは貴ノ花の招待、小島
貞二氏の大相撲話などが忘れられない。相撲
の合宿、大会も行われた。この会は35年続い
た。
現代はインターネットの時代である。あら
ゆる大相撲情報だけでなく、取組さえも見ら
れる。それだけに大相撲専門誌の立位置は
難しいのかもしれない。筆者は雑誌の編集の
世界にいただけにこれだけは言える。企画を
もって編集と成す。雑誌の面白さは企画次第
である。これは他の雑誌を手がけた編集者の
口からも聞いた。専門誌にしかできないこと
は何か。大相撲に対する情熱とともに、原点
に立ち戻る時期に来ている。
「大相撲」から学んだことは大きかった。
興味深いテーマをこれからもお届けします。