力士の給料(月給)は十両以上の「関取」にだけ出る。いまの月給は横綱300万円・大関250万円・三役180万円・平幕140万円・十両110万円で、2027年一月場所からは横綱330万円・十両120万円などに上がる。幕下以下には月給がなく、幕下で1場所16万5000円(2026年の額)の場所手当を受け取る。月給に力士褒賞金を積み上げた年収の目安は、いまの月給で横綱3960万円、十両1416万円(年2回の賞与は含まない)。月給のほかにも、力士褒賞金・優勝賞金・懸賞金といった収入がある。
※日本相撲協会は力士の月給額を公表していない。本記事の月給と場所手当は、2026年7月の改定を伝えた報道(デイリースポーツ・マネーポストWEB)と、改定前の額を一覧にしたABEMA TIMESの記事で確かめた。力士褒賞金などは当サイト運営者・田口 通廣の取材にもとづく。内訳はこの記事の金額の出どころに記した。
【2026年7月30日 追記】関取の月給が2027年一月場所から上がる
日本相撲協会は2026年7月30日の理事会で、関取の月給を引き上げると発表した。適用は2027年(令和9年)一月場所から。関取の月額給与の改定は8年ぶりになる。以下の表より下の本文は、改定前(現行)の金額で書かれている。
| 地位 | 現行の月給 | 2027年一月場所から | 差額 |
|---|---|---|---|
| 横綱 | 300万円 | 330万円 | +30万円 |
| 大関 | 250万円 | 275万円 | +25万円 |
| 関脇・小結(三役) | 180万円 | 200万円 | +20万円 |
| 前頭(平幕) | 140万円 | 155万円 | +15万円 |
| 十両 | 110万円 | 120万円 | +10万円 |
同じ日に、幕内最高優勝の賞金が1000万円から2000万円に倍増すること、幕下以下の場所手当が6〜9%上がること、東京と大阪の入場料を値上げすることも発表された。賞金は大相撲の優勝賞金はいくら、持ち給金の仕組みは力士褒賞金(持ち給金)とは、入場料は大相撲の入場料が2027年一月場所から改定にまとめた。
「力士はどれくらい稼ぐのか」。土俵の上の力士を見ていると、ふと気になる。実は、給料(月給)が出るのは関取と呼ばれる十両以上の力士だけで、幕下から下の力士には月給がない。同じ「力士」でも、十両に上がれるかどうかで収入はまったく変わる。この記事では、番付ごとの月給、幕下以下の手当、そして月給以外の収入までを、金額ごとに「どこまで確認できているか」を添えて整理する。
力士に給料が出る仕組み
力士の月給は、十両以上の「関取」にだけ支給される。横綱・大関・関脇・小結・前頭・十両、ここまでが関取で、月給を受け取る。一方、幕下・三段目・序二段・序ノ口の力士は「力士養成員」と位置づけられ、月給は出ない。そのかわり、本場所ごとに手当が支給される。十両に上がって関取になることが、力士にとって収入面でも大きな関門になる。地位の序列そのものは相撲の階級・番付の序列でまとめている。
関取の給料一覧|番付別の月給
関取の月給は、地位が上がるほど高くなる。いまの金額は2018年に18年ぶりに引き上げられたもので、2027年一月場所からは上の表の額に上がる。表には金額ごとの確認状況を併記した。
| 地位 | 月給 | 年収の目安 | 金額の確認状況 |
|---|---|---|---|
| 横綱 | 300万円 | 3600万円 | ABEMA TIMES・デイリースポーツ・マネーポストWEBが報道 |
| 大関 | 250万円 | 3000万円 | ABEMA TIMES・デイリースポーツが報道 |
| 関脇・小結(三役) | 180万円 | 2160万円 | ABEMA TIMES・デイリースポーツ・マネーポストWEB(関脇)が報道 |
| 前頭(平幕) | 140万円 | 1680万円 | ABEMA TIMES・デイリースポーツが報道 |
| 十両 | 110万円 | 1320万円 | ABEMA TIMES・デイリースポーツ・マネーポストWEBが報道 |
幕下の給料は?幕下以下は月給でなく「場所手当」
幕下から下の力士には月給がない。そのかわりに、本場所ごとに手当が支給される。2027年一月場所からは、この手当も6〜9%上がると報じられている。1場所あたりのいまの金額は次のとおりである。
| 地位 | 1場所の手当 |
|---|---|
| 幕下 | 16万5000円 |
| 三段目 | 11万円 |
| 序二段 | 8万8000円 |
| 序ノ口 | 7万7000円 |
関取の月給と比べると、その差は大きい。十両の月給110万円に対し、幕下の手当は1場所16万5000円。年6場所でも約99万円である。十両に上がった瞬間に収入が一段跳ね上がる。この境目が、力士たちが十両昇進にこだわる理由の一つになっている。
月給以外の収入
関取の収入は月給だけではない。代表的なものを挙げる。金額は田口の取材によるもので、協会が公表しているものではない(優勝・三賞の賞金は報道の額とも照らした)。
- 力士褒賞金(持ち給金)…十両以上の力士が、本場所の成績に応じて積み上げていく給金。本場所ごとに年6回支給される。最低支給額は横綱で1場所60万円、十両で16万円。平幕が横綱を破る金星も、この持ち給金に加算される(金星とは)。
- 優勝・三賞の賞金…幕内最高優勝は1000万円。三賞(殊勲・敢闘・技能)と十両優勝はそれぞれ200万円。優勝力士には副賞も贈られる。2027年一月場所からは、幕内最高優勝が2000万円、三賞と十両優勝が300万円に上がる(デイリースポーツ2026年7月30日・マネーポストWEB 2026年8月2日)。
- 懸賞金…幕内の取組ごとに企業が出すスポンサー料で、勝った力士が受け取る。この懸賞金だけは協会が公式サイトで金額を公表しており、1本7万円(税込)、うち力士の取り分6万円、手数料1万円と明記されている(令和元年6月改定・九月場所より)。仕組みは相撲の懸賞金とはでくわしく扱う。
- 賞与…関取には年2回の賞与がある(ABEMA TIMES 2026年7月21日・マネーポストWEB 2026年8月2日)。額は確かめられていない。
- 巡業手当…本場所のない時期に行う巡業の手当。金額は公表されていない。
月給に、褒賞金、優勝すれば賞金、勝てば懸賞金。横綱ともなれば、これらを合わせた収入は相当の額になる。逆に幕下以下は月給がないため、関取になるまでは苦しい下積みが続く。土俵の上の一番には、こうしたお金の現実も重なっている。
番付別の年収ランキング|月給と褒賞金を積み上げる
月給に力士褒賞金を足すと、地位ごとの年収の輪郭が見えてくる。褒賞金は本場所ごとに年6回支給されるので、1場所あたりの最低支給額を6倍して加える。算出式は「月給×12か月+力士褒賞金の1場所あたり最低支給額×6場所」である。
| 地位 | 月給 | 月給×12 | 褒賞金(1場所・最低) | 褒賞金×6 | 年収の目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 横綱 | 300万円 | 3600万円 | 60万円 | 360万円 | 3960万円 |
| 大関 | 250万円 | 3000万円 | 40万円 | 240万円 | 3240万円 |
| 関脇・小結 | 180万円 | 2160万円 | 24万円 | 144万円 | 2304万円 |
| 前頭 | 140万円 | 1680万円 | 24万円 | 144万円 | 1824万円 |
| 十両 | 110万円 | 1320万円 | 16万円 | 96万円 | 1416万円 |
2027年一月場所からの月給で同じ計算をすると、横綱は330万円×12か月+60万円×6場所で4320万円、十両は120万円×12か月+16万円×6場所で1536万円になる(褒賞金の最低支給額をいまと同じとした計算値。年2回の賞与は含まない)。幕下以下には月給がないので、この計算は当てはまらない。場所手当だけで見ると幕下が1場所16万5000円、年6場所で約99万円。十両との差は約1300万円になる。
力士褒賞金(持ち給金)の仕組み
力士褒賞金は、成績に応じて一生積み上がっていく点が月給と違う。土台になる「持ち給金」は次のように加算される。
| 加算されるとき | 持ち給金の加算 |
|---|---|
| 序ノ口昇進(出世) | 3円 |
| 勝ち越し1点につき | 50銭 |
| 金星(平幕が横綱に勝つ) | 10円 |
| 幕内最高優勝(全勝以外) | 30円 |
| 幕内最高優勝(全勝) | 50円 |
実際の支給額は、この持ち給金を4000倍したものになる。金星なら10円×4000で4万円が加算される。一度上がった持ち給金は下がらないので、長く取れば取るほど積み上がっていく。
| 地位 | 持ち給金の最低 | 1場所の最低支給額 |
|---|---|---|
| 横綱 | 150円 | 60万円 |
| 大関 | 100円 | 40万円 |
| 幕内 | 60円 | 24万円 |
| 十両 | 40円 | 16万円 |
懸賞金は勝った本数がそのまま収入になる。当ブログは一月場所で両横綱を倒した義ノ富士について、こう書いている。
一月場所両横綱に勝った義ノ富士の懸賞金は111本で666万円稼いだことになります。
大相撲マネー事情
1本7万円のうち力士の取り分は6万円。111本なら666万円になる。番付が上がるほど懸賞の本数も増えるため、上位で勝ち続ける力士の実収入は、上の表の目安を大きく超えていく。懸賞の仕組みは相撲の懸賞金とは、懸賞幕そのものは相撲の懸賞旗とはで扱っている。
この記事の金額の出どころ
ここでは、どの数字がどこまで確認できているかを分けて記しておく。
- 日本相撲協会は力士の月給額を公表していない。協会サイトの「業務・財務情報」に並ぶ公開文書(定款、役員及び評議員の報酬等に関する規程、各年度の事業計画・予算・事業報告・決算・監査報告など)を一覧で確認したが、力士の月給額を載せたページ・文書は見当たらなかった(2026年7月26日確認)。2026年7月の改定のあとも、協会のお知らせ一覧にある令和8年7月30日の発表は入場料の改定だけで、月給額は載っていない(2026年10月17日確認)。したがって本記事では「協会によると」という書き方をしていない。
- いまの月給(横綱300万円・大関250万円・三役180万円・平幕140万円・十両110万円)は、ABEMA TIMES「相撲の階級全10段階一覧!給料格差から横綱・大関の昇進条件まで解説」(2026年7月21日)が一覧で載せ、デイリースポーツ「大相撲の優勝賞金が倍増2000万円、力士給与・手当もアップ、両国国技館のチケット料金は大幅値上げに」(2026年7月30日)が改定前の額として同じ5つを報じている。横綱・関脇・十両の額はマネーポストWEB(2026年8月2日)も同じ。この額は2018年に18年ぶりに引き上げられたもの(Finasee 2022年10月30日)。
- 2027年一月場所からの月給(横綱330万円・大関275万円・三役200万円・平幕155万円・十両120万円)は、2026年7月30日の日本相撲協会の理事会の決定としてデイリースポーツが報じた。横綱・関脇・十両の額はマネーポストWEB「【土俵に埋まるカネが増えた!】…相撲協会が発表した8年ぶりの還元策の中身と特徴は」(2026年8月2日)も同じ。大関と平幕の額を確かめられたのはデイリースポーツの報道だけである。
- 幕下以下の場所手当(幕下16万5000円・三段目11万円・序二段8万8000円・序ノ口7万7000円)は田口の取材による額で、ABEMA TIMES(2026年7月21日)とデイリースポーツ(2026年7月30日、改定前の額として)が報じた額と一致する。
- 力士褒賞金の最低支給額と持ち給金の加算は田口の取材による。田口 通廣は日経関係で編集者を務めたのち独立した相撲専属のフリーライターで、毎場所の本場所を取材している(著者プロフィール)。優勝・三賞の賞金(幕内1000万円、三賞と十両優勝200万円)は、デイリースポーツ(2026年7月30日)が改定前の額として報じた額と一致する。
- 懸賞金の1本7万円・力士の取り分6万円・手数料1万円は、日本相撲協会「懸賞について」に金額と改定時点(令和元年6月改定、九月場所より)が明記されている(2026年10月17日にも確認)。本記事で唯一、協会公式を出典にできる金額である。
- 年収の欄は計算値で、月給を12か月ぶんにしたもの(年2回の賞与は含まない)。実際の年収は、その年にどの地位で何場所を過ごしたかで変わる。
力士の給料についてよくある質問
Q. 横綱の月給はいくらですか?
A. 月300万円で、2027年一月場所からは330万円に上がります。いまの月給を12か月ぶん足すと3600万円です(年2回の賞与は含まない)。どちらもデイリースポーツなどの報道で確かめた額です。これに加えて力士褒賞金や優勝賞金、勝てば懸賞金もつくため、実際の収入はさらに大きくなります。
Q. 2027年から力士の給料はいくらになりますか?
A. 2027年一月場所から、横綱330万円・大関275万円・三役200万円・平幕155万円・十両120万円になります。2026年7月30日の日本相撲協会の理事会で決まったとデイリースポーツが報じました(横綱・関脇・十両の額はマネーポストWEBも同じ)。月額給与の改定は8年ぶりです。幕下以下の場所手当も6〜9%上がります。
Q. 十両の給料はいくらですか?
A. 月110万円で、2027年一月場所からは120万円です。十両は月給が出るいちばん下の地位で、月給に力士褒賞金の最低額を足した年収の目安は1416万円です(年2回の賞与は含まない)。
Q. 力士の月給は日本相撲協会が公表していますか?
A. 公表していません。協会が公式サイトで公開している文書は、定款、役員及び評議員の報酬等に関する規程、各年度の事業計画・予算・事業報告・決算などで、力士の月給額を載せたページは見当たりません(2026年7月26日確認)。2026年7月の改定のあとの協会のお知らせにも、月給額は載っていません(2026年10月17日確認)。世の中に出回っている番付別の月給は、給与改定を伝えた報道と、相撲を取材する記者・関係者の知見にもとづくものです。当サイトも同じで、どの金額がどちらによるかをこの記事の金額の出どころに分けて書いています。
Q. 幕下の給料はいくらですか?
A. 幕下に月給はなく、本場所ごとに1場所16万5000円の場所手当を受け取ります(2026年の額)。三段目は11万円、序二段は8万8000円、序ノ口は7万7000円です。2027年一月場所からは6〜9%上がると報じられています。十両に昇進して関取になると、はじめて月給が支給されます。
Q. 関取と幕下以下で収入はどれくらい違いますか?
A. 大きく違います。十両の月給は110万円ですが、幕下の手当は1場所16万5000円で、年6場所でも約99万円です。月給の有無という壁が、十両を境にはっきりあります。これが、力士が十両昇進にこだわる収入面の理由です。
Q. 力士の収入は月給だけですか?
A. いいえ。月給のほかに、年2回の賞与、成績に応じて積み上がる力士褒賞金、優勝すれば優勝賞金(幕内1000万円、2027年一月場所からは2000万円)、幕内の取組で勝てば懸賞金、そして巡業手当などがあります。横綱・大関ともなれば、これらを合わせた収入はかなりの額になります。この記事の年収の目安は月給と褒賞金の最低額だけの計算で、賞与は含めていません。
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