第32代玉錦から第54代輪島までの横綱23人で、金星配給率がいちばん低いのは玉の海(平幕戦58勝3敗)、次いで玉錦(55勝3敗)である。いちばん高いのは栃ノ海(56勝34敗)で、武蔵山(10勝6敗)が続く。田口 通廣の中間報告の値で、玉の海は4.92%、栃ノ海は37.8%だった。
金星配給率=横綱時代の平幕戦で負けた割合(平幕戦の黒星がそのまま金星の配給)。数値は田口の「◯◯の金星配給率」シリーズと中間報告(2026年8月30日)、輪島(2026年9月9日)による。現役の豊昇龍は27%、大の里は30%(田口・2026年七月場所まで)。
横綱の金星配給率ランキング|玉錦から輪島まで23人(低い順)
低い順に並べると、玉の海・玉錦・北の富士・大鵬・双葉山が上位5人になる。順位は田口が2026年8月30日の中間報告で出した値(小数)で並べ、そのあとに書いた輪島は個別の記事の13.2%で入れた。
個別の記事は率を丸めて書いていることがあり、中間報告の値と違う横綱がいる。北の富士は個別の記事で9%、中間報告で0.080、東富士は18.1%と0.174である。どちらかに寄せず、表には両方を載せた。
| 順 | 横綱(田口の記事) | 横綱時代の平幕戦 | 金星配給率 | 平幕7番あたりの配給数 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 玉の海 | 58勝3敗 | 4.92% | 0.3個 | 福の花が2個。7場所連続で金星0の記録 |
| 2 | 玉錦 | 55勝3敗 | 5.17% | — | 配給した3人は男女ノ川・能代潟・大潮。男女ノ川は番付に名がなく別格として出場していた。横綱在位12場所 |
| 3 | 北の富士 | 171勝15敗 | 8.0% | 0.6個 | 171勝15敗から計算すると8.1%。個別の記事では9%。福の花・長谷川・長浜豊山が2個。横綱で8勝7敗の場所も金星0 |
| 4 | 大鵬 | 306勝28敗 | 8.08% | 0.6個 | 中間報告の0.0808は誤審を除いた307勝27敗の値(27÷334)で、306勝28敗なら8.38%。横綱在位58場所。開隆山・豊國・海乃山が3個。フル出場して金星なしが28場所 |
| 5 | 双葉山 | 117勝14敗 | 10.71% | 0.7個 | 117勝14敗から計算すると10.69%。鹿島洋・櫻錦・豊嶋が2個。横綱4場所が系統別総当たり、13場所が東西制 |
| 6 | 若乃花(初代) | 148勝22敗1分 | 13.1% | 0.9個 | 148勝22敗1分から計算すると12.9%。大晃が3個。1場所最多の配給は3個。フル出場して金星0が7場所 |
| 7 | 輪島 | 256勝39敗 | 13.2% | 0.9個 | 1場所最多の配給は3個で3場所。フル出場して金星0が17場所 |
| 8 | 羽黒山 | 139勝22敗 | 13.7% | 0.96 | 備州山が4個、相模川・若ノ花が2個 |
| 9 | 柏戸 | 199勝35敗 | 14.96% | 1.05個 | 開隆山・富士錦・清國・麒麟児・長谷川が2個 |
| 10 | 栃錦 | 172勝31敗 | 15.3% | 1.1個 | 時津山・鶴ヶ嶺・安念山が4個、琴ヶ濱が3個。1場所最多の配給は4個(途中休場の場所) |
| 11 | 佐田の山 | 103勝19敗 | 15.6% | 1.1個 | 1場所最高の配給は4個 |
| 12 | 東富士 | 95勝20敗 | 17.4% | 1.3個 | 個別の記事では18.1%。琴錦・若ノ花・若葉山が2個。7番あたりの1.3個は個別の記事の18.1%から出した値 |
| 13 | 照國 | 98勝21敗 | 17.7% | 1.3個 | 98勝21敗から計算すると17.6%。三根山が3個、柏戸・吉葉山・若葉山が2個 |
| 14 | 千代の山 | 144勝34敗 | 19.1% | 1.3個 | 琴錦・朝潮・安念山が3個 |
| 15 | 安藝ノ海 | 24勝6敗 | 20% | 1.4個 | 横綱フル出場は5場所。神風・柏戸が2個 |
| 16 | 鏡里 | 122勝31敗 | 20.3% | 1.4個 | 若瀬川・鳴門海が3個。1場所最多の配給は4個で、これが2場所ある |
| 17 | 琴櫻 | 37勝11敗 | 22.9% | 1.6個 | 横綱在位8場所。新入幕の大錦に金星を与えた |
| 18 | 朝潮 | — | 25.6% | — | 個別の記事は無く、率は田口の中間報告の値 |
| 19 | 男女ノ川 | 63勝22敗 | 25.9% | 1.8個 | 横綱勝率0.613 |
| 20 | 吉葉山 | 54勝20敗 | 27.0% | 1.9個 | 若羽黒が3個。1場所最多の配給は3個で、これが2場所ある |
| 21 | 前田山 | 16勝8敗 | 33.3% | 2.3個 | 横綱在位6場所。8敗はすべて別の相手。力道山に2不戦敗がある |
| 22 | 武蔵山 | 10勝6敗 | 37.5% | 2.6個 | 横綱休場率70%。フル出場は1場所だけ |
| 23 | 栃ノ海 | 56勝34敗 | 37.8% | 2.6個 | 大豪が5個、富士錦が3個。1場所最多の配給は4個で、これが3場所ある |
金星配給率とは|横綱時代の平幕戦の黒星の割合
平幕が横綱を倒すと金星がつく。もらう側から数えた記録はよく見かけるが、与えた側から数えた記録はほとんど出回らない。田口は横綱一人ずつ、横綱在位中の平幕戦を洗い出し、そのうち何番落としたかを割合で出した。これが金星配給率である。
場所数では割らない。全休した場所も途中休場した場所もあるので、場所数で割ると休んだ横綱ほど数字がよく見えてしまう。平幕との対戦成績だけを取り出し、その敗率を配給率とした。
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 何を数えるか | 横綱に在位していた期間の、平幕(前頭)との取組だけ。三役以上との取組は入れない |
| 分子 | その平幕戦で横綱が負けた数=配給した金星の数 |
| 分母 | 平幕戦の勝ち数+負け数 |
| 不戦敗 | 金星ではないので除外する |
| 不戦勝 | 対戦相手の都合なので分母に加える |
| 場所数で割らない理由 | 全休の場所と途中休場の場所があり、場所数で割っても実態を表さないため |
| 引き分け | 若乃花(初代)に1分がある。記事に扱いの記述は無い |
起点が玉錦なのは、金星の制度が始まったのが昭和5年で、新横綱になった時点でこの制度があった横綱が代でいうと玉錦からだからである。大鵬の平幕戦306勝28敗には昭和44年三月場所の戸田戦の誤審が含まれ、田口はこの一番について「本当は307勝27敗である」と書いている。
表から見えること|強豪横綱が比較的上位
田口は中間報告で「強豪横綱が比較的上位に位置した。」とまとめ、上位2人の玉錦と玉の海には「現役で他界するという共通項がある。」と書いている。栃錦と初代若乃花の栃若については「栃若は若が上だった。」。
大鵬は58場所も務めながら、フル出場して金星を1つも与えなかった場所が28ある。初代若乃花にも同じ場所が7つ、輪島は17場所ある。玉の海には7場所連続で金星0の記録がある。
配給率が高いほうの武蔵山と前田山は、平幕戦そのものが少ない。武蔵山はフル出場が1場所しかなく平幕戦は16番、前田山は横綱在位6場所で24番である。分母が小さいと1つの黒星が数字を大きく動かすので、表には平幕戦の勝敗を並べてある。
8月以降に足した7人|柏戸・栃ノ海・佐田の山・北の富士・玉の海・琴櫻・輪島
玉の海は横綱時代の平幕戦が58勝3敗で、中間報告の22人のなかでいちばん低く、あとに書かれた輪島を入れた23人でもいちばん低い。田口は「玉の海は金星をほとんど与えなかった。」と書いている(玉の海の金星配給率)。
北の富士は171勝15敗で、横綱で8勝7敗に終わった場所でも金星は0だった(北の富士)。柏戸は199勝35敗で15%(柏戸)、佐田の山は103勝19敗で16%(佐田の山)。
栃ノ海は56勝34敗で38%、1場所7番の平幕戦があれば2.6個を配給する計算になり、田口は「横綱として弱さが出ている。」と書く(栃ノ海)。琴櫻は横綱在位8場所で37勝11敗、23%(琴櫻)。輪島は256勝39敗で13.2%、フル出場して金星0が17場所ある(輪島)。
現役の豊昇龍と大の里
田口は2026年七月場所の総評で、豊昇龍の平幕戦を46勝17敗・金星配給率27%、大の里を33勝13敗・30%と書いている。大の里の33勝13敗から計算すると28.3%になる。
場所ごとの配給数と、同じ在位場所数でそろえた朝青龍・輪島との比較は豊昇龍と大の里の金星配給数にある。
まだ集計していない横綱
田口の連載は輪島(2026年9月9日)まで進んでいて、北の湖から先の横綱の記事はまだ無い。記事が出たら行を足す。横綱そのものの一覧は歴代横綱一覧にまとめてある。
金星配給率についてよくある質問
Q. 金星配給率とは何ですか?
横綱が平幕との取組をどれだけ落としたかの割合です。平幕が横綱に勝てば金星なので、横綱時代の平幕戦の敗戦数を、平幕戦の総数で割って出します。
Q. いちばん金星を与えなかった横綱は誰ですか?
第32代玉錦から第54代輪島までの23人では玉の海です。横綱時代の平幕戦は58勝3敗で、田口の中間報告の値は4.92%でした。次いで玉錦の55勝3敗です。
Q. いちばん金星を与えた横綱は誰ですか?
同じ23人では栃ノ海です。平幕戦は56勝34敗で、中間報告の値は37.8%。武蔵山の10勝6敗が続きます。
Q. 大鵬の金星配給率はいくつですか?
個別の記事では8%、中間報告では0.0808(8.08%)です。平幕戦は306勝28敗で、昭和44年三月場所の戸田戦の誤審を含みます。田口はこの一番を除いて「本当は307勝27敗である」と書いていて、0.0808はこの307勝27敗で割った値にあたります(306勝28敗なら8.38%)。
Q. 豊昇龍と大の里の金星配給率は?
田口は2026年七月場所の総評で、豊昇龍を27%(平幕戦46勝17敗)、大の里を30%(33勝13敗)と書いています。
関連記事:大相撲の金星ランキング/豊昇龍と大の里の金星配給数/横綱の金星配給率中間報告(田口)/横綱同士の対戦成績ランキング