大相撲

出羽海の系統8

2015年4月29日

昭和の大相撲を揺るがした春秋園事件。番付の方屋を
占めた出羽海部屋が事実上の崩壊に至った。それはどう
いう流れでいたったか、しぼって展開する。1月10日
出羽系中心の力士は大日本新興力士団として旗揚げする
ことに決定した。

1月12日に右翼団体国粋会が調停を申し入れるが、大日
本新興力士団はこれを断った、その夜、武蔵山はひそかに
春秋園を脱出した。このあとも国粋会との調停は続くが、
物別れに終わり、1月16日出羽ヶ嶽を除く新興力士団は
詫びとして髷を切った。
武蔵山。
<武蔵山の絵葉書>
 
1月25日武蔵山が出羽海部屋に帰参した。3日前に本場所
開催を決定していた協会は喜んだ。しかし、誠意なき
回答の協会に利用されるとふんだ東方力士9人と十両
力士8人が革新力士団として脱退した。後に剣岳も加わっ
た。十両以上で残ったのはわずか15力士であった。

元両国(前名国岩)の出羽海は責任を取って取締を辞任し、
相談役となった。混乱は1年間続いたが、新興力士団と
革新力士団の興行は最初こそうまくいったが、最終的には
いきづまり、脱退組のうち武蔵山を含め鏡岩・朝潮・出羽
ヶ嶽ら22人が最終的に協会に復帰する結末を迎えた。
これまでの力士の動きをまとめると以下になる。

 東           幕内 西
玉 錦                大関武蔵山 第1次脱退、後復帰
能代潟                張出大ノ里 第1次脱退
清水川                関脇天 竜 第1次脱退
幡瀬川                小結綾 桜 第1次脱退、後復帰 
沖ツ海                筆 頭出羽ヶ嶽 第1次脱退、後復帰
鏡 岩 第2次脱退、後復帰 2 信夫山 第1次脱退
朝 潮 第2次脱退、後復帰 3 和歌嶋 第1次脱退、後復帰
高 登           4 山 錦 第1次脱退
錦 洋 第2次脱退     5 藤ノ里 第1次脱退
太郎山 第2次脱退、後復帰 6 大和錦 第1次脱退
雷ノ峰 第2次脱退     7 新 海 第1次脱退、後復帰
吉野山                  8 高ノ花 第1次脱退、後復帰
若葉山                  9 錦華山 第1次脱退、後復帰
古賀ノ浦               10 肥州山 第1次脱退
寶 川 第2次脱退、後復帰 11 大 崎 第1次脱退
大 潮                  12 常盤野 第1次脱退
綾ノ浪 第2次脱退     13 常陸嶋 第1次脱退
若瀬川                  14 伊勢ノ濱第1次脱退、後復帰
海光山 第2次脱退、後復帰 15 玉 碇 第1次脱退
剣 岳 第2次脱退       16 外ヶ濱 第1次脱退、後復帰 

 東          十両 西
常 昇 第1次脱退     1 旭 川
金 湊 第2次脱退、後復帰 2 羽後響 第1次脱退 
銚子灘 第1次脱退、後復帰 3 太刀若 第2次脱退、後復帰
番神山 第2次脱退、後復帰 4 綾 昇 第1次脱退、後復帰 
霞ヶ浦 第1次脱退     5 盾 甲 第2次脱退、後復帰
双葉山                  6 鳴 潮 第2次脱退
潮ノ濱 第2次脱退     7 駒 錦 第1次脱退 
磐 石 第2次脱退、後復帰 8 倭 岩 第1次脱退 
大 鶴 第1次脱退     9 鳴戸潟 第1次脱退 
石 山 第1次脱退     10 大ノ濱
綾 若 第1次脱退、後復帰 11 上宮山 第2次脱退

出羽海をめぐる混乱は1938(昭和13)年に新たな形で
起こった。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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