大相撲

横綱の変遷 改訂版

2015年3月17日

横綱の変遷は鶴竜が横綱に昇進する以前に書いたもの
である。鶴竜の横綱昇進にともない改訂したのが以下
である。
5  140511初日幕内 289
<鶴竜>
 
横綱は約300年間で71人しかでていないという言い方が
よくされる。横綱がまれな存在であることを表現して
いる。しかし正確にいえばこれは正しい表現とは
言えない。始祖明石から綾川、丸山までは横綱免許の
史実を確認できない力士であることが定説となって
いる。

ではなぜ、そんなことになったのか。これは元横綱
陣幕が1900年に東京府東京市深川区の富岡八幡宮に
建立した横綱力士碑がベースになっている。陣幕が
特に相撲史に通じていたわけでなく、知恵を拝借した
ことによって3力士が加わったことによるものである。
5横綱常陸山【絵葉書
<常陸山の絵葉書>
 
事実上の横綱の祖谷風から鶴竜まで約224年間に
江戸・東京横綱は65人が正しい表現になる。
大阪横綱を一緒にするのはボクシングのWBAチャン
ピオンとWBCチャンピオンを混在して扱うことと
同じで、別枠にするのが適切である。ただ、宮城山は
東西合併後も横綱であり、東京の横綱と対戦している
ので加えた。

横綱は本当にまれな存在か。20世紀の横綱は大砲から
武蔵丸まで100年間に東京横綱は47人いる。横綱を
歴史的に分類すると称号時代と地位時代に分けられる。
さらに地位時代は横綱審議委員会誕生時代以前と
以後時代に。さらに横審時代は原則昇進時代と2場所
連続優勝昇進時代に分類できる。

称号時代 谷風から初代西ノ海まで約101年間に13人
端境期  小錦、大砲の2人
地位時代 横審以前 
     番付上常陸山から東富士まで約45年間に19人
     (実質上の地位化は梅・常陸から)
地位時代 横審以後 原則昇進時代 
     千代の山から大乃国まで約36年間に22人
地位時代 横審以後 2場所連続優勝昇進時代 
     旭富士から日馬富士まで約23年間に8人
地位時代 横審以後 原則昇進時代
     鶴竜
5横綱常陸山【絵葉書 (2)
<2代目梅ヶ谷の絵葉書>
 
ここで3番目にある原則昇進時代とは昇進規準である
2場所連続優勝を原則として昇進した大関がほとんど
であることからこう区分した。この間連続優勝で昇進
したのは栃錦、大鵬、北の富士、琴桜の4人しか
いない。双羽黒が優勝なしで横綱に昇進し、昇進後も
優勝がないまま問題をおこして引退していった。こう
したことがきっかけとなって旭富士以降の横綱はすべて
連続優勝しなければ横綱になれなかった。それが鶴竜に
よって原則昇進に戻ってしまった。

こうしてみると横綱がまれな存在なのは称号時代に
よるもので地位化してからは約111年間に51人、
特に横審原則昇進時代は約36年間に23人という
(約1年半に1人誕生)大量生産期といえる。

なお、称号時代は強豪大関に必ずしも免許された
わけではない。特に黎明期は谷風・小野川は関脇で
免許を受けている。横綱の意味合いが現在とまるで
違うことを付記しておく。

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denkouriki

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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