大相撲

友情の右四つ

2015年4月2日

現在取組は部屋別総当たり制である。それ以前は系統別
総当たり制で同じ部屋から独立した系統、つまり本家と
分家、あるいは分家の分家は対戦しない制度だった。
だから例えば立浪部屋と時津風部屋、出羽海部屋と春日野
部屋、二所ノ関部屋と花籠部屋、佐渡ヶ嶽部屋、片男波
部屋は対戦しなかった。だから、千代の山と栃錦、初代
若乃花と大鵬の対戦はなかった。
tokitukaze
<時津風>

部屋別総当たりは1960(昭和40)年から実現した。これが
どのようにして実現したのか。それはNHK解説者の
玉の海梅吉氏が時津風(元双葉山)理事長に進言し、
時津風(元双葉山)理事長が協会内にある反対論に対し
好取組が増加すると希望する世論をバックに「いまや
人情論におぼれているときではない」と語って実現した
ものである。また、孤軍奮闘力士への不公平を少なく
する狙いもあった。

玉の海梅吉氏は師匠の玉錦が急性虫垂炎で現役で亡く
なった後二所ノ関部屋を引き継いだ。戦後の混乱期に
部屋を立て直し、弟弟子だった佐賀ノ花に部屋を譲り、
相撲界から身をひいた。そんな彼が再び相撲界と関りを
もつことになったのはNHKから解説者の依頼がきた
ことであった。推薦者は弟弟子であり、NHK解説者の
神風であった。
玉の海
<玉の海梅吉著 これが大相撲だ
潮文社刊>
 
玉の海が場所に臨んでみると入り口に協会幹部が待って
いた。その中から出てきて無言で右四つに組んだのが
元双葉山の時津風であった。両者とも現役は右四つで
あった。無言の中で元双葉山が暖かく迎えてくれたことが
伝わる友情の右四つであった。

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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