先場所、入門以来初の負け越しとなった逸ノ城。関脇から
前頭筆頭となった三月場所、リベンジはなるか。これまで
逸ノ城の攻めの鋭さ、相手に与えるこわさがない点を
指摘してきた。単に左上手を取りに行く相撲は対戦相手
に研究されてしまっている。
逸ノ城がこれまで勝てない相手は3敗の白鵬、2敗の
日馬富士と2人いる。逸ノ城はまず、この両横綱に勝つ
にはどうしたらいいか考えた稽古をする必要がある。
特に白鵬には右四つ上手を取れなくて負けるというワン
パターンに陥りつつある。「打倒ルー・テーズ。わしを
強くしたのはこの言葉だ」と言ったのはプロレスラーの
力道山である。逸ノ城は打倒白鵬を目指すことが強くなる
要因になる。
幕下10枚目格でデビューした豊山(前名内田)はスピード
出世し、入幕7場所で大関に昇進した。しかし、ついに
大鵬に立ちふさがれ、初顔から5連敗。通算4勝26敗と
一方的に負けた。豊山の相撲は大鵬からみればスキだらけ
といわれた。逸ノ城は二の舞をしてはいけない。白鵬には
離れて突き押しで攻め立て、攻め切れなくてもそこから
有利に組止めて勝機を見出す相撲が効果的である。
逸ノ城は横綱・大関戦を3勝4敗から4勝3敗で乗り
切りたい。関脇以下に6勝2敗として三役復帰を果たし
たいところである。今関脇以下の幕内上位で勝ち越しの
可能性ある力士は2、3名しかいない。逸ノ城は志を
大きくもって稽古に打ち込み、ファンの期待に応えて
いただきたい。