優勝戦線は一向に安定しない、収束しない。2敗ながら
優勝争いのトップを走る白鵬は4敗稀勢の里を勇んで
攻めたが、土俵際逆転をくって3敗に後退した。稀勢の
里が3敗、あるいは2敗に留まっていたらこの一番は
優勝第二ラウンドとしてさらに盛り上がったのだが
そうでなかったのはまことに惜しまれる。
今場所の白鵬は安定性に欠け、詰めの甘さが目立った。
白鵬が千秋楽を待たず3敗以上したのは、2012年五月
場所の10勝5敗のとき以来である。このときは早々と
優勝から脱落した。今場所は3敗ながらトップである。
だが、じつはそこに問題があるのだ。
本来なら白鵬が不調ならほかの力士にとっては優勝の
チャンスであるはずだ。しかるに横綱日馬富士4敗、
鶴竜全休、大関稀勢の里4敗、琴奨菊にいたっては
負け越し、豪栄道も白鵬に勝ったものの負けが込んで
相変わらずの印象が強い。
<白鵬、稀勢の里に敗れ3敗>
、
要するに白鵬が好調だろうが不調だろうが、上位はまっ
たく変わらないのである。一言でいえば優勝争いは
白鵬の状況いかんに関らず他の上位陣はできないことが
あらためて証明された。これでは横綱・大関は責任を
果たしていない。それでいて待遇は優遇されている。
一般の企業で重役が責任を果たしていないければどう
なるか。言うまでもあるまい。
関脇照ノ富士が3敗で白鵬と並んで千秋楽を迎える。
豪栄道が突如休場したため、千秋楽の対戦相手は急遽
碧山になるという残念な結果となった。あと1日どんな
結果となっても今場所の優勝争い及び優勝者の成績は
低レベルであることだけは変わらない。
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