日馬富士、鶴竜は優勝から遠ざかっているだけではない。
優勝争いがほとんどできていない。白鵬が6連覇中、唯一
優勝争いになったのは2014年十一月場所の千秋楽、1敗
白鵬対2敗鶴竜の一番のみである。
優勝できないということは横綱としての存在感が薄れる。
鶴竜はいまだ横綱優勝がない。日馬富士は8場所優勝から
遠ざかっている。過去にも優勝の少ない横綱はいた(どち
らかといえば弱い横綱が多いが)。今両横綱は横綱の
優勝率ではどのくらいに位置するのか、実質地位化した
常陸山以降を調べてみた。
常陸山以降を調べてみた。
順位 横綱 場所数 優勝回数 優勝率 備考
1 白鵬 46 31 0.6739 2015年三月場所現在
2 朝青龍 42 23 0.5476 出場停止2場所含む
3 双葉山 17 9 0.5294
4 太刀山 14 7 0.5
4 大鵬 58 29 0.5
6 千代の富士59 29 0.4915
7 栃木山 15 7 0.4667
8 常ノ花 20 8 0.4
8 玉の海 10 4 0.4
10 北の湖 63 22 0.3492
11 大錦 12 4 0.3333
11 玉錦 12 4 0.3333
13 若乃花 26 8 0.3077 初代
14 貴乃花 49 15 0.3061
15 北の富士 27 7 0.2593
15 武蔵丸 27 7 0.2593
17 輪島 47 12 0.2553
17 東富士 20 5 0.25
19 三重ノ海 8 2 0.25
20 栃錦 28 6 0.2143
21 北勝海 29 6 0.2069
22 羽黒山 30 6 0.2
23 常陸山 22 4 0.1818 優勝制度以前の最高成績含む
24 曙 48 8 0.1667
25 佐田の山 19 3 0.1579
26 鏡里 21 3 0.1429
27 隆の里 15 2 0.1333
27 日馬富士 15 2 0.1333 2015年三月場所現在
29 宮城山 17 2 0.1176 東西合併以降
30 琴桜 9 1 0.1111
30 旭富士 9 1 0.1111
32 若乃花 28 3 0.1071 2代目
33 千代の山 32 3 0.0938
34 柏戸 47 4 0.0851
35 梅ヶ谷 24 2 0.0833 2代目優勝制度以前の最高成績含む
36 照国 25 2 0.08
37 西ノ海 15 1 0.0667 3代目
38 朝潮 17 1 0.0589
38 栃ノ海 17 1 0.0589
40 大乃国 23 1 0.0435
41 鳳 11 0 0
41 西ノ海 5 0 0 2代目
41 武蔵山 8 0 0
41 男女ノ川 12 0 0
41 安芸ノ海 8 0 0
41 前田山 6 0 0
41 吉葉山 17 0 0
41 双羽黒 8 0 0
41
若乃花 11 0 0 3代目
若乃花 11 0 0 3代目
41 鶴竜 7 0 0 2015年三月場所現在
ここでも白鵬の数字は抜群である。年に4回のペースで
優勝している計算になる。第2位の朝青龍も一人横綱
時代が長く、着実に優勝してきた実績と事実上の強制
引退だけに晩年の不成績がない分いい数字になったと
思われる。横綱優勝回数2位の大鵬は横綱優勝率5割と
2場所に1回の優勝ペースである。同じく横綱優勝29回の
千代の富士は5割弱で大鵬に迫る記録である。
年2場所時代では横綱優勝率は無敵双葉山、45日(一突き
半)のてっぽうの太刀山、鉄壁の筈押しの栃木山とそう
そうたる大横綱が上位に名前を連ねている。5割で年1回
優勝している計算になる。栃木山は3連覇して事実上
引退しただけに、そうでなければどこまで優勝回数を
のばしたか想像もつかない。今も語り草となっている
のが1931(昭和6)年の大日本選手権である。元栃木山の
春日野は年寄として参加して沖ツ海、鏡岩、玉錦、天竜
など現役を倒して優勝してしまった。
さて、日馬富士と鶴竜はいかがか。日馬富士は10場所に
1.1回の優勝ペースである。最近は横綱としての存在感が
薄くなっているだけに立ち合いからの鋭い突っ込みで
五月場所こそ復活日馬富士の雄姿が見たいところだ。
五月場所が面白くなるか否かは日馬富士にかかっている。
鶴竜は早めに優勝しておきたい。横綱優勝なしは吉葉山の
17場所、男女ノ川の12場所があるが、これに迫ることは
避けたい。鶴竜優勝はとりこぼしをしないことと白鵬との
直接対決で勝利することである。稽古総見では申し合いを
しなかった鶴竜だが、休場あけで優勝した例はある。
それだけにあきらめないで場所でペースをつかんで優勝
争いに加わっていただきたい。
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