denkouriki– Author –
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金峰山の出世街道
金峰山が入幕を果たした。三段目100枚目格付出でスタートして8場所で幕内となった。本人は「できればもう1、2場所早くあがりたかった」とこれくらいでは満足していない。そんな金峰山はどんな出世街道を歩んできたのか。 金峰山は柔道をしていた。柔道... -
2023年三月場所番付を読み解く
三月場所の番付が発表された。先場所小結で11勝4敗をあげた霧馬山が新関脇になった。前頭筆頭で10勝をあげた大栄翔と8勝の翔猿がともに小結に返り咲いた。 <新関脇霧馬山> 西小結で8勝の琴ノ若と西小結2で9勝の若元春が成績順の番付になった。東小... -
両雄激突!常陸山対太刀山
常陸山と太刀山は横綱が実質地位化した常陸山以降では10大横綱にはいる大横綱である。常陸山は角聖と呼ばれ、2代目梅ヶ谷とともに明治の黄金期を築いた。相手に相撲を取らせてから勝つ横綱相撲のイメージは常陸山がつくった。得意は泉川からのため出しで... -
消えたけたぐり
重量級大相撲になってうっちゃりとつり出しが消えた、と言われた。それでも幕内ではどうにか見られる。栃ノ心はつり出しをたまに見せることがある。昨年は3番あった。うっちゃりは決まらず、寄り倒されることが多い。昨年うっちゃりは2番あって、いずれ... -
続 消えた横綱の部屋 2
ニ所ノ関一門の繁栄は分家を奨励し、弟子の育成をはかってきたことにある。この方針は元玉ノ海の二所ノ関のとき、打ち出された。部屋持ちにならないとおべっかを使うことになる光景に嫌気をさし、弟子の光は七光にした。 戦後、元大ノ海の芝田山のち花籠は... -
現代元横綱年寄事情
2019年一月場所中、横綱稀勢の里が引退した。そのとき元横綱出身の親方は元北勝海の八角、元大乃国の芝田山、元旭富士の伊勢ヶ濱、元武蔵丸の武蔵川だけだった。わずか4人しかいなかった。大鵬が引退したときは元横綱の親方は11人いた。 <元稀勢の里のニ... -
若隆景 カモと苦手
若隆景はきたる三月場所で7場所連続関脇在位になる。上位安定度は抜群で、実力者といっていい。かつて御嶽海は関脇以下最強であった。いまや現時点ではそれは若隆景に移ったといっていい。 <若隆景> その若隆景のカモと苦手を調べてみた。対戦は幕内同... -
続 消えた横綱の部屋 1
2022年2月から3月において「消えた横綱の部屋」を掲載した。横綱の代でいうと朝潮で終わっている。当時は時代が古く、ピンとこず、必ずしも好評ではなかった。ここからは大鵬以降になるのでいささか身近に思える横綱が登場するのではないだろうか。 続編... -
80歳を迎えた大相撲解説者
大相撲の解説者である北の富士さんは80歳である。3月末には81歳を迎える。元横綱としても最長老である。北の富士さんが大相撲の解説者になったのは53歳のときである。約27年間に及ぶ解説者人生になる。 明解神風は60代で、重厚玉の海は70歳で相撲解説者を... -
鵜呑みにできない大相撲
日本史は絶えず見直されている。関ヶ原から2キロに玉城があったことがわかり、秀頼と毛利輝元が入るためつくられたとみられる。桶狭間の戦いは信長の誘い出しであり、信長軍は弱小ではなかった。しかるに相撲史はどうだろうか。まず、横綱である。疑わし... -
変貌する現代相撲部屋の継承
部屋の継承というと弟子と年寄株というのが通常である。建物は複雑な事情から引き継がれないケースが多い。ところが最近弟子は継承するが、部屋名が変更という場合が出てきた。 新しいところでは入間川(元栃司)部屋が元垣添の雷に引き継がれたことである... -
魁皇の幕内対戦成績50回以上 下
引き続き魁皇の幕内対戦成績50回以上をみていこう。前述した千代大海は初戦が平成10年三月場所から平成22年一月場所までだった。今度の相手はそれより期間が短い。それでも9年半に及んだ。その相手は貴ノ浪である。 <魁皇> 初対戦は平成6年一月場所で... -
東西制から系統別へ 歴史的大もめ
東西制は明治42年夏場所、国技館開設とともに始まった。もっともそれ以前も取組は東対西であった。それを東西の優劣を決める団体戦にしたわけである。勝ったほうが翌場所東にまわる。現代の部屋別総あたり制を見慣れている相撲ファンからすると奇妙に思え... -
3関脇の共通点
タイトルにある3関脇とは三月場所番付で想定される関脇若隆景・豊昇龍・霧馬山を指す。次の大関に期待したことがあり、今後期待される力士もいる。それでは、若隆景、豊昇龍、霧馬山の3力士に共通することは何か。 <若隆景> 年齢が20代ということでは... -
魁皇の幕内対戦成績50回以上 上
幕内対戦50回以上はなかなか達成できない記録である。ともに息が長く、近い地位という条件を満たさなければならない。魁皇は大関在位65場所の最長在位記録の持ち主である。そして幕内対戦50回以上の相手は千代大海である。こちらも大関65場所在位最長タイ... -
一人大関・5人の元大関というバランスの悪さ
現在貴景勝の一人大関である。番付上何とも寂しい現実である。本来は大関に昇進するチャンスであるはずだが、その気配はまだ感じられない。 これに対し元大関は5人もいる。朝乃山は出場停止による降格である。だから降格場所での10勝以上復帰の規定も適用... -
白鵬杯が国技館へ帰ってきた!
2月12日に白鵬杯が国技館へ帰ってきた。2021年はコロナで中止。2022年は4月に大田区総合体育館で開催された。時期も場所も異なったためチェックしていなかった。 <白鵬杯の看板> 久々の国技館開催だが、熱気が違う。今回のキャッチコピーは以下である... -
さようなら松鳳山
松鳳山福岡県出身 松ヶ根部屋から二所ノ関部屋(共に元若嶋津)さらに放駒(元玉乃島)部屋へ最高位小結 殊勲賞1回 敢闘賞3回 金星5個永い間元若嶋津の部屋の看板力士であった。体型は大きくないが、元琴錦の朝日山は理想の力士体型と語っていた。 ... -
相撲界から消えたモノ
■一代年寄始まりは大相撲の継承発展を考える有識者会議の提言だった。一代年寄は横綱一代限りの特例で継承できず、伝統の継承と矛盾する異形の形と表現した。その根拠は公益財団法人になってから、一代年寄の根拠は見出せなかったというのだ。といっても廃... -
番付5年間の変化
2023年一月場所番付から5年前の番付は2018年一月場所の番付にあたる。栃ノ心が初優勝し、阿炎、竜電が新入幕した場所である。5年間で番付はどのように変化したのだろうか。それが以下である。 <栃ノ心初優勝> 白鵬、鶴竜、稀勢の里の3横綱と大関豪栄... -
続10大横綱の小結関脇時代
引き続き10大横綱の小結関脇時代をみていこう。ここからは部屋別総当たり制での横綱である。 北の湖輪島、貴ノ花、魁傑の時代が来るとの見方に割って入ってきた力士が怪童北の湖であった。新小結では4勝11敗と大敗した。4場所後再小結で勝ち越し。翌場所... -
10大横綱の小結関脇時代
10大横綱は実質横綱が地位化した常陸山以降の横綱を意味する。大横綱の小結関脇はどうであったか。調べてみた。 常陸山常陸山が関脇だった時期は明治33年夏場所から2場所である。小結の経験はない。横綱は小錦だったが、同じ片屋で対戦はない。対戦した大... -
短命横綱考
いったん横綱になれば、引退後は元横綱。そんな単純な図式で横綱ははかれない。横綱でもピンキリがあり、格付けがある。弱い横綱と大横綱は同格ではない。そんななか今回は短命横綱について考察してみることにした。 短命横綱は文字通り横綱在位が短い場合... -
大相撲トーナメント観戦記
大相撲トーナメント大会が復活した。2020年以来である。昨年はコロナ部屋ごと休場騒ぎで中止せざるをえなかった。マス席は2人マスだった。2階席は50%台の入りに見えた。白鵬引退大相撲の後だけに影響が出ても不思議ではない。 <トーナメントの案内> ... -
2大変化の福祉大相撲
福祉大相撲に行ってきた。2020年以来の久々開催である。昨年も開催予定だったが、部屋ごとコロナ休場が多発して中止に追い込まれた。 久方ぶりの2023年の福祉大相撲は2つの変化をともなっていた。1つは福祉大相撲のメイン、福祉施設の代表への贈呈式であ... -
現役力士の優勝者からの勝利数
一月場所、阿武咲は一時トップに立ちながら最後連敗して優勝を逃した。その反面、実は阿武咲は現役力士では優勝にかかわる記録の持ち主である。それは優勝力士からの勝利数である。詳細にみていこう。 <阿武咲> 阿武咲が優勝力士に初めて勝利したのは平... -
モンゴル3横綱を比較
モンゴル出身の横綱は5人いる。朝青龍と白鵬は横綱中の大横綱である。比較したいのは日馬富士、鶴竜、照ノ富士である。この3横綱は横綱になった年齢が近い。日馬富士と鶴竜は28歳、照ノ富士は29歳であった。3横綱の年齢別実績を比較してみた。照ノ富士... -
止まらない12勝優勝
一月場所は大関が優勝したが、成績は12勝3敗だった。この1年(2022年三月場所から2023年一月場所まで)6場所中5場所が12勝3敗優勝だった。若隆景が12勝優勝したのは昨年の三月場所だった。その後12勝優勝が目立っている。 <若隆景> 大正15年優勝制... -
照ノ富士 出場は大勝負のとき
1月30日、照ノ富士が奉納土俵入りをおこなった。非公開のようだった。すでに引退大相撲では横綱の土俵入りをしている。ただし、取組は休場した。三月場所の出場は明言しなかった、という。 <照ノ富士の土俵入り 白鵬引退大相撲にて> 照ノ富士がフル出... -
大関誕生様々
現代は一人大関である。しかし、御嶽海が大関になってから1年しかたっていない。大関の弱体化が一人大関を生んだ。今こそ大関が求められる時代はない。しかし、若隆景、豊昇龍、霧馬山、琴ノ若は決め手に欠けている。 <貴景勝> 大関は2場所連続負け越... -
豊響引退大相撲レポート
豊響山口県出身 境川(元両国)部屋 最高位前頭2枚目 幕内52場所敢闘賞3回 白鵬から金星1 その豊響が引退したのは2021年七月場所前であった。最後は幕下19場所を務めた。36歳であった。その豊響の引退大相撲がコロナの影響でのびのびになっていた... -
白鵬引退大相撲レポート
白鵬の引退大相撲は様変わりなカタチでスタートした。入場者は正門ではなく、南門からの入場だった。ここではチケットをみせる必要がなく、1階席と2階席で入り口が分かれていた。1階は1階で、2階は2階でもぎりがおこなわれた。2階から1階へはいけ... -
貴景勝をめぐるある記録
一月場所3回目の優勝を成し遂げた貴景勝。3場所連続平幕優勝でストップし、大関がようやく優勝した。大関といっても御嶽海去り、正代が大関の座を明け渡し、今は貴景勝一人である。孤軍奮闘のなかでの優勝だった。 <孤軍奮闘のなか優勝した貴景勝> 貴... -
横綱昇進!その成績
一月場所、貴景勝が優勝したことで、早くも三月場所は横綱をかける場所という声があがっている。それは2場所連続優勝が横綱昇進基準として浸透しているからである。しかし、この基準には危うさが潜んでいる。1.年6場所時代にわずか2場所だけという短期... -
写真で見る落合7番勝負
幕下15枚目格7戦全勝の落合の十両昇進が決定した。2000年、現行規定になってから1場所での昇進は初めてである。鳥取城北高校で高校横綱を2度獲得している。卒業後は社会人として実業団選手権を制している。宮城野(元白鵬)部屋所属 19歳 落合の一月場... -
貴景勝優勝あとの成績
一月場所、一人大関貴景勝は苦難のなか3回目の優勝を達成した。優勝は2年間空いてのことだから久々のことになった。昨年(2022年)は6場所優勝者が異なった。そこに大関の優勝はなかった。それだけに今度の優勝で責任が果たせて安堵したことだろう。 <... -
2023年一月場所総評&私製番付
★一月場所の優勝争いについて 千秋楽相星決戦となったが、貴景勝と琴勝峰では対戦相手に差があり過ぎた。琴勝峰は上位3番、そのうち三役はたった一番。琴勝峰が優勝なら権威なき優勝だった。途中優勝のトップに立った阿武咲にしても上位4番であった。 そ... -
■23初 千秋楽 意外なカタチで貴景勝が優勝
前日見どころとしてあげた朝乃山は北青鵬に勝って14勝1敗とし、幕内復帰を決定づけた。十両と幕下の入れ替え戦は下記になった。●十両10照強5勝9敗-幕下1玉正鳳3勝3敗○〇十両12貴健斗6勝8敗-幕下5塚原5勝1敗●玉正鳳の十両昇進は濃厚である. 千... -
■23初 14日目 思いがけない方向にいった優勝争い
優勝の行方はますます混迷を深めてきた。 今場所初の三役戦となった3敗阿武咲。9勝4敗小結霧馬山と対戦した。貴景勝を別にすると三役で最も成績がいい。勝負はあたって霧馬山が左から突き落とした。一瞬の勝負だった。 <阿武咲、霧馬山に敗れ4敗> 阿... -
23初 13日目 貴景勝対阿武咲!決戦を斬る
2敗トップの阿武咲を3敗の大関貴景勝が追うという、何とも奇妙な図式になった。そのからくりは阿武咲が前頭5枚以下との対戦が11番あるということだ。貴景勝の2関脇(若隆景・豊昇龍)4小結(霧馬山・琴ノ若・明生・若元春)ほか大栄翔・玉鷲・阿炎・... -
■23初 12日目 貴景勝の破綻は権威なき平幕優勝へ繋がる?
貴景勝は自分の押し相撲が取れず、霧馬山に左を差され、すくい投げで土俵にはった。霧馬山を押せなかった。連敗である。一時は1敗で単独トップに立ったが、ここにきて急速に調子を落とした。 <貴景勝、霧馬山に敗れ3敗> ただ、突然調子を落としたわけ... -
■23初 11日目 幕内は上位クラスとそれ以下は所詮別もの
1敗貴景勝は琴ノ若と対戦した。分のいい相手である。押し勝ったのは琴ノ若。押し戻す貴景勝。探り合いから琴ノ若が思い切って出て土俵下に豪快に押し倒した。「押せなくなったときの貴景勝は危ない」という貴景勝の法則の典型的な一番となった。 <貴景勝... -
■23初 10日目 急速に冷え込んだ優勝争い
豊昇龍が休場した。4敗目で優勝戦線から脱落である。ただし、11日目は出場してくる。千秋楽の不戦敗は別にすると、不戦敗のあとの出場はこれまで大内山そして琴勇輝が2度やっている。この記録に豊昇龍が加わることになった。 <豊昇龍> 1敗貴景勝は明... -
■23初 9日目 波乱ではなく上位は紙一重の実力差
優勝を争うと見られた2敗豊昇龍と同じく2敗の大栄翔がそろって敗れた。 2敗豊昇龍は若元春と対戦した。立ち合いから激しく攻め合い。若元春は左を差して出るところを豊昇龍が強引な小手投げにいってつぶされた。明らかに豊昇龍が先に落ちた。 <豊昇龍... -
■23初 8日目 場所の行方
8日目を迎えれば優勝のカタチが見えてくるとこれまで書いてきた。 1敗貴景勝は錦富士と対戦した。貴景勝は押すしかないが、思いがけず錦富士が突き離しで対抗。両者激しい応酬。そのなかから錦富士がまさり出るが、貴景勝まわり込んで対抗。最後正面土俵... -
■23初 7日目 満員御礼の中の激闘と大熱戦
落合が幕下で勝ち越しを決め、十両で朝乃山が7連勝した7日目。今場所4度目の満員御礼となった。人が多いと感じたのは抽選会場に長い列ができていたことからもわかった。 1敗大栄翔は2勝4敗の佐田の海と対戦した。翔猿とは同部屋のため対戦がなく、繰... -
■23初 6日目 苦手相手に明暗を分けた貴景勝・豊昇龍
幕下15枚目格付出で注目の落合が老練明瀬山と対戦した。四つに組んでどうなるかと思った瞬間、落合のあざやかな内掛けが決まった。すかっとする切れ味だった。落合の強さをみせつけられた。これで3勝である。 平日前半の6日目、思いもよらず満員御礼とな... -
■23初 5日目 豊昇龍、大栄翔の突きに苦杯
押し相撲は怖い。4勝豊昇龍対1敗大栄翔は、豊昇龍が立ち合い勝って踏み込んだ。だが、大栄翔の逆襲の強烈な突き押しで一気に白房下土俵に豊昇龍を突き倒した。豊昇龍は立ち合い二の矢がなかった。逆に大栄翔は立ち合い負けしたが、体勢はくずれず、すぐ... -
■23初 4日目 豊昇龍、快調玉鷲を撃破
朝乃山が對馬洋を寄り切って4連勝と快調である。四つ相撲ではまず、朝乃山のモノである。ここまで貴健斗、千代栄、白鷹山と番付の近い力士が対戦相手である。5日目も魁勝である。朝乃山に全勝優勝を期待する方がいるが、先はまだ長い。なお、全勝優勝は... -
■23初 3日目うっすらと明暗が見えかかった土俵
初日、2日目祝日と満員御礼が出たが、さすが3日目はそうはいかなかった。体温測定もカメラを見る方式が復活した。ガラポンのはずれは大相撲カレンダーだが、初日・2日目はミニサイズ。だが3日目は大型版一枚刷りカレンダーに変わった。konisikiの国技... -
■23初 2日目 貴景勝の横綱は最初からない
貴景勝が今場所の成績しだいで横綱の可能性があるという声に驚かされた。横綱は品格・力量抜群の推薦基準第1項がある。貴景勝のどこにこれが当てはまるのか。かすりもしない。横綱の重みを数字あわせに終始するのは御免こうむる。 <貴景勝、翔猿に不覚>... -
■23初 初日 注目の三番勝負を分析
新しい年に初の本場所を迎え、大相撲が帰ってきた。木戸に親方が立った。コロナ禍のなか、これまでは協会が委託した外部の方であった。体温測定もカメラを見つめる方法からおでこにあてる簡易測定に変わった。館内放送では特に飲食に関する内容はなかった... -
2023年一月場所直前考
一月場所は場所としては最も早い8日に始まる。正月が入り、落ち着く間もなく場所に突入することになる。もっとも元出羽ノ花の武蔵川理事長はよく松の内興行をやったものである。 活気があり、盛り上がっているかとなると話は別である。照ノ富士は休場であ... -
関脇連続在位記録 下
引き続き関脇の連続在位記録をみていこう。 若ノ花・長谷川の8連続関脇在位記録を破った力士が出た。逆鉾である。ご存じ井筒3兄弟の次男坊である。昭和62年十一月場所から平成元年三月場所までの9場所連続関脇在位である。殊勲3回、技能1回受賞してい... -
関脇連続在位記録 上
目立たない記録であるが、若隆景がきたる一月場所で6場所連続関脇在位となった。1年間関脇を維持するのは大変な偉業である。しかも今は1横綱1大関で手薄なため、この記録は伸びる可能性を秘めている。 <若隆景> 大関に昇進したら自動的に消滅するが... -
違和感ある一月場所番付の関脇の位置
一月場所番付は東関脇若隆景、西関脇豊昇龍となった。前場所の成績は以下であった。東関脇 若隆景8勝7敗西関脇 豊昇龍11勝4敗豊昇龍のほうが成績がいい。それにも関わらず若隆景が上位に位置した。 <若隆景> 横綱・大関だって成績順で順位が決まる... -
2023年はどうなる 大相撲人気
サッカーのワールドカップは日本中を熱狂させた。しかるに大相撲人気はコロナの影響があってなかなか戻ってこない。コロナのニュースは以前ほどではないが、感染者はこの冬増加している。 昨年の七月場所は部屋ごと休場が多発して休場力士だらけになった。... -
2023年はどうなる 年間最多勝のレベルは上がるのか
2022年の年間最多勝は、若隆景が57勝で獲得した。といっても1場所平均9.5勝と数字的には低レベルであった。それでも若隆景に責任はない。若隆景は関脇である。 <若隆景> 横綱・大関が休場がちと弱体化による結果である。要するに横綱は満足に出場できず... -
2023年はどうなる 優勝
昨年(2022年)は6場所優勝者が違った。この記録は継続中である。なおかつ3場所連続平幕優勝中である。昭和47年は6場所で記録はストップした。平成3年は前後1場所を加え、8場所優勝者が異なった。 <十一月場所優勝の阿炎> 昭和47年後は琴櫻が横綱... -
今年(2022年)1年ご愛読ありがとうございました
賢明な読者の皆様、今年1年ご愛読いただき誠にありがとうございました。今年、毎日執筆でき、ランキングトップクラスに位置できましたのもご愛読いただき、ご支持いただいた皆様のおかげです。 現在、既成のブログではなく、オリジナルのブログで展開して... -
2022年土俵の目撃者を振り返って
今年もコロナの影響を受け続けた大相撲でした。2月の嘉風の引退相撲では関取70人中26人出場でした。このあとのトーナメント、福祉大相撲は中止になってしまいました。七月場所はコロナ部屋ごと休場がこれでもかというくらい多発し、休場者続出の場所にな... -
逸ノ城と湊親方の確執問題はどこへ
逸ノ城と師匠の湊(元湊富士)親方の確執が表ざたになったのは11月であった。1.親方とは不仲で口をきかない2.弁護士を通してしか話さない3.深酒が原因でおかみさに暴力があった4.協会が双方から事情を聴いた正式発表がないため、どこかぼやっとした印象だ... -
問題点を探る またも繰り返された暴行傷害
年末になって事件が明るみになった。伊勢ヶ濱(元旭富士)部屋でおきた幕下2力士による暴行事件である。弟弟子に対して以下のことが行われた。 4月 腕立て用の補助具を角材として使い、頭部を殴った7月 腹部を数回殴打し、その後踏みつけた8月 熱湯... -
2023年はどうなる 朝乃山はどこまで復帰する
朝乃山が十両に復帰した。無給から給料をいただける立場になったわけである。三段目から3場所かかっての十両復帰になったわけである。半年かかったことになる。 <幕下浅乃山> 朝乃山にとって十両は通過点にすぎない。果たして何場所で通過するのか。 出... -
2023年一月場所番付を読み解く
2023年一月場所の番付が発表された。1横綱1大関と手薄の反面、4関脇4小結という派手さである。関脇には大関から降格した正代、前頭筆頭で優勝同点の高安が返り咲いた。小結は琴ノ若・若元春が新、明生が再となった。 <琴ノ若> <若元春> もっとも4... -
武蔵丸の幕内対戦成績50回以上 下
武蔵丸のもう一人の幕内50回対戦以上の相手は貴乃花である。貴乃花の新入幕は平成2年五月場所であった。一度跳ね返されて再入幕は十一月場所であった。武蔵丸の新入幕はその1年後平成3年十一月場所であった。 初対戦は平成4年一月場所であった。ともに... -
2023年はどうなる 新横綱・新大関は誕生するのか
きたる一月場所は1横綱1大関という寂しさである。今年の一月場所後大関御嶽海が誕生したが、4場所で大関から降格している。ひざの手術をした照ノ富士は万全の体調でなければ出場しにくい。今ほど横綱・大関が求められる時代はない。 すぐに横綱・大関が... -
武蔵丸の幕内対戦成績50回以上 上
幕内対戦50回以上はつくづく大変な記録だと思う。怪童北の湖もウルフ千代の富士にもない。天才輪島、大関在位50場所の貴ノ花にもない。 武蔵丸の幕内50回以上の対戦相手の一人に貴ノ浪がいる。武蔵丸と貴ノ浪は平成3年十一月場所に入幕した。新入幕同士の... -
2023年はどうなる 大関優勝はあるのか
今年(2022年)は5場所関脇以下の優勝だった。ついに大関優勝はなかった。大関は弱体化して2人の大関が陥落して、ついには貴景勝の一人大関になってしまった。その貴景勝は2023年優勝できるのだろうか。 <貴景勝> 今年の貴景勝は以下の成績だった。1... -
2022年大相撲10大ニュース 2位・1位
■2位 御嶽海 正代の大関陥落 一月場所、3回目の優勝で大関に昇進した御嶽海。七月場所はカド番、2勝4敗でピンチだったが、コロナ部屋ごと休場で翌場所にもちこした。しかし、御嶽海はこの幸運を生かせず、九月場所4勝11敗と大敗した。大関としての... -
北の富士の幕内対戦50回以上 下
北の富士のもう一人の幕内50回対戦以上は琴櫻である。琴櫻は北の富士より早く、昭和38年三月場所入幕していた。1度跳ね返されたが、1場所で再入幕した。再入幕3場所目には上位で殊勲賞を獲得している。北の富士が新入幕を果たした昭和39年一月場所、琴... -
2022年大相撲10大ニュース 4位・3位
■4位 朝乃山の土俵復帰 七月場所2日目、朝乃山が土俵に復帰した。朝乃山が土俵から姿を見せなくなったのは、2021年五月場所の12日目からである。実に1年以上かかって三段目からの復帰であった。 <三段目の朝乃山> 朝乃山が出場停止になった理由は以... -
2022年大相撲10大ニュース 6位・5位
■6位 七月場所コロナ部屋ごと休場が多発 七月場所はコロナの嵐となった。初日からの田子ノ浦部屋、途中からの出羽海・鳴戸・放駒・武蔵川・佐渡ヶ嶽・玉ノ井・浅香山・片男波・伊勢ノ海・芝田山・追手風・八角部屋と部屋ごと休場が多発した。幕内で16人... -
北の富士の幕内対戦50回以上 上
幕内で50回以上対戦するのは大変なことである。地位が接近し、なおかつ休場が少ないと実現しにくい。大鵬には幕内対戦50回以上はなかった。柏戸戦が優勝決定戦を含み22勝16敗だった。北の富士には幕内対戦50回以上が2人いる。 <北の富士> まず清國であ... -
2022年大相撲10大ニュース 8位・7位
8位はなく7位と同点となった。 ■7位 不振照ノ富士3度休場 昨年、3回優勝。年間77勝を達成した照ノ富士が今年は1回の優勝、3度の休場となった。九月場所後膝の手術をしたため、十一月場所は全休した。長期休養もありえる。となると1横綱1大関は実... -
2022年大相撲10大ニュース 10位・9位
■9位 引退相撲ラッシュ 10位はなく9位が同点であった。2021年、琴勇輝が関係者のみで引退相撲を実施した。これを契機にコロナ禍のなかで実施されなかった引退相撲が本格的に始まった。お客さんを入れた興行は現役名でいうと以下になる。 一月場所後 豪... -
2022年大相撲10大ニュース 前文
今年も新型コロナウイルスの影響を受けての本場所開催であった。それでも地方場所全席使用、引退相撲の実施、巡業再開、昇進祝い開催など変化が見られた。そんななか、大相撲のニュースが相次いだ。まったく予期しないニュースも飛び込んできた。 そこで、... -
壁にはばまれた力士たち
十一月場所千秋楽、前頭14枚目7勝7敗の東龍は、同じく7勝7敗の妙義龍と対戦した。今度こそ東龍の幕内初勝ち越しなるか。相撲は、妙義龍が東龍のふところに入って東土俵で寄り切った。またしても東龍の幕内初勝ち越しはならなかった。 <東龍> 東龍の... -
大相撲人気は戻ってくるのか
十一月場所は7日目、14日目に満員御礼がでて、千秋楽が満員札止めであった。初日、8日目の日曜、11日目の祝日は満員御礼にならなかった。平日前半はガラガラだった。 <福岡国際センター> 福岡県は人口で千葉県、埼玉県より少ない。加えて福岡国際セン... -
1年間優勝の顔ぶれが違う3例を比較
令和4年はすべて優勝者が違った。これは昭和47年、平成3年に続き3例目である。なぜそんなことになったのか。昭和47年、一人横綱の北の富士は大乱調。大関は最初4人いたが、頼りにならない弱い大関だった。平成3年、横綱の交代期であった、平成4年一... -
2022年幕下のホープ 下
引き続き以下の基準で幕下のホープを取り上げよう。1.22歳以下(2022年12月31日時点)2・幕下成績が勝ち越していること3.元関取は対象外とした 出羽ノ龍モンゴル出身 出羽海(元小城ノ花)部屋最高位幕下3枚目 幕下成績43勝24敗10休 21歳 昨年に引... -
来なかった時代
昭和36年九月場所後、大鵬と柏戸が同日横綱に昇進した。物理的には2場所連続優勝の大鵬が先に決まったとみるのが常識である。柏戸は直前3場所優勝がなく、大鵬と抱き合わせ的に横綱になった。大関の勝率が大鵬と遜色がないが理由だったが、基準にないこ... -
一人横綱一人大関時代はいつまで続く
弱体化した大関陣は御嶽海の大関降格に続いて正代まで降格が決定した。これできたる一月場所は一人横綱一人大関である。正代が10勝以上あげれば大関に復帰するが、前例から復帰は容易でないことは、これまでさんざん書いてきた。 <一人大関貴景勝> 1横... -
2022年幕下のホープ 上
昨年の2021年幕下のホープから熱海富士、菅野(栃武蔵)、狼雅の3力士が十両に昇進した。熱海富士は新入幕までいった。彼らに続く幕下の有望株は誰か、探ってみた。基準は以下とした。1.22歳以下(2022年12月31日時点)2・幕下成績が勝ち越していること... -
写真で見る阿炎栄光の日々
十一月場所は優勝決定巴戦になり、最下位の阿炎が前頭筆頭隆康、大関貴景勝を撃破して初優勝に輝いた。まさかのなかから浮上したが、実力者であり、大関にも勝ったのだから納得の優勝だった。阿炎の年表と栄光の日々の写真を改めて見ていこう。 <201... -
現代大相撲関取事情
12月4日第71回全日本相撲選手権が両国国技館開催された。アマ日本一を決める大会で社会人や高校生も出場した。日体大の中村泰輝選手が優勝し、前年に続き2連覇を達成した。中村選手はプロ入りを示唆している。彼のプロでの活躍はどのようなものになるか... -
今年の写真二枚、思いがけない過去一枚
大相撲がコロナ禍に入って永くなっている。引退大相撲や巡業など戻りつつあるモノがある反面、前夜祭、土俵祭などまだまだのモノもある。コロナ禍だとどうしても土俵を離れるとマスクがつきまとう。そんななか今年の写真を土俵外と土俵上からピックアップ... -
2022年大相撲の記録
■一月場所御嶽海が3回目の優勝を達成した。優勝はいずれも関脇でこれは新記録である。関脇以下で3回優勝している力士が照ノ富士である。関脇2回、平幕1回である。関脇以下というくくりになると3回優勝は照ノ富士と御嶽海の2人である。御嶽海は意外に... -
2022年入門者数と引退力士数
2022年の入門者数と引退力士数が確定した。五月場所から三段目の枚数がこれまでの100枚から90枚に減削された。力士数が減少していることをうかがわせる出来事だった。日本自体が人口減少、少子化に入っており、相撲界への影響が出ている。幕下以下にはベテ... -
照ノ富士のこれから
十一月場所、結びの一番は貴景勝か正代であった。横綱が結びでないともうひとつ締まらない。今年(2022年)は照ノ富士にとってさんざんな1年であった。休場が3場所で優勝は1回きりであった。三場所横綱初休場があったが、このあと2場所休場することに... -
2022年年間最多勝最終形
今年の年間最多勝が確定した。それが以下である。単なる数字の比較ではなく、横綱・大関との対戦率によってクラス分けした。また、幕内在位6場所の力士を対象とした。 6場所幕内に在位した力士は32名である。幕内の定員は42名だから、76%が幕内を1年間... -
2022年架空年間三賞
今年(2022年)すべての場所が終了した。改めて今年も年間三賞力士を選出してみる。まず、今年の各場所の三賞はどうであったか。 1月 殊勲阿炎 敢闘琴ノ若 技能御嶽海3月 殊勲なし 敢闘高安・琴ノ若 技能若隆景5月 殊勲大栄翔・隆の勝 敢闘佐田... -
2022年十一月場所総評&一月場所私製番付
★優勝争いはまったく意外なカタチになった 2敗高安が阿炎に負けたことがすべての始まりだった。阿炎は早々と10日目に3敗して優勝候補とみなされていなかった。この時点で豊昇龍が1敗だったから無理もなかった。2敗で高安もいた。終わってみれば、3敗... -
■22福岡千秋楽 大波乱!巴戦制した阿炎が初優勝
2敗高安か3敗阿炎か。直接対決は後半3番後に迎えた。相撲は、突き押しの激しい応酬となった。高安が前に攻め込むが、阿炎はまわり込んでの反撃。目まぐるしいまでの攻防のなかから、阿炎が踏み込み、向こう正面に高安を突き倒した。 <3敗阿炎、2敗高... -
■22福岡14日目 3大決戦を斬る
7日目に続いて2度目の満員御礼が出た14日目。優勝争いは大詰めを迎えた。 後半最初の一番は2敗でトップの高安が登場した。対戦相手は輝である。輝は上位戦から遠ざかっているだけに対戦相手としてはもう一つと思っていた。ところが相撲は、激しい突き合... -
■22福岡13日目 2敗高安、3敗4人の大混戦
思いがけず2敗同士の対戦となった高安対王鵬戦。王鵬が前日1敗の豊昇龍に勝ったことで浮上してきた緊張の対戦になった。相撲は離れての攻防から高安が組み止めた。圧力をかけて上手投げで投げ捨てた。この辺は豊昇龍が終始離れて弾みで負けた教訓が生き... -
■22福岡12日目 豊昇龍対王鵬!まさかの結末
12日目、上位同士の取組は3番と少なく、上位対中位あるいは上位対下位が目白押しの日となった。その中で注目度が高かった一番は1敗豊昇龍対2敗王鵬戦であろう。といっても王鵬は幕内下位の経験しかない。しかも、何度か負け越している。人生には上り坂... -
■22福岡11日目 気力なき御嶽海は引退間際のような相撲
幕下で朝乃山が6番相撲で負けた。対戦相手は玉正鳳である。朝乃山に勝つためには2つの方法が考えられる。1つは離れて戦うことである。四つ身では幕下クラスでは対抗できない。2つめは朝乃山の圧力をまともに受けないことである。玉正鳳は動きのなかで... -
■22福岡10日目 速攻豊昇龍!正代くだし1敗堅持
優勝争いは佳境に入ってきた。場所前優勝候補をあげることは困難となった今、中盤最終日の10日目で見通しが立ってきた。 1敗の豊昇龍は大関正代と対戦した。カド番正代はここまで4勝5敗と苦しい展開。地元熊本出身とあって福岡国際センター内に声援や激... -
■22福岡9日目 優勝戦線に変化あり
幕下朝乃山が湘南乃海をくだして5連勝とした。この中には十両徳勝鵬に勝った一番も含まれている。朝乃山は5勝なら十両に上がれる可能性がでてきてた。だが、朝乃山は7勝で文句なしの十両復帰が狙いであろう。今度こそ、関取復帰を達成しておきたい。 優...