大相撲

新大関霧馬山論

2023年5月31日

9時半前、協会の使者伊勢ノ海(元北勝鬨)と枝川
(元蒼樹山)が陸奥(元霧島)部屋にはいった。霧
馬山は、「大関の名を汚さぬよう今まで以上に稽古
して頑張ります」と口上を述べた。新大関霧馬山が
誕生した。大関は協会の看板である。師匠の名前で
ある霧島を襲名することになった。霧島はピンとこ
ないので、ここでは霧馬山で通すことにする。

<大関が決定した霧馬山>

霧馬山はどんな大関になるだろうか。気になるのが
近年大関になった御嶽海、正代と相次いで大関の座
を明け渡していることだ。現大関の貴景勝でさえ、
五月場所は自分の相撲が取れず、かなり危なかった。
大関に上がるときはよく見えても、上がってしまう
と成績が悪くなるのが通例である。

これは2場所連続負け越しで関脇に降格という規定
に甘えてしまうからである。霧馬山には優勝争いに
加わる大関であってほしい。大関は関脇・小結の倍
稽古しろといったのは栃木山である。大関はときに
は横綱以上の存在価値を発揮しなくてはならない。
そのためには稽古で固めるくらいの肉体を形成しな
くては務まらない。

霧馬山は正代に3連敗中である。3場所通算34勝11
敗の11敗中の3敗は正代によるものである。優勝し
た場所も負けている。大関が下位に苦手をもっては
いけない。隆の勝、高安にも対戦成績は負け越して
いるが、実力差はある。

<ファンからの花束を抱える霧馬山>

霧馬山が打倒しなければならない相手が照ノ富士で
ある。1度も勝てない壁になっている。これは豊昇
龍、若元春、若隆景にも言える。四つに組むだけで
は勝てない。打倒照ノ富士が霧馬山を強くする。

霧馬山の横綱の可能性はどうか。現在実力ナンバー
2である。しかし、横綱は常勝を求められる。現在
27歳。28歳までが勝負になる。一にも二にも稽古次
第である。稽古が横綱を育てる。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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