大相撲

■23夏10日目 優勝戦線に変化

2023年5月23日

10日目から千代の国、炎鵬、琴勝峰が休場した。こ
の日は関取の休場が6人、引退が2人であるから大
変な欠員の日であった。幕内は19番だが、実質18番
になった。ただし、休場中の高安は11日目から出場
する。こうした情報は国技館内にいてもはいってく
る。

1敗3人の相撲からみていこう。

まず横綱照ノ富士から。対戦相手は小結琴ノ若であ
る。立ち合い当たって照ノ富士出るが、琴ノ若もろ
差しで向こう正面つまる。寄る照ノ富士、必死でこ
らえる琴ノ若。照ノ富士左まきかえにきたところを
琴ノ若正面に照ノ富士を追い込む。照ノ富士必死に
こらえてがっぷり左四つ。力相撲になった。琴ノ若
横にふるところ照ノ富士が逆にふって寄り切った。

<熱闘を制した照ノ富士>

両者力を存分に出しきった熱闘であった。勝負は照
ノ富士の辛抱勝ちであった。あわてなかった。勝機
をとらえて勝負にいった。照ノ富士は琴ノ若に1度
も負けていない。

1敗明生は2敗北青鵬と対戦した。明生思いきって
出たが、北青鵬は右へ変わりながら右上手を引いた。
朝乃山戦でもあったが、明生相手にそこまで必要だ
ろうか。明生動いて出し投げからふところに入って
寄り立てる。

東土俵北青鵬傾き、勝負あったかと思えた。だが、
北青鵬驚異の粘りでしのいでしまった。それだけで
はない。北青鵬は青房下土俵で思い切った上手投げ
で明生をほうむった。明生は北青鵬の驚異のねばり
に負けた。

<明生、北青鵬に逆転負け>

1敗朝乃山は2敗平戸海と対戦した。両力士あたり
あった瞬間、朝乃山は思いきってはたき込んだ。平
戸海は大きくとんで手をついた。力の違いがあらわ
れた一番となった。朝乃山は1敗といっても前頭9
枚目以下の相手ばかりである。横綱・三役戦なくし
ての優勝はありえない。

<朝乃山、平戸海を退ける>

2敗同士かつ関脇同士の一番が組まれた。大関を目
指す霧馬山対成長著しい若元春である。両力士突き
合いから左四つ。若元春の小手投げを霧馬山外掛け
で防ぐ。そのあと霧馬山電光石火の小手投げで鮮や
かに決めた。

今日の霧馬山は強かった。霧馬山に関してとにかく
勝てばいいという見方をする方がいる。しかし、問
題は勝ち方であり、同時に負け方なのである。勝て
ばいいで大関になっても、地力がともなわないと地
位だけ大関になりかねない。

<2敗対決で若元春に勝利した霧馬山>

双葉山が求めたものは相手から得られえる勝利では
なかった。相撲技の習熟・完成でもなかった。相撲
をとおしての自己完成への努力であった。双葉山は
求道者であった。

 

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  • この記事を書いた人

denkouriki

無類の相撲好き。きっかけは昭和42年、九重(元千代の山)が分家独立を許さない不文律の出羽海部屋から破門独立したことです。そのさい、千代の山を慕ってついていった大関北の富士がその直後の場所で初優勝した。こんな劇的なドラマを見せられたことが、大相撲から離れなくなりました。視点は監察委員を八百長Gメン、燃える要素があると強い北の富士を循環気質と呼んだ杉山桂四郎氏に。土俵の心は玉の海梅吉氏に、問題点を探るのは三宅充氏に、そして相撲の本質、真髄は小坂秀二氏に学んできました。本場所は地方場所を含めて年間半分くらい観戦しています。大相撲に農閑期はなく、随時執筆していきます。興味深く読んでいただければ幸いです。

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