denkouriki– Author –
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■23福岡6日目 琴ノ若三役ただ一人全勝
若隆景が幕下で登場した。しかし、時津海の息子木龍皇にいいとろなく、寄り切りで敗れた。これで1勝2敗である。まだ本調子ではなさそうな感じである。せっかく若隆景の取組が見られてもファンは心配になってくる。若隆景の巻き返しはあるのか。 豪ノ山の... -
■23福岡5日目 大関・関脇充実の序盤戦
幕下注目の尊富士は元十両の白鷹山のはたき込みに敗れ、2勝1敗となった。幕下はどんな力士も苦戦する。幕下西筆頭の尊富士がここを勝ち越せるか否かで今後の運命が決まる。残り4番は重要かつ勝負をかけた戦いになる。 4戦全勝同士の関脇同士の対戦が早... -
■23福岡4日目 貴景勝の横綱は最初からない
大関に波乱が生じた。まず、霧島が高安と対戦した。高安があたり勝って攻め立て、突き落としを決めた。高安の流れるような攻めが功をそうした。連日気迫あふれる相撲を取っていた霧島もこの日はなすすべがなかった。霧島は5日目気持ちを切り変えて臨むこと... -
■23福岡3日目 琴ノ若、苦戦の中から大逆手で逆転勝ち
今日は学生の団体がかなり大勢観戦に訪れた日だった。それもマス席を含めて占めていた。応援紙に城北高校卒業生頑張れの文字が見えた。帰りは多数の学生があふれるなかの通路・階段であった。 今日はきわどい相撲が目立った日だった。まず、後半2番目の相... -
■23福岡2日目 大栄翔戦でみせた豪ノ山の凄さ
土俵の目撃者が十一月場所幕下最大の焦点にあげた尊富士が十両の土俵にあがった。初日に続き連日の出場である。初日は欧勝海を寄り切っている。今日の対戦相手は千代栄である。体格はかなり違って千代栄が大きい。それでも、相撲は尊富士が出足鋭く、一気... -
■23福岡初日 3大関そろって好スタート
大相撲十一月場所が始まった。休場続きで幕下まで番付を下げた若隆景が登場した。館内は久々の若隆景にわいた。対戦相手は馬力相撲の嘉陽である。若隆景は押し込まれ白星発進とはいかなかった。 幕内で満員御礼となったが、空席がブロックで目に入った。十... -
◆2023年11月お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするために十一月場所初日から千秋楽まで福岡国際センターで観戦します。福岡からこの目で見た大相撲、新たな視点、情報をお届けします。 <十一月... -
2023年十一月場所直前考
巡業に途中から参加した横綱照ノ富士が休場となった。今年フル出場は1場所である。横綱は休場しても地位はそのままである。それだけに、今度出場するときは間違いなく進退をかけた場所になる。照ノ富士は待ったなしまで追い詰められた。 <照ノ富士> 朝... -
令和好成績事情
去る九月場所は好成績者が11勝2人という低迷ぶりであった。12勝以上の好成績者皆無は令和初であった。令和は21場所を経過した。11勝以上の成績2人は今回を除けば2場所あった。いずれも最高成績は12勝であった。 <米大統領(当時)から表彰> 令和はこ... -
美ノ海の出世街道
美ノ海こと木崎少年は5歳から相撲を始めた。根っからの相撲少年であった。相撲を生かすべく名門城北高校、日大に進学している。その後木瀬(元肥後ノ海)部屋に入門した。十両まで上がりながら慢性的な首の痛みで引退した木崎海は弟である。 木崎の四股名... -
十一月場所幕下最大の焦点
幕下以下を負け越しなしで十両入りすることは容易ではない。貴花田、朝青龍、白鵬でも達成できなかった。現役で序ノ口から負け越しなしで十両昇進を決めた力士がいる。宇良、北勝富士、熱海富士、北青鵬である。北青鵬にはコロナ部屋ごと休場が1場所ある... -
かくありたい横綱
貴景勝が「チャンスを生かしたい」と発言している。また一部メディアに貴景勝の横綱挑戦があるかのような記事があった。全休-11勝の貴景勝がどうなれば横綱につながるのか。12勝優勝はスキあり優勝。貴景勝の11勝は単なる1位に過ぎない。優勝に値しない... -
狼雅の出世街道
狼雅の名を知ったのは、序二段のときであった。このとき番付を下げて出場した照ノ富士と7戦全勝同士で優勝決定戦をおこなった。そこでなんと狼雅が勝ってしまったのである。筆者は大阪府立体育館内で観戦していた。この一番で狼雅を注目するようになった... -
朝潮死去!67歳の別れ
大ちゃんの愛称で親しまれた大関朝潮が小腸がんで亡くなっていたことが3日判明した。67歳という若さだった。春先から体調すぐれず、闘病生活だったという。 朝潮の名は5代目だった。3代目は春秋園事件で脱退し、朝潮の四股名を剥奪され、男女ノ川に戻し... -
東白龍の出世街道
東白龍こと白石少年が相撲を始めたのは10歳のときだった。それは途切れることなく、中学、高校と続いた。中学3年のとき白鵬杯に参加している。大学は東洋大に進学した。4年のとき全日本選手権で8強までいき、三段目付出の資格を獲得した。 <三段目時代... -
2023年十一月場所チケット事情2
十一月場所まであと11日となった。力士は福岡にのり込んだ。番付も発表された。大相撲の機運は盛り上がってきた。11月2日現在、チケット事情はその後どう変化したか。 <十一月場所のポスター> 千秋楽は前回記した通り完売である。今回これに14日目が加... -
北の若の出世街道
北の若は10歳から相撲を始めた相撲少年であった。小学校、中学校で実績をあげ、高校は地元の山形を離れた。名門埼玉栄高校に進学した。相撲部で鍛えられ、八角(元北勝海)部屋に入門した。きっかけは北の富士さんとの出会いだった。中学生のとき、北の富... -
出羽系対ニ所系 下
昭和40年一月場所から部屋別総あたり制が始まった。その中でニ所ノ関(元佐賀ノ花)部屋の分家片男波(2代目玉乃海)部屋から横綱が誕生した。玉乃島改め3代目玉の海であった。横綱のチャンスをのがし、ようやくつかんだ横綱だった。玉の海は腰で取る相... -
2023年十一月場所番付を読み解く
今年納めの十一月場所の番付が発表された。大栄翔、若元春、琴ノ若の3関脇は変わらない。小結に阿炎・北勝富士が返り咲いた。北勝富士は2020年三月場所以来4度目の小結である。過去3度の小結は負け越している。 <北勝富士> 上位はどん詰まりで以下の... -
出羽系対ニ所系 中
分家独立を許さずの不文律の出羽系。分家独立奨励を打ち出した二所系。戦後、相撲界は食糧事情が悪く、日本の古いものはすべてダメという風潮による不人気、両国国技館接収と困難をかかえていた。人気回復策として昭和22年秋場所から系統別総あたり制を導... -
白鵬30歳以降の成績
年6場所は消耗の日々でもある。大横綱大鵬は30歳で引退した。北の湖は31歳で引退した。なかには30歳未満で引退した横綱もいた。 例外は千代の富士であった。35歳まで取った。30歳以降の優勝は千代の富士の19回がトップだが、30歳以降優勝12回の白鵬も負け... -
出羽系対ニ所系 上
出羽系とニ所系。名門だが、ともに現代では横綱がいない、大関貴景勝は常盤部屋(元隆三杉)だが、前身は元舛田山の千賀ノ浦部屋である。部屋のルーツは春日野(元栃乃和歌)部屋の分家である。ただ常山部屋はニ所一門に入っている。 出羽海部屋は明治の角... -
2023年幕下以下の四股名 下
引き続き幕下以下の四股名をみていこう。 【読み方注意の四股名】 大和湖 荒雄山 優力勝 西太司 小力 千代天富竜輝 隆勝生 雷道 大馬翔 <大和湖>... -
現代相撲部屋勢力
戦前、相撲部屋は出羽海(元両国=前名国岩)部屋が片屋を占めたことがあった。それほど古くない時代では、二子山(元貴ノ花)部屋が横綱貴乃花・若乃花、大関貴ノ浪ほか三役クラスの安芸乃島、貴闘力などをそろえた時期があった。元三重ノ海の武蔵川部屋... -
大関27% 横綱70%
昭和43年一月場所、アメリカのハワイからやってきた高見山が幕内に昇進した。高見山は長い間外国人力士の代表であった。親方になるためには日本国籍が必要。これは、対象が高見山しかいないときにできた。元栃錦の春日野理事長時代のことであった。 <小錦... -
2023年幕下以下の四股名 上
このテーマは過去2017年、2021年に調査しているくらいである。人によっては、幕下以下はまったくみない。あるいは熱心にみて応援している力士が育っていく過程を楽しみにしている方もいる。さて今回はどんな果になったか 【難読四股名】十両には天空海と書... -
次の展開が読めない大相撲
一人横綱照ノ富士となって長い。厳密には今度の十一月場所で13場所目になる。しかもフル出場は5場所である。照ノ富士は11月末で32歳になる。横綱として晩年に入った。 <照ノ富士> それでいて次の横綱候補はみえてこない。今年大関は2人誕生した。しか... -
思いもよらない優勝
優勝は様々なドラマを生み出すことがある。同時に思いもよらない優勝も生み出すこともある。大正15年に始まった優勝制度は今年の十一月場所で485場所を迎える。その間思いもよらない優勝が以下である。 ■突然東西制から系統別総当たり制に 昭和7年春場所... -
新十両をめぐる話題
さる九月場所後、幕下西3枚目日翔志が6勝1敗で新十両を決めた。日翔志は昨年の十一月場所の三段目優勝がきいて、今年(2023年)の一月場所はいきなり幕下18枚目であった。今年5場所は22勝12敗の成績であった。日翔志6勝1敗ながら湯幕下優勝だったの... -
14勝1敗の優勝なし複数回数力士 下
14勝1敗で優勝をのがしていたことが2回以上ある力士は4人いる。3人目は大鵬である。最初は昭和38年九月場所であった。大鵬と同日にだき合わせで横綱になった柏戸。直前3場所の大関時代優勝がなく、横綱になって11場所優勝がなかった。それどころか5... -
14勝1敗の優勝なし複数回数力士 上
混迷の時代は12勝レベルのスキあり優勝が続いている。ハイレベルな優勝は2021年七月場所、横綱白鵬と大関照ノ富士が14戦全勝同士で対戦したときである。白鵬が最後の優勝を全勝で飾った。照ノ富士は優勝を逃したとはいえ、初の14勝1敗だった。 14勝1敗で... -
10大横綱の新入幕時代4
朝青龍の新入幕は平成13年一月場所である。曙が全休後引退している。序ノ口から12場所目であった。負け越しは幕下のときの1回である。 新入幕の場所は9勝6敗と勝ち越したものの平凡な成績で終わった。ただ、新入幕から3場所目には小結に出世した。大関... -
大関は期待できるのか
九月場所は久々に3大関となった。しかも横綱は全休だから大関として活躍できる条件は整っていた。その結果、貴景勝11勝4敗、霧島9勝6敗、豊昇龍8勝7敗で終わった。貴景勝・霧島は角番であった。3大関の合計は28勝17敗であった。 <貴景勝> 貴景勝... -
なつかしく思える神風・玉の海の解説
九月場所は臨時国会が開かれず、大相撲中継に支障はなかった。8日目の総合放送が16時にスタートしたくらいである。幕内の解説はNHK専属の舞の海が3回、芝田山(元大乃国)と鶴竜が2回登場した。ほかの解説も協会関係の親方だった。高齢の北の富士の... -
10大横綱の新入幕時代3
北の湖、千代の富士、貴乃花には共通点がある。それはいずれも新入幕のとき負け越していることである。しかも幕に留まれず、十両落ちを経験している。そこから10大横綱にかけあがったのだけれど、個別にみていこう。 北の湖の新入幕は昭和47年一月場所であ... -
大栄翔のカモと苦手
現時点で大栄翔は年間最多勝力士である。このままいくのか、逆転があるのか、最終場所で決まる。左右するのは大栄翔の対戦相手である。そこで大栄翔のカモと苦手を調べてみた。 <大栄翔> ■カモ 照ノ富士 6勝(不戦勝含む)8敗負け越しだが、相手が横... -
2024年土俵の目撃者カレンダー
2024年大相撲日程を盛り込んだ土俵の目撃者カレンダーを提示します。 -
10大横綱の新入幕時代2
双葉山の新入幕は特殊事情によるものだった。昭和7年1月6日春秋園事件が勃発した。幕内西方の全力士20人と十両の出羽系11人が、中華料理店春秋園に集結した。 目的は大相撲の近代化へ向け、力士生活の安定化、大相撲の大衆化、協会の制度改善である。中... -
昭和4年9月場所の乱
九月場所は幕内最高成績が11勝4敗と最低レベルに終わった。11勝はちょっとがんばれば出る成績である。七月場所、琴ノ若は小結で11勝をあげている。三月場所、金峰山が新入幕で11勝をあげ敢闘賞を受賞している。 11勝は優勝に値しない。単なる1位にすぎな... -
大相撲2023年十一月場所チケット事情
十一月場所のチケット一般発売は九月場所の7日目で始まった。以前は10月の第一土曜だったことを思えばかなり早くなっている。場所中というのがなんともわずらわしい。早すぎると予定が見通せないことになる。 <十一月場所ポスター> 発売から23日経過し... -
10大横綱の新入幕時代1
常陸山の新入幕は明治32年春場所であった。地位は前頭4枚目であった。なぜ、そんな高い地位だったのか。前場所十両筆頭で9勝1分であった。しかも新十両であった。 <常陸山のブロマイド> 幕内は14枚目しかなかった。さらに同じ片屋同士の対戦はなかっ... -
横綱受難時代
朝青龍が横綱の時代、あるいは白鵬の横綱時代は一人横綱だろうが何の心配もなかった。年齢が若かったこともある。まさに優勝をほとんど独占できた。ともに7連覇している。白鵬は63連勝という記録までつくった。 <朝青龍> それ以降の横綱はどうであった... -
5場所経過した2023年年間最多勝レース
九月場所が終了したことで、今年の本場所は残り1場所のみとなった。今年はコロナが終焉してその影響はなくなった。それでも幕内5場所務めた力士のなかで7人の休場が出た。 年間最多勝レースはどのように展開しているのか、成績を出してみた。それが以下... -
幕内優勝経験者数
徳勝龍が引退して千田川を襲名した。最後は幕下で終わった。徳勝龍はコロナ前幕尻優勝した力士である。これで幕内優勝経験者が一人いなくなった。 <特賞隆初優勝> 現在は混迷の時代である。幕内優勝経験者は11人を数える。それが以下である。照ノ富士貴... -
次の大関は誰
今年は霧島、豊昇龍と相次いで大関が誕生した。両大関とも、一人横綱が休場しているにも関わらず、優勝争いに加わることができなかった。これでは地位だけ大関、クンロク大関、ハチナナ大関と揶揄されても仕方がない。 次の大関は誰か。実績からいうと3関... -
豊昇龍の躓き
関脇優勝で大関昇進を決めた豊昇龍。新大関の場所は負けが先行するなかどうにか千秋楽で勝ち越しを決めた。こんな豊昇龍を予想できなかった。はっきり言ってこれは大きな躓きであった。 おじ朝青龍は大関3場所で横綱に昇進した。今の豊昇龍にはとうていあ... -
大相撲から消えたモノ
以前庄之助が消えたと書いた。伊之助が庄之助になることはなさそうとも書いた。差し違いが多く、力士との接触をよくするなど庄之助にふさわしくなかったからである。だが今度庄之助になるという。 <伊之助から庄之助へ> だが、これは花道のようである。... -
魁聖引退大相撲模様
10月1日、魁聖の引退大相撲が関係者だけでおこなわれた。魁聖ほどの人物ならお客さんをいれても十分いけそうな気がするが、そうはならなかった。魁聖とはどんな力士だったのか。 <エントランスでの魁聖> 魁聖 ブラジル出身 友綱(元魁輝)部屋最高位... -
隠岐の海引退大相撲レポート
9月最後の日も暑い1日だった。そんななかで隠岐の海引退相撲が開催された。正式には「隠岐の海引退年寄君ヶ濱襲名披露大相撲」である。 両国には10時20分頃着いた。当日券が発売されていたが、人から聞いた情報ではイスAしか売っていないとのことだった... -
混迷場所の成績分布
九月場所は11勝4敗が2人という最低の場所で終わった。混迷の場所が始まって以来最も低い数字となった。なぜ11勝が幕内最高成績なのかは、すでに触れた。 <貴景勝> 混迷の時代はいつから始まったのか。年6場所優勝者が異なる2022年一月場所からである... -
貴乃花の再婚
貴乃花が再婚していた。相手は初恋の人だという。2018年10月、突然相撲協会を退職した。そのあとフジテレビアナウンサーの河野景子氏と結婚を卒業した。 相撲部屋は一門に所属しなければならない、が輪をかけた。人様の息子を預かりながら部屋を投げ出した... -
照ノ富士の再入幕優勝
九月場所、再入幕の熱海富士は千秋楽朝乃山に敗れ優勝を逃した。ところが再入幕で優勝を果たした力士がいる。照ノ富士である。照ノ富士は出場停止で付番を下げたのではない。ケガからの復帰である。 <再入幕で優勝した照ノ富士> それは2020年七月場所で... -
2023年九月場所総評
★九月場所1位は貴景勝の11勝4敗になったが 昨年に引き続き、今年も12勝優勝が多かった。最悪なことに九月場所は11勝が、幕内最高成績が出てしまった。11勝はとても優勝とはいえない、優勝に値しない。混迷の時代の極みである。 ★貴景勝の横綱はどうなる ... -
2023年十一月場所私製番付
大関が3人になったが、不成績の者は約2名いる。それでも大関と対戦した者とそうでない者と成績を同一視はできない。大関戦を除いた関脇以下の成績で番付編成をした。ただし、大関に勝利した成績は加味した。 それが以下である。 予想では北勝富士を小結... -
■23秋千秋楽 幕内最高成績が11勝の理由
千秋楽のチケットは難しいはずなのに国技館内で知った顔7人にでくわした。この中にはマス席で同席する3人を含んでいない。みんな大相撲が根っから好きな方々である。 千秋楽注目の取組は3敗単独トップ熱海富士である。対戦相手は朝乃山である。実力は朝... -
■23秋14日目 熱海3敗死守!貴痛恨の4敗目
優勝戦線はいよいよ佳境。まず、3敗トップに並び立つ熱海富士が登場。対戦相手は曲者阿炎である。阿炎は今場所立ち合いに変化をしばしみせている。この一番に出るのか。 出た!阿炎の変化で熱海富士大きく泳いだが土俵際で踏みとどまった。そこを攻めてい... -
■23秋13日目 貴、熱海に勝利して3敗並走
各段の優勝が決まる13日目。序ノ口と三段目が決定した。序二段と幕下は優勝決定戦になる。特に幕下は6勝1敗の争いになった。 10日目から調子を上げてきた3敗貴景勝。2敗でトップを走る再入幕熱海富士。13日目、両力士がついに激突することになった。 ... -
■23秋12日目 貴景勝変身!まっこうからの押し快調
後半登場するようになった力士。それが1敗熱海富士である。12日目の対戦相手は関脇大栄翔である。 実力は大栄翔が上である。熱海富士がつかまえれば勝機は出てくる。しかし、離れた場合熱海富士はどう戦うか。そこがポイントになる。 相撲は突き合い押し... -
■23秋11日目 今度は物言いの相撲をモノにした豊昇龍
1敗熱海富士は三役初対戦。対戦相手は小結翔猿である。相撲は小結と再入幕のとは思えない展開になった。立ち合い熱海富士は左上手をがっちりつかみ上手投げで翔猿を裏返してしまった。 <翔猿を投げ1敗を守った熱海富士> 熱海富士は12日目関脇大栄翔と対... -
■23秋10日目 霧島は横綱になれない
平幕1敗同士の対戦が行われた。高安対熱海富士戦である。上位に2敗がいない中での星のつぶし合いである。 相撲は、高安が果敢に攻めたが、熱海富士の強烈なつぶすような押し倒しが決まった。熱海富士の圧倒的なパワーだけが印象に残った一番となった。 ... -
■23秋9日目 混迷深める九月場所
祝日敬老の日の秋場所9日目。この日だけは今までと異なった。これまで結びの一番で立ち上がる時刻がほとんど17時55分ごろであった。初日は物言い取り直しで終了18時をオーバーした。ギリギリは危ういと思ったほうがいい。ところが9日目は17時52分頃が結... -
■23秋8日目 大関は3人になっても弱かった
8日目は大関惨敗の日となった。 まず霧島が隆の勝と対戦した。対戦は昨年の七月場所以来である。対戦成績は霧島の1勝8敗であるが、今は対場が逆転している。対戦の空白は隆の勝の低迷によるものである。 霧島がついていくが、パワー違いの隆の勝の逆襲... -
■23秋7日目 深刻!豊昇龍、錦木に力負け
連日の満員御礼である。この満員御礼に貢献しているのが外国人観客である。今日周辺は皆外国人であった。早くから観戦する方と十両おしまいのころ来るタイプがいる。中には途中で帰る方もいる。相撲の魅力は勝負が柔道やレスリングに比べて決まりやすいこ... -
■23秋6日目 力・スピード・技、紙一重で豊昇龍が朝乃山を投げる
東京ではゲリラ豪雨が降った。国技館にいるから外の様子は気がつかない。帰りはポツポツ雨程度だった。地元では雨はなかった。 6日目注目した取組は豊昇龍対朝乃山の一番である。成績はともに2勝3敗とよくない。ただし弱弱しい負けはない。 先場所は上... -
■23秋5日目 熱闘霧島対朝乃山
9月だというのに暑い日が続く。愛知県体育館と国技館へ行く服装がともに変わらぬ夏服である。序盤の疲れもたまってきた。電車で寝そうになる。 さて5日目最高の熱戦は霧島対朝乃山戦である。先場所霧島は朝乃山に投げられて負けている。立ち合い突き離し... -
■23秋4日目 引き立て役になった大関
大関で最も危ういと思われたのが貴景勝である。貴景景勝来の相撲は取れていない。さらに対戦相手は元大関の朝乃山である。朝乃山が貴景勝をつかまえ勝負ありと思われた。 だが、実際の相撲展開は違った。貴景勝はあたり勝った。これが大きかった。二の矢も... -
■23秋3日目 北勝富士に総なめにされた大関陣
北勝富士は連日の大関戦である。これまで大関貴景勝・豊昇龍を撃破してきた。3日目が最後の大関霧島戦になる。 相撲は離れての攻防。霧島のいなし。北勝富士まわりこんでから右上手を取って頭をつけて西土俵で寄り切った。北勝富士は粘っこい相撲が取れた... -
■23秋2日目 朝乃山こらえて逆襲の勝利
初日に続き2日目も満員御礼となった。協会のホームページにチケット完売御礼とあったから予想されたことだった。ただ、札止めまでいっていないように見える。マス席でもイス席でもあいている箇所が見える。 2日目、注目の取組は琴ノ若対朝乃山戦を選択し... -
■23秋初日 明暗わけた大関
国技館に行くと手荷物検査が待ち受けていた。天覧相撲かと思ったが、結局何もなかった。あったのは秋場所とはいえない夏の暑さであった。 大関陣はまず、新大関豊昇龍の登場で始まった。対戦相手は阿炎である。阿炎が先手を取ってもろ手突きで攻めあげる。... -
初日前日
9月2日は稽古総見の公開であった。このことはメディアでも報道され、多くの相撲ファンが知ることになった。 ところが初日前日行われる土俵祭りははっきりしなかった。むろん土俵祭りそのものはおこなわれるが公開か非公開かわからなかった。これは直前ま... -
混迷の時代の終焉はくるか
昨年(2022年)は6場所すべて優勝者が異なった。横綱1回、関脇2回、平幕3回であった。13勝優勝が2回、12勝優勝が4回あった。まさに混迷の時代であった。 <霧馬山初優勝> これは今年も続いている。4場所経過したが、4場所の優勝の顔ぶれがちがう... -
朝乃山は関脇・小結に復帰できるか
七月場所、朝乃山は前頭東4枚目まで番付をあげた。途中休場があり、自分より上位で対戦したのは6番であった。霧島、若元春、正代に勝ち、豊昇龍、翔猿、明生に負けた。大栄翔は不戦勝だった。対戦がなかったのは、途中休場の照ノ富士、全休の貴景勝、琴... -
優勝後の大栄翔
大栄翔が初優勝してから2年半経過した。今年(2023年)の三月場所は2回目の優勝のチャンスだったが、霧馬山に逆転優勝された。大栄翔は徹頭した突き押し相撲で人気がある。優勝後の大栄翔はどういう道をたどったのか検証してみた。 <優勝大栄翔> 優勝... -
琴ノ若は大関になれるか
七月場所、琴ノ若は11勝4敗の好成績をあげた。早々と4敗したため、優勝争いに加わることはできなかったが、自信につながったことは間違いない。これによって九月場所は新関脇で登場する。 <琴ノ若> 琴ノ若はこれまで大関7連勝を達成したことがあった... -
横綱・大関への期待度
九月場所は1横綱・3大関の番付になる。横綱・大関といえば協会の看板であり、好成績を連続することによってなれる特別な地位である。ほかのスポーツではありえないポジションである。横綱・大関は三賞受賞できない。狙える賞は優勝しかない。 <豊昇龍>... -
三賞受賞者数初めての変化
三賞は相撲人気回復策として発案された。優勝はどうしても限られた力士しかできない。だから三賞は力士にとって励みになった。 昭和22年秋場所からスタートした殊勲・敢闘・技能の三賞は毎場所各一人であった。それが昭和32年十一月場所、初めて技能賞が該... -
公開稽古総見見聞録
9月2日、コロナ禍で中断していた稽古総見の公開が久々開催された。薄暗いなかでかけて、できるだけ前のほうに並ぶのを通例としていた。今回も同様だった。ところが全くの徒労に終わった。 <稽古に挑む目> というのも、今回稽古だけでなく八角理事長の... -
気になる明日のホープ
明日のホープ、それは将来の大関・横綱を予見させる逸材である。豊昇龍はそういう存在であったが、なかなか浮上しなかった。関脇時代以下の上位での活躍が少なかった。霧島は、素材はいいが、大関は微妙だと思っていた。だから予想を超えたといえる。 <豊... -
関脇以下最強は誰
17場所・10場所連続関脇小結在位の御嶽海は関脇以下最強の時期があった。大関になって卒業した。大関の座を明け渡したが、元大関では関脇以下最強とはいいがたい。御嶽海はむしろ弱くなっている。 そこで関脇以下最強の目安として現役の幕内力士の関脇・小... -
照ノ富士が与えた金星
七月場所、照ノ富士は2日目錦木、3日目翔猿に連敗すると翌日から休場した。なお、錦木、翔猿は平幕力士だから金星を獲得したことになる。記録の数字は通常大きいきいほうがいいが、金星配給率は小さいほうがいい。 <翔猿金星獲得> 金星とは平幕力士が... -
十両優勝者の入幕アップ枚数 十1、11勝編
近年の番付は不合理をもって編成されている。新大関豊昇龍が角番大関霧島・貴景勝より下位になること。これについては前日触れた。 もう一つが十両優勝者の不遇の扱いである。どう不遇なのか。七月場所、十両西筆頭で優勝し熱海富士。九月場所、再入幕を果... -
歴史に逆行する九月場所番付
九月場所の番付が発表された。横綱・大関が手薄だから上位勝ち越し者が多く、幕内上位はどんづまりである。小幅アップにならざるを得ない。 豊昇龍が新大関としてデビューする。しかし、それは角番大関霧島・貴景勝の風下に位置するものである。はっきりい... -
立ち合い今昔
8月のある土曜、相撲趣味の会の例会にオブザーバーとして参加した。会長とはかつて相撲友の会の例会で何度かご一緒した。例会のテーマは別にあったけれど、雑談で手をおろさない立ち合いの話が出た。手をつかないなりに阿吽の呼吸で立っていた、というの... -
天竜と大ノ里
天竜といえば昭和7年1月6日におきた春秋園事件の中心人物として有名である。幕内西方の全力士20人と十両の出羽系11人が、品川大井町の中華料理店春秋園に集結した目的は大相撲の近代化へ向け、力士生活の安定化、大相撲の大衆化、協会の制度改善である... -
年間最優秀新人賞受賞者は出世する
プロ野球には新人賞がある。大相撲はどうか。中日スポーツが制定している年間最優秀新人賞がある。原則その年で3場所以上が経験した新入幕力士が対象になる。2場所の以下の新入幕力士は翌年に持ち越す。 例外は昭和48年の大錦で2場所だけで年間最優秀新... -
一人横綱が続く照ノ富士
照ノ富士の横綱デビュー場所は2021年九月場所であった。この場所、白鵬は現役だったが、コロナ部屋ごと休場で全休していた。白鵬は場所後引退した。つまり照ノ富士は横綱2場所目から一人横綱となったわけである。 <照ノ富士> 照ノ富士が一人横綱になっ... -
3大関の強敵・難敵・要注意対戦相手 下
角番はさほど話題になるものではない。人によっては角番5回で関脇落ち。あるいは1年間2回カド番で関脇落ちを主張する方がいる。角番後優勝した大関がいる。 貴ノ花小錦貴ノ花(のちの貴乃花)魁皇千代大海栃東琴欧洲豪栄道 8例にすぎない。角番2大関... -
3大関の強敵・難敵・要注意対戦相手 上
きたる九月場所は久々に3大関が出場しそうである。新大関はいいスタートを切りたいし、角番2大関は待ったなしである。といっても絶対ではないのが現代大相撲の特徴である。七月場所霧島が休場から途中出場したものの負け越すことは予想できなかった。 <... -
四股名の大元 琴
佐渡ヶ嶽部屋といえば頭に琴がつく四股名。これが常識化して長い時間が過ぎ去ってきた。この四股名の大元は佐渡ヶ嶽部屋創設者の初代琴錦である。初代琴錦の故郷である香川県の観音寺にある琴弾八幡宮に由来している。 <元初代琴錦の佐渡ヶ嶽> 昭和30年... -
本家から転身した立浪
七月場所後、豊昇龍の大関昇進が決定した。協会使者として境川(元両国=前名小林山)と大鳴門(元出島)が立浪部屋宿舎に向かった。使者は通常一門の親方が選出される。豊昇龍が所属する立浪(元旭豊)部屋は出羽海一門に所属しているのである。 <立浪(... -
番付は1年でどう変わる
昨年の七月場所を覚えているだろうか。コロナ部屋ごと休場が続出し、場所の行く末が心配であった。取組が減少するなかで不戦勝が続出した。新入幕の錦富士は3不戦勝であった。幕下では最初の取組からから塩がはいった。14日目、千秋楽、取組開始は午後だ... -
関脇以下同士の優勝決定戦 下
令和元年九月場所、関脇御嶽海と関脇貴景勝との間で優勝決定戦がおこなわれた。御嶽海は7場所前に初優勝しているが、それを生かして大関につなげることはできなかった。この場所で16場所連続小結関脇在位を記録している。実力者であることは間違いなかっ... -
四股名の大元 栃
頭に栃がつく四股名といえば春日野部屋を思いおこす。引退したが、栃ノ心は大関までいった春日野部屋の力士であった。 春日野部屋は、元常陸山の出羽ノ海が存命中にすでに分家独立の許諾を得ていた。いわば出羽海部屋の最古の分家なのである。春日野部屋の... -
記録でみた豊昇龍
七月場所、豊昇龍は初優勝して大関に昇進した。新入幕から18場所、つまり3年かかっての昇進だった。年齢は24歳であった。おじの朝青龍は新入幕から10場所を要しての大関昇進となった。新大関の場所は22歳であった。 <豊昇龍初優勝> 豊昇龍は9所連続小... -
関脇以下同士の優勝決定戦 中
平成24年五月場所、優勝決定戦は史上初の平幕優勝同士となった。栃煌山対旭天鵬である。といっても、栃煌山はこの時点で関脇2場所、小結4場所経験していた。同様に旭天鵬は関脇3場所小結9場所務めたことがあった。 <旭天鵬> 横綱白鵬は珍しくこの場... -
四股名の大元 玉
頭に玉をつける部屋は片男波部屋である。現役関取では玉鷲、玉正凰がいる。片男波部屋の創設者は玉乃海代太郎である。 黄金のまわしで昭和32年十一月場所優勝している。もっとも横綱・大関戦は一番もなかったが。その玉乃海はニ所ノ関(元佐賀ノ花)に所属... -
続2023年九月場所チケット事情
九月場所チケットが一般発売されて1週間が経過した。8月5日、アクセスが殺到してサイトにはいれた時、千秋楽のチケットはなかった。あるいは14日目は残り少なくなっていた。大相撲の人気は継続されていることを感じた。 現在土日祝日は完売である。それ... -
関脇以下同士の優勝決定戦 上
去る七月場所は関脇豊昇龍と前頭9枚目北勝富士の間で優勝決定戦がおこなわれた。豊昇龍が勝って初優勝と大関昇進を決めた。関脇以下同士の優勝決定戦は今年の三月場所、関脇霧馬山対小結大栄翔以来である。つまり今年は関脇以下同士の優勝決定戦が初めて... -
井筒の系統
明瀬山が引退し、井筒を襲名した。これによって井筒の株はこれまでの時津風系ではなく、旧三保ヶ関部屋から独立した木瀬系に移ったことを意味している。 <明瀬山> 井筒はそれまで元豊ノ島が名のっていた。井筒株の返上を求められたのか、協会を離れ芸能... -
10大横綱に迫った力士4
■朝青龍 横綱時代の朝青龍に最も迫ったのは誰か。11勝6敗の栃東ではない。優勝を争った直接対決で横綱朝青龍に勝ったことはある。だが、栃東ではない。 次の横綱になった白鵬である。優勝決定戦を含め、朝青龍の15勝14敗である。初顔のとき朝青龍はすでに...