大相撲の一門は現在5つ、相撲部屋は全45部屋である。内訳は出羽海一門14部屋/二所ノ関一門17部屋/時津風一門5部屋/高砂一門4部屋/伊勢ヶ濱一門5部屋(2026年7月時点)。一門とは、複数の相撲部屋がゆるやかに連なった系統のことで、もともとは巡業をともにする共同組合のようなもの、いまは理事を生み出す共同組織になっている。下の一覧で、45部屋すべてを一門別に師匠・所在地つきで確認できる。
※部屋名・師匠・所在地は日本相撲協会公式サイトより2026年7月20日に確認。一門の所属は協会が公表していないため、報道および各種資料を突き合わせて記載している。
大相撲の一門は5つ|五系統の早見表
現存する一門は、大きく次の5系統に分けられる。各系統の本家と特徴を一覧にすると以下のとおり。
| 一門(系統) | 本家 | 部屋数 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 出羽海 | 出羽海部屋 | 14部屋 | 「分家を許さない」伝統で知られた名門。明治の角聖・常陸山が一代で築いた |
| 二所ノ関 | 二所ノ関部屋 | 17部屋 | 大鵬・貴乃花を生んだ名門系統 |
| 時津風 | 時津風部屋 | 5部屋 | 双葉山を始祖とし、一横綱四大関を生んだ |
| 高砂 | 高砂部屋 | 4部屋 | 朝青龍を擁した系統。分家消滅の歴史をたどる |
| 伊勢ヶ濱 | 伊勢ヶ濱部屋 | 5部屋 | 照ノ富士を育てた系統。立浪・井筒の系統が連なる |
相撲部屋 一覧|全45部屋を一門別に(師匠・所在地つき・2026年7月時点)
一門ごとに、本家から順に並べた。師匠の欄は年寄名、その右は現役時代の最高位としこ名である。部屋は新設・継承・消滅を繰り返すため、下の一覧は2026年7月20日時点のものとして読んでほしい。
| # | 一門 | 部屋 | 師匠(年寄名) | 師匠の現役時代 | 所在地 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 出羽海 | 出羽海部屋 | 出羽海 昭和 | 前頭二枚目 小城乃花 | 東京都墨田区両国2-3-15 |
| 2 | 出羽海 | 春日野部屋 | 春日野 清隆 | 関脇 栃乃和歌 | 東京都墨田区両国1-7-11 |
| 3 | 出羽海 | 境川部屋 | 境川 豪章 | 小結 両国 | 東京都足立区舎人4-3-16 |
| 4 | 出羽海 | 武蔵川部屋 | 武蔵川 光偉 | 横綱 武蔵丸 | 東京都江戸川区中央4-1-10 |
| 5 | 出羽海 | 藤島部屋 | 藤島 武人 | 大関 武双山 | 東京都荒川区東日暮里4-27-1 |
| 6 | 出羽海 | 二子山部屋 | 二子山 雅高 | 大関 雅山 | 東京都葛飾区柴又2-10-13 |
| 7 | 出羽海 | 武隈部屋 | 武隈 豪太郎 | 大関 豪栄道 | 東京都大田区雪谷大塚町14-22 |
| 8 | 出羽海 | 玉ノ井部屋 | 玉ノ井 太祐 | 大関 栃東 | 東京都足立区西新井4-1-1 |
| 9 | 出羽海 | 雷部屋 | 雷 徹 | 小結 垣添 | 東京都墨田区業平3-1-9 |
| 10 | 出羽海 | 木瀬部屋 | 木村 瀬平 | 前頭筆頭 肥後ノ海 | 東京都墨田区立川1-16-8 |
| 11 | 出羽海 | 尾上部屋 | 尾上 圭志 | 小結 濱ノ嶋 | 東京都大田区池上8-8-8 |
| 12 | 出羽海 | 山響部屋 | 山響 謙司 | 前頭筆頭 巌雄 | 東京都江東区東砂6-6-3 |
| 13 | 出羽海 | 式秀部屋 | 式守 秀五郎 | 前頭九枚目 北桜 | 茨城県龍ヶ崎市佐貫4-17-17 |
| 14 | 出羽海 | 立浪部屋 | 立浪 耐治 | 小結 旭豊 | 東京都台東区橋場1-16-5 |
| 15 | 二所ノ関 | 二所ノ関部屋 | 二所ノ関 寛 | 横綱 稀勢の里 | 茨城県稲敷郡阿見町荒川本郷139-1 |
| 16 | 二所ノ関 | 佐渡ヶ嶽部屋 | 佐渡ヶ嶽 満宗 | 関脇 琴ノ若 | 千葉県松戸市串崎南町39 |
| 17 | 二所ノ関 | 高田川部屋 | 高田川 勝巳 | 関脇 安芸乃島 | 東京都江東区清澄2-15-7 |
| 18 | 二所ノ関 | 片男波部屋 | 片男波 良二 | 関脇 玉春日 | 東京都墨田区石原1-33-9 |
| 19 | 二所ノ関 | 芝田山部屋 | 芝田山 康 | 横綱 大乃国 | 東京都杉並区高井戸東2-26-9 |
| 20 | 二所ノ関 | 押尾川部屋 | 押尾川 旭 | 関脇 豪風 | 東京都墨田区文花3-6-3 |
| 21 | 二所ノ関 | 鳴戸部屋 | 鳴戸 勝紀 | 大関 琴欧洲 | 東京都墨田区向島1-22-16 |
| 22 | 二所ノ関 | 西岩部屋 | 西岩 忍 | 関脇 若の里 | 東京都台東区寿4-4-9 |
| 23 | 二所ノ関 | 田子ノ浦部屋 | 田子ノ浦 伸一 | 前頭八枚目 隆の鶴 | 東京都江戸川区東小岩4-9-20 |
| 24 | 二所ノ関 | 放駒部屋 | 放駒 新 | 関脇 玉乃島 | 東京都足立区六町1-1-11 |
| 25 | 二所ノ関 | 阿武松部屋 | 阿武松 健二 | 前頭八枚目 大道 | 千葉県習志野市鷺沼5-15-14 |
| 26 | 二所ノ関 | 大嶽部屋 | 大嶽 大輔 | 前頭九枚目 玉飛鳥 | 東京都江東区清澄2-8-3 |
| 27 | 二所ノ関 | 錣山部屋 | 錣山 矩幸 | 小結 豊真将 | 東京都江東区清澄3-6-2 |
| 28 | 二所ノ関 | 湊部屋 | 湊 孝行 | 前頭二枚目 湊富士 | 埼玉県川口市芝中田2-20-10 |
| 29 | 二所ノ関 | 湊川部屋 | 湊川 貴信 | 大関 貴景勝 | 東京都板橋区前野町6-32-3 |
| 30 | 二所ノ関 | 中村部屋 | 中村 雅継 | 関脇 嘉風 | 東京都墨田区両国1-18-7 |
| 31 | 二所ノ関 | 秀ノ山部屋 | 秀ノ山 和弘 | 大関 琴奨菊 | 東京都墨田区東向島4-2-9 |
| 32 | 時津風 | 時津風部屋 | 時津風 祐哉 | 前頭筆頭 土佐豊 | 東京都墨田区両国3-15-4 |
| 33 | 時津風 | 伊勢ノ海部屋 | 伊勢ノ海 準人 | 前頭三枚目 北勝鬨 | 東京都文京区千石1-22-2 |
| 34 | 時津風 | 追手風部屋 | 追手風 直樹 | 前頭二枚目 大翔山 | 埼玉県草加市瀬崎5-32-22 |
| 35 | 時津風 | 荒汐部屋 | 荒汐 栄吉 | 前頭二枚目 蒼国来 | 東京都中央区日本橋浜町2-47-2 |
| 36 | 時津風 | 音羽山部屋 | 音羽山 力三郎 | 横綱 鶴竜 | 東京都墨田区向島2-17-11 |
| 37 | 高砂 | 高砂部屋 | 高砂 浦五郎 | 関脇 朝赤龍 | 東京都墨田区石原2-30-1 |
| 38 | 高砂 | 九重部屋 | 九重 龍二 | 大関 千代大海 | 東京都葛飾区奥戸1-21-14 |
| 39 | 高砂 | 八角部屋 | 八角 信芳 | 横綱 北勝海 | 東京都墨田区亀沢1-16-1 |
| 40 | 高砂 | 錦戸部屋 | 錦戸 眞幸 | 関脇 水戸泉 | 東京都墨田区亀沢1-16-7 |
| 41 | 伊勢ヶ濱 | 伊勢ヶ濱部屋 | 伊勢ヶ濱 春雄 | 横綱 照ノ富士 | 東京都墨田区立川2-1-18 |
| 42 | 伊勢ヶ濱 | 浅香山部屋 | 浅香山 博之 | 大関 魁皇 | 東京都墨田区緑4-21-1 |
| 43 | 伊勢ヶ濱 | 朝日山部屋 | 朝日山 宗功 | 関脇 琴錦 | 千葉県鎌ケ谷市くぬぎ山2-1-5 |
| 44 | 伊勢ヶ濱 | 安治川部屋 | 安治川 竜児 | 関脇 安美錦 | 東京都江東区石島4-1 |
| 45 | 伊勢ヶ濱 | 大島部屋 | 大島 勝 | 関脇 旭天鵬 | 東京都葛飾区青戸7-27-4 |
この一覧の出典について
部屋名・師匠・所在地は日本相撲協会公式サイト「相撲部屋のご紹介」で2026年7月20日に確認した。一門の所属だけは協会が公表していないため、報道および各種資料を突き合わせて記載している。協会の公式見解ではない点に注意してほしい。
系統と一門は別物|立浪・錣山に見るねじれ
相関図を読むときに混同しやすいのが、系統と一門の違いである。系統は本家と分家をたどる血筋のことで、一門はいまどのグループに属しているかという現在の所属を指す。この二つは一致しないことがある。
立浪部屋が代表例である。系統としては立浪が本家にあたるが、貴乃花一門の解消で行き場をなくし、現在は出羽海一門に属している。錣山部屋も系統は井筒系だが、いまは二所ノ関一門にある。上の一覧の一門欄は、系統ではなく現在の所属で並べている。立浪部屋の経緯は②出羽海一門の分家で詳しく追った。
一門とは|巡業の共同組合から理事を生む組織へ
物心がついたころ、取組は系統別だった。系統は本家と分家の関係がベースになっている。伊勢ノ海部屋にはそれがなく、柏戸は時津風部屋の豊山と対戦していた。孤軍奮闘である。それでも出羽一門、二所一門は、はっきり認識されていた。
もともと一門は、巡業の共同組合のようなものだった。いまの一門は、理事を生み出す共同組織になっている。部屋のルーツから見ると、現在の一門は複雑になっている。一門のルーツを色分けした表が、以下である。

出羽海一門とは|分家を許さない名門
| 部屋 | 由来・独立の経緯 |
|---|---|
| 出羽海 | 本家。明治の角聖・常陸山が一代で築いた |
| 春日野 | 元栃木山が創設。不文律ができる前に独立を許された |
| 九重・八角 | 元千代の山が北の富士らと破門独立した系統(現・九重=元千代大海、八角=元北勝海) |
| 藤島 | 元三重ノ海の武蔵川部屋から(現・元武双山) |
| 境川 | 元両国(前名小林山)が興した中立部屋から |
出羽海部屋は、明治の角聖・常陸山が一代で大きくした部屋である。元常陸山の出羽海から独立の許可を得ていたのが、栃木山だった。出羽海が元両国(前名国岩)の代のとき、元栃木山は春日野部屋を創設する。出羽海部屋の「分家独立を許さず」という不文律は、この元両国(前名国岩)から始まった。
佐田の山の代と、九重・八角の独立
元出羽ノ花が出羽海のとき、佐田の山が娘婿となった。これで元千代の山の出羽海は跡を継ぐ目がなくなり、北の富士らを連れて独立する。破門による独立で、それが現在の九重(元千代大海)部屋、八角(元北勝海)部屋につながっている。

不文律の消滅|藤島・境川へ
元佐田の山の出羽海の代で、「分家独立を許さず」の不文律は事実上なくなった。元三重ノ海が武蔵川部屋を興す。これが現在の藤島(元武双山)部屋である。さらに元両国(前名小林山)が独立して中立部屋を創設した。これが現在の境川部屋になっている。本家を守り続けた出羽海も、いまは多くの部屋が枝分かれしている。
相撲部屋と一門についてよくある質問
Q. 相撲部屋はいくつありますか?
2026年7月時点で45部屋です。一門別の内訳は出羽海一門14部屋/二所ノ関一門17部屋/時津風一門5部屋/高砂一門4部屋/伊勢ヶ濱一門5部屋となっています。
Q. 大相撲の一門はいくつありますか?
5つです。出羽海・二所ノ関・時津風・高砂・伊勢ヶ濱の五系統に大別されます。
Q. 相撲の一門とは何ですか?
複数の相撲部屋がゆるやかに連なった系統のことです。もともとは巡業をともにする共同組合のようなもので、いまは理事を生み出す共同組織になっています。
Q. いちばん部屋数が多い一門はどこですか?
二所ノ関一門で17部屋です。次が出羽海一門の14部屋で、この2つで45部屋の約7割を占めます。
Q. 出羽海一門にはどんな部屋がありますか?
本家の出羽海部屋を中心に、春日野・藤島・境川・武蔵川などが連なります。九重・八角は出羽海から破門独立した系統ですが、現在は高砂一門に属しています。
Q. 出羽海一門の「分家を許さない」とはどういう意味ですか?
元両国(前名国岩)の代から続いた、分家の独立を認めない不文律のことです。元佐田の山の代で事実上なくなり、藤島・境川などが独立しました。
▶ 相撲の一門とは シリーズ:総論(五系統の仕組み)/①出羽海(本稿)/②出羽海の分家/③高砂/④時津風/⑤八甲山系・宮城野/⑥伊勢ヶ濱/⑦二所ノ関/⑧二所ノ関の分家 | 相撲協会の役員序列と主要な親方一覧/立浪親方は現在誰?歴代の系譜
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