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10大横綱に迫った力士4
■朝青龍 横綱時代の朝青龍に最も迫ったのは誰か。11勝6敗の栃東ではない。優勝を争った直接対決で横綱朝青龍に勝ったことはある。だが、栃東ではない。 次の横綱になった白鵬である。優勝決定戦を含め、朝青龍の15勝14敗である。初顔のとき朝青龍はすでに... -
令和横綱・大関4人以上のフル出場
最近はまず、横綱・大関が4人以上いないことが多かった。きたる九月場所で1横綱3大関になるが果たして全員フル出場なるのか、微妙なところである。令和は横綱・大関の出場に関してどういう時代であったか。 <トランプ大統領から表彰される朝乃山> 令... -
今は昔 夏に鍛える
ひと昔前は夏巡業といえば東北、北海道の涼しい地域を長期にまわって鍛えたものである。そのため、七月場所の開始が今より1週間早かった。また、2班に分け、稽古量を確保できる工夫があった。 だが、現代の夏は猛暑日が続く命にかかわる危険な暑さが当た... -
10大横綱に迫った力士3
■北の湖 輪湖時代、北の湖時代をみてきた方にとっては北の湖が苦手とした相手にピンとくる力士が思い浮かぶであろう。朝潮である。 初顔のとき北の湖はすでに横綱だった。朝潮が関脇以下のとき5勝11敗(不戦敗含む)だった。そのため朝潮は殊勲賞が多かっ... -
2023年九月場所チケット事情
猛暑日が続くなか、8月5日10時に九月場所のチケットが発売された。席はインターネットでイス席が選択できる。しかし、一斉にアクセスしているため、なかなかつながらない。 つながったときは千秋楽、14日目はほとんどなくなっていた。五月場所15日間満員... -
霧島の蹉跌
新大関の場所、霧島は4日目から途中出場した。肋骨を痛めて初日不戦敗となったが、きわめて珍しいケースとなった。人によっては12勝1敗2休で霧島の優勝という見方をしていた。 しかし、霧島は万全ではなかった。小兵の翔猿・翠富士にはくい下がられて敗... -
照ノ富士の横綱休場率
五月場所14勝1敗の堂々たる優勝を達成した照ノ富士。ところが七月場所、2日目錦木、3日目翔猿に連敗するとあっさり休場してしまった。照ノ富士はここ1年、フル出場したのは1場所しかない。照ノ富士の横綱休場率はどうなっているのだろうか。 <七月場... -
10大横綱に迫った力士2
■栃木山 栃木山は横綱在位14場所、フル出場は13場所である。横綱は追いつめられて辞めてはいけないという美学から、まだ相撲を取れるのでは、というなかで引退した。横綱敗北は8敗である。 <清瀬川のブロマイド> その中で2度勝った力士がいる。清瀬川... -
4場所経過した2023年年間最多勝レース
七月場所が終了したことで、今年の本場所は4場所経過したことになる。七月場所はご存知のとおり、豊昇龍が初優勝し、大関昇進を決めた。一方新大関霧島の休場及び不成績はどう影響したのか。 年間最多勝レースはどのように展開しているのか、数字を出して... -
伯桜鵬はどこまで出世する
七月場所、新入幕の伯桜鵬は千秋楽まで優勝を争った。これがデビュー4場所目でまだ髷がゆえない力士だから驚異的である。七月場所は19歳であった。 これからわかるように学生出身ではない。高校卒業後、肩の手術を受け、治療に専念していた。その後、父親... -
躍進する宮城野部屋
白鵬が帰化までしてまで親方になりたかったわけがあった。それは部屋をもって力士を育てたかったからである。大相撲界独特のシステムであり、やりがいは大きい。弟子の育成は現役時代の実績とはまったく違う要素である。 <元白鵬の宮城野> 七月場所後元... -
10大横綱に迫った力士1
横綱が実質地位化したのは常陸山以降である。10大横綱の横綱時代に最も迫った力士は誰か。調査してみることにした。 ■常陸山 常陸山は横綱在位22場所である。そのうち全休・途中休場が13場所もある。横綱時代同じ相手に負けた力士は2人しかいない。鳳と太... -
大相撲素朴な疑問2023年7月版
■七月場所、愛知県体育館で開催するのはいつまでですか。 2024年は愛知県体育館で開催することは確定しています。2025年は夏オープンの新しい施設での開催予定です。名古屋城を中心とした城址公園である名城公園内での移転ですが、あくまで予定です。 <愛... -
混迷の時代終焉のカギ
混迷の代はいつ始まったのか。予想外の力士が優勝戦線に踊り出てくる。優勝のレベルは12勝が多い。となると2022年三月場所からである。この場所は関脇若隆景と高安が優勝を争った。 <若隆景と高安の優勝決定戦> 今年(2023年)の五月場所は照ノ富士が14... -
新入幕力士の三賞ダブル受賞
七月場所千秋楽、新入幕の伯桜鵬は11勝3敗で同成績の関脇豊昇龍と対戦した。場合によっては108年ぶりの新入幕力士の優勝かとあおったメディアがあった。これは大正3年夏場所の両國勇治郎のことを指しているのだろう。だが、この時代優勝制度はない。あっ... -
新大関豊昇龍論
七月場所で初優勝した豊昇龍の大関昇進が正式に決定した。名古屋の宿舎に使者を迎えての口上は「大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力いたします」であった。モンゴルでは朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜、照ノ富士、霧島についで... -
2023年七月場所総評
★優勝争いについて 混迷の時代は8日目を過ぎるまで誰が優勝するのかまるで分らない。さらに思いがけない優勝候補が出てくる。それが千秋楽までもつれ込むのだから面白いと思うのは当然である。ただ、番付の権威がないのも事実である。 <豊昇龍対北勝富士... -
2023年九月場所私製番付
まず、最初にこれは予想番付でないことをお断りしておく。幕内は横綱・大関と対戦するクラスとそうでないクラスの2部で構成されている。つまり幕内は一枚岩ではないということである。 これまで横綱・大関の負け数をカウントすることなく番付を編成した。... -
■23名千秋楽 最後は番付通り豊昇龍が初優勝
千秋楽は協会ご挨拶がある。各段の優勝決定戦及び各段の優勝の表彰がある。しかし、観客が見たいのは優勝に関わる一番である。 幕内の後半、3敗の一人北勝富士が登場する。対戦相手は錦木である。錦木が優勝圏内のうちに対戦させたかった。3連敗中の錦木... -
■23名14日目 新入幕伯桜鵬が優勝戦線へ浮上
幕内前半から館内は熱い盛り上がりをみせていた。2敗北勝富士と3敗伯桜鵬が激突するからである。この一番の行方は大きい。北勝富士が勝つとかなり有利な展開で千秋楽を迎える。一方伯桜鵬が勝つと優勝の行方は混沌とする。 館内熱狂のなか、両力士立つと... -
■23名13日目 上位戦わずか2番の北勝富士が単独トップ
北勝富士は一転して4敗の幕内下位遠藤と対戦した。これは前日の豊昇龍との2敗同士の対戦に敗れると想定したためなのだろうか。取組的には興味がわかない。遠藤は技巧派だが、ベテランの域である。結果は北勝富士の勝利であった。単独2敗でトップに立っ... -
■23名12日目 暑い名古屋のお寒い事情
七月場所の見所は混迷のなかの優勝争いが1つ。もう1つは大関昇進に挑む3関脇である。豊昇龍は2つに絡んでいる。 まず、優勝争いのトップ1敗の錦木は新入幕で7勝4敗の湘南乃海と対戦した。本来ならこういう対戦は、新入幕が突っ走っていて上位が止め... -
■23名11日目 ちぐはぐな上位挑戦の取組編成
1敗北勝富士の上位戦がようやく実現した。相手は関脇若元春である。10日目負けて3敗に後退した。三月場所10連勝した翠富士をストップした実績をもつ。相撲は四つに組んだ段階で若元春の勝ちであった。事実その通りの結果で、寄り切りで若元春が勝利した... -
■23名10日目 優勝戦線に変化あり
北勝富士は玉鷲相手に圧倒して快勝し、1敗を守った。といっても、北勝富士の対戦相手に幕内上位は当然一人もいない。幕内中位以下だけの星である。11日目ようやく若元春と対戦する。なぜか1敗錦木でもなく、2敗豊昇龍でもなく若元春であった。 <若元春... -
■23名9日目 2023年七月場所の行方
照ノ富士がくずれ、休場してしまったことで、混迷の時代に逆戻りした。その中での優勝予想は難しかったが、9日目を終えてようやく優勝が見えてきた。七月場所の行方はどうなるのか。 <豊昇龍、掛け投げで逆転> 1敗の豊昇龍、錦木、北勝富士は今日も勝っ... -
■23名8日目 暗転の新大関霧島
朝乃山が今日から休場した。前日の豊昇龍戦で負傷したとのことである。左上腕二頭筋部分断裂で4週間の安静を必要とするとのことである。これで幕内の休場は若隆景、貴景勝、霧島、照ノ富士に続いて5人目である。霧島は途中出場したが、ほかは人気、地位か... -
■23名7日目 考察3番!
これまで朝乃山は上位に復帰しながら、6日目までなぜか平幕のみの対戦相手だった。それも自分より下位が5番もあった。なぜ三役戦がここまでないのか不思議だった。 <豊昇龍、朝乃山を豪快に投げる> さんざんじらされて、7日目初めて三役の豊昇龍と対... -
■23名6日目 横綱・三役相手の錦木が一人全勝
2日目から5日目の平日の満員御礼は70%の入りだった。空席がけっこう目立った。6日目の平日は多少違った。週末ということがあったのか、76%位の入りであった。 そんなかで錦木は快調である。何をするかわからない阿炎。先手を取って突きあげて錦木を攻... -
■23名5日目 錦木恐るべし
名古屋は1日中雨の日であった。歩きづらい中を歩いて愛知県体育館に辿り着くと今日も大相撲があった。 錦木恐るべし。5日目は大関に挑戦する若元春と対戦した。前へ前へと攻め立て若元春を圧倒した。これで大関に挑む豊昇龍、大栄翔、若元春を撃破したこ... -
■23名4日目 霧島出場の日照ノ富士休場
新大関霧島が4日目から出場した。1度も出場していないから再出場ではなく、途中出場になる。狙いは角番を避けるためであろう。これが後半ならなかったと思われる。貴景勝が新大関のとき、出場-休場-再出場-再休場であった。前の山は新大関のとき全休であ... -
■23名3日目 土俵は思いがけない展開
2日目に続いて3日目も満員御礼の垂れ幕が下がった。ともに入りは70%くらいである。満員御礼を意外に思う声が聞こえた。コロナ禍に比べたらお客さんは戻ってきている。向こう正面及びラジオ席はコロナのころのままである。すべてが元に戻っているわけでも... -
■23名2日目 照ノ富士の敗因は無理攻め
2日目、結びの一番で波乱が起きた。照ノ富士に挑むのは錦木である。先場所は上位でじわじわと勝ち越してきた力士である。目標は三役であり、今場所はチャンスの場所である。地力をつけてきた力士ではあるが、照ノ富士を脅かす要素は少ないように思えた。 ... -
■23名初日 霧島思いがけない休場で場所に大穴
新大関霧島が初日から突然休場した。まったく寝耳に水であり、場所にぽっかり穴があいた感はまぬがれない。ろっ骨を痛めたということだが、早くも角番で暗澹たるスタートとなった。貴景勝は休場で大関不在では出鼻をくじかれ、初日から盛り上がりに水をさ... -
◆2023年7月 お知らせ 賢明な読者の皆様へ
土俵の目撃者をいつもご愛読いただき誠にありがとうございます。足を使い、この目で見た生の大相撲をお届けするために、七月場所の初日から千秋楽まで愛知県体育館で観戦します。ノートパソコンで地方からレポートをアップして3年目に突入します。すっか... -
2023年七月場所展望
★混迷の時代は終わったのか 先場所は横綱照ノ富士が14勝1敗で復活優勝した。これをもって、誰が優勝するかわからず、12勝優勝が多かった混迷の時代は終わったといえるのか。2022年一月場所から顔ぶれの異なる優勝はまだ続いている。照ノ富士がくずれると... -
十両優勝者の入幕アップ枚数に大いなる疑問
先場所東十両筆頭で14勝1敗優勝した豪ノ山。番付発表では幕内東12枚目だった。わずか5枚しか上がっていない点に驚愕した。思い起こせば三月場所、十両東3枚目14勝1敗で優勝した逸ノ城は6.5枚及び十両東筆頭13勝2敗朝乃山は4枚しかアップしなかった。... -
10代入幕は出世するか
落合改め伯桜鵬が入幕を果たした。3場所を要しての入幕が話題となっているが、久々の10代入幕である。伯桜鵬は8月生まれだから厳密には約19歳11カ月である。 <伯桜鵬> 20歳以下の新入幕はけっこういるが、これが10代入幕となるとかなり絞られてくる。... -
湘南乃海の出世街道 下
2020年はコロナ禍で、無観客開催や場所の中止が相次いだ年である。湘南乃海は再び負け越しの1年となった。17勝18敗で下積みは約6年半になった。七月場所、一山本には再び負けたが、宇良に突き落としで勝っている。十一月場所は平戸海に敗北している。 <... -
真価問われる朝乃山
先場所幕内に復帰した朝乃山は平幕相手に11勝1敗小結・関脇・横綱相手に1勝2敗であった。幕内下位・中位相手では強さを発揮したといえる。 <朝乃山> 来たる七月場所は番付を4枚目まで上げてきた。横綱・大関との対戦圏内である。ここでどういう相撲... -
横綱三役の対戦成績
暑い七月場所が1週間後に迫ってきた。関脇・小結は油断のできないメンバーがそろった。改めて横綱三役の対戦成績をみていこう。 ここにきて照ノ富士に腰痛が発生し、稽古を一番で切り上げたという情報が流れた。出場が現段階では不明だが、照ノ富士を入れ... -
湘南乃海の出世街道 上
湘南乃海はたたきあげである。中学生のときにすでに大相撲に入門することを決め、トレーニングに励んでいた。最初に見学に行った高田川(元安芸ノ島)部屋に入門した。四股名は最初から湘南乃海であった。 2014年三月場所、前相撲を経て勝負人生が始まった... -
幕下の突破力
入門したとき最初に目指すのが十両である。幕下以下は養成員であるが、十両は資格者であり、給料が支給される。十両に昇進するためには幕下を勝ち抜かなければならない。幕下を突破する力が必要になる。それはどのくらいのものなのか。 今年新十両になった... -
横綱の休場あけ30歳以上優勝 下
昭和33年から年6場所制が始まった。消耗は激しく、30歳まであるいはそれ以下で引退する横綱が多くなってきた。 6場所制の横綱で最初の休場あけ30歳以上の優勝は北の富士であった。北の富士は28歳で横綱になったからありえた。昭和47年九月場所、途中休場... -
期待大きい伯桜鵬
落合改め伯桜鵬が入幕を果たした。デビューは今年の一月場所だから4場所目の入幕は驚異のスピード出世である。幕下15枚目格付出とはいえ、7戦全勝優勝で1場所突破は史上初だった。 <幕下時代 明瀬山戦> 御嶽海・遠藤は幕下10枚目格で幕下2場所かか... -
豪ノ山の出世街道
豪ノ山こと西川は小学校のときから相撲を取る相撲少年であった。水泳など小さいころから始めたほうが身につきやすい。大阪寝屋川出身ながら、高校は相撲の名門埼玉栄高校に進んだ。さらに大学は中央大学に進学した。相撲部では同期に菅野(栃武蔵)がいた... -
2023年七月場所番付を読み解く
七月場所の番付が発表された。霧馬山改め霧島が大関に上がった。しかし、それは8勝7敗の先輩大関貴景勝の風下の地位だった。8勝は大関のあげる成績ではない。大関の成績があげられない大関が霧島より上位にいるのは不合理としかいいようがない。 栃東以... -
豊山の断髪式
6月25日、豊山の引退断髪式がおこなわれた。親睦のある大相撲愛好家が見守った。彼が写真を5枚ほど送ってくれた。電話で様子を訊いた。それが以下である。 10時半をすぎると国技館正門前に人が集まってきた。今日も暑い日である。背広の正装の方から汗が... -
関脇以下の連続勝ち越し現役ベスト12力士 下
現役力士の関脇以下の連続勝ち越しで9連続勝ち越し、10連続勝ち越しを紹介してきた。引き続き紹介していこう。 ■12場所連続関脇以下勝ち越し ●阿武咲阿武咲は幕下以下で負け越したことはない。序ノ口から新十両まで12場所連続勝ち越した。内訳は幕下以下1... -
大関誕生の間隔4
昭和28年から初、春、夏、秋の年4場所が始まった。テレビの実験放送が2月に始まった。本放送は夏場所からであった。といっても大卒の初任給が1万円をきる時代に20万円のテレビは高価であった。前年秋場所で関脇優勝した栃錦が初場所から大関として登場... -
横綱の休場あけ30歳以上優勝 上
去る五月場所休場あけの横綱照ノ富士が8回目のを優勝達成した。混迷の時代は12勝優勝が多かったが、久々の14勝1敗の優勝だった。照ノ富士は途中休場、全休3場所と休場あけの場所であった。若いころならともかく照ノ富士は31歳であった。 <4場所休場後... -
関脇以下の連続勝ち越し現役ベスト12力士 中
引き続き関脇以下の連続勝ち越し場所数をみていこう。横綱・大関時代は責任勝ち星が別にあるので含めていない。 ■10場所連続関脇以下勝ち越し ●翔猿学生出身の翔猿は序ノ口からスタートした。序ノ口・序二段を1場所で突破した。三段目2場所で幕下入りし... -
大関誕生の間隔3
戦後は昭和20年秋場から始まった。昭和21年は1場所しか開催できなかった。昭和22年、23年は夏場所、秋場所のみの年2場所であった。昭和24年から27年は初、春、夏の年3場所であった。また、昭和28年から昭和31年までは初、春、夏、秋の年4場所になった... -
幕内の学生勢力
幕内は42人定員である。そのうち学生勢力は13人である。学生出身とは大学の相撲部に籍をおいて卒業した入門者である。約31%である。3人に1人弱である。割合はそれなりに占めている。 <御嶽海> それでいてもう一つ勢いが薄れている感覚がある。御嶽海... -
関脇以下の連続勝ち越し現役ベスト12力士 上
関脇以下の力士はまず、勝ち越しが目標になる。勝ち越したらそこから勝ち星を積み重ねていくことが大事になる。そこで現役の幕内力士を対象に関脇以下の連続勝ち越し数を調査してみた。大関・横綱時代は責任勝ち星が異なるため対象外とした。 ■9場所連続... -
大関誕生の間隔2
引き続き昭和戦前の大関誕生のあき間隔をみていこう。 双葉山・鏡岩から2場所あけて前田山が大関に昇進した。前田山は小結からの大関であった。前田山が張り手旋風で横綱双葉山・大関羽黒山の強豪を撃破し、殺気あふれる相撲を取ったのは、大関5場所目で... -
外国出身力士主流の流れ
横綱10大史の10番目に外国人横綱誕生を筆者はかつてあげた。外国人初の大関は小錦だった。重量級のパワーはさらに横綱をうかがう成績をあげていく。小錦は13勝優勝、12勝、13勝優勝というチャンスを見送られていた。結局小錦はこのチャンスを生かせなかっ... -
霧馬山あの日あのとき
霧馬山は霧島に改名したが、大部分は霧馬山で成長し、活躍してきた。あらためて霧馬山のあの日あのときを写真でふり返ってみる。 <2015年5月 新序出世披露> <三段目優勝> 三段目時代湘南乃海と対戦して勝利している。 【幕下時代】 <2017年岩崎(現... -
大関誕生の間隔1
きたる七月場所霧島が新大関として登場する。これは2022年三月場所の御嶽海以来である。つまり御嶽海から霧島まで1年4カ月ほどの間があいたことになる。場所にすれば7場所あいたことになる。大関誕生の間隔はどのようになっているのか。調査してみるこ... -
貴景勝は魁皇の優勝記録を超えられるか
最高位大関の優勝は極めて珍しい。最高位大関で優勝経験のない大関はけっこういる。琴ヶ濱、豊山などである。そんななかで今年(2023年)の一月場所貴景勝が通算3回目の優勝を成し遂げた。そのとき義父の北天祐の通算2回の優勝を超えたことをうれしく思... -
土俵入り事始め
昭和40年一月場所といえばこれまでの系統別総当たり制から部屋別総当たり制に変わり、実施された場所である。これによって本家と分家及び分家同士の関係による部屋同士の対戦がおこなわれた。なお、系統は一門とは異なることがものであった。 <玉乃島=玉... -
3場所経過した2023年年間最多勝レース
2023年は半分の3場所を終えた。年間最多勝は昨年若隆景が57勝33敗で獲得した。今年の年間最多勝レースはどのように展開しているのか。レベルはあがるのか。調査してみた。それが以下である。単なる数字の比較ではなく、横綱・大関の対戦の有無によってク... -
霧馬山改め霧島の大関への道のり 下
2021年十一月場所、霧馬山は新小結に昇進した。しかし、1横綱、2大関、2関脇に全敗した。トータル6勝9敗で小結転落となった。2021年は45勝45敗となった。横綱戦2敗、大関戦4勝7敗だった。上位は4場所で勝ち越しは2場所だった。手ごたえがあった... -
朝乃山は大関に復帰できるのか
朝乃山は十両で14勝1敗優勝、13勝2敗で幕内に復帰した。十両では力の違いを見せた。それは幕内下位でも続いた。平幕相手に11勝1敗、三役、横綱相手に1勝2敗であった。トータル12勝3敗はよくやった、といっていい。 ただ関脇大栄翔、横綱照ノ富士には... -
大相撲素朴な疑問に回答
■霧馬山で慣れ親しんだのになぜ霧島に改名する必要があったのか? 確かに大関になっての改名は違和感を感じる。霧馬山は霧馬山でここまで成長したのだから、その四股名を大事にしてほしかった。霧島は霧島のイメージがあり、けして霧馬山とは重ならない。 ... -
霧馬山改め霧島の大関への道のり 上
2代目霧島こと霧馬山が入幕したのは2020年一月場所である。このとき25歳であった。大関までは20場所を要したことになる。新入幕の場所11勝4敗で敢闘賞を受賞している。 <新入幕で敢闘賞受賞> この年はコロナの流行で五月場所が中止になった。初めての... -
2023年七月場所チケット事情
七月場所のチケットは五月場所中の14日目に発売された。以前は12日目、さらにそれ以前は5日目発売のことがあった。どうも場所中の販売は歓迎しにくい。場所に集中できない。また予定がたちにくいという面がある。 大相撲は三月場所、五月場所と満員御礼を... -
再雇用制度は本当に必要か
休場続きで序二段60枚目まで番付を下げていた石浦が引退した。そして年寄間垣を襲名した。間垣は先代宮城野であった元竹葉山が再雇用されていた時の年寄名である。それを石浦に譲った。これは何を意味するのか。 <石浦> 事情通によると元白鵬の宮城野が... -
勢の引退相撲はビッグサプライズ
晴れ渡った日、勢引退春日山襲名披露大相撲にとっては快適な開催となった。鶴竜引退相撲同様、はさみをいれる方は正門から、一般のお客さんは南門からの入場になった。勢、伊勢ノ海(元北勝鬨)親方が迎える対象ははさみをいれる方のみであった。錦木が離... -
鶴竜、襲名なき引退断髪披露大相撲
6月3日、雨やまないなか鶴竜の引退断髪披露大相撲が行われた。各地にもたらした大雨は、東海道新幹線を止め 、深夜バスの到着を大幅に遅らせた。相撲仲間Aは12時に国技館に着いた。相撲仲間Bはそのころ沼津だった。 国技館前で思いがけない方に出会っ... -
次期大関は果たして誰
霧馬山改め霧島が大関に昇進した。同時に次の大関を狙う動きが始まっている。豊昇龍 8勝-10勝-11勝大栄翔 10勝-12勝-10勝若元春 9勝-11勝-10勝 3場所33勝が目安としたら豊昇龍・若元春は12勝ノルマになる。これは簡単なことではない。両者にと... -
十両のハイレベル優勝争い
十両は千秋楽を迎え、1敗豪ノ山・落合、2敗熱海富士というハイレベルな優勝争いとなった。3力士が好成績というのはなかなかお目にかからない。十両は横綱のようなとびぬけた存在がいるわけではない。だから激しい星のつぶしあいになる。 <十両優勝した... -
新大関霧馬山論
9時半前、協会の使者伊勢ノ海(元北勝鬨)と枝川(元蒼樹山)が陸奥(元霧島)部屋にはいった。霧馬山は、「大関の名を汚さぬよう今まで以上に稽古して頑張ります」と口上を述べた。新大関霧馬山が誕生した。大関は協会の看板である。師匠の名前である霧... -
2023年五月場所総評
★大相撲人気について 大阪場所15日間続いた満員御礼は、五月場所も15日間続いた。これは本物の人気である。五月場所のチケットは一挙に売れたのではなく、時間をかけての完売御礼だった。コロナが一段落したことが大きいのか、お客さんが戻ってきた。 ★優... -
2023年七月場所私製番付
2023年七月場所私製番付は、その名の通り予想番付ではない。幕内は横綱・大関との対戦圏内とそうでない2部クラスの二部構成である。これを同一視するのは合理性を欠いている。 そこで一考。番付は関脇以下を編成するため、関脇以下の成績を基本とした。た... -
■23夏千秋楽 次期大関争いの予兆
優勝は14日目照ノ富士に決まった。だが、大相撲に消化試合はない。混迷の時代優勝はほとんど12勝3敗だった。たまに13勝2敗があった程度である。 照ノ富士は14勝1敗のハイレベル優勝を達成できるか。答は限りなくイエスに近い。対戦相手が不調の大関貴景... -
■23夏14日目 霧馬山の攻めをしのぐ照ノ富士の底力
14日目結びの一番。1敗照ノ富士対2敗霧馬山の優勝をかけた大一番を迎えた。霧馬山、これまで照ノ富士に勝ったことはない。逆に見ると霧馬山は照ノ富士に勝つことで壁を超えることになる。同時に成長の証となる。 <霧馬山の攻め、照ノ富士しのぐ> 両者... -
■23夏13日目 照ノ富士対朝乃山戦を斬る
序ノ口、三段目、幕下の優勝が決まった13日目。幕内の優勝争いは1敗照ノ富士、2敗朝乃山の結びの一番に左右されることになった。これが照ノ富士の休場場所だったら、朝乃山は霧馬山とトップを並走しているところだった。そうはいかないところが運命とい... -
■23夏12日目 消える照ノ富士対貴景勝・霧馬山・大栄翔のいずれか
12日目は朝乃山の上位初挑戦であった。でも、12日目は遅すぎた。この後いかに取組編成してもあと3番が限界である。 そして上位初挑戦の対戦相手は大栄翔である。優勝争いを優先するなら1敗照ノ富士か2敗霧馬山であろう。先場所10連勝した翠富士が優勝戦... -
■23夏11日目 差がありすぎる照ノ富士と朝乃山の対戦相手
優勝の行方を決める一番、1敗朝乃対2敗明生戦は幕内前半に組まれた。ここまで朝乃山は横綱・三役はおろか上位戦が一番もない。一方明生は横綱照ノ富士戦のみでほかの上位戦はない。いわば幕内2部クラスの勝利者である。 相撲はこう展開した。立ち合い、... -
■23夏10日目 優勝戦線に変化
10日目から千代の国、炎鵬、琴勝峰が休場した。この日は関取の休場が6人、引退が2人であるから大変な欠員の日であった。幕内は19番だが、実質18番になった。ただし、休場中の高安は11日目から出場する。こうした情報は国技館内にいてもはいってくる。 1... -
■23夏9日目 優勝争いは一転して混沌
休場明けながら日々調子をあげてきた照ノ富士。9日目は好事魔多しとなってしまった。結びの一番は1敗明生との対戦になった。明生は過去横綱照ノ富士に2勝している。新横綱の場所は優勝照ノ富士からの勝利だった。 相撲は、明生あたって突きあげ右上手か... -
■23夏8日目 2023年五月場所の行方
全勝3人で迎えた8日目。まず幕内下位の朝乃山が北青鵬と対戦した。北青鵬は不利な体勢から粘っての勝ち相撲が気になっていた。どちらかというと受け身の相撲である。これでは朝乃山に通じないと思った。 <朝乃山を倒した北青鵬> 相撲は、北青鵬が立ち... -
■23夏7日目 場所前の視点は今
場所前様々な視点があった。 ■休場明け照ノ富士は大丈夫か休場明け照ノ富士には不安がつきまとっていた。これは当然のことである。ところが7日目までは全勝。しかも危なげない勝ち方が続いた。7日目は入幕2場所目の金峰山をまったく問題にしなかった。... -
■23夏6日目 大栄翔の大関昇進はあるのか
栃ノ心が引退した。初日から力が入らない相撲が続いていた。ザンバラ時代から栃ノ心を見続けてきただけに思い入れが深い。誰にもいつかその日は来る。栃ノ心にも来てしまった。元大関の終焉であった。36歳、永い間お疲れ様でした。 今日の一番は関脇同士、... -
■23夏5日目 前途多難な貴景勝
今日の一番は貴景勝対翔猿戦である。貴景勝は初日苦手阿炎を変則的な攻めで退けた。もう一人の苦手が翔猿である。もっか3連敗中である。 相撲は突き合いになった。翔猿がまわりこんではたく。そこで右四つになった。両まわしをひき、頭をつける絶好の体勢... -
■23夏4日目 勝ちたい病に取りつかれた霧馬山
今日の一番は大関を目指す霧馬山対錦富士である。場所前こう予想した。意外なことに霧馬山対錦富士戦は1度も実現していない。今年の一月場所錦富士は幕内上位だったが、取組はなかった。霧馬山は確実に勝っておきたい力士である。 しかし、実際の勝負は、... -
■23夏3日目 大関をかける場所は相撲内容が重要
今日の一番は何と言っても若元春対正代戦である。入幕2年目対元大関。まさに力のこもった一番になった。 四つ身を争って若元春おっつけ左四つ。正代ふってもろ差し、一気に出る。向こう正面、窮地の若元春が渾身の突き落とし。体が回転するように入れ変わ... -
■23夏2日目 押せない貴景勝がいた
今日の一番は豊昇龍対翠富士戦である。豊昇龍は翠富士に対して2勝5敗と苦戦している。河津掛けで勝ったことがあった。翠富士は豊昇龍にとって難敵である。 相撲は翠富士が2本入って、豊昇龍が抱え込む。この苦しい展開が続く。豊昇龍がまきかえにいくと... -
■23夏初日 注目3力士まずまずの好スタート
雲が立ち込めるなか、大相撲五月場所が始まった。年6場所だとさすがに次の場所が来るのが早く感じる。気負いからか国技館には10時半ごろ着いた。久々の4人マス。相撲仲間で占めて観戦した。 初日早々高安の休場が聞こえてきた。一番も見ることなくケガに... -
2023年五月場所直前考
2023年五月場所のチケットは完売となった。大阪場所が15日間満員御礼だったのに引き続いてことだから大相撲人気はかなり戻ってきたといえる。コロナで制限されたなかからの脱却とともに迎えた人気回復といえる。 <五月場所案内> とはいえ、通常開催にす... -
どこまで成長する!期待のホープ
さる三月場所、金峰山と北青鵬が入幕した。また、落合が幕下1場所で十両入りした。いずれも楽しみで期待が大きいホープといえる。彼らの出世争いが見ものである。 昭和40年代、期待されたホープが角界のプリンス貴ノ花、土の香りがする力士大受であった。... -
2023年五月場所気になるやつら
五月場所特に注目されているわけではないが、気になる力士がいる。場合によっては思わぬ活躍をする可能性を秘めている。そんな4力士をピックアップしてみた。 ■豊昇龍来たる五月場所で8場所連続関脇・小結在位である。これだけ定着しているのだから、実... -
躍進!若元春
来たる五月場所若元春は関脇で登場する。三月場所は小結で上位が詰まっているなかで躍進といえる。十両時代は12場所(1場所コロナ部屋ごと休場を含む)におよんでいたから入幕してからの快進撃は予想できなかった。若元春の入幕後の活躍をあらためてみて... -
霧馬山15番勝負 下
大関昇進なるか。引き続き霧馬山の対戦相手をみていこう。 6(●〇〇●〇×)8貴景勝霧馬山に1不戦勝がある。一月場所優勝した貴景勝にすくい投げで勝っている。実力は縮まってきている。貴景勝が押し切れば問題はないが、そうはいかなくなってきている。... -
逸ノ城の幕内人生 下
引き続き逸ノ城の幕内人生をみていこう。 2019年、特筆すべきは三月場所で14勝1敗をあげたことである。逸ノ城は前頭4枚目であった。大関陣の高安・豪栄道・栃ノ心戦はあった。1敗は栃ノ心によるものだった。 <2019年3月14勝1敗横綱戦なき殊勲賞> そ... -
31歳照ノ富士の行方
照ノ富士は30歳で1回優勝している。昨年11月末の31歳からは全休2場所を経て五月場所を迎える。31歳照ノ富士は再び優勝できるのか。そこで照ノ富士の31歳を検証するため、横綱出身の30歳以降の優勝を調べてみた。 <照ノ富士> 対象は15日制が定着した千... -
霧馬山15番勝負 上
現在大関は貴景勝一人である。大関が喉から手が出るほどほしい状況にある。昨年様々な優勝者が出た。御嶽海は大関に昇進したが短命に終わった。ほかの優勝者は大関につながらなかった。その中で霧馬山が連続2ケタ勝利で大関に挑戦できる立場に立った。霧... -
逸ノ城の幕内人生 上
引退した逸ノ城は長い間湊(元湊富士)部屋の看板力士であった。湊部屋は幕下力士がいないから看板力士は当分生まれない。諒兎馬が幕下にいたが、現在は三段目筆頭である。逸ノ城は部屋の看板力士として関取生活は53場所に及んだ。その逸ノ城はどのような... -
逸ノ城引退の読み!?
幕内に復帰した逸ノ城が突然引退した。先場所朝乃山戦を制し、14勝1敗で十両優勝しただけに意外な感じがした。理由は腰痛だという。確かに力士は腰との戦いがある。マッサージを受けながら土俵にあがる力士がいるほどである。 <逸ノ城> しかし、突然と... -
角番貴景勝の期待値
優勝から一転角番となったのが貴景勝である。貴景勝は6度目の角番である。1度は失敗して関脇に降格している。大関在位22場所中7場所負け越している。 <三月場所6日目御嶽海に敗れた翌日から休場> 貴景勝の法則というのがある。押せなくなったときは危...