いつの時代も年寄株は高値の花である。千代の富士が一代年寄を選
択せず、九重部屋を継承したとき、受けていれば一人助かったのに、
と言われた。現代、一代年寄は事実上封印され、復活することはな
さそうである。これは貴乃花にこりたためで、白鵬は損をみたこと
になった。一代年寄には名誉以外に功労金がわりの意味があったか
らである。
年寄株は105ある。これは昭和2年東西合併がなったときから始ま
った。東京相撲88、大阪相撲17がそのままあわさったものである。
ただし、現在はない年寄名がある。東京相撲では式守伊之助、木村
庄之助、根岸である。大阪相撲では荒岩である。また、鏡山は東京・
大阪相撲でダブっている。
当時なかった年寄名は以下である。
安治川
大島
北陣
不知火
西岩
2025年に定年を迎えるのは4人である。
伊勢ヶ濱(元旭富士)
大嶽(元大竜)
陣幕(元富士乃真)
白玉(元琴椿)
ただ、再雇用(70歳までできる)を希望すると年寄株に空きはでき
ないことになる。部屋持ちは再雇用では師匠になれない。
伊勢ケ濱部屋は誰が継ぐのか。照ノ富士は現在株がない。宝富士は
桐山をもっている。照ノ富士が空き株か遺族持ちの株を入手すれば
スンナリいく。あるいは荒汐部屋のように先代師匠は再雇用される
ことなく株及び部屋を譲る方法はある。どうなるか見方は様々ある。
大嶽部屋はいったん閉鎖にして一門の部屋に併合するか、一門の親
方を迎えて部屋を継続するかである。いずれにせよ、部屋は大鵬の
孫である王鵬がいずれ継承か復活することになる。大鵬道場は納谷
家に戻ってくることになる。
部屋付きの陣幕、白玉は再雇用を希望すれば問題はない。ただ、最
近の傾向としては再雇用の途中で株を譲るケースがでてきている。
条件しだいかもしれないが、元若嶋津の荒磯、元琴風の尾車、元大
徹の湊川などの例がある。なお、現時点では再雇用は6人いる。今
年の定年予定者が全員再雇用になれば一気に10人になる。
果たして年寄株に動きはみられるのか。微妙な時代に入っている。