大の里の入幕1年が終わった。その内容は驚異であった。入幕3場
所目、5場所目に優勝した。これは年大横綱大鵬の6場所目を抜い
た。また、入幕5場所目に大関に昇進した。これは大鵬の7場所目
を超えた。
ただ、年間勝利数は大鵬に及ばなかった。大鵬は入幕1年目66勝24
敗だったが、大の里は65勝25敗だった。新大関の十一月場所、9勝
6敗に終わったことが響いた。琴櫻に九月場所まで4勝差をつけな
がら逆転を許す要因になった。
大鵬は大関5場所で横綱に昇進した。大の里はあと4場所となる。
大鵬は入幕したときから将来横綱になる逸材とみられていた。大の
里は優勝のあとがいずれも9勝6敗でマイナスに働いている。
大鵬は入幕した年から引退する年まで毎年優勝があった。これは優
勝45回の白鵬でもなしえていない。ポイントは新入幕の年の優勝に
ある。大の里はこれを満たしているので、ケガがなければあるかも
しれない。
大鵬の記録はほかにもある。2度にわたる6連覇である。解説の神
風さんは、大鵬が引退したときこの記録が最も評価できると語って
いた。今の大の里には想像ができない。
大鵬には45連勝がある。誤審でストップされたため、実質は48連勝
+αである。連勝は大横綱の領域である。大の里は大横綱になれる
か。大鵬は負けない相撲だった。大の里は攻撃的相撲であるため波
乱の要因が大きくなる。
大鵬は32回優勝した。大鵬は21歳のとき横綱になった。学生相撲だ
ったらこうはいかない。大の里はすでに24歳である。この年齢差が
影響しそうである。
大の里の大鵬超えは今後難しさを増しそうである。