前日まったくいいところなく敗れた豊昇龍。それだけに2日目の相
撲が注目された。阿炎から半枚下がった若隆景が相手である。場所
前「豊昇龍15番勝負」を記した。そこでは若隆景戦は四つ相撲だけ
に波乱は少ないとみた。復帰後の若隆景に2勝0敗である。
しかし、実際の相撲は立ち合いから離れて取った。豊昇龍は自ら離
れることはけっこうある。離れて取ると破綻もおきやすい。それを
あえて取るのは自信の表れか。若隆景を後退させ、差して最後は正
面土俵に寄り切った。豊昇龍、2日目の相撲は持ち味をだし、最高
の相撲を取った。

油断することなく今後の土俵を締めていただきたい。横綱の使命は
常に優勝争いをすることである。先輩横綱はいなく一人横綱だが、
横綱OBはいる。彼らから教えを受けるのも一考である。
前日力なく負けた琴櫻が見違える一番を取った。豪ノ山相手につか
まえ、そのまま寄り切った。琴櫻はとにかく気迫をみせることであ
る。必死さは観客に伝わる。

大の里はパワー相撲で霧島を寄せ付けなかった。これこそ大の里の
相撲である。優勝したときは圧倒する相撲がさえ渡った。大関にな
って存在感が薄れた。今場所は存在感を示さないと忘れ去られてし
まう。そういう意味で大事な場所になる。

3強は2日目にいい相撲を取り安泰だった。先場所は大関1人と平
幕2人の優勝争いだった。番付は何のためあるのか。今場所は横綱・
大関の存在感を示していただきたい。