豊昇龍が横綱に昇進した。口上は「横綱の名を汚さぬよう気魄一閃
の精神で精進します」だった。横綱昇進成績は3場所33勝、4場所
42勝、5場所52勝である。1場所平均11勝、10,5勝、10,4勝であ
る。これのどこが横綱に値するのか。いかにも強引で無理に押し上
げたようにしか映らない。13勝以上は昨年の十一月場所だけである。
その場所だけが特別であっただけである。
以下の成績をみていただきたい。いずれも横綱を見送られている。
◎は優勝
玉錦 ◎9-2 ◎9-2 ◎10-1
千代ノ山8-5 12-3 ◎13-2 ◎12-3
玉錦は年4場所制で千代の山は年3場所制である。千代ノ山は新大関
から連続優勝した。
玉乃島 9-6 11-4 12-3 12-3 ◎13-2
旭富士 11-4 12-3 ◎14-1 12-3 12-3
12-3 12-3 14-1 13-2 13-2
小錦 12-3 11-4 ◎13-2 12-3 ◎13-2
貴乃花◎14-1 11-4◎14-11 11-4◎15-0
師匠の元大関貴ノ花の二子山親方はりっぱな成績だと思うけどねえ、
とぼやいていた。
いずれも豊昇龍の10勝-9勝-8勝-13勝-◎12勝を凌駕している。豊
昇龍がいかに甘い以前の成績でつくられた横綱であるかがわかる。
そもそも横綱審議委員会はこれまで弱い横綱、物足りない横綱を誕
生させてきた。その反省の弁を聞いたことがない。だから同じ誤り
を繰り返す。最終決定は協会だから協会も同様である。
横綱はつくるものではない。どうぞ横綱になってください。そう思
えるほどの力量抜群の力士がなるべくしてなるものである。力量抜
群とは時代を築けるほどの実力である。
横綱に求められるものは常勝、安定性、盤石である。これを継続で
きる力が必要である。栃木山はこう語っている。大関は関脇・小結
の倍稽古しろ。横綱は大関の倍稽古しろ。そうしないと地位を維持
できない。