横審誕生以降の横綱昇進成績をだしてみた。横綱では千代の山以降
になる。成績は横綱直前5場所にした。これは解説の玉の海さんの
安定感をみる持論によるものである。それが以下である。
直前5場所に13勝以上が3回あるのは佐田の山、輪島、2代目若乃
花、千代の富士、曙、貴乃花の6人である。ただし、佐田の山は9
勝以下が1場所あり、曙は2場所ある。5場所の最高成績は66勝9
敗の貴乃花である。次が63勝12敗の輪島と千代の富士である。9勝
以下が3場所あるのが栃錦、琴櫻、旭富士である。もっとも栃錦の
場合は年4場所制だった。
横綱というのは容易ならざる地位である。いったんなったら落とす
わけにはいかない。そうであるなら昇進には慎重であるべきだ。し
かし、現実は興行上横綱を欠くことは避けたい。
その結果、同じ横綱でも差がついてしまった。これは大きな問題点
であるのだが、解決に動いたことはない。双葉山と武蔵山では天と
地ほどの開きがある。横綱になって1回も優勝できなかった昭和以
降の横綱は7人もいる。武蔵山、男女ノ川、安藝ノ海、前田山、吉
葉山、双羽黒、3代目若乃花である。同様に横綱優勝1回は朝潮、
栃ノ海、琴櫻、大乃国、旭富士、稀勢の里と6人いる。
大横綱は本来弱い横綱、物足りない横綱の上で成り立つものではな
い。強豪横綱の中から生まれるものである。国技館開設以降の10大
横綱は以下である。
常陸山
太刀山
栃木山
双葉山
大鵬
北の湖
千代の富士
貴乃花
朝青龍
白鵬
こうみてくると2代目琴櫻の横綱昇進うんぬんは時期尚早である。
成績も11勝-10勝-8勝-14勝優勝-?である。14勝あげても60勝
に届かない。九月場所の8勝がどうしても気になる。豊昇龍にしても
10勝-9勝-8勝-13勝-?だから論外である。
弱い横綱、物足りない横綱は見たくない。失敗しない横綱はどうす
れば生まれるのか。その視点が求められるし、5場所直前成績はそ
の一つである。