横綱審議委員会ができてからの横綱(千代の山〜照ノ富士の33人)で、昇進直前5場所の成績が最も良かったのは貴乃花の66勝9敗だった。輪島と千代の富士の63勝12敗、照ノ富士の62勝13敗が続く。その後に横綱になった大の里は58勝17敗、豊昇龍は52勝21敗2休である。
33人は田口 通廣が2025年1月に作った表(下の画像)による。大の里と豊昇龍は日本相撲協会の力士プロフィールから当サイトが数えた。横綱審議委員会の内規と綱取りは横綱昇進の条件とはにまとめている。
横綱昇進前5場所の成績|千代の山から照ノ富士までの33人
田口は、横綱審議委員会ができてからの横綱の昇進成績を、直前5場所で並べた。5場所にしたのは、解説者だった玉の海さんの、安定感を見る持論による。横綱では千代の山以降になる。
| 横綱 | 5場所前 | 4場所前 | 3場所前 | 2場所前 | 直前 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 千代の山 | ◎12勝3敗 | 9勝6敗 | 11勝4敗 | 8勝7敗 | ◎14勝1敗 | 54勝21敗 |
| 鏡里 | 12勝3敗 | 11勝4敗 | 11勝4敗 | 12勝3敗 | ◎14勝1敗 | 60勝15敗 |
| 吉葉山 | 6勝3敗6休 | 10勝5敗 | 14勝1敗 | 11勝4敗 | ◎15勝0敗 | 56勝13敗6休 |
| 栃錦 | 8勝7敗 | 9勝6敗 | 9勝6敗 | ◎14勝1敗 | ◎14勝1敗 | 54勝21敗 |
| 初代若乃花 | 10勝5敗 | 11勝4敗 | 11勝4敗 | 12勝3敗 | ◎13勝2敗 | 57勝18敗 |
| 朝潮 | 10勝5敗 | 11勝4敗 | ◎14勝1敗 | 11勝4敗 | 13勝2敗 | 59勝16敗 |
| 大鵬 | 10勝5敗 | 12勝3敗 | 11勝4敗 | ◎13勝2敗 | ◎12勝3敗 | 58勝17敗 |
| 柏戸 | ◎13勝2敗 | 12勝3敗 | 10勝5敗 | 11勝4敗 | 12勝3敗 | 58勝17敗 |
| 栃ノ海 | 10勝5敗 | 8勝7敗 | 11勝4敗 | ◎14勝1敗 | 13勝2敗 | 56勝19敗 |
| 佐田の山 | 11勝4敗 | 8勝7敗 | 13勝2敗 | 13勝2敗 | ◎13勝2敗 | 58勝17敗 |
| 北の富士 | 9勝6敗 | 9勝6敗 | 12勝3敗 | ◎13勝2敗 | ◎13勝2敗 | 56勝19敗 |
| 玉の海 | 8勝7敗 | 9勝6敗 | ◎13勝2敗 | 10勝5敗 | 13勝2敗 | 53勝22敗 |
| 琴櫻 | 1勝2敗12休 | 8勝7敗 | 9勝6敗 | ◎14勝1敗 | ◎14勝1敗 | 46勝17敗12休 |
| 輪島 | 13勝2敗 | 11勝4敗 | 11勝4敗 | 13勝2敗 | ◎15勝0敗 | 63勝12敗 |
| 北の湖 | 10勝5敗 | ◎14勝1敗 | 10勝5敗 | ◎13勝2敗 | 13勝2敗 | 60勝15敗 |
| 2代目若乃花 | 10勝5敗 | 10勝5敗 | 13勝2敗 | 13勝2敗 | 14勝1敗 | 60勝15敗 |
| 三重ノ海 | 10勝5敗 | 11勝4敗 | 10勝5敗 | 13勝2敗 | 14勝1敗 | 58勝17敗 |
| 千代の富士 | 11勝4敗 | ◎14勝1敗 | 11勝4敗 | 13勝2敗 | ◎14勝1敗 | 63勝12敗 |
| 隆の里 | 10勝5敗 | 8勝7敗 | 12勝3敗 | 13勝2敗 | ◎14勝1敗 | 57勝18敗 |
| 双羽黒 | 12勝3敗 | 10勝5敗 | 10勝5敗 | 12勝3敗 | 14勝1敗 | 58勝17敗 |
| 北勝海 | 12勝3敗 | 8勝7敗 | 11勝4敗 | ◎12勝3敗 | 13勝2敗 | 56勝19敗 |
| 大乃国 | 9勝6敗 | 9勝6敗 | ◎15勝0敗 | 12勝3敗 | 13勝2敗 | 58勝17敗 |
| 旭富士 | 8勝7敗 | 9勝6敗 | 8勝7敗 | ◎14勝1敗 | ◎14勝1敗 | 53勝22敗 |
| 曙 | ◎13勝2敗 | 全休 | 9勝6敗 | ◎14勝1敗 | ◎13勝2敗 | 49勝11敗15休 |
| 貴乃花 | 11勝4敗 | ◎14勝1敗 | 11勝4敗 | ◎15勝0敗 | ◎15勝0敗 | 66勝9敗 |
| 3代目若乃花 | 12勝3敗 | 10勝5敗 | 10勝5敗 | ◎14勝1敗 | ◎12勝3敗 | 58勝17敗 |
| 武蔵丸 | 11勝4敗 | 11勝4敗 | 8勝7敗 | ◎13勝2敗 | ◎13勝2敗 | 56勝19敗 |
| 朝青龍 | 11勝4敗 | 12勝3敗 | 10勝5敗 | ◎14勝1敗 | ◎14勝1敗 | 61勝14敗 |
| 白鵬 | 8勝7敗 | 全休 | 10勝5敗 | ◎13勝2敗 | ◎15勝0敗 | 46勝14敗15休 |
| 日馬富士 | 11勝4敗 | 11勝4敗 | 8勝7敗 | ◎15勝0敗 | ◎15勝0敗 | 60勝15敗 |
| 鶴竜 | 10勝5敗 | 9勝6敗 | 9勝6敗 | 14勝1敗 | ◎14勝1敗 | 56勝19敗 |
| 稀勢の里 | 13勝2敗 | 12勝3敗 | 10勝5敗 | 12勝3敗 | ◎14勝1敗 | 61勝14敗 |
| 照ノ富士 | 13勝2敗 | 11勝4敗 | ◎12勝3敗 | ◎12勝3敗 | 14勝1敗 | 62勝13敗 |

5場所の勝ち星の上位|貴乃花66勝・輪島と千代の富士63勝
| 順位 | 横綱 | 直前5場所の勝ち星 |
|---|---|---|
| 1 | 貴乃花 | 66勝 |
| 2 | 輪島 | 63勝 |
| 同 | 千代の富士 | 63勝 |
| 4 | 照ノ富士 | 62勝 |
| 5 | 朝青龍 | 61勝 |
| 同 | 稀勢の里 | 61勝 |
| 7 | 鏡里 | 60勝 |
| 同 | 北の湖 | 60勝 |
| 同 | 2代目若乃花 | 60勝 |
| 同 | 日馬富士 | 60勝 |
5場所の最高成績は貴乃花の66勝9敗で、次が輪島と千代の富士の63勝12敗である、と田口は書いている。表では、照ノ富士の62勝13敗がそれに続く。
13勝以上が3回・9勝以下が3場所|田口の読み
田口は本文で、直前5場所に13勝以上が3回あるのは佐田の山・輪島・2代目若乃花・千代の富士・曙・貴乃花の6人だと書いている。ただし佐田の山には9勝以下が1場所、曙には2場所ある。同じ表を数えると、北の湖(14勝・13勝・13勝)も3回である。

逆に、9勝以下が3場所あるのは栃錦・琴櫻・旭富士の3人である。もっとも栃錦のときは年4場所制だった、と田口は添えている。
横綱になってからの差|昭和以降で優勝0回の7人・1回の6人
横綱は容易ならざる地位で、いったんなったら落とすわけにはいかないから、昇進には慎重であるべきだ、と田口は書く。しかし現実には、興行の上で横綱を欠くことは避けたい。
その結果、同じ横綱でも差がついてしまった、と田口は見ている。これは大きな問題点なのに、解決に動いたことはない、とも書いている。
双葉山と武蔵山では天と地ほどの開きがある。横綱になって1回も優勝できなかった昭和以降の横綱は、武蔵山・男女ノ川・安藝ノ海・前田山・吉葉山・双羽黒・3代目若乃花の7人。横綱での優勝が1回だったのは、朝潮・栃ノ海・琴櫻・大乃国・旭富士・稀勢の里の6人である(2025年1月の田口の記述)。
大横綱は、弱い横綱や物足りない横綱の上に成り立つものではなく、強豪横綱の中から生まれる、と田口は書く。田口が挙げる国技館開設以降の10大横綱は、常陸山・太刀山・栃木山・双葉山・大鵬・北の湖・千代の富士・貴乃花・朝青龍・白鵬である。
2025年1月の田口の見立て|琴櫻は時期尚早、豊昇龍は「論外」

この記事を書いた2025年1月、田口は2代目琴櫻の横綱昇進は時期尚早だと書いた。成績は11勝・10勝・8勝・14勝(優勝)で、一月場所に14勝しても5場所で60勝に届かず、九月場所の8勝がどうしても気になる、という理由だった。豊昇龍も10勝・9勝・8勝・13勝で、論外だとしている。
弱い横綱、物足りない横綱は見たくない、と田口は書く。失敗しない横綱はどうすれば生まれるのか。その視点が求められ、直前5場所の成績はその一つだ、と結んでいる。
その後|豊昇龍と大の里が横綱に
豊昇龍は2025年一月場所に12勝3敗で優勝し、横綱に上がった。琴櫻はこの場所5勝10敗だった。大の里は2025年五月場所の14勝1敗の優勝で横綱に上がっている(日本相撲協会の力士プロフィール)。
| 横綱 | 5場所前 | 4場所前 | 3場所前 | 2場所前 | 直前 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 豊昇龍 | 10勝5敗 | 9勝4敗2休 | 8勝7敗 | 13勝2敗 | ◎12勝3敗 | 52勝21敗2休 |
| 大の里 | ◎13勝2敗 | 9勝6敗 | 10勝5敗 | ◎12勝3敗 | ◎14勝1敗 | 58勝17敗 |
田口が別の連載で示した案(直前3場所38勝など)に2人を当てはめた計算は横綱昇進を検証する2に、横綱になってからの2人の成績は横綱 豊昇龍とは・横綱 大の里とはにある。
横綱の昇進成績についてよくある質問
Q. 横綱昇進前5場所の成績が最も良かった横綱は?
A. 千代の山から照ノ富士までの33人(田口の表)では、貴乃花の66勝9敗です。輪島と千代の富士の63勝12敗が続きます。
Q. 直前5場所で13勝以上が3回ある横綱は?
A. 田口は佐田の山・輪島・2代目若乃花・千代の富士・曙・貴乃花の6人と書いています。同じ表では北の湖(14勝・13勝・13勝)も3回です。
Q. 豊昇龍と大の里の昇進前5場所の成績は?
A. 豊昇龍は52勝21敗2休、大の里は58勝17敗です(日本相撲協会の力士プロフィールから当サイトが数えた)。
Q. 横綱になって一度も優勝できなかった横綱は?
A. 田口によれば、昭和以降では武蔵山・男女ノ川・安藝ノ海・前田山・吉葉山・双羽黒・3代目若乃花の7人です(2025年1月の記述)。
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