幕下には外国出身力士が9人いる。といっても全員モンゴル出身で
ある。幕下の一大勢力である。大翔鵬は元関取だが、8人は関取を
目指しての戦いが続いている。彼らの可能性をみていこう。
琴拳龍
佐渡ヶ嶽(元琴ノ若)部屋 21歳
最高位幕下8 幕下成績43勝34敗 12場所
十両の琴栄峰とは同期である。序ノ口では優勝決定戦で琴手計(当
時の四股名)に敗れた。今年(2025年)の一月場所9日目、栃武蔵
と3分30秒の熱戦となった。二番後取り直しとなった。幕下以下は
水が入らない。取り直しも熱戦となったが、最後琴拳龍が寄り切っ
た。今年は勝負の年である。琴栄峰を追いかけ追い抜け。

出羽ノ龍
出羽海部屋(元小城ノ花)23歳
最高位幕下3 幕下成績91勝67敗10休 25場所
朝青龍、白鵬の両横綱にあこがれ、力士を夢見た相撲少年だった。
高校は福岡の強豪校希望が丘高校に進学した。日本語は来日前から
学んでいた。卒業後、出羽海部屋に入門。四つ相撲を突き押し中心
の相撲に変えている。2021年五月場所は阿炎と6戦全勝同士で幕下
優勝を争ったが、敗れて優勝を逃している。いささか幕下生活が長
くなってきた。きっかけが必要である。

風の湖
押尾川(元豪風)部屋 22歳
最高位幕下16 幕下成績34勝29敗 10場所
四股名の湖はモンゴル最大の湖のウヴス湖からきている。日本の希
望が丘高校に入学し、相撲部で活躍した。2023年一月場所優勝決定
巴戦を制して序ノ口優勝している。幕下では一進一退気味だけに突
破力がほしい。

北天海
尾上(元濱ノ嶋)部屋 26歳
最高位幕下5 幕下成績86勝76敗20休 27場所
埼玉栄高校相撲部監督に誘われ相撲部に入部した。卒業後は尾上部
屋に入門した。序ノ口から1年で幕下入りを果した。三段目で優勝
した後の幕下ではいきなり15枚目に上がった。そこで5勝2敗と見
事勝ち越した。だが、そこから4年1場所経過しても十両は見えて
こない。三月場所は幕下29枚目である。このまま終わるとは思いた
くない。

(この項目続く)