事件は北青鵬の悪質な弟弟子への暴行から始まった。北青鵬は引退
勧告で引退した。力士が暴行したらどうなるか、前例で分かってい
たはずである。力士が相撲を辞めてできることはそうない。力士以
上に稼げる職はそうない。誠に愚かな行為であったわけである。
元白鵬の宮城野が適切な指導及び協会への報告が遅れ過ぎたとして
降格減給処分された。また、2024年三月場所は玉垣(元智乃花)が
師匠代行になった。五月場所から力士と親方は伊勢ヶ濱(元旭富士)
部屋へ移籍した。宮城野は師匠修行の身になったわけである。
しかし、伊勢ヶ濱部屋は2度暴行事件をおこした部屋である。最初
にこのニュースを知ったとき、なんと皮肉な結末かと思った。師匠
の資格を言うなら、やる気のない元高見盛を東関部屋の師匠にした
のは何だったのか。どうもちぐはぐで一貫した基準のなさを感じる。
さて宮城野部屋の復活は今年あるのか。伊勢ヶ濱の定年は7月5日
までである。ここが節目になる可能性はある。さらにほかの部屋へ
移籍といっても、先輩親方は元魁皇の浅香山部屋になる。ただ、浅
香山部屋には関取がいない。
木瀬(元肥後ノ海)部屋は暴力団との関係から部屋を閉鎖された。
2010年5月末のことであった。2013年三月場所中に木瀬部屋復活が
決定した。宮城野部屋はこのケースとは異なる。相撲ファンは宮城
野部屋の復活を望んでいる。昨年の大阪場所では宮城野がんばれの
声援を聞き、文字で見た。現在の形は宮城野部屋出身力士にとって
は二重師匠であり、いびつである。