新横綱豊昇龍がまさかの千代翔馬に敗れた。同時に横綱初の金星を
献上することになった。先場所久々の対戦となった。そこで豊昇龍
は危なげなく勝っていた。それだけに千代翔馬には豊昇龍を脅かす
要素がみあたらないはずだった。
千代翔馬は変化にいってまわしを取った。体勢を崩した豊昇龍を組
み止め、西土俵に追い詰め寄り切った。重心の位置が違った。豊昇
龍に残すすべはなかった。千代翔馬の頭脳戦の勝利になった。

豊昇龍は序盤戦で早くも2敗となった。このあと全部勝てば13勝2
敗である、というのはリアリティがない。机上の空論である。そも
そも豊昇龍は本当に横綱の実力があるのか。根本論に行き着く。3
場所33勝の豊昇龍のどの辺が横綱にふさわしかったのか。賛成した
者は明確に答える義務がある。
大関で1敗の大の里は翔猿と対戦した。これまで4勝1敗の対戦成
績である。相撲は、大の里の馬力に翔猿が吹っ飛んだ。横綱・大関
陣で唯一の1敗である。ただし、どこまで続くかは予測つかない。

上位で1敗がもう一人いる。高安である。横綱・大関の対戦圏内で
ある。ただし、横綱・大関戦はまだない。関脇・小結戦もない。こ
の日は豪ノ山と対戦した。最後はたき込んで1敗を守った。6日目
関脇大栄翔と対戦する。

今場所は絶対強者が不在である。優勝争いは混沌となる方向へ向か
っている。