三月場所、安青錦の入幕は濃厚である。安青錦の出世街道をみてい
こう。

安青錦は相撲少年であった。7歳から取り組んだ。ウクライナ出身
だが、ヨーロッパの相撲人口は多い。2022年2月ロシアのウクライ
ナ侵攻が運命を変えた。国立大学に合格していたが、戦火を逃れて
相撲が取れる環境を求めて来日した。稽古していた学校の監督のつ
てで安治川部屋に入門した。

2023年九月場所前相撲。そこからが驚異のスピード出世だった。
序ノ口 7勝優勝
序二段 7勝優勝
三段目 6勝1敗
幕下 6勝1敗
幕下 6勝1敗
幕下 6勝1敗

幕下は体と技術がある程度できあがっている。ホープでも壁にあた
ることがある。貴乃花、朝青龍は幕下で負け越したことがある。白
鵬は序ノ口、三段目で負け越している。安青錦は幕下を3場所18勝
3敗で突破してしまった。

2024年十一月場所十両に昇進した。1年前は序ノ口であった。15日
間連日相撲を取って10勝5敗の成績を残した。負けた力士は欧勝海、
栃大海、剣翔、玉正鳳、金峰山である。幕内では金峰山戦が実現す
るかもしれない。

翌場所は12勝3敗と優勝を争った。ウクライナの先輩獅司との直接
対決に負けたのが響いた。優勝は13勝2敗の獅司となった。ほかに
友風・竜電に敗れた。幕内で獅司、竜電にリベンジできるか。
頭を低くして下からの攻めが得意。右四つ寄りを中心に押し、投げ
もある。180センチ136キロ。三月場所中に21歳になる。